外国語の契約書レビューがはかどる!生成AIフル活用テクニック
1. 翻訳+意図確認まで、ChatGPTで完結
まずおすすめなのが、DeepLで訳して終わりにしないこと。ChatGPTに以下のようなプロンプトで条文の趣旨を確認するだけで、理解がグッと深まります。
(英文条文を貼り付け)
このプロンプトは、契約目的・立場・商習慣などを考慮した説明が返ってくるため、レビュー判断の助けになります。
2. 「問題点の指摘」も任せてよし
次に便利なのが、条文のリスク分析や、日本法との整合性の確認。実際の業務では、ChatGPTに次のように依頼しています。
(英文条文を貼り付け)
このように頼めば、形式的な翻訳では見逃しやすい懸念点(例:損害賠償責任の範囲、裁判管轄、解除条件など)を拾ってくれます。
3. ChatGPTを相棒化する3ステップ
- 英文をChatGPTに直接貼る
- 「どんな条文?」と趣旨確認
- 「問題ある?」とリスク確認
この3ステップで、誤訳・解釈ミス・見落としを大幅に防げます。ChatGPTは「英文を読み飛ばす」のではなく、「一緒に読んでくれる相棒」として使うのがコツです。
4. AIの”それっぽい訳”にツッコミを入れるクセをつける
ChatGPTやDeepLは非常に優秀ですが、ときに「それっぽいけど微妙に間違っている」訳を返してくることがあります。特に契約書のような緻密な文書では、1語の違いで意味が逆になることも。
例えば、「subject to the terms herein」が「本契約に従うものとする」と訳されたとしても、文脈によっては「本契約の条件が優先する」意味になり、契約上の優劣関係が逆転してしまう可能性があります。
そこで重要なのは、「一度訳されたものにも疑ってかかる」こと。ChatGPTに対しても、次のような確認を加えて精度を上げています。
(翻訳済みの日本語文と元の英文を貼り付け)
このようにツッコミを入れることで、AIの”うっかり間違い”を事前に防ぐことができます。生成AIは「一発で正解を出す道具」ではなく、こちらから問い直すことで真価を発揮する相棒だと考えると、レビューがはかどります。
5. 長文もブロック単位で分けて聞く
ChatGPTは長すぎる条文だと文脈を誤ることがあります。その場合は、1条ごと、あるいは1文ずつ分解して聞くと精度が上がります。また、「この前後関係も考慮して」と伝えると、より正確な趣旨説明が得られます。
まとめ:翻訳ツール+生成AIで”解釈力”を強化
外国語の契約書レビューでは、翻訳だけで終わらず、「趣旨をつかむ」「リスクを見る」「AIの誤訳を見抜く」という工程がカギになります。生成AIを相棒として使い倒せば、法律知識の補完+時短+精度向上が実現します。
そしてもちろん、会社の予算が使えるのであれば、最終的には弁護士の確認を入れるのが最強です。生成AIで事前検討を進めておけば、弁護士への相談も的確かつ効率的になり、ダブルで安心できます。
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