契約管理・法務DX 契約管理シリーズ 第2話

契約台帳の作り方|最低限必要な項目一覧と実務で使える設計

公開:2026年4月30日 対象:法務・総務・経理・営業管理担当者

「契約書はある。でも、今どんな契約を結んでいて、いつ更新期限が来るか、すぐには答えられない」——そんな状態は、企業法務の現場でよく見られます。

その問題を解決するのが契約台帳です。この記事では、実務担当者がそのまま台帳を設計・運用できるよう、必須項目から更新管理・覚書管理・電子契約対応まで、保存版として整理します。

補足: 法務部や総務部の作業は、 この無料ツールを使うと便利に処理できます (一次整理・マスキング・論点整理など)

まず結論|契約台帳は「契約書の一覧」ではなく「契約リスクの管理表」

この記事の結論:契約台帳は、契約書のファイル名や保管場所を並べるだけのものではありません。契約の期限・更新条件・解約通知期限・覚書との紐付けを一元管理し、事故を防ぐための実務ツールです。

多くの企業で見られる「契約台帳」は、実態としては「契約書ファイルの一覧表」にとどまっています。そこには契約書の名前と締結日が並んでいますが、更新期限がいつか、自動更新かどうか、覚書がどこにあるか——これらが分からない状態です。

これでは台帳を持っている意味がほとんどありません。本当に必要なのは、「今この契約はどういう状態か」「次にいつ何をすべきか」が台帳を見れば分かる状態です。

この記事で実現できること

  • 契約台帳に入れるべき16の必須項目と15の推奨項目が分かる
  • 更新漏れを防ぐための更新管理項目が設計できる
  • 覚書・変更契約を原契約に紐付ける方法が分かる
  • 電子契約と紙契約を統合管理する方法が分かる
  • 台帳作成・運用の10ステップが実行できる

契約台帳とは何か

契約台帳とは、企業が締結したすべての契約を一覧で管理するためのデータベースです。契約書の物理的な保管場所を記録するだけでなく、契約の内容・期限・条件・リスク情報を整理し、いつでも参照・更新できるようにしたものです。

契約台帳≠契約書の棚

「契約書は全部キャビネットに保管してある」という状態と、「契約台帳がある」という状態は、まったく異なります。

状態できることできないこと
キャビネット保管のみ原本の存在確認更新期限の把握・リスク確認・横断検索
Excel台帳あり(最低限)期限確認・相手方確認・ファイル場所確認自動アラート・覚書紐付け・全社共有
適切な契約台帳あり期限・更新・覚書・リスク・ステータスを一元把握(システム化でさらに自動化可能)

📌 ポイント:契約台帳は「契約管理の出発点」です。台帳がなければ、更新管理も覚書管理も成立しません。

契約台帳を作る目的

契約台帳を整備する目的は、「契約書の整理」そのものではなく、以下の実務リスクを防ぐことです。

防ぎたいリスク台帳がなかった場合の事例
更新漏れ・自動更新の見落とし解約したかった契約が自動更新され、1年分の費用が発生
解約通知期限の失念解約通知期限を過ぎ、解約できなかった
覚書の行方不明原契約の条件変更が把握できず、古い条件で業務が進んだ
契約書の紛失・所在不明トラブル発生時に契約書が見つからず、交渉・訴訟に対応できなかった
担当者退職による属人化前任者しか知らなかった契約条件が引き継がれなかった
監査対応の遅延契約書の提出を求められたが、すぐに用意できなかった

⚠️ 実務上の重要点:契約台帳の整備は「法務の仕事」ではなく、「事故防止のインフラ」です。法務・総務・経理・営業管理が共同で利用できる設計が理想です。

最低限必要な項目一覧

以下の16項目は、契約台帳として機能するための最低限の要素です。最初から完璧を目指す必要はありませんが、この16項目だけは必ず入力してください。

💡 設計の原則:「完璧な台帳」より「まず事故を防ぐ台帳」を優先してください。16項目すべてが揃っていなくても、更新期限と解約通知期限が管理できているだけで、実務上の大きな事故の多くは防げます。

