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個人情報保護法への対応は、プライバシーポリシーや契約書を整えるだけでは完結しません。実際にカギを握るのは、取得した個人情報を、社内で日々どう管理しているかです。立派な規程があっても、運用が伴わなければ事故は防げません。

共有フォルダに誰でもアクセスできる、保存期間が決まっていない、退職者アカウントが残っている、紙書類を机上に放置している、外部ストレージに個人情報を保存している——こうした状態は、多くの会社で起きがちです。本記事では、アクセス権限・持ち出し・保存期間・削除・廃棄を中心に、個人情報の社内管理ルールの作り方を整理します。

第8話で安全管理措置(組織的・人的・物理的・技術的措置)を学びました。第9話は、その安全管理措置を実際の社内ルールに落とし込む段階です。安全管理措置の全体像を振り返りたい方は第8話:安全管理措置とは?もご覧ください。

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まず結論|「誰が・どこで・いつまで・どう守るか」を決める

先に結論をお伝えします。個人情報の社内管理ルールとは、個人情報を取得した後に、「誰が・どこで・どの範囲で・いつまで・どのように管理するか」を決めるものです。これを決めずに運用すると、アクセスが野放しになったり、不要なデータが溜まり続けたりします。

管理項目決めることよくあるリスク関係部署関連する後続記事
アクセス権限誰がどこまで見られるか全社員が閲覧できる情シス・法務本記事 第4章
共有フォルダ・クラウド保存場所・共有範囲リンク共有の放置情シス・各部署第14話
社外持ち出し持ち出し可否・手続USB紛失・私物端末総務・情シス本記事 第6章
保存期間いつまで保管するか期限なしで放置各部署・法務本記事 第7章
削除・廃棄いつ・誰が消すか削除運用がない各部署・情シス本記事 第8章
退職者・異動者権限削除・返却アカウント放置人事・情シス本記事 第10章
台帳管理何をどこで管理するか全体像が見えない法務・各部署第15話

個人情報の社内管理ルールとは何か

個人情報の社内管理ルールは、安全管理措置を実務に落とし込むための規程・台帳・手順です。第8話で学んだ「組織的・人的・物理的・技術的措置」を、現場で実際に運用できる形にしたものと考えるとわかりやすいでしょう。

具体的には、次のような文書が関係します。

  • 個人情報管理規程・情報セキュリティ規程
  • 個人情報取扱台帳
  • アクセス権限管理表
  • 保存期間表
  • 削除・廃棄記録
  • 委託先管理台帳

「規程はあるが運用されていない」状態は、実務上リスクが高いといえます。規程と実際の運用が食い違っていると、いざというときに「ルールどおりに動いていなかった」ことが問題になりかねません。完璧な規程を一度に作るより、まず棚卸しし、運用できる形にして、回しながら改善するのが現実的です。

アクセス権限の決め方

個人情報へのアクセス権限は、「必要な人だけが、必要な範囲で、必要な期間だけ見られる」ように設計することが基本です。誰でも見られる状態は、それだけで漏えいリスクを高めます。「社内共有だから権限管理は不要」とはなりません。

権限項目確認内容NG例改善例
閲覧権限誰が見られるか全社員が閲覧可担当部署・担当者に限定
編集権限誰が編集できるか閲覧者全員が編集可編集は必要な担当者のみ
ダウンロード権限持ち出せるか自由にダウンロード可必要時のみ・記録を残す
外部共有権限外部に共有できるか誰でも外部共有可外部共有は承認制
管理者権限誰が管理者か管理者が多数・不明管理者を限定し明確化
退職・異動時の削除権限を外すか権限が残ったまま退職・異動時に即削除
定期的な権限棚卸し見直しているか付与しっぱなし定期的に棚卸し

権限の範囲は、情報の性質によって変えるべきです。たとえば、採用情報、人事評価、健康情報のような機微な情報は、顧客リストや問い合わせ情報よりも閲覧範囲を狭く設定するのが一般的です。要配慮個人情報を含む情報は、特に慎重なアクセス制御が求められます。

