第8話|法務部に英語は必要?大学生向け英語学習ロードマップ
第8話 法務部を目指す大学生へ|在学中にやるべきこと15選 全15話 | 8 / 15

「法務部に入りたいけれど、英語が苦手で…」という相談は、とても多く聞きます。逆に、「英語が得意だから法務部で活かせますか?」という質問もあります。法務部を目指すうえで、次のような疑問はよくあるのではないでしょうか。

  • 法務部に英語は必要なのですか?
  • TOEICは何点くらい必要なのですか?
  • 英文契約を読めないと、法務部は難しいですか?
  • 英語が苦手でも、法務部を目指せますか?
  • 翻訳AIがあるなら、英語を勉強しなくてもよいですか?
  • 法律英語は、一般英語と何が違うのですか?

先に結論をお伝えします。法務部で英語が必要かどうかは、企業や担当業務によって異なります。ただし、英文契約、海外取引、外国法令、海外子会社とのやり取りに関わる可能性があるため、英語力を身につけておくと法務キャリアの選択肢は広がります。この記事では、法務部で英語を使う場面を整理し、大学生のうちからできる現実的な学習ロードマップを示します。

この記事で分かること
POINT 1英語の必要度は、企業の海外展開や担当業務で変わること
POINT 2法務に必要なのは英会話より「正確に読み、確認する力」だということ
POINT 3TOEICは目安になるが、それだけで実務力は測れないこと
POINT 4英文契約・法律英語は、一般英語と読み方が少し違うこと
POINT 5英語が苦手でも、段階的に学べるロードマップがあること
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最初に結論|英語は必須とは限らないが、できると幅が広がる

CONCLUSION

国内法務が中心の会社では、英語をあまり使わない場合もあります。一方、海外展開している会社では、英文契約や海外子会社対応が発生し得ます。ここで大切なのは、法務部で求められるのは単なる英会話力よりも、英文資料を正確に読み、リスクを理解し、必要な点を確認する力だということです。TOEICは英語力の目安にはなりますが、それだけで法務実務力は測れません。そして、英語が苦手でも、大学生のうちから段階的に伸ばせます。完璧を目指す必要はありません。

この記事では「TOEICで何点取れば法務部に入れる」といった断定はしません。採用基準は企業ごとに異なるからです。代わりに、英語が法務のどの場面で役立つのかを具体的に示し、今日から始められる学習の方向性をお伝えします。

法務部で英語を使う場面

まず、法務部で英語が登場する場面を見てみましょう。すべての法務部員が日常的に英語を使うわけではありませんが、商社、メーカー、IT、金融、製薬、エンタメ、スタートアップ、グローバル企業などでは、英語が重要になる場面があります。

図解1法務部で英語を使う場面マップ
法務部の英語
英文契約
海外企業との取引
海外子会社
外国法令調査
海外法律事務所
M&A・投資
知財・ライセンス
データ・個人情報
国際コンプライアンス

法務部の英語は、英文契約だけではありません。海外子会社とのメール、外国法令の調査、海外の法律事務所との連絡、M&Aやライセンス、データの越境移転など、幅広い場面で登場します。どの場面が多いかは企業によって異なるため、志望企業の事業内容を調べる視点が役立ちます。企業研究のしかたは第13話で扱います。

表1:法務部で英語を使う場面
場面使う英語法務部が確認すること大学生の練習方法
英文契約の確認契約文書の読解義務・責任・準拠法など短い英文契約を読む
海外企業との取引メール・契約取引条件とリスク英文メール例を読む
海外子会社対応メール・規程本社方針との整合英語の社内文書に触れる
外国法令調査法令・ガイドライン読解適用対象・最新性公式サイトを読む
海外法律事務所メール・打合せ論点と確認事項英語で要点を書く
M&A・投資契約・資料条件・リスクの整理用語を調べる
知財・ライセンス契約・条件許諾範囲・対価ライセンス用語に触れる
データ・個人情報規制・ポリシー越境移転のルール英語のポリシーを読む
国際コンプライアンス規程・ガイドライン各国ルールとの整合英語の方針を読む
英語メール・会議メール・会話要点と認識合わせ定型表現を覚える

