契約実務

業務委託契約書の雛形作成完全ガイドChatGPTプロンプト付き|2025年最新法改正対応版

【2025年最新版】業務委託契約書の雛形作成完全ガイド|フリーランス新法対応・表で一発比較

【2025年最新版】業務委託契約書の雛形作成完全ガイド|フリーランス新法対応・表で一発比較

ChatGPTプロンプト付き/法令リンク完備/NG条項比較表でわかりやすく解説

最終更新: 2025年10月20日 | 重要: 2024年11月フリーランス保護新法施行に完全対応

【この記事の結論】 2024年11月1日施行の「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」により、個別契約の締結時等に、給付の内容・報酬の額・支払期日等の書面(または電磁的記録)での明示が求められます(詳細項目は解釈ガイドライン参照)。支払期日は原則として給付受領日または役務提供日から起算して60日以内とされる旨の定めがあり、重大な違反については行政上の措置(勧告・公表等)や罰則があり得ます。本記事では最新の法令に準拠した雛形テンプレートとChatGPT活用プロンプトを提供し、実務に即した契約書作成を支援します。

1. フリーランス保護新法の全体像と業務委託契約への影響

⚠️ 2024年11月1日施行の重要改正

正式名称: 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)

施行日: 2024年11月1日

罰則: 書面交付義務違反は50万円以下の罰金(第24条)。ただし、行政上はまず勧告や公表といった措置が先行することが多く、事案の態様により執行手段や処分の実務運用が異なります(公正取引委員会Q&A参照)。

適用対象: 従業員を使用する事業者が、従業員を使用しないフリーランス(特定受託事業者)に業務委託する場合

公式ガイドライン:

1-1. 新法で義務化された書面明示事項

フリーランス保護新法第3条により、以下の事項を書面またはメール等で明示することが義務づけられました。中核的には給付の内容・報酬の額・支払期日の3点が重要ですが、実務上はこれらに加え、業務の場所・期間、検査(受領)に関する条件、支払方法や適格請求書番号、再委託の可否・ルール等も明確にしておくことが推奨されます中小企業庁「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」および解釈ガイドライン参照)。

必須項目 具体的記載内容 違反例と是正方法
① 給付の内容 業務範囲を5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)で具体化
例: Webサイトのトップページデザイン制作(PC版・スマホ版各1ページ、Figma形式納品)
「Webデザイン業務一式」→抽象的すぎ
別紙「業務仕様書」で詳細を規定し参照する
② 報酬の額 税込/税抜の明記、追加費用の有無
例: 報酬50万円(税込55万円)、修正3回まで無償、4回目以降1回につき5万円
「相当額を支払う」→不明確
具体的な金額または算定方法を明記
③ 支払期日 給付受領日・役務提供日から起算して60日以内のできる限り短い期間内
例: 納品日の翌月末日(納品日から最長60日以内)

※再委託の取扱い: 元契約に基づく支払期日等を下位受託者に明示し、かつ必要事項を満たす場合、下位受託者の支払期日は元契約の支払期日から起算して30日以内の、元契約に比べてできる限り短い期間内とされます(詳細は公正取引委員会Q&A参照)
「納品後90日以内」→60日ルール違反
「納品日の翌月末日」に変更

