ChatGPT活用例

ChatGPTにどこまで任せられる?

ChatGPTにどこまで任せられる?契約法務での実用ラインを整理してみた

生成AI、とくにChatGPTのようなテキスト生成AIは、契約法務の業務においても活用が進みつつあります。
しかし、「どこまで任せていいのか?」「人間の確認はどこまで必要なのか?」といった疑問は多くの実務家が感じるところではないでしょうか。

この記事では、契約法務の立場から、ChatGPTの活用範囲と限界、任せられる業務・任せてはいけない業務を整理します。


◆ 任せられること:法務実務の「たたき台」づくり

ChatGPTは、一定のルールや形式に従ってテキストを生成・整理する作業が得意です。
そのため、以下のような業務においては「時間短縮」や「ゼロから考える負担の軽減」が期待できます。

✅ 任せられる業務例

業務領域任せ方の例(プロンプトで依頼)
契約書の初期ドラフト「売買契約のたたき台を作って」「NDAの雛形を生成して」など
条項の文言比較「この2つの免責条項の違いを説明して」など
社内向けQA案の作成「競業避止条項について、簡単に説明する案を出して」など
英文契約書の要約「この契約書の内容を要点だけ日本語でまとめて」など
メール・通知文案「請負契約終了の連絡文を丁寧に書いて」など

💡 ポイント:
任せられるのは 「ゼロから草案を作る」「ざっくり理解する」 というレベルです。
条文の正確性や法的判断の確定には、必ず人の目が必要です。


◆ 任せてはいけないこと:法的判断・最終確認・相手方提出

生成AIは「もっともらしい文章」を作るのが得意ですが、それが正確である保証はありません
法的なニュアンスやリスクの判断はまだ人間の専門性に委ねる必要があります。

❌ 任せてはいけない業務

  • 契約書の最終レビュー(リーガルチェック)
  • 実際の契約交渉や相手方提出前の確定文書作成
  • 個別事情を加味した法的アドバイス
  • 非弁行為に抵触する社外対応(相談・代理など)

⚠️ 注意
ChatGPTは自信満々に「誤情報」を出すことがあります(いわゆる“ハルシネーション”)。
「っぽいけど間違ってる」文言が一番リスクなので、法的判断や確定文書には絶対に使わないようにしましょう。


◆ 法務実務者としての使いどころ:補助的ツールとして割り切る

ChatGPTは、法務担当者の仕事を奪うのではなく、効率化を支援する補助ツールとして活用するのが現実的です。

✍️ おすすめの使い方:

  • 資料作成や説明資料のドラフト起案
     → 社内への法務説明やガイドライン作成に活用
  • 文書の分かりやすさチェック
     → 難解な契約条項を読みやすく言い換える練習に
  • アイデア出しや類似表現の検索
     → 条項例や代替文案の発想補助として
  • 読み返す時間がないときの「第一読者」
     → 自分の書いた条文を読ませて要約させ、論理ミスがないか感覚的に確認する

◆ まとめ:ChatGPTは「右腕」であって「代理人」ではない

ChatGPTは、法務業務において非常に優れた「右腕」にはなります。
しかし、判断・確認・責任を持つのはあくまで人間(法務担当者)です。

✔️ 使いどころを見極めて
✔️ 最終チェックは自分の目で行う

これを前提にすれば、ChatGPTは日々の契約実務を大幅にラクにしてくれるツールになります。

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