法務部員の「言い換え辞典」〜やんわりNOと言う30のフレーズ〜
法務部は「NO」を言う局面が多い一方で、伝え方次第で社内の受け取り方が大きく変わります。本稿では、メール・会議・契約レビューなどシチュエーション別に即使える「やんわりNO」フレーズを30例収録しました。実務で使える具体例をそのままコピーして使えます。
✉️ メールで断るときのやんわりフレーズ
直訳「NO」 | 言い換えフレーズ |
---|---|
できません | 現時点では難しい状況です |
無理です | 慎重に検討した結果、今回は見送らせていただきます |
担当外です | ◯◯部門が主体となる事項かと存じます |
対応できません | 現状の体制では対応が難しい可能性があります |
やりたくないです | リスクの観点からご一考いただけますと幸いです |
メールだと文面が独り歩きしやすいので、根拠(規程・前例・リソース不足など)を一文添えると受け止められ方が変わります。必要に応じて同時に代替案(誰が対応するか、いつなら可能か)を提示しましょう。
🧠 会議中・口頭で使える即応フレーズ
ストレートNG | 言い換え例 |
---|---|
それはダメです | 少し懸念があります |
絶対無理です | 慎重な判断が求められるかと思います |
やる意味ないです | 目的との整合を再確認したほうが良いかもしれません |
間違ってます | 趣旨としてはこういう理解も可能かと |
法的にアウトです | 法令上、一定の制限がある可能性があります |
会議ではトーンが重要です。相手の意図をまず受け止めてから懸念点を伝えると、議論の着地点が作りやすくなります。
📝 契約書レビュー・修正依頼のときに
ストレート修正要求 | やんわり言い換え |
---|---|
修正してください | 念のため、こちらの表現もご検討ください |
この条文は不適切です | この点、別の表現の方が意図が明確になるかと思います |
誤記です | おそらく誤記と存じますが、いかがでしょうか |
これでは不十分です | もう少し補足いただけると助かります |
交渉になりません | このままだと、合意形成が難しい懸念があります |
契約書レビューでの「言い換え」は、相手との交渉を壊さずにリスクを下げるための重要スキルです。AIチェックやガイドライン参照を併用して論点を明確にする運用も有効です(AI契約チェックの実務的な注意点は当サイトのガイドを参照してください)。
🚨 断るだけでは済まないときの“ワンクッション”
本音 | 言い換え例 |
---|---|
それは勘弁してほしい | 影響が大きいため、一度社内で持ち帰らせてください |
正直ありえない | 前例のない対応となるため、慎重に進める必要があります |
怒ってます | 少し驚いております |
またこの話か… | 前回もご提案いただいた内容かと存じますが… |
もう限界です | リソース的にも厳しい状況が続いており… |
経営判断に影響する事案は、まず社内の切り分けと社外(弁護士等)へのエスカレーションの要否を整理してから返答すると安全です(弁護士に確認するタイミングに関する考え方は当サイトの解説を参照)。
🎁 番外編:ChatGPTに言い換えさせてみたら…?
AIは言い換えやトーン調整に便利ですが、最終判断は人(法務/弁護士)である点に注意してください。AI活用の実務的アドバイスは当サイトのAI活用ガイドも参考にしてください。
まとめ
「NO」を伝えるときに大切なのは、断り方(トーン・根拠・代替案)。法務は単なる”拒否部門”ではなく、社内外の調整役です。ここにある表現をテンプレ代わりに、相手と合意を作るコミュニケーションを目指しましょう。
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