問題社員対応の実務

注意・指導から懲戒・退職・解雇まで、会社が整える実務

第7話 / 全10話 懲戒処分 労務・人事コンプライアンス

懲戒処分はどう決める?
就業規則・事実認定・処分相当性の確認手順

法令・情報基準日:2026年9月3日

「就業規則の懲戒事由に当たるので処分できますよね」

「今回は減給でいいでしょうか」

「前回は戒告だったので、今回は出勤停止にしたいです」

「本人が認めていませんが、懲戒できますか」

法務がこうした相談を受けたとき、最初に考えるのは「どの懲戒にするか」ではありません。

法務の結論

懲戒処分の判断基準は、次の3段階で考えます。

  1. 【STEP1】事実認定 — 何が起きたのか。その事実を証拠で確認できるか
  2. 【STEP2】懲戒事由該当性 — 確認された事実が、就業規則のどの懲戒事由に当たるか
  3. 【STEP3】処分相当性 — その事実に対して、その処分の重さが相当か

この3段階を分けることが、この記事の核心です。実務でよく起きる誤りは、STEP2で止まってしまうことです。「就業規則の懲戒事由に該当する」という結論は、「どの処分でも選べる」という意味ではありません。労働契約法15条は、懲戒事由に該当する場合であっても、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合には、権利を濫用したものとして無効とすると定めています。

第4話から第6話では、勤怠不良・業務命令違反・能力不足という類型ごとの対応を扱いました。第7話は、そこで積み上げた事実と記録をもとに、懲戒処分をしてよいか、どの程度の処分が相当かを判断する手順を整理します。決まった処分をどのような手続で実施するか第8話で扱います。

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懲戒処分とは何か

懲戒処分は、企業秩序・服務規律に違反した社員に対して、会社が労働契約関係に基づいて行う制裁です。人事上の他の措置とは、性質も、必要な手続も異なります。

図表1|注意・指導・人事措置・懲戒処分の違い

措置性質就業規則上の根拠労契法15条の適用
口頭注意・指導業務上の指摘・改善要求服務規律等(懲戒規定は不要)対象外
注意書・指導書の交付上記を文書化したもの同上対象外(ただし後述)
人事評価一定期間の評価。処遇に反映人事制度対象外
配置転換・職務変更人事上の措置労働契約・就業規則対象外(配転命令権の濫用の問題)
欠勤控除労務提供がなかった分の賃金の不発生賃金規程対象外
懲戒処分企業秩序違反に対する制裁懲戒の種類・事由の定めが必要適用される

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「注意書を出した=懲戒処分」ではありません。 ただし、就業規則で「けん責:始末書を提出させ将来を戒める」といった懲戒の種類を定めている場合、会社が「注意書」と呼んでいる文書が、実質的に懲戒処分に当たると評価される余地があります。この点の整理は第3話を参照してください。注意・指導の進め方そのものは第2話です。

懲戒処分にはどんな種類がある?

図表2|一般的な懲戒処分の種類

種類一般的な内容
戒告将来を戒める
けん責始末書を提出させ、将来を戒める
減給賃金の一部を減額する
出勤停止一定期間の就労を禁止する(通常、その期間は無給)
降格・降職職位・等級を引き下げる
諭旨解雇・諭旨退職退職を勧告し、応じない場合に懲戒解雇とする扱いが多い
懲戒解雇制裁として労働契約を終了させる

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ここで重要な注意点が2つあります。

(1)法令が会社に一律の懲戒の種類を定めているわけではありません。

労働基準法89条9号は、表彰及び制裁の定めをする場合には、その種類及び程度に関する事項を就業規則に記載すべきものとしています。つまり、どの種類の懲戒を設けるかは各社の就業規則の問題です。上の表は一般的な例にすぎません。

(2)名称だけで軽重を判断しないでください。

「戒告とけん責はどちらが重いのか」といった質問をよく受けますが、これは会社ごとの規程上の定義によります。自社の就業規則で、それぞれの内容がどう定義されているかを確認してください。

