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「法務実務プロンプト集23選 セクハラ調査対応編」
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パワハラ調査対応編に続く第2弾。セクハラ調査の全工程をAIで効率化。
「セクハラの通報があった。調査を担当してほしい」
ある日突然、そう言われたら、あなたは何から始めますか?
パワハラ調査の経験があっても、セクハラ調査には特有の難しさがあります。被害者への配慮、二次被害の防止、性的な事実関係の確認方法——すべてが繊細な判断を要します。
この記事では、セクハラ調査の具体的な進め方を6つのステップで解説します。初めて調査を担当する方も、これを読めば全体像が掴めるはずです。
📖 この記事でわかること
- セクハラ調査がパワハラ調査より難しい理由
- 調査の具体的な6ステップ
- よくある失敗パターンと回避法
- AIを活用した調査業務の効率化
⚠️ セクハラ調査がパワハラ調査より難しい理由
まず、セクハラ調査特有の難しさを理解しておきましょう。
1. 二次被害のリスクが高い
セクハラ調査では、調査そのものが被害者を傷つける可能性があります。
「なぜその場で断らなかったのですか?」「服装に問題はなかったですか?」——こうした質問は、意図せず被害者を責めることになります。これが「二次被害」です。
2. 性的な事実関係の確認が難しい
「どこを触られましたか?」「どのような発言でしたか?」
事実認定に必要な情報を聞き出す必要がありますが、どこまで詳しく聞くべきかの判断が難しいところです。聞きすぎれば被害者の負担になり、聞かなすぎれば事実認定ができません。
3. 「記憶にない」への対処
行為者が「記憶にない」と述べた場合、これは「やっていない」という否認とは異なります。しかし、この違いを正しく理解していないと、事実認定を誤る可能性があります。
4. SOGIハラ・アウティングへの対応
性的指向・性自認に関するハラスメント(SOGIハラ)や、本人の同意なく性的指向等を暴露する行為(アウティング)も、セクハラ調査の対象となり得ます。比較的新しい類型であり、対応に慣れていない担当者も多いでしょう。
📋 セクハラ調査の6ステップ
では、具体的な調査の進め方を見ていきましょう。
初動判断(通報当日〜翌営業日)
通報を受けたら、まず緊急度と重大性を判断します。
緊急度の判断基準
| 緊急度 | 状況 |
| 高 | 身体的接触・強制わいせつの可能性、被害者の自傷リスク |
| 中 | 継続的な性的言動、就業環境への明確な影響 |
| 低 | 単発の不適切発言 |
🚨 重要:緊急度が「高」の場合は、社内調査より警察・弁護士への相談を優先してください。
調査体制の設計
調査担当者を選定します。ポイントは中立性の確保です。
❌ 避けるべき人選
- 行為者の直属の上司・部下
- 被害者と親しい同僚
- 過去に当事者と対立関係にあった者
可能であれば、男女混合のチームが望ましいとされています。重大な事案では、外部の弁護士や専門家の関与も検討してください。
ヒアリングの実施
ヒアリングの順序は、原則として被害者 → 目撃者・関係者 → 行為者です。
行為者を最後にする理由は、証拠を踏まえた質問ができること、証拠隠滅や口裏合わせを防げることにあります。
👤 被害者ヒアリングの注意点
- 「なぜ断らなかったのか」等の被害者責めは絶対にNG
- 性的な詳細は必要最小限に留める
- 被害者のペースを尊重し、休憩を適宜挟む
- 非言語情報(表情、沈黙等)も記録する
👔 行為者ヒアリングの注意点
- 最初から有罪扱いしない
- 弁明の機会を十分に与える
- 証拠は後出しで確認する(口裏合わせ防止)
証拠の整理・分析
収集した証拠を整理し、争点ごとに整合性を確認します。
証拠の種類と信頼性
「言った・言わない」の水掛け論になりがちなセクハラ事案では、証言の具体性・一貫性・客観的証拠との整合性を丁寧に評価することが重要です。
事実認定・セクハラ該当性の判断
証拠に基づき事実を認定し、法的基準に照らしてセクハラ該当性を判断します。
対価型
性的言動への対応(拒否等)を理由に、解雇・降格等の不利益を受けるもの
環境型
性的言動により就業環境が不快となり、能力発揮に悪影響が生じるもの
※環境型は原則として継続性・反復性が必要ですが、強制わいせつ等の重大な行為は1回でも該当し得ます。
報告書作成・処分検討・再発防止
調査結果を報告書にまとめます。報告書は訴訟で証拠として使われる可能性がある前提で作成してください。
📝 報告書に含める項目
- 調査の経緯・体制・方法
- 当事者の主張
- 認定した事実と認定理由
- セクハラ該当性の判断
- 結論
処分は、過去の類似事案との均衡を重視してください。同様のケースより重い処分にすると、不当処分と判断されるリスクがあります。
💥 よくある失敗パターン
セクハラ調査でありがちな失敗を挙げておきます。
❌ 失敗1
被害者責めの質問をしてしまう
「なぜ断らなかったのですか?」「誤解を招く言動はありませんでしたか?」——こうした質問は、調査担当者に悪意がなくても二次被害を引き起こします。
❌ 失敗2
情報管理が甘い
「誰にも言わないで」と言いながら、実際には複数人に共有してしまう。情報漏洩は被害者の信頼を失うだけでなく、会社の法的責任にもつながります。
❌ 失敗3
「記憶にない」を否認として扱う
行為者の「記憶にない」は、否認ではありません。他の証拠で事実認定が可能な場合があります。
❌ 失敗4
処分の先例との均衡を考慮しない
過去に同様のケースを軽い処分で済ませていた場合、今回だけ重い処分にすると不当処分と判断されるリスクがあります。
🤖 AIを活用した調査業務の効率化
セクハラ調査は、多くの工程で定型的な作業が発生します。
これらの作業は、生成AIを活用することで大幅に効率化できます。
もちろん、AIの出力は「たたき台」です。最終的な判断は必ず人間が行う必要があります。しかし、ゼロから書類を作成するよりも、AIが生成した下書きをベースに修正する方が、はるかに効率的です。
調査1件あたり、丸1日は短縮できます
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📌 まとめ
セクハラ調査は、パワハラ調査とは異なる難しさがあります。
- 二次被害を防ぎながら、必要な事実を聴取する
- 性的な事実関係を、適切な範囲で確認する
- 「記憶にない」を正しく評価する
- 証拠に基づき、法的基準に照らして判断する
一つひとつの判断が、被害者の人生にも、行為者の人生にも影響を与えます。
だからこそ、正しい知識と適切なツールを持って、調査に臨んでください。
この記事が、あなたの調査業務の一助となれば幸いです。
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