1-2. 7つの禁止行為と罰則規定

第5条から第11条により、以下の行為が禁止されています(1ヶ月以上継続する業務委託の場合)。

禁止行為 具体例 罰則・対応策
① 受領拒否(第5条) 仕様書に適合する成果物を理由なく受け取らない 勧告・公表(第22条)、50万円以下の罰金(第24条)
→受領条件を事前に明文化
② 報酬減額(第6条) 契約後に一方的に「市場相場が下がった」として報酬を減額 勧告・公表、50万円以下の罰金
→変更時は双方合意の上、変更契約書を締結
③ 返品(第7条) 契約不適合でない成果物を一方的に返品 勧告・公表、50万円以下の罰金
→返品条件を契約書で限定列挙
④ 買いたたき(第8条) 市場価格に比して著しく低い報酬額での発注、長期の価格据え置き
※市場価格の50%以下は判断の目安の一つであり、事案により異なります
※2024年5月下請法運用基準改正を反映
勧告・公表、50万円以下の罰金
→市場価格を定期調査し、適正価格で発注
⑤ 購入・利用強制(第9条) 発注者が指定する資材購入やサービス利用を強制 勧告・公表、50万円以下の罰金
→任意であることを明記
⑥ 不当な経済的利益提供要請(第10条) 報酬とは別に金銭・サービスの提供を要求 勧告・公表、50万円以下の罰金
→報酬以外の負担を求めない
⑦ 不当な給付内容変更・やり直し(第11条) 発注者の都合で仕様を大幅変更し追加報酬なし 勧告・公表、50万円以下の罰金
→変更時は影響分析し、報酬・納期を再協議

2. 雇用類似の就業形態の法的線引き【チャート図解】

フリーランス、業務委託、請負、派遣、雇用の境界線は曖昧です。以下のチャート図で、どの法律が適用されるかを判断できます。

雇用類似就業者の法的適用関係フローチャート

フリーランス保護新法・下請法・労基法の適用判断フローチャート:従業員使用の有無、資本金、取引類型で分岐

2-1. 法律ごとの適用範囲比較表

法律 適用対象(受託者) 適用対象(発注者) 主な規制内容
フリーランス保護新法 従業員を使用しない個人事業主・法人
(週20h未満・31日未満の短期雇用は除外)
従業員を使用する全事業者
(資本金制限なし)
書面交付、60日ルール、7つの禁止行為
下請法 資本金が発注者より小さい事業者 製造委託:資本金3億円超→1千万円超
情報成果物:資本金5千万円超→1千万円超
書面交付、支払期日、買いたたき禁止等
労働基準法 労働者
(指揮命令下で労務提供、時間・場所拘束あり)
使用者 労働時間規制、最低賃金、解雇制限等
独占禁止法 全事業者 全事業者 優越的地位の濫用、不公正な取引方法の禁止

3. 誤用しがちな条項NG集と是正案【比較表】

実務でよく見られる不適切な契約条項と、法令遵守の是正案を一覧で比較します。

条項分類 ✗ NG条項例 ○ 是正案 根拠法令
報酬支払 「納品後3ヶ月以内に支払う」 「納品日の翌月末日に支払う(納品日から最長60日以内)」 新法第4条
受領条件 「甲の判断で受領拒否可能」 「別紙仕様書に適合する場合、甲は受領を拒否できない。不適合の場合は具体的理由を書面で通知し、乙は30日以内に追完する」 新法第5条
報酬変更 「市場価格変動時、甲は報酬を減額できる」 「報酬の変更は、甲乙双方の書面合意による変更契約締結を要する」 新法第6条
返品 「甲は理由を問わず返品できる」 「甲は、成果物が仕様書に適合しない場合に限り、具体的不適合箇所を明示して返品できる」 新法第7条
価格決定 「報酬は甲が一方的に決定する」 「報酬は、市場価格、業務量、難易度を総合考慮し、甲乙協議の上決定する」 新法第8条
費用負担 「乙は甲指定のツールを購入すること」 「甲推奨ツールは任意利用。乙が希望する場合、甲は利用料の50%を補助する」 新法第9条
追加業務 「甲の要請により無償で追加作業を行う」 「契約範囲外の追加業務は、変更管理票により影響分析を行い、追加報酬・納期を協議の上、変更契約を締結する」 新法第11条
損害賠償 「乙の責めに帰すべき事由による損害は無制限に賠償」 「損害賠償は直接かつ通常損害に限り、債務不履行の場合は年間報酬額を上限とする。ただし故意・重過失はこの限りでない」 民法第416条
秘密保持 「秘密情報の範囲は甲が決定する」 「秘密情報は、書面で『秘密』と明示されたもの、または口頭開示後14日以内に書面確認されたものに限る」 不競法第2条第6項
知的財産権 「乙の従前保有の知財も甲に譲渡」 「本業務で新規作成した成果物の知財は甲に譲渡。乙の従前保有知財および第三者ライブラリは乙に留保され、甲に利用許諾」 著作権法第61条

