コーポレート法務にChatGPTを使う方法|議事録・登記・社内手続の下書き活用
法務実務を、記事で学ぶだけで終わらせない。
契約レビュー、ハラスメント対応、契約管理、マスキング、AI法律相談など、 目的に合わせて使える実務ツール・プロンプト集をまとめています。
コーポレート法務にChatGPTを使う方法|議事録・登記・社内手続の下書き活用
コーポレート法務は、一見すると定型的に見える業務の連続です。しかし実際には、株主総会の招集手続、取締役会の決議要件、議事録の法的記載事項、役員変更の登記期限、社内承認の手続など、1つひとつに確認すべき根拠があります。「以前と同じようにやる」で進めてきた運用が、会社法改正や定款変更後に整合性を失っていることもあります。
こうした業務では、議事録のたたき台作成、想定問答の整理、子会社への依頼文、チェックリスト化など、「最初の一手」に時間がかかることが少なくありません。ChatGPT・生成AIは、こうした初動整理や文書の下書き作成に有効な補助ツールとして使えます。
ただし、コーポレート法務では、会社法・定款・取締役会規程・株主総会規程・過去の運用との整合性が不可欠です。AIが出した下書きを、人間が法的根拠・社内規程・実際の審議内容に照らして確認することは、省略できません。
本記事(第13話)では、コーポレート法務にChatGPTを使う方法を、株主総会・取締役会・議事録・登記・社内手続・稟議・子会社管理・年間スケジュール管理の各場面で整理します。「コーポレート法務 AI」「会社法務 ChatGPT」の実務的な活用を検討している法務担当者のための記事です。
📋 コーポレート法務では、議事録・想定問答・社内説明・登記情報整理など、毎回ゼロから作ると時間がかかる文書が多くあります。下書き・チェックリスト作成の型を持っておきたい方は、法務AIプロンプト集も確認してください。
法務AIプロンプト100選を見る →まず結論:コーポレート法務ではAIを「下書き・整理・チェックリスト」に使う
コーポレート法務でAIを使う際の基本的な位置づけは、「判断者ではなく補助者」です。AIが得意なのは、構造的な文書のたたき台作成・情報の整理・チェックリスト化です。
- 取締役会・株主総会の議事録たたき台の作成
- 議題・議案・決議事項・報告事項の整理・分類
- 招集通知・社内説明資料の構成案作成
- 株主や取締役からの想定問答の洗い出し
- 登記手続に必要な情報・書類候補の一覧化
- 子会社・関係部署への依頼文・照会文の作成
- 年間の会社法務スケジュール・チェックリスト作成
- 社内承認・稟議文のたたき台作成
一方、以下は人間・専門家が判断する領域です。
- 決議事項の適法性・会社法上の要件充足の最終判断
- 招集手続の適法性(会社法・定款・規程に基づく)
- 議事録の最終内容確認(実際の審議・決議との一致)
- 登記の可否・必要書類・登録免許税の最終確認
- 利益相反、特別利害関係、善管注意義務等の高度な法的判断
⚠ コーポレート法務AIの基本方針:ChatGPT・生成AIは議事録や登記書類の最終内容を確定するものではありません。AIが出力した下書き・チェックリストは、必ず会社法・定款・社内規程・実際の審議内容に照らして人間が確認・修正してください。
図解:コーポレート法務にChatGPTを使う流れ
- 株主総会 / 取締役会 / 登記 / 社内承認
- 会社形態(取締役会設置会社 等)
- 定款・社内規程の概要
- 役員構成・株主構成
- 決議事項・報告事項
- 過去の運用
- 議事録たたき台 / 議案整理 / 想定問答 / 依頼文 / 年間スケジュール 等
- 決議要件・招集手続・決議事項の適法性確認
- 実際の審議内容・事実との一致確認
- 登記 / 組織再編 / 利益相反 / 紛争性のある案件
- 議事録正式化 / 登記申請 / 社内回覧 / アーカイブ保存