※表は横にスクロールできます

法務部に必要な英語力は「英会話」だけではない

「英語ができる=ペラペラ話せる」というイメージがあるかもしれません。でも、法務部で求められる英語力は、英会話だけではありません。むしろ、正確に読む力原文と照らして確認する力が重視される場面が多くあります。英語力を6つに分けて整理してみましょう。

図解2法務英語に必要な力
読む英文契約・海外規制・メール・社内資料を正確に読む
書く英文メール・確認事項・コメントを簡潔に書く
聞く海外会議や法律事務所との打合せを聞き取る
話す確認事項やリスクを簡潔に伝える
調べる英語で検索し、公式情報にたどり着く
検証する翻訳やAIの出力を原文と照らして確認する

法務英語では、この6つの力がバランスよく役立ちます。特に「読む」「調べる」「検証する」は、契約や法令を扱う法務で重要です。「英語が話せる=法務英語ができる」ではありません。流暢に話せても、契約の細かい義務表現を読み落とせば、リスクを見逃してしまうからです。

TOEICは法務部就職に役立つか

結論から言うと、TOEICは役立ちますが、万能ではありません。TOEICは英語力の目安として使われることがあり、ESや履歴書で英語力を示す材料になり得ます。ただし、TOEICの点数だけで法務部に入れるわけではありません。企業や職種によって求める水準は異なりますし、英文契約を読む力、法律英語、ビジネスメール、実務上の確認力は、TOEICとは別に必要になります。TOEIC学習は、「基礎英語力を上げる手段」として位置付けるのがおすすめです。

図解3TOEICと法務英語の関係

TOEICで測りやすい力

  • 一般英語の基礎
  • リスニング
  • リーディング
  • 基礎語彙

TOEICだけでは測りにくい力

  • 英文契約の読解
  • 法律英語・契約上のリスク理解
  • 外国法令の調査
  • 英文コメント作成・翻訳の検証

TOEICは、一般的な英語の基礎力を測るのに向いています。一方、英文契約の読解や法律英語、契約リスクの理解は、TOEICだけでは測りにくい力です。TOEICを否定する必要はありません。基礎力の土台として活用し、その上に法務英語を積み上げていくイメージを持ちましょう。資格全体の位置付けは第9話で扱います。

表2:TOEICと法務英語の違い
項目TOEICで測りやすいこと法務部で別途必要になること
語彙一般的なビジネス語彙契約・法律特有の定型表現
読解一般文書の理解義務・例外・責任条項の正確な読解
リスク理解測定対象外契約上のリスクを読み取る力
調査測定対象外外国法令・公式情報の確認
作成限定的英文コメント・確認事項の作成
検証測定対象外翻訳・AI出力を原文と照合する力

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英文契約とは何か

英文契約とは、その名のとおり英語で書かれた契約書です。日本語の契約書と同じように、当事者、目的、義務、責任、期間、終了、紛争解決などを定めます。第6話で学んだ契約書の構造が、そのまま土台になります。英文契約で特に意識したいのが、定義語(契約の中で意味を定めた言葉)と、義務・権利を表す表現です。たとえば shall(義務)、may(権利・許可)、must(必須)、will(約束・予定)などは、意味の違いに注意が必要です。また、準拠法や紛争解決の条項も重要です。

図解4英文契約を読む基本構造
PARTIES当事者(誰と誰の契約か)
DEFINITIONS定義(契約内での言葉の意味)
OBLIGATIONS義務(shall / may などに注意)
PAYMENT/TERM支払・期間
LIABILITY責任(責任制限・賠償)
CONFIDENTIALITY/IP秘密保持・知的財産
TERMINATION解除・終了
GOVERNING LAW準拠法・紛争解決
CHECK原文と訳文を照らして確認する