⚠️ 契約書作成時の注意点

  • AI(ChatGPT等)生成の契約書は叩き台として利用し、必ず法務専門家のレビューを受ける
  • インターネット上の雛形は古い法令に基づく場合があり、そのまま使用すると法令違反のリスク
  • 自社の業種・取引実態に合わせてカスタマイズが必須
  • 年1回は契約書の定期見直しを実施し、法改正に対応

4. 業務委託契約書の雛形テンプレート【2025年最新版】

以下は、フリーランス保護新法に完全対応した業務委託契約書の雛形です。コピーして自社用にカスタマイズしてください。

業務委託基本契約書

[委託者の商号](以下「甲」という。)と[受託者の氏名/商号](以下「乙」という。)は、甲が乙に委託する業務について、以下のとおり業務委託基本契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的)
本契約は、甲が乙に業務を委託し、乙がこれを受託することに関する基本的事項を定めることを目的とする。

第2条(個別契約)
1. 甲が乙に業務を委託する場合、甲乙は本契約に基づき、業務の内容、報酬、納期その他の条件を記載した個別契約書(以下「個別契約」という。)を締結する。
2. 個別契約と本契約の内容が矛盾抵触する場合、個別契約が優先する。

第3条(業務内容の明示)【フリーランス保護新法第3条対応】
1. 甲は、個別契約締結時に、以下の事項を書面または電磁的方法により乙に明示する。
(1) 業務の内容(給付の内容、場所、期日または期間)
(2) 報酬の額(算定方法を含む)
(3) 報酬の支払期日
2. 電磁的方法により明示する場合は、事前に乙の承諾を得るものとする。電磁的記録を保存する場合、電子帳簿保存法等の要件(真正性・可視性・検索性等)を満たす保存方法を採用するものとし、乙の請求があるときは甲は書面を交付する。
3. 実務上推奨される明示事項: 業務の場所・期間、検査(受領)に関する条件、支払方法、適格請求書発行事業者登録番号(該当する場合)、再委託の可否等(中小企業庁ガイドライン参照)

第4条(報酬の支払)【フリーランス保護新法第4条・60日ルール対応】
1. 甲は、個別契約に定める報酬を、乙からの給付を受領した日または役務の提供を受けた日から起算して60日以内のできる限り短い期間内において、かつ、個別契約に定める支払期日までに、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。
2. 適格請求書発行事業者登録番号: [乙の登録番号]
3. 個人事業主の場合の源泉徴収: 所得税法第204条に基づき、報酬支払時に源泉所得税を徴収し、翌月10日までに税務署に納付する。

第5条(受領拒否の禁止)【フリーランス保護新法第5条対応】
1. 甲は、個別契約に定める仕様書に適合する成果物または役務の提供を受けた場合、正当な理由なく受領を拒否してはならない。
2. 甲が成果物または役務に契約不適合を認めた場合、具体的な不適合箇所および理由を書面で乙に通知し、乙に追完の機会を与える。

第6条(報酬の減額禁止)【フリーランス保護新法第6条対応】
甲は、個別契約締結後、正当な理由なく報酬の額を減額してはならない。報酬の変更が必要な場合、甲乙協議の上、書面による変更契約を締結する。

第7条(返品の制限)【フリーランス保護新法第7条対応】
甲は、個別契約に定める仕様書に適合する成果物を、正当な理由なく返品してはならない。返品が認められるのは、契約不適合が明らかな場合に限る。

第8条(買いたたきの禁止)【フリーランス保護新法第8条・下請法運用基準対応】
1. 甲は、通常支払われる対価に比して著しく低い報酬額を不当に定めてはならない。
2. 報酬額は、市場相場、業務量、難易度、乙の技能水準を総合考慮し、甲乙協議の上決定する。
3. 甲は、前回契約から一定期間(原則1年以上)が経過した場合、市場動向を踏まえ、報酬額の見直しを検討する。