コーポレート法務でChatGPTが得意なこと
コーポレート法務 AIとして特に有効な場面を整理します。
議案・決議事項・報告事項の整理
取締役会や株主総会で検討すべき議題を一覧化し、それぞれが決議事項か報告事項かを仮分類する作業は、AIが得意とするところです。会社法上の要件は人間が確認しますが、初動の整理にかかる時間を大幅に削減できます。
取締役会・株主総会議事録の下書き
会議メモや決定事項をインプットとして、議事録の形式に沿ったたたき台を作成できます。「取締役会議事録 AI」「株主総会議事録 AI」の下書き活用として有効です。ただし、実際の審議経過・発言内容・決議結果との一致は必ず確認が必要です。
社内説明資料・稟議のたたき台
決裁事項の背景・目的・リスク・スケジュールなど、稟議書に盛り込むべき項目の構成案を整えるのに使えます。
想定問答の作成
株主総会や取締役会で想定される質問と回答案を洗い出す作業は、AIが網羅的に列挙する強みを活かせます。ただし、回答の最終内容は法務・経営判断に基づいて確認・修正が必要です。
手続スケジュールの整理
年間の株主総会スケジュール、役員任期管理、登記手続の期限管理など、会社法務の年間カレンダーの初稿をAIで作成できます。
登記に必要な情報の一覧化
役員変更・本店移転・目的変更等において、商業登記に必要な情報や書類の候補をリスト化する作業に使えます。最終確認は司法書士・法務局が必要です。
子会社・関係部署への依頼文作成
グループ法務の文脈で、子会社に対して役員変更情報の確認・登記書類の送付・規程整備状況の報告を依頼する文書のたたき台作成に使えます。
外部専門家相談前のメモ作成
弁護士・司法書士に相談する前に、案件の概要・論点・確認したい事項を整理するメモ作成にも活用できます。
コーポレート法務でChatGPTに任せてはいけないこと
- 決議の適法性の最終判断(会社法上の決議要件・招集手続要件の充足)
- 招集手続の適法性判断(定款・規程に基づく通知期限・通知方法等)
- 議事録の最終確定(実際の発言・審議経過・決議結果に基づく作成)
- 登記の可否・必要書類・登録免許税の最終確認
- 会社法・定款・取締役会規程・株主総会規程との整合性判断
- 取締役の利益相反取引・特別利害関係・善管注意義務等の高度な判断
- 株主対応・紛争性のある案件の結論
- 組織再編・役員変更等の登記申請可否の判断(司法書士・弁護士確認が必要)
- 役員個人情報・株主情報・未公表情報を無加工で外部AIに入力すること
⚠ 架空の事実・未確認事項をAIに補完させないことが特に重要です。議事録は法的証拠・会社記録として残るため、実際に行われた審議・発言・決議の内容と異なる記述があってはなりません。AIに「適当に補って」という使い方は避けてください。
コーポレート法務でAIに任せやすい作業・人間が判断すべき作業
| 作業 | AIに向いていること | 人間が判断すべきこと | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 議案整理 | 決議・報告の仮分類、議題一覧化 | 会社法・定款上の決議要件確認 | 特別決議・普通決議の区別は必ず確認 |
| 議事録下書き | 形式に沿ったたたき台作成 | 実際の審議経過・発言・決議との一致確認 | AIによる架空補完は厳禁 |
| 想定問答 | 想定質問と回答案の網羅的な洗い出し | 回答の正確性・経営判断との整合性確認 | 未公表情報をプロンプトに含めない |
| 登記情報整理 | 必要書類・確認事項の候補リスト化 | 登記可否・添付書類・期限の最終確認 | 司法書士・法務局確認が必須 |
| 稟議たたき台 | 背景・決裁事項・リスクの構成案 | 決裁権限規程・社内ルールとの整合 | 決裁権限・承認フローは社内規程確認 |
