再エネ業界のつぶやき
再生可能エネルギーの現場は、技術よりもむしろ土地・行政・法務の調整力で進んでいくことが多いです。 地権者対応から道路侵入性、農地法対応、そして法務デューデリジェンス（DD）まで、多岐にわたるチェックを早期に潰していく必要があります。 本稿は現場で実際に直面するポイントを、実務目線で簡潔にまとめたものです。
土地確保の現実
再エネの大規模プロジェクトは広い用地を必要とし、地権者が多数に分散していることがほとんどです。交渉は単なる契約手続きではなく、信頼構築の継続作業であり、取り纏めの実務は労力を要します。
実務的に重要なのは、単に印鑑を集めることではなく、道路幅や進入経路、近隣への影響といった運用面の可否を早期に確認すること。これが工期・コストに直結します。
参考：現場レベルの交渉や人間関係についての示唆は、当サイトの「最後は人間関係 交渉の現場で痛感したこと」でも具体事例を紹介しています。(詳細を読む).
農地法という壁
対象地が農地である場合、地目変更や農転許可・非農地証明など、所管の農業委員会との協議が必要です。地域ごとの対応温度差が大きく、早めに行政窓口と関係構築しておくことが成功のカギになります。
体験則では、農地対応に時間を取られる案件は概してスケジュールが大きく遅延します。実務チームは農業委員会との面談記録や必要資料のリスト化を早めに始めましょう。
法務DDの複雑さ
土地・行政の整理が進んだら法務DDです。地役権や担保、過去の契約履歴、行政許認可の引継ぎ可能性など、多層的に確認すべき点が存在します。
弁護士や外部専門家を入れるときは「何をいつまでにチェックするか」を優先順位付けして依頼するのがコスト効率的。詳細なDD項目体系は当サイトのDD関連ガイドにまとまっています（参考リンクあり）。
参考：法務視点でのDDチェックリストや登記・謄本の使い方は「現在事項証明書と履歴事項証明の活用ガイド」に解説があります。(詳しく読む).
結論・現場からの一言
土地・行政・法務の三位一体で初めて再エネ案件は動きます。見えない調整の積み重ねが、最終的に「発電」という目に見える価値を生みます。現場にいる者として、その達成感は格別です。
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