項目名 入力例 必要な理由 入力時の注意点
管理番号 2026-001 覚書・変更契約との紐付け、参照のために一意のIDが必要 年度+連番が管理しやすい。一度付与した番号は変更しない
契約名 業務委託基本契約書(○○社) どの契約かを識別するための基本情報 相手方名を含めると検索性が上がる。正式名称で統一
契約相手方 株式会社○○商事 相手先の特定・グループ会社管理に必須 株式会社・合同会社を省略しない。正式法人名で入力
契約類型 業務委託契約 / NDA / 賃貸借契約 類型別の管理・リスク抽出・検索に必要 プルダウン化して表記を統一。自由入力は避ける
担当部署 営業部・法務部 契約の主管部署を特定し、更新対応の責任者を明確にする 主管部署と法務部の両方を記録することを推奨
契約責任者 山田太郎(営業部長) 担当者退職・異動時の引継ぎに必要 部署名と氏名を両方記録。更新時に最新化する
締結日 2024/04/01 契約の成立日・印紙税要否の判断基準 日付形式をYYYY/MM/DDに統一。記名押印日と調印日が異なる場合は注記
契約開始日 2024/05/01 契約の効力発生日。締結日と異なる場合がある 締結日と混同しない。取引開始日と効力発生日が別の契約に注意
契約終了日 2025/04/30 更新期限管理の起点。更新漏れ防止に最重要 自動更新の場合は「更新後の終了日」に更新する。期間の定めのない契約は「無期限」と入力
自動更新の有無 あり / なし / 要確認 自動更新契約は解約通知期限が命。有無を把握していないと手遅れになる 「あり」の場合は必ず解約通知期限と更新アラート日を入力
解約通知期限 2025/01/31(終了日の3ヶ月前) 自動更新を防ぐために解約通知できる期限。管理の核心 契約書の条文を確認して正確に計算する。「契約終了日の○ヶ月前」と記録しておく
更新アラート日 2024/12/01 解約通知期限より前に担当者が対応できるよう、事前に通知するための日付 解約通知期限の1〜2ヶ月前を目安に設定。Excelならアラート欄に条件付き書式で色付け
契約金額 月額500,000円(税別) 財務管理・コスト把握・更新時のコスト検討に必要 税別か税込かを明記。月額か年額かも統一。金額不定の場合は「変動」と記載
契約ステータス 締結済 / 審査中 / 更新検討中 / 終了 契約の現在の状態を把握し、対応漏れを防ぐ プルダウン化して表記を統一。変更都度更新する
原本保管場所 法務部キャビネット A-3 紛失防止・監査対応・訴訟時の証拠保全に必須 キャビネット番号・棚番号まで記録。電子契約の場合は「電子」と記載
電子データ保管場所 SharePoint/Legal/2024/業務委託/○○社/ PDFの所在確認・フォルダ迷子防止・テレワーク時の参照 フォルダパスまたはURL。電子契約の場合はサービス内URLも記録

更新管理に必要な項目

契約更新の管理は、台帳業務の中でも最も事故リスクが高い領域です。「契約終了日だけ管理していれば大丈夫」という認識は危険です。

⚠️
更新管理の落とし穴:契約終了日を管理していても、解約通知期限を管理していなければ意味がありません。特に自動更新条項がある契約は、解約通知期限を過ぎると次の更新期間まで解約できなくなります。
項目名 入力例 管理上のポイント
契約終了日 2025/04/30 更新管理の基準日。自動更新後は更新済の終了日に更新する
自動更新の有無 あり(1年ごと)/ なし 「あり」の契約を優先的に管理する。更新単位(1年・2年等)も記録
更新後期間 1年(毎年4月30日) 更新後の契約期間を明確にする。次回終了日の計算に使用
解約通知期限 2025/01/31(終了日の3ヶ月前) 最重要。この日付を過ぎると解約できなくなる。契約条文から正確に計算
解約通知方法 書面(配達証明付)/ メール可 通知方法を誤ると解約が無効になるリスクがある。契約書の条文確認が必須
更新判断担当者 営業部・佐藤部長 誰が更新・解約を判断するかを明確にする。担当者変更時は必ず更新
更新要否判断期限 2024/12/31 解約通知期限より前に判断が完了する日。内部の意思決定プロセスを考慮して設定
更新アラート日 2024/12/01 担当者に通知する日。解約通知期限の1〜2ヶ月前が目安。この日より前に必ず設定
更新対応ステータス 未対応 / 更新確認中 / 更新確定 / 解約通知済 更新手続きの進捗状況。プルダウン化して見える化する
次回更新日 2026/04/30 更新後の次回終了日。更新完了後に台帳を更新する