| 子会社依頼文 | 依頼内容・期限・提出資料の文書化 | 依頼の法的根拠・情報管理上の確認 | 機密情報の共有範囲を事前確認 |
| 年間スケジュール | 会社法の標準的な期限の一覧化 | 自社の定款・規程・登記期限の確認 | 会社ごとの定款上の日程は個別確認 |
| 社内説明資料 | 構成案・ポイント整理・Q&A案 | 内容の正確性・未公表情報の取り扱い | インサイダー規制に注意 |
コーポレート法務プロンプトに入れるべき前提条件
コーポレート法務 AIを活用する際は、プロンプトに以下の前提条件を明記することで、出力の精度が大幅に向上します。ChatGPTは自社の定款・規程を知りませんので、必要な前提を指定することが重要です。
| 項目 | 指定内容の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 会社形態 | 株式会社、取締役会設置会社、監査役設置会社、非公開会社 等 | 会社形態によって決議要件・招集手続が異なる |
| 手続類型 | 株主総会、取締役会、役員変更、本店移転、目的変更、規程改定 等 | 手続の種類ごとに必要な確認事項が異なる |
| 決議・報告事項 | 「剰余金の配当(普通決議)」「代表取締役の選定(取締役会決議)」等 | 決議の種類を明示する |
| 定款・規程の有無 | 定款の規定(株主総会の招集通知期間等)、取締役会規程の有無 | 定款・規程に特別規定がある場合は明記 |
| 役員・株主構成 | 取締役3名(うち社外取締役1名)、監査役1名 等(匿名化推奨) | 個人名・住所は入力前にマスキングする |
| 過去の運用 | 前回の同種手続での対応内容があれば参考として明記 | AIに合わせた出力をさせるために有効 |
| 出力形式 | 議事録案、チェックリスト、想定問答、社内説明文、依頼文 等 | 出力形式を明確にすると整った文書が出やすい |
| 注意事項 | 「会社法・定款確認が必要な箇所は【要確認】と明示」「不明な点は補完せず空欄に」 | AIによる架空補完を防ぐために必ず指定する |
株主総会準備にChatGPTを使う方法
株主総会 AIの活用は、準備段階の整理・たたき台作成に適しています。ChatGPTを使えば以下の作業を効率化できます。
- 議案整理:当期純利益・剰余金配当・役員選任・定款変更など、今回の議案候補を整理し、普通決議・特別決議の区分を仮分類する
- 招集通知の記載観点の整理:会社法・定款に照らして記載すべき事項の確認観点リストを作成する
- 想定問答:株主から想定される質問と回答案の一覧を作成する
- 事前スケジュール:定款上の招集通知期限・基準日・議決権行使期間を踏まえたスケジュール案を作成する
- 事後手続:株主総会議事録作成、登記申請、決算公告等の事後手続チェックリストを作成する
- 株主総会議事録のたたき台:開催概要・出席状況・議案・決議結果の形式でたたき台を作成する
⚠ 招集手続の適法性(会社法299条・定款上の招集通知期間・招集権者等)、決議要件(会社法309条)、議長の選任等は、必ず会社法・定款・過去運用に照らして確認してください。詳細な実務は第14話で解説します。
取締役会準備にChatGPTを使う方法
取締役会 AIの活用では、決議事項・報告事項の整理から議事録下書きまで幅広く使えます。
- 決議事項と報告事項の分類:法令・定款上、取締役会決議が必要な事項(重要な財産の処分・多額の借財・代表取締役の選定等)と報告事項を仮分類する
- 議案説明資料の構成案:各議案の背景・内容・リスク・決議を求める理由を整理した資料構成を作成する
- 取締役会議事録の下書き:会議メモをもとに議事録たたき台を作成する
- 想定質問:出席取締役から想定される質問と回答案を洗い出す
- 事後フォロー:議事録作成・保管・関係部署への周知・登記申請等の事後チェックリストを作成する
