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シリーズ:ChatGPTを法務実務で使う方法|有料プロンプト集 活用ガイド
第11話:契約審査コメントをAIで作る方法|社内向け・相手方向けで表現を変える

契約審査の仕事は、リスクを見つけるだけでは終わりません。見つけたリスクを、誰に向けて、どう伝えるかが実務の本番です。社内の事業部門には率直な説明が求められますが、同じ内容を相手方に出してしまうと、交渉を難しくしたり、関係を損ねることもあります。

契約審査 コメント AIの活用が広がるなか、よく起きるのが「AIが作ったコメントをそのまま相手方に送ってしまう」ミスです。AIはプロンプトで用途を指定しなければ、社内向けの本音と相手方向けの交渉文が混ざったコメントを出してきます。

本記事では、契約審査コメント ChatGPTを活用して、社内向けと相手方向けのコメントをどう作り分けるかを、実務的な手順とプロンプト例で解説します。「コメント文の品質を安定させたい」「一人法務でも使いやすい型がほしい」という方に向けた内容です。

📄 契約審査コメントは、社内向けと相手方向けで表現を変える必要があります。コメント案・修正文案・相手方への説明文を毎回ゼロから考えるのが大変な方は、以下もあわせてご確認ください。

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まず結論:契約審査コメントは「誰に向けたコメントか」を最初に指定する

契約書レビュー コメントを作る際に最初に決めるべきことは、読み手は誰か、という一点です。読み手によって、必要な情報・表現・粒度がまったく異なります。

  • 社内向けコメント:リスク・事業上の影響・交渉優先度・譲歩可能性を率直に
  • 相手方向けコメント:交渉しやすい表現で、修正理由を中立的に
  • 上長向け要約:判断に必要な要点・推奨対応・エスカレーション事項を簡潔に
  • 事業部門向け説明:実務への影響・確認事項を分かりやすく
  • 弁護士相談前メモ:論点・背景・自社の暫定見解を整理して

契約書 コメント AIを使う場合、読み手と目的を最初に指定しなければ、表現が混在した使いにくいコメントが出てきます。「社内向け」と「相手方向け」を明確に分けてプロンプトに記述することが、実務で使えるコメントを得る第一歩です。

図解:契約審査コメントをAIで作る流れ

図解1|契約審査コメントをAIで作る流れ
① 問題条項・リスクを特定する
責任制限、解除、知財権、秘密保持などの問題箇所を絞り込む
② コメントの読み手を指定する
社内向け相手方向け上長向け事業部門向け
③ コメントの目的を指定する
リスク説明修正依頼交渉判断依頼
④ ChatGPTでコメント案を作成する
契約書AIレビュー専用プロンプトを使い、読み手・目的・トーン・形式を指定
⑤ 法務担当者が表現・交渉方針を確認・調整する
AIコメントはたたき台。自社方針・交渉戦略に合わせて必ず確認する
⑥ 社内共有・相手方送付・記録化
用途に応じて仕上げ、案件管理に記録する
💡 同じリスクでも、読み手が変わればコメントの書き方は変わります。読み手を先に決めることが、AIコメントを実務で使えるものにする最大のポイントです。

契約審査コメント作成でAIが得意なこと

契約書レビュー AIを使う際は、AIが得意な作業と人間が判断すべき作業を区別することが重要です。AIが得意なのは主に以下の領域です。

  • リスク内容を分かりやすく言い換える(法律用語を事業部門向けに平易に変換する)
  • 社内向け説明を表形式やリスト形式で整理する
  • 相手方向けに表現を柔らかく・中立的に整える
  • 上長向けに要点を短くまとめる
  • 事業部門向けに実務上の影響を具体的に説明する
  • 修正文案とセットでコメントを作る(指摘理由と修正案を並べる)
  • 重要度別に指摘を分類・整理する
  • 交渉しやすい理由付けの表現に整える
  • 記録に残しやすい文章の体裁に整える
  • 同じコメントをトーン別(強め・標準・柔らかめ)に言い換える