英文契約も、読む順番は日本語契約と同じです。当事者・定義から入り、義務・責任・終了・準拠法へと進みます。日本語訳があっても、原文の意味とずれていないかを確認し、どの言語版が優先するか(正文の定め)も見ておきましょう。契約の基本構造は第6話で詳しく解説しています。

表4:英文契約の確認ポイント
項目見る内容初心者が注意する点
定義語契約内での言葉の意味一般的な意味と思い込まない
義務表現shall / may / must の使い分け義務か権利かを取り違えない
責任条項責任制限・賠償の範囲上限や例外を読み飛ばさない
解除条項終了できる条件通知や予告期間を確認
準拠法・管轄どの法律・どこで解決するか海外指定の負担に注意
言語・正文どの言語版が優先するか訳文だけで判断しない

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法律英語と一般英語の違い

法律英語は、日常英語よりも定型表現が多いのが特徴です。契約書では、同じ単語でも文脈によって意味が変わることがあります。義務・権利・禁止・例外・責任・期間・通知などを正確に読む必要があり、分からない単語を辞書で引くだけでは不十分な場合もあります。契約全体の構造や定義語を確認することが大切です。とはいえ、難しく考えすぎる必要はありません。法律英語は、少しずつ慣れれば読めるようになります。まずは、よく出る表現に親しむところから始めましょう。

表3:法律英語の基本表現
英語表現大まかな意味契約書で見るポイント注意点
shall〜しなければならない(義務)誰の義務かを確認willとの違いに注意
may〜できる(権利・許可)義務ではない点shallと混同しない
unless〜でない限り(例外)例外の範囲条件を見落とさない
provided thatただし〜(条件・例外)付け加わる条件主文との関係を確認
notwithstanding〜にかかわらず他条項に優先する関係優先関係を読み取る
liability責任(賠償責任など)責任の範囲・上限制限・例外を確認
indemnify補償する(損害を埋め合わせる)誰が誰を補償するか範囲が広いことがある
confidential information秘密情報定義の範囲広すぎないか確認
governing law準拠法どの国の法律かなじみのない法か確認
jurisdiction裁判管轄どこで解決するか海外指定の負担
termination契約の終了・解除終了できる条件通知・効果を確認

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表現の意味は文脈で変わります

上の意味は、あくまで大まかな目安です。実際の契約では、定義条項や前後の文脈によって意味が変わることがあります。単語の意味を覚えるだけで判断せず、必ず原文全体と定義を確認しましょう。この記事は学習の入口であり、個別の英文契約条項に関する法的助言ではありません。

翻訳AI・生成AIを使うときの注意

翻訳AIや生成AIは、英文契約を扱うときに便利です。英文の要約、分からない表現の意味の候補出し、英文メールの下書きなどに役立ちます。一方で、契約上の義務、例外、責任制限、準拠法などを誤ることがあります。だから、翻訳文だけで判断せず、必ず原文を確認することが大切です。また、秘密情報や個人情報、未公表情報を入力してよいかは、社内ルールや利用条件を確認する必要があります。AIが示した法令・判例・出典が実在するかも確かめましょう。最終的な法務判断をAIに丸投げしてはいけません。

図解6翻訳AI・生成AIを使うときの役割分担

AIが補助できること

  • 要約・論点の洗い出し
  • 単語の意味の候補
  • 英文メールの下書き
  • 翻訳のたたき台

人が確認すべきこと

  • 原文の意味・定義語
  • 義務と例外・責任範囲
  • 準拠法・最新法令
  • 秘密情報の入力可否・最終判断

AIは「下ごしらえ」、人は「最終確認」という役割分担が安全です。左側はAIに任せやすい作業、右側は必ず人が原文や一次情報で確かめる部分です。翻訳の便利さに頼りきると、重要な条項を読み落とすことがあります。AI・ITの活用と限界は第12話で詳しく扱います。