共有フォルダ・クラウドストレージの管理

共有フォルダ、Google Drive、OneDrive、Box、Dropbox、社内ファイルサーバーなどに個人情報を保存する場面は多くあります。便利な一方で、「誰でも閲覧できる共有フォルダ」「放置されたリンク共有」「古いファイルの残存」といったリスクが生じやすい領域です。

確認項目見るべき内容リスク対応例
フォルダのアクセス範囲誰がアクセスできるか全社共有での閲覧アクセス範囲を限定
リンク共有共有リンクの状態リンクの放置・拡散期限・範囲を設定
外部共有社外への共有有無意図せぬ外部閲覧外部共有を承認制に
古いファイルの放置不要データの残存漏えい範囲の拡大定期的な整理・削除
ファイル名・保存場所命名・配置のルール名前だけで個人が分かる命名・保管ルールの整備
保存先の把握どこに保存されるか国外保存・外部サービス利用の見落とし保存先、提供者の取扱い、委託・第三者提供・提供に当たらない整理、外国取扱いを確認

クラウドサービスを利用する場合、自社の運用ルールに加えて、サービス提供者が個人データを取り扱うか、委託・第三者提供・提供に当たらない整理のいずれに近いか、保存先や外国取扱いがどうなっているかを確認する必要があります。なお、提供者が個人データを取り扱わない整理となる場合でも、自社の安全管理措置は必要です。SaaS・クラウドの契約前チェックは第14話:SaaS・クラウドサービス利用時の個人情報チェックで詳しく扱います。

社外持ち出し・リモートワーク時のルール

個人情報の社外持ち出しは、事故が起きやすい場面です。PC、USB、紙資料、スマートフォン、私物端末、メール添付、クラウド同期など、持ち出しの経路は多岐にわたります。リモートワークが広がった今、便利さと安全性のバランスを取ったルール設計が重要です。

持ち出し対象リスク必要なルール主な関係部署
ノートPC紛失・盗難暗号化・施錠・遠隔ロック情シス
USB・外部媒体紛失・コピー拡散原則制限・承認制情シス・総務
紙資料置き忘れ・のぞき見持ち出し可否・施錠保管総務・各部署
スマートフォン紛失・私的利用端末管理・ロック設定情シス
私物端末(BYOD)管理が及ばない利用可否・条件の明確化情シス・法務
メール添付誤送信送信前確認・添付方法の制限・安全なファイル共有方法の利用各部署
クラウド同期意図せぬ同期・共有同期範囲の管理情シス
公共Wi-Fi利用通信の盗聴VPN等の利用ルール情シス

持ち出しルールでは、持ち出し可否、承認手続、暗号化、紛失時の連絡先、公共Wi-Fi・私物端末の利用条件、印刷物の管理などを定めておくと、現場が迷いません。

保存期間の決め方|法律で一律に決まっているわけではない

保存期間について、初心者が誤解しやすい重要なポイントがあります。個人情報保護法では、個人情報の保存期間や廃棄すべき時期が一律に定められているわけではありません。個人情報保護委員会のQ&Aでも、保存期間や廃棄時期について法律で規定はしていないと説明されています。

ただし、何でも好きなだけ保管してよいわけではありません。個人情報保護法では、利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努めなければならないとされています(法第22条。これは努力義務です)。不要なデータを漫然と保管し続けることは、漏えいリスクを高めるため避けるべきです。

なお、法第22条の消去の努力義務は、法律上は「個人データ」について定められています。本記事では読みやすさのために「個人情報の保存期間」と表現する箇所がありますが、義務の対象を考える場面では、個人情報・個人データ・保有個人データの区別(第2話)を確認してください。

保存期間を決めるときに踏まえる要素

保存期間は、次の要素を踏まえて、自社で設計します。
利用目的(その目的にいつまで必要か)
法令上の保存義務(他の法令で保存が求められる場合がある)
契約上の義務(契約で保管期間が定められる場合がある)
紛争対応・監査対応(後日の証跡として必要な期間)
業務上の必要性本人対応漏えいリスク