第9条(購入・利用強制の禁止)【フリーランス保護新法第9条対応】
甲は、乙に対し、正当な理由なく、甲が指定する物品・サービスの購入または利用を強制してはならない。

第10条(不当な経済的利益提供要請の禁止)【フリーランス保護新法第10条対応】
甲は、乙に対し、報酬とは別に、金銭、役務その他の経済上の利益の提供を、正当な理由なく要請してはならない。

第11条(不当な給付内容変更・やり直しの禁止)【フリーランス保護新法第11条対応】
1. 甲は、個別契約締結後、給付の内容を変更し、またはやり直しをさせる場合、正当な理由がある場合に限り、かつ、乙に対し事前に協議を行う。
2. 前項の変更・やり直しにより、報酬額、納期その他の条件に影響が生じる場合、甲乙は別紙「変更管理票」により影響分析を行い、変更契約を締結する。

第12条(秘密保持)
1. 甲及び乙は、本契約の履行に関して知り得た相手方の秘密情報を、第三者に開示または漏洩してはならない。
2. 秘密情報とは、書面により「秘密」と明示された情報、または口頭開示後14日以内に書面で確認された情報をいう。
3. ただし、以下の情報は秘密情報から除外される。
(1) 開示時に公知であった情報
(2) 開示後、受領者の責めによらず公知となった情報
(3) 開示前から受領者が適法に保有していた情報
(4) 第三者から秘密保持義務を負うことなく適法に取得した情報
(5) 法令または裁判所の命令により開示を要請された情報(事前通知要)
4. 個人情報の取扱いについては、以下を遵守する。
(1) 個人情報保護法及び関連法令の遵守
(2) 本業務目的以外での使用禁止
(3) 第三者提供時の本人同意取得
(4) 委託業務で個人データを取り扱う場合、甲は乙に対し必要かつ適切な監督を行い、乙は個人情報保護法に基づく安全管理措置を講じる
(5) 乙が再委託を行う場合は、事前に甲の書面による承諾を得る
5. 本条の義務は、本契約終了後3年間継続する。

第13条(知的財産権)
1. 本業務の遂行により新規に生じた成果物に係る著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)は、乙から甲への成果物引渡し時に、乙から甲に譲渡される。
2. 乙は、甲及び甲が指定する第三者に対し、著作者人格権を行使しない。
3. 乙が従前から保有し、または本業務と無関係に取得した知的財産権は、乙に留保される。甲がこれを利用する場合、乙は甲に対し、非独占的、譲渡不可の利用許諾を付与する。

第14条(契約不適合責任)※請負契約の場合に適用
1. 甲は、成果物に契約内容との不適合を発見した場合、不適合を知った時から1年以内に乙に通知するものとする(民法第637条第1項参照)。
2. 前項の通知があった場合、乙は通知受領後30日以内に追完(修補)を行う。ただし、成果物の規模・複雑性により、甲乙協議の上60日まで延長できる。
3. 追完が不能または過分の費用を要する場合、甲乙協議の上、不適合の程度に応じた報酬の減額で対応することができる(民法第563条参照)。
4. 本条は請負契約に適用され、準委任契約の場合は善管注意義務(民法第644条)に基づく責任を負う。

第15条(契約変更手続)
1. 本契約の内容を変更する必要が生じた場合、甲乙は別紙「変更管理票」により変更内容及びその影響を書面化し、双方合意の上で変更契約書を締結する。
2. 業務仕様の変更については、以下の手順による。
(1) 変更要求の提出(変更管理票使用)
(2) 影響分析(費用、納期、品質への影響)
(3) 見積提示と承認
(4) 変更契約の締結

第16条(損害賠償)
1. 甲または乙が本契約に違反し、相手方に損害を与えた場合、その損害を賠償する。
2. 前項の損害賠償は、直接かつ通常生ずべき損害に限るものとし(民法第416条第1項参照)、逸失利益、間接損害、特別損害は賠償の対象外とする。
3. 損害賠償額は、債務不履行の場合は本契約の年間報酬総額を上限とする。ただし、故意または重過失による場合はこの限りでない。