📌 更新管理のアラート設計(日付の関係)

  • 更新アラート日 → 更新要否判断期限 → 解約通知期限 → 契約終了日の順に設定
  • 更新アラート日は解約通知期限の1〜2ヶ月前が目安
  • 自動更新契約は、更新アラート日が来たら必ず更新要否を確認する運用にする
  • 期間の定めのない契約は、定期的(年1回など)に継続要否を確認するルールを設ける

覚書・変更契約管理に必要な項目

実務において、最も「気づかず見落とされている」のが覚書・変更契約の管理です。原契約を締結したあとに複数回の覚書を締結しているにもかかわらず、台帳に原契約しか登録されていない——そうした状態では、現時点の契約条件が正確に把握できません。

⚠️
覚書の管理ミスで起きる問題:「今の契約金額はいくらか?」「再委託は許可されているか?」——原契約だけを見ていると、覚書で変更された条件を見落としてしまいます。覚書は必ず原契約に紐付けて管理してください。
項目名 入力例 管理上のポイント
原契約管理番号 2024-001 覚書と原契約を紐付けるための最重要項目。必ず入力
覚書番号 2024-001-M01(M=Memorandum) 原契約番号+連番の構造にすると管理しやすい
変更契約書名 業務委託基本契約 第1号変更覚書 正式な書類名で記録する
変更日 2025/01/15 覚書の締結日・効力発生日を区別して記録
変更内容 契約金額変更・第○条を改定 変更の概要を記録。詳細は関連ファイルを参照
変更対象条項 第5条(委託料)・第8条(再委託) どの条項が変更されたかを記録しておくと参照が速い
変更後の契約金額 月額600,000円(税別) 変更があった場合は必ず更新。原契約の金額欄も更新してよいが、変更前後を両方記録することを推奨
変更後の契約期間 2026/04/30まで延長 期間変更の場合は原契約の終了日も更新する
変更後の支払条件 月末締め翌々月末払い(変更後) 変更された支払条件を記録
最新版フラグ 最新 / 旧版 重要。複数の覚書がある場合、どれが現在の「最新条件」かが分かるように必ずフラグを立てる
変更前契約との関係 全部改訂 / 一部改訂 / 追加 覚書の性質(どこまで変更しているか)を把握するために記録
関連ファイル保管場所 SharePoint/Legal/2025/覚書/2024-001-M01.pdf PDFのパスまたはURL。原契約と同じフォルダに格納することを推奨

電子契約・紙契約の管理項目

電子契約の普及に伴い、紙と電子が混在した状態で管理しているケースが増えています。重要なのは、電子契約と紙契約を同じ台帳で一元管理することです。

📌 よくある誤解:「電子契約サービスに保存してある=管理できている」ではありません。サービス内にあるのは、あくまでそのサービスで締結した契約のみです。紙契約・他サービスの電子契約・メール合意は別途管理が必要です。

項目名 入力例 管理上のポイント
締結方法 電子契約 / 紙契約(記名押印)/ 紙契約(署名)/ メール合意 プルダウン化して統一。印紙税・原本管理の方針が変わる
電子契約サービス名 主要な電子契約サービス(クラウドサイン等) 複数サービスを利用している場合に必須。サービス廃止・契約終了リスクも管理できる
電子契約URL https://xxx.cloudsign.jp/xxx サービス内の個別契約ページのURL。アクセスできない場合に備え、PDFも別途保管
電子署名完了日 2024/04/01 14:32(タイムスタンプ) 締結日の証明になる。紛争時の証拠としても重要
紙原本の有無 あり(2通)/ なし(電子のみ) 電子契約でも紙原本を取り交わしているケースがある。原本の有無を必ず確認して記録
原本通数 2通(自社保管1通・相手方保管1通) 原本の管理数と保管者を記録
PDF保管場所 SharePoint/Legal/2024/業務委託/○○社/2024-001.pdf 電子契約サービスと別に、自社ストレージにもPDFを保存することを推奨
印紙税要否 必要(2号文書・4,000円)/ 不要(電子契約)/ 要確認 電子契約は原則として印紙税不要。ただし紙原本がある場合は要確認
印紙貼付・消印確認 完了 / 未確認 / 不要 紙契約で印紙税が必要な契約の確認状況を記録
保管責任部署 法務部 誰が管理責任を持つかを明確にする。紙と電子で異なる場合もある
アクセス権限 全社閲覧可 / 法務・営業のみ / 法務のみ 情報セキュリティ・秘密保持の観点からアクセス制限を記録