表6:翻訳AI・生成AI利用時の注意点
使い方便利な点人が確認すべきこと注意点
英文の要約長文を素早く把握原文と意味がずれないか細部の脱落に注意
単語の意味候補を出せる契約内の定義と一致するか一般的な意味と混同
メール下書きたたき台が作れる意図・前提が正しいかそのまま送らない
翻訳大意をつかめる義務・例外・責任の正確さ訳文だけで判断しない
情報の入力入力してよい情報か秘密・個人情報に注意

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外国法令・海外規制を調べるときの英語

海外の法令や規制は、英語で確認する場面があります。その際は、規制当局など公式機関のWebサイト、ガイドライン、FAQを確認するのが基本です。日本語の解説記事だけで判断しないことが大切です。法令名、施行日、適用対象、罰則、ガイドラインの有無などを確認します。外国法は、日本法と制度設計が違う場合があるため、必要に応じて現地の法律事務所や専門家に確認します。大学生は、まず英語の公式資料に「慣れる」ところから始めれば十分です。日本の法令の調べ方は第5話「リーガルリサーチ」で扱っており、その考え方は海外の調査にも応用できます。

法務英語の学習ロードマップ

では、どんな順番で学べばよいのでしょうか。大切なのは、完璧を求めず、段階的に進めることです。次のロードマップを目安にしてください。

図解5法務英語学習ロードマップ
STEP 1一般英語の基礎を固める
STEP 2ビジネス英語に慣れる
STEP 3英文メール・英文資料を読む
STEP 4英文契約の基本構造を学ぶ
STEP 5法律英語の定型表現を覚える
STEP 6英文契約の短い条項を読んでみる
STEP 7翻訳AIの出力を原文と照らして確認する
STEP 8海外企業・外国法令・英文ニュースに触れる
STEP 9ES・面接で、英語を法務でどう活かすか説明する

いきなり英文契約から始める必要はありません。一般英語からビジネス英語へ、そして英文契約・法律英語へと、少しずつ階段を上っていきましょう。各ステップを完璧にしてから次へ進む必要もありません。重なり合いながら、行ったり来たりして力がついていきます。

表5:英語学習ロードマップ
段階学ぶこと具体的な練習法務部とのつながり
一般英語基礎文法・語彙教材・英語ニュースすべての土台
ビジネス英語仕事の表現ビジネスメール例社内外のやり取り
英文資料資料・メール読解企業の英文サイト海外子会社対応
英文契約の構造契約の組み立て短い契約サンプル英文契約の確認
法律英語定型表現頻出表現をメモ条項の正確な読解
条項読解短い条項を読む1条ずつ読むリスクの把握
AI検証訳文の照合原文と見比べる翻訳の検証
外国法令公式資料に慣れる規制当局サイト海外規制調査

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学年別の英語学習プラン

次に、大学1年生から4年生までの目安を整理します。あくまで一例なので、自分のペースに合わせて調整してください。

図解7学年別の英語学習ロードマップ
大学1年
英語の基礎を固め、法律英語に触れる前の土台を作る。英語ニュースを読む習慣をつける。
大学2年
TOEICなどで基礎力を測る。ビジネス英語に触れ、英文メールや企業サイトを読んでみる。
大学3年
英文契約の基礎に触れる。志望企業の海外展開を調べ、英語力を面接でどう活かすか整理する。
大学4年
内定後に英文契約や実務英語に触れる。入社前学習として、英語資料を読む習慣を作る。

学年が上がるにつれて、一般英語から法務英語へと比重を移していくイメージです。低学年のうちは英語の土台づくり、高学年で法務との接続を意識します。学年別の全体像は第15話「学年別ロードマップ」で確認できます。