第17条(ハラスメント防止)【フリーランス保護新法第14条対応】
1. 甲は、乙に対し、以下のハラスメント行為を行ってはならない。
(1) セクシュアルハラスメント(性的な言動)
(2) パワーハラスメント(優越的地位を利用した言動)
(3) マタニティハラスメント(妊娠・出産に関する不利益取扱い)
2. 甲は、ハラスメント相談窓口を設置し、その連絡先を乙に通知する。
相談窓口: [担当部署名・連絡先]

第18条(育児・介護等への配慮)【フリーランス保護新法第13条対応】
1. 甲は、乙が以下の申出をした場合、業務の性質上やむを得ない場合を除き、配慮するよう努める。
(1) 妊娠、出産、育児または介護に関する申出
(2) 業務量の調整、納期の猶予その他の配慮の申出
2. 甲は、前項の申出をしたことを理由に、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならない。

第19条(契約の解除)
1. 甲または乙は、相手方が以下のいずれかに該当する場合、催告なく直ちに本契約を解除できる。
(1) 本契約の重大な違反があり、相当期間を定めた催告後も是正されない場合
(2) 支払停止、破産、民事再生、会社更生、特別清算の申立てがあった場合
(3) フリーランス保護新法、下請法、個人情報保護法等の重大な法令違反があった場合
2. 甲及び乙は、30日前までに書面で通知することにより、理由を問わず本契約を解除できる。この場合、解除を申し出た当事者は、相手方に対し、解除時点までの業務に対する合理的な対価を支払う。

第20条(反社会的勢力の排除)
1. 甲及び乙は、自己、自己の役員、実質的支配者が、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力でないことを表明し、保証する。
2. 甲又は乙は、相手方が前項に違反した場合、何らの催告なく本契約を解除できる。

第21条(準拠法及び管轄裁判所)
1. 本契約の準拠法は日本法とする。
2. 本契約に関する紛争については、甲の本店所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第22条(協議事項)
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた場合は、甲乙誠意をもって協議の上、解決を図る。

以上、本契約締結の証として、本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各1通を保有する。

なお、電子契約の場合は、電子署名により締結し、各自電子ファイルを保管する。

令和○年○月○日

甲:[本店所在地]
[商号]
[代表者肩書][氏名] 印


乙:[住所/本店所在地]
[氏名/商号]
[代表者肩書・氏名] 印

✅ 契約書作成後の確認チェックリスト

  • □ 書面交付要件: 給付内容・報酬額・支払期日が5W1Hで具体的に記載されているか
  • □ 60日ルール: 報酬支払期日が給付受領日から60日以内か
  • □ 7つの禁止行為: 受領拒否、報酬減額、返品、買いたたき等の禁止条項が盛り込まれているか
  • □ ハラスメント防止: 相談窓口の設置と連絡先の通知
  • □ 育児・介護配慮: 申出に対する配慮努力義務の規定
  • □ 適格請求書: インボイス登録番号の確認と記載
  • □ 源泉徴収: 個人事業主の場合の源泉徴収条項
  • □ 反社チェック: 反社会的勢力排除条項の記載

5. ChatGPTで契約書を作成する実践プロンプト

以下のプロンプトをChatGPT(GPT-4以上推奨)に入力することで、業務委託契約書の叩き台を生成できます。ただし、必ず弁護士等の法務専門家のレビューを受けてください。

💡 ChatGPTプロンプト例

あなたはフリーランス保護新法(2024年11月施行)に精通した法務専門家です。以下の条件で業務委託契約書を作成してください。 【条件】 ・委託者: 株式会社ABC(東京都渋谷区) ・受託者: 山田太郎(フリーランスWebデザイナー、従業員なし) ・業務内容: ECサイトのトップページデザイン制作(PC版・スマホ版) ・報酬: 50万円(税込55万円)、修正3回まで無償、4回目以降1回5万円 ・納期: 契約締結日から60日後 ・支払期日: 納品日の翌月末日(60日ルール遵守) ・成果物形式: Figmaファイル、PNG画像 ・知的財産権: 著作権は甲に譲渡、著作者人格権不行使 【必須条項】 1. フリーランス保護新法第3条(書面交付義務)対応 2. 第4条(60日ルール)対応 3. 第5〜11条(7つの禁止行為)対応 4. 第13条(育児・介護配慮)対応 5. 第14条(ハラスメント防止)対応 6. 契約不適合責任(追完期間30日) 7. 損害賠償の上限(年間報酬額) 8. 反社会的勢力排除条項 【参照法令】 ・特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号) ・民法(債権法改正後) ・著作権法 ・個人情報保護法 上記を踏まえ、A4用紙10ページ程度の契約書を作成してください。条文番号を付け、各条項に【対応法令】を付記してください。