Excelで契約台帳を作る場合の注意点

Excelは手軽に始められる点で優れていますが、契約管理ツールとしては機能面に限界があります。Excelを全否定する必要はありませんが、限界を理解した上で使うことが重要です。

Excelで始めること自体は問題ない

契約数が少ない段階や、予算が限られている場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートで台帳を始めることは十分合理的な選択です。

Excelが有効なケース:契約数が50件以下、法務担当者が1〜2名、システム導入の予算がない、まず台帳管理の文化を作りたい

Excelの構造的な限界

限界の内容具体的な問題回避策
自動アラートがない 更新期限を自分で確認しに行かないと気づかない 条件付き書式で色付け+定期確認ルールを設ける
同時編集・バージョン管理 複数人が編集すると上書き・不整合が起きる Googleスプレッドシートで共同編集、編集権限を限定
アクセス権限管理 シート単位でのアクセス制限が難しい 機密契約は別シートまたは別ファイルに分けるなどの工夫が必要
覚書との紐付け 原契約と覚書の紐付けが目視管理になる 管理番号のルールを徹底し、覚書を別シートで管理
ファイル本体との連携 PDFや原本との紐付けが手動になる ファイルパスをセルに入力し、ハイパーリンク化する
更新履歴の保存 誰がいつ何を変更したかが分からない Googleスプレッドシートのバージョン履歴機能を活用
グループ会社横断管理 複数のファイルが乱立し、全体像が把握できない ファイルの統一・命名規則の徹底。規模が大きければシステム化を検討

⚠️ Excel台帳のよくある失敗:「とりあえず作った台帳が誰も更新しなくなる」パターンが最も多いです。更新ルール・更新担当者・確認頻度を最初に決めておかないと、台帳はすぐに形骸化します。

契約台帳の作成手順

台帳作成は、一度に完璧なものを作ろうとするより、順を追って整備していく方が長続きします。以下の10ステップで進めてください。

  1. 1
    契約書を棚卸しする

    キャビネット・共有フォルダ・電子契約サービスを確認し、現存するすべての契約書をリストアップします。「何件の契約があるか」を把握することが出発点です。

  2. 2
    管理対象の範囲を決める

    すべての契約を一度に台帳化しようとしない。まず「重要契約(継続中・金額大・更新リスクあり)」に絞って優先的に登録します。

  3. 3
    必須項目を決める

    本記事の16必須項目をベースに、自社の管理ニーズに合わせて項目を決定します。最初から推奨項目をすべて入れようとしなくてよいです。

  4. 4
    入力ルールを決める

    日付形式・金額形式・法人名の入力ルール・プルダウン設定を先に決めます。ルールなしで始めると後で統一できなくなります。

  5. 5
    保管場所を整理する

    紙原本の保管場所(キャビネット・棚番号)とPDF・電子契約のフォルダ構造を整理し、フォルダ命名規則を統一します。

  6. 6
    更新期限を入力する

    優先順位の高い順から、契約終了日・解約通知期限・更新アラート日を入力します。自動更新契約は特に優先してください。

  7. 7
    覚書・変更契約を紐付ける

    棚卸しで見つかった覚書・変更契約書を原契約の管理番号に紐付けます。最新版フラグを立てて「現在の契約条件」が分かるようにします。

  8. 8
    運用担当者を決める

    台帳への入力・更新・確認の担当者を決めます。「誰でも入力できる=誰も責任を持たない」になりやすいため、編集権限と確認者を明確にします。

  9. 9
    定期的に棚卸し・見直しをする

    半年〜1年に一度、台帳と実際の契約書の突合確認を行います。終了した契約のステータス更新・担当者変更の更新なども定期的に実施します。

  10. 10
    システム化を検討する

    契約数が増え、Excelの限界を感じたらシステム化を検討します。自動アラート・権限管理・覚書紐付け・グループ会社横断管理が無理なく行えるツールへの移行を視野に入れてください。