⚠ 利益相反取引(会社法356条・365条)、重要な業務執行(会社法362条4項)、代表取締役の選定(会社法362条2項3号)、特別利害関係取締役の取り扱いなど、高度な法的判断が必要な事項は、弁護士・専門家への確認を必ず行ってください。詳細は第14話・第15話で解説します。
議事録の下書きにChatGPTを使う方法
議事録 ChatGPT・取締役会議事録 AIの活用で最も注意すべきは、「AIに架空の事実を補完させない」ことです。
AIに渡すインプット
- 会議の日時・場所・出席者(氏名は匿名化を推奨)
- 議題・議案名
- 審議の概要・主な発言・決議結果(会議メモ)
AIへの指示のポイント
- 不明な点は補完せず
【要確認】と明示させる - 「実際の事実のみを使うこと」を明記する
- 出力形式(開催日時・場所・出席者・議題・審議概要・決議結果・確認事項)を指定する
議事録は法的証拠・会社記録として重要な書面です(会社法371条等)。AI出力をそのまま議事録にすることなく、実際の審議内容・発言・決議結果と照合し、法務担当者が最終確認を行ってください。
登記手続の情報整理にChatGPTを使う方法
登記 手続 AIの活用は、「必要な情報・書類の初動整理」に限定するのが実務的な位置づけです。
- 役員変更:退任・就任・重任に伴い必要な情報(登記期限・添付書類候補)を整理する
- 本店移転:管轄法務局・登記期限・添付書類の候補一覧を作成する
- 目的変更・商号変更:定款変更の要否・登記申請期限・必要書類の候補を洗い出す
- 登録免許税・期限の確認項目整理:検討すべき項目のチェックリストを作成する
⚠ 商業登記の申請可否・必要書類・登録免許税額・申請期限の最終確認は、司法書士または法務局に確認してください。AIの出力はあくまで「初動整理・下調べ」の補助であり、登記申請書類の最終内容を確定するものではありません。
社内承認・稟議のたたき台にChatGPTを使う方法
社内承認・稟議の文書作成は、毎回同じような構成でありながら、記載漏れや説明不足が起きやすい業務です。ChatGPTで以下の構成要素のたたき台を作成できます。
- 背景・目的
- 決裁事項(何を承認してほしいか)
- リスクと対応策
- 関係部署・関係者
- スケジュール
- 法務確認事項
ただし、社内の決裁権限規程・稟議規程・承認フローとの整合性は、AI出力では確認できません。自社の社内規程に照らして、決裁金額・決裁者・承認ルートを必ず確認してください。
子会社・グループ会社への依頼文にChatGPTを使う方法
グループ会社管理では、各社へ確認・依頼する文書を定期的に作成する必要があります。ChatGPTを使えば、以下のような依頼文を短時間でたたき台として作成できます。
- 役員変更情報の確認依頼
- 規程整備状況の確認依頼
- 株主総会・取締役会日程の確認
- 登記資料の回収依頼
- チェックリスト送付文
- コンプライアンス研修受講状況の確認依頼
依頼文は「依頼内容・提出期限・提出資料・回答方法・問い合わせ先」を明確にするよう指示することで、相手方が対応しやすい文書が作成できます。詳細は第16話「子会社管理にChatGPTを使う方法」で解説します。
年間スケジュール・手続チェックリストにChatGPTを使う方法
会社法務の年間スケジュール管理では、以下の項目をAIでチェックリスト化できます。
- 定時株主総会の準備・開催・事後手続
- 決算公告(官報掲載、ウェブサイト掲載等の選択肢)
- 役員任期管理(重任・辞任・新任の予定把握)
- 登記事項の変更確認(役員・本店・目的等)
- 社内規程の改定・見直し
- 子会社報告・グループ会社管理
- コンプライアンス研修の実施
- 内部監査・監査役監査のスケジュール
プロンプトに「月次・四半期・年次のカテゴリで整理」「会社法上の標準的な期限を明示」「自社確認が必要な事項は【要確認】とする」と指定すると、実用的なチェックリストが作成できます。