契約審査コメント作成でAIに任せてはいけないこと

AIはあくまでコメント案の「たたき台」です。以下の判断・確認は、必ず人間が行ってください。

  • コメント内容の最終採否(社内向け・相手方向けいずれも)
  • どこまで強く交渉するか、どこで妥協するかの判断
  • 事業部門との調整方針・社内の合意形成プロセスの決定
  • 相手方との関係性を踏まえたトーンの最終決定
  • 重要リスクの法的評価(法的責任・解釈・準拠法など)
  • 社外に出すコメントの最終確定・送付承認
  • 重要契約・紛争性のある案件における総合判断
  • 自社標準契約・社内方針・コンプライアンス方針との整合性確認

AIは判断者ではなく補助者です。最終的なコメントの責任は、それを送付・承認した人間にあります。

表:コメント作成でAIに任せやすい作業・人間が判断すべき作業

作業AIに向いていること人間が判断すべきこと注意点
リスク説明文の作成 法律用語を平易に言い換え、読み手別に整理する 法的リスクの重大性評価、自社への影響度の最終判断 AIの過小・過大評価に注意
社内向けコメント案 指摘事項・推奨対応・交渉優先度を表形式にまとめる 自社方針・事業戦略との整合性確認 社内の合意形成プロセスはAI任せにしない
相手方向けコメント案 社内向け表現を中立的・交渉しやすい表現に言い換える 送付前の最終確認・承認・交渉方針との整合 AIコメントを無確認で送付しない
上長向け要約 要点・推奨対応・判断事項を短くまとめる エスカレーション要否の判断・承認依頼の組み立て 重要案件は情報量を削りすぎない
トーン調整 強め・標準・柔らかめの3パターンを出力する 実際のトーン選択(交渉戦略・相手方関係性に依存) AIは関係性文脈を知らない
コメント一覧化 条項別に指摘を整理し表形式で出力する 記載内容・優先順位・対応状況の確認 版管理・承認フローは別途必要
修正文案との紐付け 指摘理由と修正文案を並べて整理する 修正文案の法的正確性・自社条件との整合性 修正文案も必ず法務担当者が確認する

社内向けコメントと相手方向けコメントの違い

契約審査 社内コメント契約審査 相手方コメントは、同じ指摘事項でも、目的・表現・含める情報が大きく異なります。

社内向けコメントでは、「なぜ問題か」「放置するとどう困るか」「どこまで譲れるか」「法務としての推奨対応は何か」を率直に伝えることが重要です。事業部門が判断できる情報を、わかりやすく整理することが求められます。

一方、相手方向けコメントでは、「責任範囲の明確化」「実務運用上の必要性」「双方の認識齟齬防止」という観点から、相手を責めず、交渉しやすい表現に整えることが重要です。社内向けの本音表現をそのまま相手方に出してしまうと、不要な摩擦が生じる可能性があります。

図解:社内向けコメントと相手方向けコメントの違い

図解2|社内向けコメントと相手方向けコメントの使い分け
社内向けコメント
  • リスクを率直に説明する
  • 事業上の影響・損失可能性を示す
  • 法務としての推奨修正方針を伝える
  • 交渉優先度を明示する(必須・推奨・任意)
  • 譲歩可能な範囲を確認する
  • 事業部門に確認すべき事項を示す
相手方向けコメント
  • 表現を柔らかく・中立的にする
  • 修正理由を交渉可能な形にする
  • 相手方を責める・非難する表現を避ける
  • 「実務上の必要性」「明確化のため」という理由付けにする
  • 合意形成しやすい言い方にする
  • 断定的すぎる法的評価は控える
⚠️ 社内向けの本音表現をそのまま相手方に出さないことが重要です。AIが作ったコメントを読み手別に確認・調整することが、実務上のリスク管理にもなります。