情報の種類主な利用目的保存期間を決める視点注意点
問い合わせ情報回答・対応対応完了後の必要性漫然と長期保管しない
顧客情報取引・サポート取引継続・法令上の保存取引終了後の扱いを決める
契約関連情報契約の履行・証跡法令・紛争対応の必要性関連法令の保存義務を確認
採用応募者情報選考選考終了後の必要性不採用者情報の扱い(第11話)
従業員情報雇用管理在職中・退職後の必要性労務関連法令も確認(第12話)
退職者情報退職後の手続等手続・法令上の必要性不要分は消去を検討
名刺情報連絡・取引関係継続の必要性使わない情報の整理
セミナー参加者情報運営・案内運営完了後の必要性案内の範囲を整理
メール配信リスト配信配信継続の必要性解除者の扱いを決める

具体的な保存年数は、会社の業務、関連法令、契約、社内規程に応じて個別に定める必要があります。本記事で「○年」と断定はできません。「利用目的に照らして必要な期間+法令上の保存義務」を起点に、自社で設計してください。
重要なのは、会社法・税務関係・労務関係などの他法令で一定期間の保存が義務づけられている書類は、その法定保存義務が個人情報保護法の消去の努力義務(法第22条)に優先するという点です。利用目的が終了したからといって、他法令の保存期間を満たさないうちに削除すると、別の法令違反になりかねません。サーバー容量削減などのために一斉削除を行う前に、他法令の保存義務の有無を必ず確認してください。

削除・廃棄ルールの作り方

保存期間を決めても、実際に削除・廃棄する運用がなければ意味がありません。「期限は決めたが誰も消していない」状態では、結局データが溜まり続けてしまいます。削除・廃棄の対象は、紙書類、電子ファイル、メール、バックアップ、クラウドストレージ、SaaS上のデータ、委託先保管データなど多岐にわたります。

確認項目決めること記録すべき内容注意点
削除担当誰が削除するか担当者・実施者責任者を明確に
削除時期いつ削除するか削除日・対象保存期間と連動させる
削除方法どう削除・廃棄するか方法(裁断・消去等)復元できない方法で
廃棄証明・記録記録を残すか廃棄記録・証明書後から説明できるように
委託先への削除依頼委託先データの扱い依頼・確認記録委託先にも残っていないか
バックアップの扱い保持期間・復元時対応を決める対象・時期・復元時の再削除一定期間残り得るため、保持期間・アクセス制限・復元時の取扱いを決める
本人からの削除依頼請求対応対応・判断の記録法第35条の要件(目的外利用・不正取得・重大な漏えい・本人の権利利益が害されるおそれ等)に該当する請求は、自社の保存期間内でも遅滞なく利用停止・消去等に応じる法的義務が生じ得る

なお、保存期間に基づく社内の削除運用と、本人からの利用停止・消去等の請求(法第35条)への対応は、別の論点です。法第35条の要件に該当する請求があった場合は、自社が定めた保存期間の満了を待たずに、遅滞なく利用停止・消去等に応じる法的義務が生じ得ます。平時の削除運用とは別に、本人対応のフローを用意しておく必要があります。また、データを削除しても、過去に生じた事実(漏えいが起きた事実や、記録義務の対象など)まで消えるわけではありません。「削除すればすべての法的問題が消える」わけではない点にも注意してください。

個人情報取扱台帳・管理台帳の作り方

個人情報を社内で管理するには、どの部署が、どの情報を、何の目的で、どこに保存し、誰に渡しているかを一覧化することが有効です。これを整理したものが個人情報取扱台帳です。台帳があれば、新しい施策のときの確認も、点検も、見直しもスムーズになります。