⚠️ AI生成契約書の利用上の注意

  • 必ず専門家レビューを受ける: ChatGPTの出力は叩き台として利用し、必ず弁護士・司法書士等の法務専門家によるレビューを受けてください
  • 最新法令の確認: AIの知識は訓練データの時点で止まっているため、最新の法改正が反映されていない可能性があります
  • 業種特有のリスク: 業種特有のリスク(例: 医療・金融分野の規制)は、AIが適切に考慮できない場合があります
  • 相手方との交渉: 契約書は双方合意で締結するため、相手方との交渉を経て修正が必要です

6. フリーランス保護法対応チェックリスト

契約締結前に、以下のチェックリストで法令遵守を確認してください。

✅ 書面交付義務(第3条)の確認

  • □ 給付の内容(5W1H)が具体的に記載されているか
  • □ 報酬の額(税込/税抜)が明確に記載されているか
  • □ 支払期日(60日ルール遵守)が明記されているか
  • □ 電磁的方法(メール等)の場合、事前承諾を得ているか
  • □ 適格請求書発行事業者登録番号が記載されているか(該当する場合)
  • □ 源泉徴収の取扱いが明記されているか(個人事業主の場合)

✅ 7つの禁止行為(第5〜11条)のコンプライアンスチェック

  • □ 受領拒否: 仕様書適合時の受領拒否を禁止する条項があるか
  • □ 報酬減額: 一方的な減額を禁止し、変更は双方合意を要する条項があるか
  • □ 返品: 契約不適合の場合に限定する条項があるか
  • □ 買いたたき: 市場価格を参考に協議決定する条項があるか
  • □ 購入・利用強制: 任意であることを明記しているか
  • □ 経済的利益提供要請: 報酬以外の負担を求めない条項があるか
  • □ 給付内容変更: 変更時は影響分析と変更契約締結を要する条項があるか

✅ 就業環境整備(第12〜20条)の確認

  • □ 育児・介護配慮: 申出に対する配慮努力義務の規定があるか
  • □ ハラスメント防止: 相談窓口の設置と連絡先の通知をしているか
  • □ 募集情報の適正表示: 虚偽表示や誤解を招く表示をしていないか
チェック項目 問題となる条項例 是正方法
受領条件の不明確性 「甲の判断で受領拒否可能」 「別紙仕様書に適合を条件に受領。不適合時は具体的理由を書面通知し、30日以内の追完機会を付与」
報酬変更の恣意性 「甲の都合で減額可能」 「報酬変更は双方合意の変更契約締結を要する」
価格の不当性 「市場価格の50%以下で発注」 「市場価格、業務量、難易度を総合考慮し、甲乙協議の上決定」
返品条件の広範性 「無条件で返品可能」 「契約不適合の場合に限り、具体的不適合箇所を明示して返品可」

よくある質問(FAQ)