契約審査コメントを作る前に整理すべき前提条件

契約審査 プロンプトを組む前に、以下の前提条件を整理してください。プロンプトへの情報が多いほど、使えるコメント案が出てきます。

項目内容・選択肢の例
読み手社内(事業部門)、上長・承認者、相手方、弁護士、自分用メモ
コメント目的リスク説明、修正依頼、判断依頼、交渉、記録化、エスカレーション
契約類型NDA、業務委託、売買、請負、ライセンス、サービス利用規約
自社の立場発注者、受託者、売主、買主、開示者、受領者、ライセンサー
指摘条項責任制限、解除、再委託、知的財産権、検収、秘密保持、支払条件
トーン率直(社内)、標準(通常交渉)、柔らかめ(関係性重視)、強め(重要リスク)
出力形式表形式、箇条書き、メール文案、コメント一覧、稟議添付用
注意事項マスキング要否、交渉方針、上長確認要否、弁護士確認要否

使い方①:社内向けコメントを作る

社内向けコメントでは、法務が見たリスクを率直に説明します。営業・事業部門が判断できるよう、実務上の影響も含めて整理してください。「法務としては修正推奨」「ただし事業判断によっては受け入れの余地あり」といった判断の余地を示すことも重要です。

以下のプロンプトを参考に、問題条項を指定して使ってください。

【社内向けコメント作成プロンプト(サンプル)】

あなたは企業法務担当者を支援する立場です。以下の契約条項について、社内の事業部門向けに契約審査コメントを作成してください。

コメントでは、以下を整理してください。
①何が問題か(条項上の問題点)
②放置した場合の実務上のリスク(事業上の影響)
③法務として推奨する修正方針
④事業部門に確認したい事項
⑤交渉優先度(必須修正/推奨修正/任意修正)

出力は表形式にしてください。法律用語は必要に応じて使いつつ、事業部門にも分かる表現にしてください。

【条項本文をここに入力】
📌 社内コメントは、将来の稟議・承認・社内調整の記録になることがあります。表現は正確かつ過度に感情的でないよう心がけてください。

使い方②:相手方向けコメントを作る

相手方に出すコメントは、社内向けよりも表現を整える必要があります。「不利です」「危険です」「こちらに有利な条項にしてください」といった表現は避け、「責任範囲を明確にするため」「実務運用上の誤解を避けるため」「双方の認識齟齬を防ぐため」という観点から、交渉しやすい理由付けにしてください。

【相手方向けコメント作成プロンプト(サンプル)】

上記の社内向けコメントをもとに、相手方へ送付する契約審査コメント案を作成してください。

以下の点に注意してください。
・相手方を責める表現、断定的すぎる表現、過度に強い表現は避けること
・実務運用上の必要性、責任範囲の明確化、双方の認識齟齬防止という観点から記載すること
・柔らかく、交渉しやすい表現にすること

出力形式:
「対象条項」「相手方へのコメント案」「表現上の注意点」の3列の表形式で出力してください。
⚠️ AIが作った相手方向けコメントは、必ず法務担当者が確認してから送付してください。送付したコメントは交渉履歴として残ります。

使い方③:上長向け要約を作る

上長向けには、詳細な条文解説よりも、「何が問題で、どう対応するか、事業判断が必要な点はどこか」を短く伝えることが重要です。稟議・承認・エスカレーションに使える形にまとめましょう。

【上長向け要約プロンプト(サンプル)】

以下の契約審査内容について、上長(部門長・法務部長)向けの要約を作成してください。

含める内容:
①契約の概要と審査対象
②主要リスク(上位3点まで)
③法務として推奨する対応方針
④事業判断が必要な事項
⑤妥協可能な範囲・追加確認が必要な事項

出力は500字以内の箇条書き形式にしてください。専門用語は最小限にし、経営・事業判断に使える表現にしてください。

【審査内容をここに入力】

使い方④:弁護士相談前メモを作る

外部弁護士に相談する前に、論点・契約背景・法務の暫定見解を整理することで、相談の質が上がり、費用対効果も高まります。AIは相談メモのたたき台作成に有効です。ただし、機密情報・個人情報・取引先情報の入力には十分注意してください。