台帳項目記録する内容主な管理部署見直しタイミング
情報の種類顧客・従業員・応募者など法務・各部署新規取得時
対象者本人の属性各部署施策追加時
利用目的何のために使うか法務・各部署目的変更時
取得経路どこから取得したか各部署経路変更時
保管場所保存先・システム情シスシステム変更時
管理部署管理責任の所在全社体制変更時
アクセス権限誰が見られるか情シス定期棚卸し
委託先・外部提供先誰に渡しているか法務委託・提供変更時
保存期間いつまで保管するか各部署・法務定期見直し
削除方法どう削除するか情シス・各部署運用変更時
安全管理措置どう守っているか情シス・法務措置変更時
関連規程・契約根拠となる文書法務規程改定時

台帳をもとにした総点検は、第15話:個人情報保護法対応チェックリストで扱います。台帳は大企業だけのものではなく、中小企業・スタートアップでも、簡易な一覧から始める価値があります。

退職者・異動者アカウントの管理

退職者や異動者のアカウント・権限が残っていると、不要なアクセスや情報漏えいのリスクが高まります。「使われていないアカウントだから放置でよい」とは言えません。退職・異動の手続に、個人情報アクセスの整理を組み込むことが重要です。

これは、人事・情シス・総務・法務が連携すべき場面です。退職・異動が発生したら、権限削除、貸与端末の返却、クラウドアカウントの停止、メール転送の扱い、共有フォルダ権限の見直しを行います。

チェック項目対応内容主な担当部署記録方法
システム権限アクセス権限の削除情シス削除完了ログ・取扱責任者の承認記録(上場企業では内部統制の監査証跡としても重要)
クラウドアカウントアカウント停止・削除情シス停止記録
貸与端末PC・スマホの返却総務・情シス返却確認
外部媒体・書類USB・資料の返却総務・各部署返却確認
メール転送・無効化の扱い情シス処理記録
共有フォルダ権限権限の見直し情シス・各部署見直し記録
誓約・守秘の確認退職時の確認人事・法務誓約書

メール・チャット・生成AIでの社内共有ルール

個人情報は、ファイルサーバーだけでなく、メール、チャット、社内SNS、タスク管理ツール、生成AIへの入力など、さまざまな経路で流通します。「メールやチャットは一時的な連絡だから管理対象外」とはなりません。これらも個人情報が流れる経路として、ルールを定めておく必要があります。

ツール主なリスク社内ルール関連記事
メール誤送信・宛先ミス・転送送信前確認・添付方法の制限・安全なファイル共有方法の利用第10話
チャット・社内SNS貼り付け・外部チャンネル共有個人情報の貼り付けルール第8話
タスク管理ツール個人情報の記載・共有範囲記載範囲・権限の管理第14話
生成AI入力情報の外部送信・学習利用入力可否ルールの明確化AI法務ガイド

生成AIへの入力は、「社内利用だから問題ない」とは言い切れません。入力先のサービスや設定によっては、外部への提供・委託の論点が生じ得ます。詳しくは法務でChatGPTはどこまで使える?生成AI時代の委託・再委託チェックリストをご覧ください。

部署別に見た社内管理ルール

扱う個人情報の種類は部署ごとに異なるため、部署別に管理ポイントを整理すると実務に落とし込みやすくなります。

部署主な個人情報管理ポイント関連記事
法務契約書・相談記録・紛争資料・本人対応記録機密性の高い記録の限定管理契約条項
総務入退館記録・備品・社内名簿・来訪者記録物理管理・記録の保管期間第8話
人事採用・従業員・評価・健康情報・退職者要配慮情報のアクセス制限第12話
情シスアカウント・ログ・端末・SaaS権限管理・ログ・退職者処理第14話
営業顧客リスト・名刺・メール配信・商談記録取得目的・共有範囲の整理第13話
経理請求先・振込情報・支払先情報法令上の保存・アクセス制限第2話