入力ルール例

台帳は「誰が入力しても同じ状態になる」ことが重要です。以下の入力ルールを最初に決めて、全員に徹底してください。

ルール正しい例避けるべき例
契約相手方は正式法人名で入力する 株式会社○○商事 ○○商事 / ○○ / ㈱○○
日付形式をYYYY/MM/DDに統一する 2025/04/30 2025年4月30日 / R7.4.30 / 4/30
金額は税別か税込かを明記する 500,000円(税別) 50万 / ¥500,000 / 50万円
契約類型はプルダウンから選ぶ 業務委託契約 委託契約 / 業委 / 委託
自動更新は「あり/なし/要確認」で入力する あり(1年ごと) ○ / ☑ / 自動更新あり
ステータスはプルダウンから選ぶ 締結済 OK / 完了 / 使用中
ファイル名を統一する 2024-001_○○社_業務委託契約書.pdf 業委_○○.pdf / 契約書(○○).pdf
原契約と覚書の管理番号を紐付ける 原契約:2024-001、覚書:2024-001-M01 覚書だけ別管理・番号なし
更新アラート日は必ず入力する 2024/12/01(解約通知期限の2ヶ月前) 空欄のまま
自由記述欄(備考)に頼りすぎない 重要事項は専用項目に入力し、備考は補足のみ すべて備考に記入

契約台帳の運用ルール

台帳は作っただけでは機能しません。「誰が・いつ・何をするか」を決めないと、すぐに形骸化します。以下の10の運用ルールを最初に合意してください。

1新規契約締結時に必ず台帳登録する——締結日から〇営業日以内に登録するルールを設ける
2契約審査完了後に台帳仮登録する——締結前の段階でも「審査中」ステータスで登録することで漏れを防ぐ
3締結後にステータスを「締結済」に更新する——仮登録から正式登録への切り替えを確実に行う
4覚書締結時に原契約に紐付ける——覚書だけ単独で登録しない。原契約管理番号を必ず入力する
5更新アラート日が来たら必ず確認する——アラートを受けた担当者が更新要否を判断し、ステータスを更新する
6契約終了時に「終了」ステータスへ変更する——終了した契約も記録として残す(削除しない)
7保管場所を変更したら台帳も更新する——キャビネットの移動・フォルダ移動後は必ず台帳のパスを更新する
8半年〜1年に一度、台帳全体を棚卸しする——実際の契約書と台帳の整合性を定期的に確認する
9編集権限を担当者に限定する——誰でも編集できる状態にしない。変更履歴が残る仕組みにする
10変更履歴・更新メモを残す——いつ何を変更したかの記録を残す(Googleスプレッドシートならバージョン履歴を活用)

契約台帳チェックリスト

台帳を整備したあと、以下の14項目を確認してください。すべてにチェックが入れば、実務として機能する台帳が完成しています。

📋 各契約について以下を確認してください。

  • 管理番号が付与されている
  • 契約名が統一ルールで入力されている
  • 契約相手方が正式法人名で入力されている
  • 契約類型が分類されている(プルダウンまたはルール統一)
  • 契約開始日・終了日が入力されている
  • 自動更新の有無が入力されている
  • 解約通知期限が入力されている(自動更新ありの場合は必須)
  • 更新アラート日が設定されている
  • 原本保管場所が分かる(キャビネット番号・棚番号まで)
  • 電子データ保管場所(フォルダパス・URL)が入力されている
  • 覚書・変更契約が原契約に紐付いている
  • 契約ステータスが現状を反映している
  • 担当部署・責任者が入力されている
  • 台帳の最終更新日が分かる

よくある質問(FAQ)

