AIラボ AI Learning OS #002 RESEARCH LOG

中学受験の教材管理をAIで変えられる?
AI Learning OSでできること

教材やテストを、あとからAIに見比べてもらえる形で残しておく。 その仕組みが、いま何をしていて、何をまだできていないのかを整理します。

PROJECT(取り組み)教育データサイエンス
CASE(対象)小学4年・中学受験
DATASET(残しているもの)教材・テスト・学習の記録
VERSION1.0
STATUS(現在地)仕組みの全体像

01この記事で分かること

この記事で分かること

わが家の教材整理が、実際に何を残しているのか。教材をChatGPTに一度読み込ませることと、どこが違うのか。そして、4つの教材を比べて、いまどこまで分かったのかをお伝えします。

前回は、教材が増えるほど、親の記憶だけでは復習の優先順位を決めにくくなることを書きました。今回は、その困りごとに対して実際に何をしているかの話です。

02ひとことで言うと、何をしているのか

「AI Learning OS」と呼んでいますが、既製の商品でも、塾の公式サービスでもありません。娘の家庭学習のために、私が個人的に作っている仕組みの呼び名です。

やっていることは単純です。子どもの教材やテストを、あとからAIに見比べてもらえるように、決まったルールで整理して残しておく。それだけです。

毎週増える教材を、ただしまい込むのではありません。過去の間違いを調べたり、苦手かもしれないところを考えたり、復習する問題を選んだりするときに使える形で残します。

「OS」という言葉を使っていますが、難しく考える必要はありません。教材、答案、テスト結果、そのときの気づきをばらばらにせず、同じルールで扱うための土台、という程度の意味です。

03ここまでできたこと

実際に4つの教材を登録して比べた結果、いまは次のところまで進んでいます。

1.過去の間違いと見比べる

今回の結果だけを見るのではなく、複数回の教材やテストを並べて見られるようになりました。

たとえば、ある月の算数で大きく点数を落とした単元も、その1回だけで苦手とは判断せず、別の月の結果と比べています。

2.もう一度確認した方がよいところを整理する

4つの教材を比べた結果、いまは次の項目が挙がっています。

表1 もう一度確認した方がよいところ(確認する順番)
教科 確認したいところ
1. 理科電気回路
2. 算数約数・規則性
3. 国語漢字・語句
4. 社会地名と位置の対応

これは苦手が確定したという意味ではありません。復習したあとに似た問題を解いて、本当に身についていないのかを確かめる必要があります。

3.間違った原因の推測を外す

点数だけでなく、出題範囲や、家庭で分かっている事情も確認しました。

たとえば社会は、テストごとに得点差がありました。ただ、出題範囲が違うことを考えて、「社会全体が苦手」とは判断していません。

また、時間切れが原因ではないことを家庭側で確認できたため、時間不足という推測もいったん外しました。

4.復習する問題を、いったん絞る

表1の順番に沿って、各教科の練習問題も作りました。

ただし、この順番や問題数が適切だったかは、実際に子どもが解いた結果を見なければ分かりません。

AIが出した候補を、そのまま答えとして採用するわけではありません。AIは過去の記録を見比べるために使い、最終的に何を復習するかは親が決めます。

04ChatGPTに教材を入れるだけとの違い

1枚のテストをChatGPTに読み込ませて「苦手なところを教えて」と聞けば、そのテストについての答えは返ってきます。

ただし、以前に読み込ませた教材が、いつでも比べられる形で残っているとは限りません。

過去のテストや教材、以前の気づきと続けて見比べるには、家庭の側で資料を整理し、AIが参照できる形にしておく必要があります。

表2 1回だけ読み込ませる場合との違い
1回だけ読み込ませる この仕組みで残しておく
その教材だけを見る過去の教材と見比べる
その場の回答で終わる気づいたことも記録に残す
前回の判断と照らし合わせにくい前に考えたことを見直せる
1回の間違いを重く見やすい複数回の傾向を確認できる
資料の整理は別に必要名前付けや分類も同じルールで扱う