図解:コーポレート法務でAIが使える業務マップ
コーポレート法務の業務別AI活用例
| 業務 | AIで作れるもの | 人間が確認すべきこと | プロンプト指定のコツ |
|---|---|---|---|
| 株主総会準備 | 議案整理・招集通知観点・想定問答・スケジュール案 | 招集手続・決議要件・定款との整合 | 会社形態・定款上の特別規定を明記 |
| 取締役会準備 | 決議・報告事項分類・議案説明構成・想定質問 | 利益相反・重要業務執行の要件確認 | 案件の性質・取締役構成を指定 |
| 議事録作成 | 形式に沿ったたたき台・記載項目整理 | 実際の審議・発言・決議との一致 | 「不明点は【要確認】に」と明示 |
| 登記情報整理 | 必要情報・書類候補・確認項目リスト | 登記可否・必要書類・期限(司法書士確認) | 手続類型を明確に指定する |
| 役員変更手続 | 手続フロー整理・必要情報チェックリスト | 登記期限・添付書類・登録免許税の確認 | 辞任・就任・重任の区別を明記 |
| 社内稟議 | 背景・決裁事項・リスク・スケジュールの構成案 | 決裁権限規程・承認フローとの整合 | 決裁金額・関係部署を指定 |
| 子会社依頼 | 依頼文・確認文・回収チェックリスト | 機密情報の共有範囲・依頼根拠の確認 | 依頼内容・期限・提出資料を明記 |
| 規程改定 | 改定箇所の整理・新旧対照表の構成案 | 他規程との整合・法令適合性の確認 | 改定理由・改定箇所・根拠法令を指定 |
| 年間スケジュール作成 | 月次・四半期・年次のカレンダー・チェックリスト | 定款上の期限・会社固有の日程の確認 | カテゴリ・期限の明示ルールを指定 |
| 想定問答作成 | 質問パターンの洗い出し・回答案の構成 | 回答の正確性・経営方針との整合性 | 対象(株主・社内・取締役等)を指定 |
コーポレート法務で使えるプロンプト例①:取締役会議案整理
あなたは企業のコーポレート法務担当者を支援する立場です。
以下の取締役会案件について、次の事項を整理してください。
【会社情報】
・会社形態:株式会社(取締役会設置会社・監査役設置会社)
・非公開会社
【今回の取締役会の案件概要】
(ここに案件の概要を記載してください)
【整理してほしい内容】
1. 各案件の議案概要
2. 決議事項・報告事項の仮分類(会社法上の根拠も簡記)
3. 事前に確認すべき社内資料
4. 法務として事前確認すべき論点
5. 出席取締役から想定される質問
6. 議事録に記載すべき主要事項
【注意事項】
・最終判断は会社法・定款・取締役会規程・社内ルールを確認する前提です。
・不明な点は補完せず、【要確認】と明示してください。
・初動整理用の表形式で出力してください。
コーポレート法務で使えるプロンプト例②:取締役会議事録の下書き
以下の会議メモをもとに、取締役会議事録の下書き案を作成してください。
【会議情報】
・開催日時:(日時を記載)
・開催場所:(場所を記載)
・出席者:(役職・氏名はA取締役、B取締役等と匿名化)
・欠席者・委任状の有無:
【会議メモ】
(議題・審議概要・決議結果を記載してください)
【指示事項】
・実際に確認できる事実のみを使うこと
・不明な点・確認が取れていない点は補完せず、【要確認】として明示すること
・架空の発言・審議経過を追加しないこと
・出力形式:開催日時/場所/出席者/招集・成立要件/議題/審議概要/決議結果/確認事項
最終的な議事録は、会社法・定款・社内規程・実際の審議内容に基づいて
法務担当者が確認・修正する前提で、初動のたたき台として作成してください。
コーポレート法務で使えるプロンプト例③:登記手続の情報整理
以下の会社手続について、登記に関連する初動整理を行ってください。
【会社情報】