契約台帳とは何ですか?
契約台帳とは、会社が締結しているすべての契約を一覧で管理するための台帳です。単なる「契約書の一覧」ではなく、契約内容・期限・更新条件・覚書との紐付け・保管場所などを一元管理し、更新漏れや事故を防ぐための実務ツールです。
契約台帳には何を入れるべきですか?
最低限必要な項目は、管理番号・契約名・契約相手方・契約類型・担当部署・締結日・契約開始日・契約終了日・自動更新の有無・解約通知期限・更新アラート日・契約金額・契約ステータス・原本保管場所・電子データ保管場所の16項目です。実務上は支払条件・個人情報取扱有無・契約審査担当者なども追加を推奨します。
Excelで契約台帳を作ってもよいですか?
Excelでも台帳管理は可能です。契約数が少ない段階では十分有効です。ただし、更新期限のアラート自動化・アクセス権限管理・覚書との紐付け・全社共有などには限界があります。まずExcelで始め、運用規模が拡大したらシステム化を検討してください。
契約終了日だけ管理すればよいですか?
いいえ。契約終了日だけでは不十分です。特に自動更新条項がある契約は、解約通知期限を管理していないと、気づかないうちに契約が自動更新されてしまいます。「契約終了日・解約通知期限・更新アラート日」の3点セットで管理してください。
自動更新契約はどう管理しますか?
自動更新契約は、①契約終了日、②解約通知期限(条文から計算)、③更新判断期限(社内意思決定に必要な期間を加味)、④更新アラート日(解約通知期限の1〜2ヶ月前)の4点を必ず台帳に入力してください。アラート日が来たら、更新要否を担当者が判断し、解約する場合は期限内に書面で通知します。
覚書は台帳に入れるべきですか?
はい、必ず入れてください。覚書・変更契約書は、原契約の条件を変更するものです。台帳に登録せず別管理にすると、「現時点の契約条件」が分からなくなります。原契約の管理番号に紐付けて登録し、最新版フラグを立てることで「今の契約条件」を台帳で把握できます。
電子契約サービスに保存していれば台帳は不要ですか?
電子契約サービスに保存していても、全社横断の契約管理にはなりません。特定の電子契約サービスで締結した契約しか管理されないため、紙契約・他サービスの電子契約・メール合意などが抜け落ちます。電子契約サービスのURLと電子署名完了日を台帳に記録し、紙契約と同じ台帳で一元管理することが重要です。
契約台帳の更新担当は誰にすべきですか?
法務部門が一元管理するか、各部署の担当者が登録して法務が確認するかのどちらかが一般的です。重要なのは「誰が登録するか」「誰が確認するか」を明確にすることです。「誰でも入力できる」=「誰も責任を持たない」になりやすいため、編集権限と確認担当者を決めてください。
契約台帳を作る最初の一歩は何ですか?
最初の一歩は「今ある契約書の棚卸し」です。キャビネット・共有フォルダ・電子契約サービスを確認し、何件の契約が存在するかを把握します。最初から完璧な台帳を目指す必要はありません。管理番号・契約名・相手方・契約期間・保管場所の5項目から始めることを推奨します。
LegalOSで契約台帳管理はできますか?
はい。LegalOSでは、契約台帳管理・更新期限アラート・契約書検索・原契約と覚書の紐付け・契約審査ワークフロー・電子契約と紙契約の統合管理・契約ステータス管理・証跡保存・監査ログ・グループ会社横断管理を一体で支援しています。詳しくはLegalOSのページをご覧ください。

まとめ

この記事のポイント

  • 契約台帳は「契約書の一覧」ではなく「契約リスクの管理表」
  • 必須16項目は管理番号・契約名・相手方・期間・自動更新・解約通知期限・アラート日・金額・ステータス・保管場所
  • 更新管理は「終了日だけ」では不十分——解約通知期限と更新アラート日を必ず管理する
  • 覚書・変更契約は原契約に紐付け、最新版フラグを立てて管理する
  • 電子契約と紙契約は同じ台帳で一元管理する
  • Excelで始めることは問題ないが、入力ルール・運用担当者・更新ルールを最初に決める
  • 完璧を目指さず、まず事故を防ぐ台帳から始める

契約台帳は、完成した瞬間が終わりではなく、運用を続けることで初めて機能します。次のステップとして、第3話「契約台帳テンプレート|Excel運用の限界とよくある失敗例」では、実際にExcelで台帳を作る際のテンプレート設計と、よくある失敗パターンを解説します。

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