【弁護士相談前メモ作成プロンプト(サンプル)】

以下の契約上の問題について、外部弁護士に相談するための論点整理メモを作成してください。

含める内容:
①契約の種類・当事者の立場
②問題となっている条項と状況
③法務担当者の暫定的な見解
④法的に確認したい論点(優先度順)
⑤相談前に社内で確認すべき事項

守秘義務上、取引先名・個人名・金額等は仮称(A社、甲など)で記載します。

【論点内容をここに入力】
📌 外部弁護士への相談メモに取引先名・個人情報・営業秘密が含まれる場合は、必要に応じてマスキング処理を行ってください。詳しくは後述の「マスキングの関係」をご参照ください。

使い方⑤:コメント一覧をレビュー表にまとめる

複数条項の審査コメントを整理するには、一覧表(レビュー表)の形式が便利です。AIに表形式で出させると、社内共有・版管理・対応状況の追跡がしやすくなります。

レビュー表に含める列の例:条項名、指摘内容、重要度、修正文案、社内コメント、相手方コメント案、担当者、対応状況。

案件管理・版管理・承認記録については、LegalOSシリーズのような契約案件管理ツールと組み合わせることで、審査の証跡を体系的に管理できます。

表:読み手別・契約審査コメントの書き分け

読み手コメントの目的書くべき内容避けるべき表現AIへの指示ポイント
事業部門 リスク説明・判断依頼 実務への影響、推奨対応、確認事項、交渉優先度 過度な法律用語、結論のない説明 「事業部門向け」「実務影響を含めて」と指定
上長・承認者 要約・エスカレーション 重要リスク3点、推奨方針、要判断事項 詳細すぎる条文解説 「500字以内」「判断に必要な要点のみ」と指定
相手方 修正依頼・交渉 修正理由(双方の利益・運用上の必要性)、修正文案 責める表現、断定的評価、強すぎる要求 「相手方向け」「柔らかめ」「交渉可能な表現で」と指定
外部弁護士 相談前整理・論点提示 問題条項、論点、自社見解、確認したい法的事項 取引先名・個人名(仮称に置き換える) 「弁護士相談前メモ形式」「論点を優先度順に」と指定
自分用メモ 記録・整理 審査経過、判断根拠、対応状況、今後の課題 不要な装飾表現 「記録用メモ形式」「審査経過を含めて」と指定
承認者向け 稟議・承認依頼 契約概要、主要リスク、法務推奨、承認依頼事項 不確定事項の断定、リスクの過小表現 「稟議添付用」「承認に必要な情報を整理」と指定