法的根拠

減給については、労働基準法91条が、就業規則で減給の制裁を定める場合、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないと制限しています。なお、出勤停止期間中に賃金が支払われないことは、労務提供がないことによるものであり、この制限とは別の問題です。

まず就業規則に懲戒の根拠があるか確認する

「会社として悪い行為だから処分する」という発想では進められません。懲戒処分には、就業規則上の根拠が必要です。

確認する項目は次のとおりです。

確認項目確認の視点
懲戒の種類どの種類の処分が定められているか
懲戒事由各事由の文言。今回の行為に対応する条項があるか
処分の程度事由と処分の対応関係が定められているか
適用範囲対象社員に適用される規則か(正社員規則/有期・パート別規程/出向者)
施行時期行為の時点で、その規定が存在し、適用されていたか
周知労働者が知り得る状態に置かれていたか

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周知の確認は「届出済み」では足りない

裁判例

フジ興産事件・最判平成15年10月10日

最高裁は、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずるためには、その内容の適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要すると判示しています。労働基準監督署へ届け出ていることは、周知を意味しません。

他方で、周知の判断を形式面だけで単純化することも避けてください。労働基準法106条1項および同法施行規則52条の2は、周知の方法として、①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、②書面を労働者に交付すること、③電子的な記録として保存し、各作業場に労働者がその内容を常時確認できる機器を設置すること、を定めています。紙で掲示していないから直ちに無効、というものではありません。 イントラネットへの掲載とアクセス権の付与も、③の方法として運用され得ます。

法務が確認すべきは、労働者が就業規則を知ろうと思えば知り得る状態に置かれていたか、そしてそれを立証できるかです。イントラネットの掲載日とアクセス権設定、掲示記録、配布記録、改定時の説明会の記録が確認資料になります。

懲戒処分は3段階で判断する

図表3|懲戒判断の3段階

STEP 1

事実認定

  • 何をしたのか。本当にその事実があったのか
  • 5W1Hで特定/証拠で裏づけ/本人の説明を確認
  • 事実が認定できない → 懲戒を前提に進めない
STEP 2

懲戒事由該当性

  • 認定した事実が、就業規則のどの懲戒事由に当たるか
  • 条項を特定/行為時点で適用されていたか
  • 該当しない → 懲戒以外の対応を検討
STEP 3

処分相当性

  • その事実に対して、その処分の重さが相当か
  • 行為の性質・態様・結果/過去事例との均衡
  • 二重処分の有無/時間の経過/会社側の事情
  • どの処分を選択するか → 第8話(手続)へ

注意

この3段階を混ぜないでください。 「悪質だから懲戒事由に当たる」という説明は、STEP3の評価をSTEP2に持ち込んでいます。逆に、「懲戒事由に当たるから懲戒解雇でよい」という説明は、STEP3を飛ばしています。段階ごとに、確認する材料が違います。

STEP1|事実認定|何が起きたのか

「社員が問題を起こした」では、判断を始められません。5W1Hで特定します。

NG

上司への反抗

OK

2026年◯月◯日15時、営業部の定例会議(会議室A、出席者6名)において、部長Bから顧客C向け提案書の修正を◯月◯日までに行うよう指示された際、社員Dが「その仕事はしません」と述べ、期限までに着手しなかった。その結果、顧客Cへの提案が3日遅延し、上司Bが代替対応を行った。

図表4|事実認定シート(項目例)

項目記載内容
いつ年月日・時刻
どこで場所(会議室、事業所、オンライン等)
誰が行為者(所属・氏名・職位)
誰に対して相手方(社員、顧客、取引先等)
何をした/しなかった行為または不作為の内容
どのように態様(言動の内容、手段、使用した設備等)
結果業務・顧客・他の社員への影響、損害の有無と程度
前後の経緯発端、行為前後の状況、会社の対応
反復性同種行為の有無、時期、回数
認定の根拠各事実について、どの証拠によるか
本人の説明本人が述べた内容(趣旨を変えず正確に)
争いのある点会社の認定と本人の説明が食い違う部分