・会社形態:株式会社(取締役会設置会社)
【今回の手続概要】
(例:代表取締役の退任・新代表取締役の選定)
【整理してほしい内容】
1. 商業登記が必要になる可能性がある事項
2. 確認・収集が必要な情報の候補
3. 必要書類の候補一覧
4. 登記期限・申請タイミングの注意点
5. 司法書士・法務局に確認すべき事項
【注意事項】
・登記申請の可否・必要書類・登録免許税の最終判断は、
司法書士または法務局に確認する前提とする。
・不明な点は【要確認】と明示すること。
・初動整理用のチェックリスト形式で出力してください。
コーポレート法務で使えるプロンプト例④:子会社への依頼文作成
以下の目的で、子会社(グループ会社)に情報提供を依頼するメール文案を作成してください。
【依頼の目的・背景】
(例:役員任期の確認と、次回取締役会に向けた役員変更情報の取りまとめ)
【依頼内容】
・確認してほしい事項:
・提出してほしい資料の候補:
・提出期限:
【文面に含めてほしい要素】
・依頼内容の明確化
・提出期限
・提出資料の内容・形式
・回答・提出方法(メール返信等)
・問い合わせ先
【トーン・注意事項】
・法務・総務部門からの依頼として、丁寧で実務的な表現にすること
・相手方が対応しやすい構成・文面にすること
・機密情報の取り扱いが必要な場合は文中に明記すること
AI出力をコーポレート法務で使う前のチェックポイント
| □ | チェック項目 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| ☐ | 会社法に反していないか | 決議要件・招集手続・決議事項の適法性 |
| ☐ | 定款と整合しているか | 定款上の特別規定(招集通知期間・定足数等) |
| ☐ | 取締役会規程・株主総会規程と整合しているか | 議長・招集権者・開催方法等 |
| ☐ | 決裁権限規程・稟議規程と整合しているか | 決裁金額・決裁者・承認フロー |
| ☐ | 過去の議事録・運用と矛盾していないか | 同種手続での過去対応・運用ルール |
| ☐ | 実際に行われた審議・決議の内容と一致しているか | 議事録は特に厳密に確認 |
| ☐ | 不明点をAIが勝手に補完していないか | 【要確認】の箇所を確認・必要なら削除 |
| ☐ | 登記・公告・届出の期限を別途確認したか | 会社法上の登記期限(原則2週間)等 |
| ☐ | 個人情報・未公表情報の入力に問題はなかったか | 役員・株主の個人情報、組織再編情報等 |
| ☐ | 必要に応じて弁護士・司法書士確認を行うか | 登記・組織再編・利益相反・紛争性案件 |
コーポレート法務とマスキングの関係
コーポレート法務では、AIに入力する情報の機密性に特に注意が必要です。議事録・役員情報・株主情報・子会社情報・未公表の組織再編情報などは、社外秘・個人情報・インサイダー情報に該当する場合があります。
- 外部AI(ChatGPT等)に入力する前に、自社のAI利用ルール・秘密保持義務を必ず確認する
- 役員の氏名・住所・生年月日などの個人情報は、可能な限り匿名化・マスキングしてから入力する
- 未公表の組織再編情報・重要事実はインサイダー規制との関係でも注意が必要
- 株主情報・持株比率などもマスキングした上でAIを活用することが望ましい
🔒 議事録・役員情報・株主情報・未公表情報などをAIに入力する際は、マスキング・匿名化の前処理を検討することが重要です。AI入力前に伏せたい情報を整理したい場合は、LegalOS マスキングのような前処理ツールを使う方法があります。
LegalOS マスキングを確認する →コーポレート法務プロンプト集を使うメリット
コーポレート法務の各場面でAIを使う際、毎回ゼロからプロンプトを考えるのは非効率です。法務AIプロンプト集を活用することで、以下のメリットがあります。