採用・従業員情報は第11話第12話、営業まわりは第13話で詳しく扱います。

社内管理ルールを整備するステップ

社内管理ルールは、一度にすべてを完璧に作る必要はありません。次の順番で、できるところから整えていきましょう。

  1. 個人情報の棚卸し(何がどこにあるか洗い出す)
  2. 保管場所の確認(どこに保存されているか)
  3. アクセス権限の確認(誰が見られるか)
  4. 保存期間の仮設定(いつまで保管するか)
  5. 削除・廃棄ルールの設計(いつ・誰が消すか)
  6. 持ち出し・外部共有ルールの整備
  7. 退職・異動時の権限削除フロー整備
  8. 委託先・SaaSの確認
  9. 社内規程・台帳への反映
  10. 定期見直し
ステップやること主な成果物関係部署
① 棚卸し個人情報の洗い出し個人情報一覧法務・各部署
② 保管場所の確認保存先の把握保管場所マップ情シス
③ アクセス権限の確認権限の整理アクセス権限管理表情シス
④ 保存期間の仮設定期間の検討保存期間表各部署・法務
⑤ 削除・廃棄ルール削除運用の設計削除・廃棄ルール情シス・各部署
⑥ 持ち出し・共有ルール持ち出し制限の整備持ち出しルール総務・情シス
⑦ 退職・異動フロー権限削除フロー整備退職時チェックリスト人事・情シス
⑧ 委託先・SaaS確認外部保存の確認委託先管理台帳法務・情シス
⑨ 規程・台帳反映文書への落とし込み規程・取扱台帳法務
⑩ 定期見直し継続的な点検見直し記録法務・各部署

よくある誤解と正しい理解

社内管理ルールをめぐる代表的な誤解を整理します。

よくある誤解正しい理解実務上の注意
社内共有なら個人情報管理は不要社内でもアクセス権限・範囲の管理が必要必要な人だけに限定する
共有フォルダに置いていれば管理できている保存しているだけでは管理とは言えない権限・保存期間・整理も必要
保存期間は法律で一律に決まっている一律の期間は定められていない利用目的・法令等を踏まえ自社で設計
保存しておけば役に立つので削除しない方がよい不要データの長期保管はリスクを高める不要分は消去するよう努める(法22条)
バックアップがあるから削除・廃棄ルールは不要バックアップにもデータが残り得るバックアップ上の扱いも決める
退職者アカウントは使われていなければ放置でよい放置アカウントは悪用リスクがある退職・異動時に削除する
個人情報取扱台帳は大企業だけが作るもの中小企業でも簡易な台帳が有効小さく始めて改善する
メールやチャットは一時的なので管理対象外個人情報が流れる経路として管理対象送信・貼り付けルールを定める
生成AIに入力した情報は社内利用だから問題ない入力先・設定により外部提供等の論点がある入力可否ルールを定める
社内管理ルールを、文書に落とし込む

個人情報の社内管理では、アクセス権限表・持ち出しルール・保存期間表・削除廃棄記録・個人情報取扱台帳・退職異動時チェックリストなどを文書化して整理する必要があります。「個人情報取扱台帳」「アクセス権限確認シート」「保存期間表」「削除・廃棄チェックリスト」「退職者アカウント削除フロー」といったたたき台づくりを効率化したい法務・総務・情シス担当者の方には、個人情報保護法対応AIプロンプト集が補助ツールとして役立ちます(最終的な内容の確認・判断は担当者ご自身で行ってください)。

個人情報保護法対応AIプロンプト集を見る

そのほかのツールは 商品一覧LegalOS法律相談 もご覧いただけます。

企業法務担当者が確認すべき質問

社内管理ルールの整備状況を確認するときに使える質問を整理します。現場を責めるためではなく、「まず何から整えるか」を一緒に見つけるための質問として使うとスムーズです。