フリーランス保護新法の書面交付義務はいつから適用されますか?
2024年11月1日以降に合意した業務委託契約から適用されます。施行前に合意した契約は対象外ですが、施行後の更新時には新法が適用されます(公正取引委員会パブコメ回答4-14参照)。なお、書面交付義務違反には50万円以下の罰金が科される可能性があります(第24条)。
業務委託契約と請負契約の違いは何ですか?
業務委託契約は仕事の遂行そのもの(手段)を約束する契約(準委任)で、請負契約は仕事の完成(結果)を約束する契約です。請負契約には契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)が適用され、発注者は不適合を知った時から1年以内に通知すれば追完請求・損害賠償請求が可能です(民法第636条・第637条)。業務委託(準委任)契約には原則適用されませんが、善管注意義務違反がある場合は債務不履行責任を問えます(民法第644条・第415条)。
ChatGPTで作成した契約書はそのまま使えますか?
いいえ、使えません。ChatGPTで作成した契約書はあくまで叩き台です。必ず弁護士・司法書士等の法務専門家によるレビューを受け、自社の実情に合わせた修正を行ってください。AIが生成した契約書には、最新の法改正が反映されていない可能性、業種特有のリスクが考慮されていない可能性、相手方との力関係が反映されていない可能性があります。専門家レビューなしでの使用は法的リスクが高いため推奨されません。
フリーランスに業務委託する際の報酬支払期日のルールは?
給付受領日または役務提供日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に設定する必要があります(第4条第1項)。これは受領した給付について検査・検品をするかどうかに関係なく適用されます。なお、再委託の場合で必要事項を明示した場合は、元委託の支払期日から起算して30日以内のできる限り早い期間内を支払期日とする必要があります(公正取引委員会・厚生労働省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」参照)。
従業員を使用しているフリーランスは保護の対象になりますか?
「従業員を使用しているか」の判定には、就労時間・雇用期間等の要素が参考にされます(例として週所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある者を使用している場合は対象外とされる基準が説明されています)。ただし、最終的な判定は個別事実関係に基づくため、単純な数値だけで判断せず、公的Q&Aを必ず確認してください。例えば、週10時間・短期間のパート・アルバイトのみを使用しているフリーランスは「特定受託事業者」に該当し、新法の保護対象となる可能性があります(第2条第1項、施行令第1条参照)。
コピペで使える実務プロンプト

業務委託契約書を45分で自動作成

取引条件を入力するだけで、民法・下請法に準拠した実務レベルの契約書ドラフトを生成。請負型・準委任型の判断からリスク分析まで、法務担当者の業務を大幅に効率化します。

📝

業務委託契約書作成支援プロンプト

GPT-5 / Claude 4.5 Sonnet / Gemini 2.5 Flash 対応

このプロンプトでできること

  • 契約類型の自動判断 – 準委任型・請負型・混合型を業務内容から自動分類
  • 民法準拠の条文生成 – 業務内容・報酬・期間・解除など必須条項を自動記載
  • 知財・秘密保持条項 – 著作権帰属・機密保持・再委託など特約条項を追加
  • 下請法の適用判断 – 資本金・業種から下請法適用を自動チェック・注意喚起
  • リスク分析機能 – 委託者・受託者双方のリスクを具体的に指摘
  • 業種別カスタマイズ – 製造・IT・金融・小売など業種に応じた調整ポイントを提案
時間短縮
45〜120分
難易度
★★☆ 中
ページ数
約7ページ
対応AI
GPT-5他

💡 使い方のヒント

PDFをダウンロードしたら、プロンプト本体をコピーしてChatGPT・Claude・Geminiに貼り付けるだけ。委託業務の内容や報酬額などの必要情報を入力すれば、すぐに契約書ドラフトが生成されます。生成された契約書は必ず法務担当者または弁護士がレビューしてください。

POSTED COMMENT

  1. […] 管注意義務の扱いを確認したい場合は、実務チェックをまとめたテンプレ(業務委託の条項チェック)を参照すると目安が得られます。業務委託の条項チェックリスト(実務テンプレ)。 […]

  2. […] 業務委託の条項チェックリスト(善管注意義務の取り扱い) […]

  3. […] 網羅的に把握できます。→ 業務委託契約の雛形とチェックリスト(参考) […]

  4. […] 業務委託契約の雛形と法改正対応チェック(ひな形×実務解説) […]

  5. […] 業務委託契約の雛形とフリーランス保護法対応(外注先チェックの観点) […]

  6. […] 参考記事:AI活用の実務ガイドやプロンプト設計に関する詳細解説も併せてご参照ください(法務向けプロンプト設計(総合ガイド)、契約不適合責任対応テンプレ)。 […]

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