学部・専攻別に英語をどう活かすか

専攻によって、英語と法務の接点や強みは変わります。自分の専攻をどう活かせるか、考えてみましょう。

法学部
接点
法律知識を土台に、英文契約や外国法令へ広げやすい
強み
契約構造や法的思考をすでに持っている
補う点
ビジネス英語・法律英語の表現に慣れる
外国語学部・国際系学部
接点
海外子会社・英文契約・外国企業対応で英語力が活きる
強み
英語力や異文化理解が強みになり得る
補う点
民法・会社法・契約書の基礎を補う必要がある
経済・商・経営学部
接点
取引やビジネスの理解が、契約・海外取引で活きる
強み
ビジネス感覚と数字への理解
補う点
法律の基礎と法律英語を補う
理系・情報系学部
接点
技術契約・データ関連法務で技術英語が活きる
強み
技術・データ・AI・ITサービスの理解
補う点
契約法務や法律文書の読み方を補う
文学部・社会学部など
接点
読解力・文章力が、英文資料の理解や説明で活きる
強み
文章を読み解き、伝える力
補う点
法律の基礎・法律英語・契約の読み方を補う

どの専攻にも、法務で活かせる強みがあります。自分の専攻からどう法務部を目指すかは、第2話「学部・専攻別の目指し方」で詳しく扱っています。

法務部志望者が英語でよくある失敗

英語学習でやりがちな失敗と、その改善策をまとめます。知っておくだけで、回り道を減らせます。

表7:英語学習でよくある失敗と改善策
失敗例何が問題か改善策
TOEICだけで安心する実務力は別物契約・法律英語も学ぶ
英会話だけを重視する読む力が伸びない読解・検証も鍛える
訳文だけで読む原文の意味とずれる原文を必ず確認
定義語を見落とす意味を取り違える定義条項を先に読む
shallとmayを軽視義務と権利の混同義務表現を意識する
準拠法・管轄を飛ばす解決手段を見逃す必ず確認する
AI翻訳を鵜呑み誤訳に気づけない原文と照合する
秘密情報を入力情報漏えいの恐れ入力可否を確認
日本語記事だけで理解最新性・正確性が不明公式資料を確認
苦手だから無理と決める選択肢を狭める段階的に伸ばす

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ES・面接で英語力をどう伝えるか

就職活動では、TOEICの点数を伝えるだけでなく、英語を法務でどう使いたいかを説明できると印象に残ります。英文契約、海外取引、外国法令調査、海外子会社対応など、志望企業の事業と結び付けて語りましょう。そして、英語力と法律知識の両方を伸ばしていることを示すのがポイントです。外国語学部や国際系の学生は、英語力だけでなく、法務への関心を具体化すると説得力が増します。英語がまだ得意でない学生は、学習計画と努力の過程を語れば十分です。「英語ができるので法務に向いています」だけでは弱く、法務の仕事と結びつける一言が大切です。具体的な伝え方は第14話「ES・志望動機・面接対策」で扱います。

大学生が今日からできること

  • 1興味のある企業の海外売上・海外拠点・英文IR資料を確認する
  • 2短い英文契約サンプルを1つ読み、当事者・期間・責任条項を探す
  • 3shall、may、unless など契約でよく出る単語を10個メモする
  • 4英文ニュースを1本読み、法務に関係しそうな単語を拾う
  • 5翻訳AIの訳文と原文を見比べ、意味がずれていないか確認する
  • 6TOEIC学習を、英文契約やビジネス英語の土台作りとして位置付ける
  • 7第15話のロードマップと照らし、自分の学年で英語学習をどう進めるか決める