質問確認意図問題になりやすい回答次に見る論点
どの個人情報を管理していますか対象の把握「把握しきれていない」棚卸し・台帳
どこに保存していますか保存先の把握「あちこちにある」保管場所の整理
誰がアクセスできますかアクセス範囲「全社員」アクセス権限の限定
共有フォルダの権限は定期的に見直していますか権限の棚卸し「したことがない」定期棚卸し
社外持ち出しはありますか持ち出しの把握「自由に持ち出せる」持ち出しルール
持ち出し時の承認ルールはありますか承認手続「特にない」承認・暗号化
保存期間は決まっていますか保管期間「決めていない」保存期間の設計
削除・廃棄の記録はありますか削除運用「記録がない」削除・廃棄ルール
退職者・異動者の権限削除は誰が行いますか退職時処理「決まっていない」退職時フロー
委託先・SaaS・クラウドにも同じデータが残っていますか外部保存・外部サービス利用の把握「確認していない」委託先管理・クラウド利用・契約終了時の返還削除(第14話)
本人から開示・訂正・利用停止・消去等の請求や問い合わせが来た場合の窓口はありますか本人対応「想定していない」保有個人データに関する本人対応フロー

このシリーズでの次の学び方

社内管理ルールを整えたら、次は事故が起きたときの備えと、場面別の管理に進みます。第10話では漏えい等が起きたときの初動対応を、第11話・第12話では採用情報・従業員情報の管理を、第13話では営業リスト・名刺情報・メール配信を、第14話ではSaaS・クラウド利用時のチェックを扱います。

話数タイトル主なテーマリンク
第1話個人情報保護法とは?企業法務担当者が最初に押さえる基本全体像・最初に押さえる考え方記事を読む
第2話個人情報・個人データ・保有個人データの違い混同しやすい用語の整理記事を読む
第3話個人情報取扱事業者とは?中小企業・スタートアップも対象になるのか対象事業者性の入口記事を読む
第4話利用目的の特定・通知・公表ポリシーの前に押さえる基本記事を読む
第5話個人情報を取得するときの注意点フォーム・名刺・問い合わせ対応記事を読む
第6話目的外利用とは何か別目的で使うリスク記事を読む
第7話第三者提供・委託・共同利用の違い外部提供で迷う基本記事を読む
第8話安全管理措置とは?組織的・人的・物理的・技術的措置記事を読む
第9話個人情報の社内管理ルールアクセス権限・持ち出し・保存期間(本記事)本記事
第10話漏えい等が起きたときの初動対応まず社内で何を確認するか記事を読む
第11話採用活動と個人情報履歴書・職務経歴書・不採用者情報記事を読む
第12話従業員情報の管理人事評価・健康情報・退職者情報記事を読む
第13話営業リスト・名刺情報・メール配信営業まわりの個人情報保護法チェック記事を読む
第14話SaaS・クラウドサービス利用時のチェック契約前に見るべき項目記事を読む
第15話個人情報保護法対応チェックリスト企業法務担当者の保存版記事を読む

まとめ|アクセス・持ち出し・保存期間・削除・台帳を一体で設計する

個人情報の社内管理ルールは、アクセス権限・持ち出し・保存期間・削除廃棄・台帳管理を一体で設計することが大切です。どれか一つだけ整えても、ほかが抜けていれば事故につながります。保存期間は法律で一律に決まっているわけではなく、利用目的や法令上の保存義務、業務上の必要性を踏まえて自社で設計し、不要になった個人データは遅滞なく消去するよう努めます(法第22条)。

この記事のポイント

個人情報は「取得して終わり」ではありません。社内で誰が・どこで・いつまで・どのように扱うかを継続的に管理することが重要です。完璧な規程を一度に作るより、まず棚卸しし、ルール化し、運用できる形にして、回しながら改善するのが現実的です。

次回・第10話では、「漏えい等が起きたときの初動対応|まず社内で何を確認するか」を解説します。どれだけ管理しても事故はゼロにできません。起きたときに被害を広げないための初動を整理します。

第10話:漏えい等が起きたときの初動対応 を読む →

参考リンク(公的情報)

※ 本記事は2026年6月時点の現行法・個人情報保護委員会の公的資料をもとに、企業法務実務の一般的な整理として解説したものです。保存期間や管理方法は、取り扱う個人データの内容・量・関連法令・社内規程等により異なるため、実務対応にあたっては最新の法令・ガイドラインをご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。

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