表:よくある条項別・契約審査コメントの作り方

条項社内向けコメントの観点相手方向けコメントの観点AIへの指示ポイント
損害賠償・責任制限 制限額が妥当か、除外事項(故意・重過失)はあるか、事業被害額との乖離 「予見可能なリスクに対応するため制限額の見直しを希望」 「責任制限条項の社内説明と相手方コメントを両方作って」
再委託 無断再委託リスク、業務品質・機密管理、責任の帰属 「再委託先の管理責任の明確化のため、事前承認条項を追加したい」 「再委託条項の社内リスク説明と、相手方への修正依頼文を出して」
知的財産権 成果物の帰属先、既存IPとの切り分け、ライセンス範囲 「成果物帰属の明確化により双方の認識齟齬を防ぐため修正を希望」 「知財条項を自社受託者の立場でコメントして」
検収 検収基準の不明確さ、みなし承認期間の長短、追加作業リスク 「検収基準の明確化により円滑な業務遂行を確保したい」 「検収条項の問題点を受託者立場で社内向けにまとめて」
解除 解除事由の範囲、催告要否、解除後の清算・損害賠償 「解除手続きの明確化により双方の予測可能性を高めたい」 「解除条項のリスクと相手方コメント案を両方出して」
秘密保持 秘密情報の定義の広狭、例外事由、有効期間、残存条項 「秘密情報の定義を明確化し、実務上の運用を円滑にしたい」 「秘密保持条項の開示者立場でのコメントと修正方針を出して」
個人情報 取扱委託の明示、安全管理措置、漏えい時の対応義務 「個人情報の取扱いルールを契約上で明確化したい」 「個人情報保護法上の観点を踏まえてコメントして」
支払条件 支払時期・遅延損害金・相殺の可否 「資金繰り・経理処理の観点から支払条件の明確化を希望」 「支払条件の修正コメントを相手方向けに柔らかく出して」
反社・法令遵守 表明保証の内容・解除条件・損害賠償との連動 「社内コンプライアンス方針に基づく標準条項の追加を希望」 「反社条項の必要性を相手方に説明する文案を出して」

契約審査コメントのトーン調整

同じ指摘でも、交渉段階・相手方との関係性・案件の重要度に応じて、コメントのトーンを変えることが実務では有効です。AIに3パターンを出させると、状況に合わせて選びやすくなります。

【トーン3段階プロンプト(サンプル)】

以下の契約審査コメントについて、①強め、②標準、③柔らかめの3パターンに言い換えてください。

条件:
・いずれも相手方を責める表現は避けること
・修正理由が伝わる表現にすること
・交渉初回は②、重要リスクは①、関係性重視の場面は③を想定

出力形式:
「元コメント」「①強め」「②標準」「③柔らかめ」「使い分けの場面」の5列の表形式で出力してください。

【元コメントをここに入力】

図解:契約審査コメントのトーン3段階

図解3|契約審査コメントのトーン使い分け
① 強め

対象:重要リスク・譲りにくい条項

場面:重大な責任制限・紛争リスクが高い案件

例:「本条項は受け入れがたく、修正がない場合には締結を見合わせることを検討します。」

② 標準

対象:通常の修正依頼

場面:交渉初回・一般的な審査コメント送付時

例:「責任範囲の明確化のため、本条項について修正のご検討をお願いいたします。」

③ 柔らかめ

対象:軽微修正・関係性重視の案件

場面:継続取引先・合意形成を優先したい場合

例:「実務運用上の観点から、可能であれば下記のとおりご確認いただけますでしょうか。」

💡 トーンの強弱は、法的な正しさだけでなく、交渉戦略・相手方との関係性・案件の重要度にも関わります。最終的なトーンは人間が判断してください。

AIコメントを実務で使う前のチェックポイント

AIが作った契約書レビュー コメントを実際に使う前に、以下の点を確認してください。

  • 読み手(社内・相手方・上長など)に合った表現になっているか
  • 社内向けの本音表現を相手方に出していないか
  • 相手方を責める・非難する表現になっていないか
  • 修正文案とコメント内容が一致しているか(指摘と修正案が対応しているか)
  • 自社の方針・交渉方針に合っているか
  • 法的に断定しすぎていないか(「〜は違法です」などの過度な断定)
  • 事業部門が判断しやすい説明になっているか(実務上の影響が分かるか)
  • コメントを出す優先順位が適切か(重要リスクが埋もれていないか)
  • 契約全体との整合性があるか(他条項との矛盾がないか)
  • 重要案件では上長・弁護士への確認が必要か

契約審査コメントとマスキングの関係

コメント作成のために契約書やレビュー内容をAIに入力する場合、取引先名・担当者名・金額・技術情報・個人情報・営業秘密が含まれる可能性があります。

外部AIに入力する前に、必ず自社のAI利用ルール・秘密保持義務(社内規程・取引先とのNDA等)を確認してください。不要な情報は入力しない、または仮名・仮称に置き換えることが基本対応です。