- 株主総会・取締役会・議事録・登記・規程改定など、業務ごとに使いやすい指示の型が用意されている
- 「不明点は補完しない」「実際の事実のみ使う」など、コーポレート法務に必要な安全策があらかじめ設計されている
- 出力形式をそろえやすいため、複数の担当者や案件で統一した品質が出しやすい
- 一人法務・少人数法務でも、初動整理・下書き・チェックリスト化の型を活用できる
- プロンプトを都度試行錯誤する時間を削減し、法務担当者がより重要な判断業務に集中できる
ただし、プロンプト集は「AIが会社法務の正解を出すツール」ではありません。「コーポレート法務の下書き・整理・チェックリスト化の型」として位置づけ、出力は必ず会社法・定款・社内規程に照らして法務担当者が確認してください。
コーポレート法務プロンプト集が向いている人・向いていない人
| 区分 | こんな方に向いています |
|---|---|
| ◎ 向いている |
株主総会・取締役会の準備に定期的に関わっている方 議事録の下書きや想定問答作成に時間がかかっている方 登記手続の初動整理や情報収集を効率化したい方 子会社・関係部署への依頼文を毎回作成している方 一人法務・少人数法務でコーポレート法務の型がほしい方 法務DXに取り組み始めている方 |
| ✕ 向いていない |
AIをほとんど使わない方、使う予定のない方 議事録や登記手続をAIに完全自動化してほしい方 会社法・定款・社内規程の確認をするつもりがない方 重要な会社手続を専門家確認なしで完結させたい方 機密情報・役員情報・株主情報を無加工で外部AIに入力する運用を考えている方 |
注意点:コーポレート法務では「事実」と「手続」をAIに補完させない
コーポレート法務でAIを使う際、最も重要な注意点は「実際には行われていない事実・審議・発言をAIに補完させない」ことです。
- 議事録は、実際の会議内容を正確に反映する法的書類です(会社法371条等)。AIが架空の発言・審議経過・決議結果を補うことは、議事録の虚偽記載につながりかねません。
- 登記手続では、必要書類・登記期限の最終確認が重要です。AIが一般的な情報として出力した内容が自社に当てはまらない場合もあります。
- 会社法・定款・社内規程・過去運用に照らした確認を省略しないでください。
- AIはあくまで下書き・整理・確認観点の補助です。「AIが言ったから」という根拠で会社手続を進めることは避けてください。
まとめ:コーポレート法務×ChatGPT活用の要点
- コーポレート法務では、ChatGPTを議事録たたき台・社内説明・登記情報整理・チェックリスト作成・子会社依頼文・稟議文のたたき台として活用できます
- 決議の適法性・招集手続・議事録の最終内容・登記可否は、必ず人間・専門家が確認します
- 会社法・定款・社内規程・過去運用との整合性確認は省略できません
- AI出力はそのまま使わず、実際の事実・手続に合わせて確認・修正してください
- 役員情報・株主情報・未公表情報は入力前にマスキング・匿名化を検討してください
- 法務AIプロンプト集を活用すれば、コーポレート法務の下書き・整理・チェックリスト化の型を効率的に使えます
- 次回(第14話)では、「株主総会・取締役会の準備に使えるAIプロンプト」を詳しく解説します
株主総会・取締役会・議事録・登記・社内手続の初動整理に使える法務AIプロンプト集です。議事録たたき台・想定問答・登記情報整理・子会社依頼文など、コーポレート法務の「型」をまとめています。
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記事で学んだ実務を、そのまま使える道具にする。
法務実務にそのまま投入しやすいAIプロンプト集に加え、 契約受付、契約管理、過去相談検索、契約書整形、マスキングまで、 LegalOSシリーズも順次公開しています。