まずは、英文ニュースを1本読んで、法務に関係しそうな単語を拾うところからで十分です。小さな一歩を積み重ねていきましょう。

よくある誤解

法務部と英語にまつわる誤解を、実際の姿と並べて整理します。

誤解法務部に入るには英語が必須である
実際必要度は企業や担当業務で異なります。必須とは限りません。
誤解国内企業なら英語はまったく不要
実際国内企業でも英文契約や海外対応が発生し得ます。
誤解TOEICが高ければ英文契約を読める
実際契約読解は別の力です。法律英語の学習が必要です。
誤解英会話が得意なら法務英語も問題ない
実際話す力と、契約を正確に読む力は別物です。
誤解英文契約は翻訳すれば十分
実際訳文だけでは誤ることがあります。原文の確認が必要です。
誤解翻訳AIがあるので英語学習は不要
実際AIは誤ります。検証するための英語力が必要です。
誤解英語が苦手なら法務部は無理
実際段階的に伸ばせます。苦手でも目指せます。
誤解外国語学部なら法律知識がなくても活躍できる
実際英語力に加え、法律の基礎を補うことが大切です。

FAQ|法務部と英語に関する質問

法務部に英語は必要ですか?

企業や担当業務によって異なります。国内中心の会社では使わない場合もありますが、海外展開する会社では英文契約や海外対応で必要になることがあります。できると選択肢が広がります。

法務部就職にTOEICは必要ですか?

英語力を示す材料として役立つことがありますが、必須とは限らず、求める水準も企業ごとに異なります。基礎英語力を上げる手段として位置付けるのがおすすめです。

TOEICの点数が高ければ英文契約を読めますか?

必ずしもそうではありません。英文契約の読解には、法律英語の定型表現や契約構造の理解が別途必要です。TOEICは土台、契約読解はその上に積む力と考えましょう。

英文契約は大学生でも勉強できますか?

できます。まずは契約の基本構造(第6話)を押さえ、短い英文条項から読み始めるのがおすすめです。少しずつ慣れていけます。

法律英語と一般英語は違いますか?

違います。法律英語は定型表現が多く、同じ単語でも契約内の定義で意味が変わることがあります。辞書だけでなく、契約全体と定義語を確認することが大切です。

英語が苦手でも法務部を目指せますか?

目指せます。英語は段階的に伸ばせますし、英語をあまり使わない法務もあります。苦手意識だけで選択肢を狭めず、学習計画を立てて少しずつ進めましょう。

翻訳AIがあれば英語学習は不要ですか?

不要ではありません。AIは誤訳や読み落としが起こり得るため、出力を原文と照らして検証する英語力が必要です。詳しくは第12話へ。

外国語学部から法務部を目指す場合、何を補えばよいですか?

英語力は強みになります。あわせて、民法・会社法・契約書の基礎など法律の土台を補うとよいでしょう。専攻別の目指し方は第2話で扱います。

まとめ|法務部の英語は段階的に積み上げる

この記事のポイント

  • 法務部で英語が必要かは、企業の海外展開や担当業務によって異なる
  • 求められるのは英会話より、正確に読み、リスクを理解し、確認する力
  • TOEICは基礎力の目安。英文契約・法律英語は別途学ぶ必要がある
  • 翻訳AIは便利だが、原文確認と検証する英語力が欠かせない
  • 英語が苦手でも、一般英語から段階的に積み上げられる

法務部で英語がどの程度必要かは企業や担当業務によって異なります。ただし、英語を使えると、英文契約、海外取引、外国法令、海外子会社対応など、関われる仕事の幅が広がります。大学生のうちから、一般英語、ビジネス英語、法律英語、英文契約の基礎を少しずつ積み上げていきましょう。次は、英語やTOEICを含めた「資格」の優先順位を整理します。

NEXT STEP

次は「資格の優先順位」を確認しましょう

英語やTOEICの位置付けを確認したら、次は法務部就職に役立つ資格の優先順位を整理しましょう。第9話では、TOEICを含めた資格を、大学生向けにどう活かすか解説します。

第9話|資格の優先順位を見る
英語を使う実務(翻訳AI・IT)を深めたい方は、第12話「法務部で使うIT・AI・Word・Excel」もおすすめです。
参考情報
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