契約書 マスキング」処理を手作業で行うのが面倒な場合は、前処理ツールを活用する方法もあります。

🔒 契約書やレビューコメントをAIに入力する前に、取引先名・担当者名・金額・技術情報・個人情報などを整理・伏せる必要がある場合は、以下をご確認ください。

LegalOS マスキング|AI入力前の前処理ツール

契約審査コメント用プロンプト集を使うメリット

契約書AIレビュー専用プロンプト集を使うことで、毎回ゼロからプロンプトを考えずに済み、コメント品質を安定させやすくなります。

  • 毎回ゼロからコメント文を考えなくてよい(型が決まっている)
  • 社内向け・相手方向けの表現を分けた出力が得られやすい
  • 上長向け要約や弁護士相談前メモへの展開がしやすい
  • 条項別にコメント観点がそろっており、指摘漏れを防ぎやすい
  • 一人法務・少人数法務でも説明品質を安定させやすい
  • 法務AIプロンプト集」として、契約審査以外の業務にも応用できる

ただし、プロンプト集はあくまで「コメントを作るための観点と出力形式を整える型」です。正解を自動的に出すものではなく、法務担当者の確認・判断が前提です。

契約審査コメント用プロンプト集が向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
契約審査コメントを書くのに時間がかかる AIをほとんど使わない・使うつもりがない
相手方に出す表現に毎回迷う コメント作成をAIに完全自動化してほしい
社内向け説明と相手方コメントを分けたい 相手方に出す表現を人間が確認するつもりがない
上長向け要約や事業部門向け説明も作りたい 自社方針・交渉方針を確認するつもりがない
契約審査コメントの品質を一定にしたい 重要契約も専門家確認なしで済ませたい
一人法務・少人数法務でコメント作成の型がほしい 機密情報を無加工で外部AIに入力する運用を考えている

注意点:契約審査コメントは「交渉履歴」と「社内記録」に残る

相手方に送ったコメントは、交渉の経緯・合意形成のプロセスとして記録に残ります。将来のトラブル時に参照される可能性があることを念頭に置いてください。

社内コメントも同様です。稟議書・承認記録・案件管理システムへの添付資料として残ることがあり、後日の説明資料として使われる場合があります。

  • 過度に断定的な法的評価の表現は避ける
  • 感情的・攻撃的な表現は記録に残さない
  • AIが作った文章でも、最終的に出す責任は人間にある
  • 重要案件では上長・弁護士への確認を検討する
  • 相手方への送付前には必ず法務担当者が内容を確認する

契約審査コメントの作成効率を上げたい方へ

社内向けコメント・相手方コメント・上長向け要約・修正文案を効率よく作るためのプロンプト型(観点・形式・読み手指定)を整理したツールです。一人法務・少人数法務の方にもご活用いただけます。

まとめ

契約審査コメントは、同じリスクの指摘であっても、誰に向けて書くかによって表現・内容・粒度を変える必要があります。社内向けにはリスクを率直に伝え、相手方向けには交渉しやすい表現に整える。この使い分けが、契約審査実務の質を左右します。

ChatGPT 法務活用において、AIはコメント案の作成・言い換え・トーン調整・要約に使えます。ただし、AIコメントをそのまま送るのではなく、読み手・交渉方針・自社方針に合わせて調整することが必須です。最終的なコメントの採否・送付判断・交渉方針は、必ず人間が行ってください。

契約書AIレビュー専用プロンプト集を活用することで、コメントの観点・出力形式・読み手別の表現を整えやすくなります。重要案件では、上長・弁護士への確認を忘れずに行ってください。

次回の第12話では、英文契約レビューにAIを使う前に知るべきことをテーマに、翻訳・要約・リスク抽出の活用方法と限界を解説します。

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