内部通報制度のQ&A作成にChatGPTを使ってみた

社内規程に基づく内部通報制度のQ&Aを作る際、言葉選びや表現が難しい場面は多いです。本稿では ChatGPT を「たたき台作成」として使った実務的手順と留意点を示します。法的正確性の担保やレビュー体制についても実務視点で整理しました。

💡 Q&A作成における悩みポイント

通報者が安心できる表現ってどんな?
通報対象にならないケースをどう表現する?
弁護士が窓口のとき、法務部はどこまで関与するの?
「報復はNG」という会社のスタンス、どう書けば伝わる?

こうした「正しいが伝わりづらい」内容を、社員向けに平易に伝える点が特に難しいです。

🤖 ChatGPTに聞いてみた

試しに下記プロンプトで ChatGPT に投げ、たたき台を作成しました。

「企業の内部通報制度について、従業員向けQ&Aを10個作成してください。通報の対象範囲、匿名通報、報復の禁止、誤報の扱い、法務部の関与なども含めてください。社内イントラに掲載予定なので、平易な日本語でお願いします。」

✍️ 生成されたQ&A(一部抜粋)

Q1:どんな内容を通報できますか?
→ 法令違反や社内規程違反、ハラスメント行為、不正な経理処理などが対象です。
Q2:匿名で通報してもいいですか?
→ はい、匿名での通報も可能です。ただし、事実確認のために追加情報が必要になる場合は、ご協力をお願いすることがあります。
Q3:通報したことで不利益を受けることはありますか?
→ いいえ、会社は通報を理由とする不利益な取り扱いを禁止しています。安心して通報してください。

(補足)この段階の案は「正確さ × わかりやすさ」のバランスが取れており、法務レビューを前提とした実用的なたたき台になります。

⚖️ 最終的には人の目でチェック

制度の正確性や企業方針の反映は法務部や担当弁護士のレビューが不可欠です。AIはたたき台作成・表現の言い換え・抜け漏れチェックで有効に使えます。

関連記事(運用/レビュー視点)としては、AIを使ったコンプライアンス体制の設計や、法改正のまとめを参照すると実務検討がはかどります(本文中リンク)。

参考:公益通報関係の法改正や解説は「法改正まとめ」の記事が分かりやすいです。→ 公益通報法の改正ポイントと対応フロー

AIを使った体制設計については、以下の記事も合わせてご参照ください。→ AI時代のコンプライアンス体制構築

📝 まとめ:Q&A作成におけるChatGPTの使いどころ

活用ポイントコメント
✅ 文案のたたき台作成思考停止を防ぎ、スムーズに作業着手できる
✅ 表現の言い換え正しさとわかりやすさの両立に便利
✅ 抜け漏れチェック想定問答をリストアップさせて視野を広げる
⚠️ 法的正確性の確認最新法令への対応は専門家による検証必須
※本記事は2025年6月時点の法令に基づいて記載しています。最新の法令・指針は消費者庁・関係省庁の発表でご確認ください。
免責:本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別事案の法的助言を構成するものではありません。具体的な対応は社内弁護士または外部弁護士にご相談ください。