違いは、AIの種類ではありません。過去と見比べられる形で、資料と判断を残しているかどうかです。

05実際に残しているもの

いま残しているのは、次の4種類です。

図1 残しているもの

1. 教材そのもの

  • 授業教材
  • 解答と解説
  • テスト問題

2. 子どもの学習結果

  • 子どもが書いた解答
  • 丸付けの結果
  • テストの答案
  • 成績表

3. そのとき考えたこと

  • その時点で分かった得意・不得意
  • まだ確認できていないこと
  • これまでにAIが整理した結果

4. 管理の記録

  • PDFを登録したかどうか
  • 正式なファイル名
  • 教科別の分類
  • 成績の書き写し
  • これまでの得点や間違いの記録
  • いまの課題と、未確認のこと

大事なのは、教材を保存するだけでなく、「そのときどう判断したか」も一緒に残すことです。後から見直したときに、当初の判断が正しかったかを確かめられます。

ただし、すべてが自動になったわけではありません。資料を取り込む作業や、内容が正しいかの確認、AIが判断できない点への回答など、親がやることも残っています。

フォルダの作り方や登録方法は、この記事では扱いません。何を残し、なぜ残すのかが伝われば十分です。

06この仕組みで目指していること

ここまでで、確認したい候補を整理するところまでは進みました。ただ、最終的な目的は、課題を見つけることではありません。

目的は、子どもに解かせる問題を増やすことではなく、必要な復習を見つけやすくすることです。

  • 1回の失敗だけで「苦手」と決めつけない
  • 繰り返している間違いを早めに見つける
  • 復習する問題を必要なものに絞る
  • なぜその問題を復習するのか、子どもに説明しやすくする

今後、作った練習問題を実際に解いてもらい、同じ原因の間違いが減るか、時間を空けても解けるかを確認します。

07まだ分かっていないこと

確認したい候補と、復習用の練習問題を作るところまでは進みました。ただし、次の点はまだ分かっていません。

  • AIが挙げた項目は、本当に身についていないのか
  • 作った練習問題は、確認に適しているのか
  • 復習したあとに、同じ原因の間違いが減るのか
  • 時間を空けても解けるのか
  • 親の教材管理にかかる時間が、実際に減ったのか

いまの現在地は、「苦手を見つけた段階」ではなく、「苦手かもしれない候補を挙げた段階」です。

見立てが外れた例や、使いにくくてやめた方法についても、今後の記事で書いていきます。

SUMMARYまとめ|「保存する」から「見比べられる形で残す」へ

この仕組みは、教材を大量にしまい込むためのものではありません。

教材、答案、テスト結果、そのとき考えたことを同じルールで整理し、必要なときに過去と見比べられるようにするものです。

実際に4つの教材を比べたことで、算数、国語、理科、社会について、確認したい候補を整理できました。1回の結果だけで苦手と決めつけず、別の月の結果や出題範囲、家庭で分かっている事情も考えられました。

ただし、挙がった項目が本当の苦手かどうかは、まだ分かりません。次は、作った練習問題を実際に解いてもらい、その結果でAIの見立て自体を確かめます。

最終的に何を復習するのか、AIの見立てをどこまで採用するのかは、親が決めます。次回は、その役割分担を整理します。

実践ガイド

同じ環境を、家庭で作ってみたい方へ

この記事では、何を残しているのかと、いまどこまで来たのかを書きました。

実際に同じことをするには、教材や答案をGoogle Driveにまとめて保存し、丸付けの結果や成績表も一緒に残しておく準備が必要です。そのうえで、AIが過去と見比べられる状態にしておきます。

フォルダの作り方、教材の登録方法、ChatGPT・Claudeの設定、日々の使い方は、次の有料noteにまとめました。必要な方だけお読みください。

娘の教材を生成AIに預けた|Google DriveとChatGPTで、中学受験の学習管理環境を一から作る手順
次回予告

次回は、AIに任せやすい作業と、親が最終的に決めることを、家庭学習の具体例から整理します。