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最後の2行が特に重要です。争点が特定できていない事実認定は、認定とはいえません。 どこが争われているかを明示したうえで、その点について証拠がどう評価できるかを検討します。

行為類型ごとの事実の特定方法は、第4話(勤怠)第5話(業務命令違反)で詳しく扱っています。

懲戒処分の事実認定では何を証拠にする?

図表5|懲戒案件の証拠一覧

証拠何を裏づけるか確認上の注意
メール指示、報告、やり取りの時期と内容送受信日時、宛先、転送・改変の有無
ビジネスチャット発言内容と時刻ログ保持期間。削除・編集の履歴
勤怠データ出退勤、欠勤、時間外修正履歴、承認履歴
入退館記録在館状況共連れ等による記録の欠落
システムログアクセス、操作、データ持出し取得方法の適法性(社内規程上の根拠)
契約書・稟議・申請記録手続の履践状況承認者と日付
防犯カメラ映像特定時点の行動上書き前の保全。設置目的との整合
経費精算・購買記録金銭の流れ添付証憑との照合
関係者の供述目撃した事実後述の信用性の確認
本人の説明本人の認識、経緯、動機認めた部分と争う部分を区別
顛末書・報告書本人による事実の説明誘導せずに作成されたか(第3話
録音発言内容取得方法、全体の文脈
顧客・取引先からの申告外部への影響申告者の保護、開示範囲

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証拠の取得方法には制約があります。モニタリングやログ閲覧のルール、私的領域への立ち入りの限界については第1話を参照してください。「証拠収集だから何でも許される」わけではありません。

供述の信用性をどう確認するか

関係者の供述は重要な証拠ですが、そのまま採用しないでください。次を確認します。

  • 本人との利害関係:対立関係にないか、利益を受ける立場にないか
  • 目撃した範囲:直接見聞きしたのか、伝聞か。どこからどこまでを見ていたか
  • 他の資料との整合:勤怠データ、メール、入退館記録と矛盾しないか
  • 供述の変遷:説明が変わっていないか。変わった場合、その理由は合理的か
  • 具体性:抽象的な印象ではなく、具体的な事実を述べているか

「複数人が同じことを言っている」ことも、それだけでは決め手になりません。 同じ場に居合わせた者同士で認識が共有されている場合や、事後に情報が共有された場合があるためです。

本人が否認している場合はどうする?

結論から書きます。本人が認めていなくても、客観的な証拠等から事実を認定できる場合はあります。 「本人が否認しているから懲戒できない」というわけではありません。

同時に、「会社が疑っているから事実は確定した」でもありません。 本人の否認を、理由を示さずに排斥しないでください。

確認する順序は次のとおりです。

#確認事項
1本人は何を否認しているか(事実そのものか、評価か、故意の有無か)
2認めている部分と争っている部分を切り分けたか
3本人の説明は、客観資料と整合するか
4会社側の証拠は、どの事実を、どの程度裏づけるか
5本人が示した反対証拠を検討したか
6争いのある事実を除いても、懲戒事由に該当する事実が残るか

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6番は実務上とても有効です。争点の多い部分を除外しても認定できる事実だけで判断できるなら、そちらで進めるほうが安全です。

なお、本人から事情を聴取する手続そのもの(弁明の機会の付与、参加者、記録方法)は第8話で扱います。ここでは、判断材料として本人の説明を確認する、という点にとどめます。

STEP2|就業規則のどの懲戒事由に当たるか

事実が認定できたら、就業規則の懲戒規定と照合します。

確認事項確認の視点
具体的懲戒事由との対応認定した事実が、どの号のどの文言に当たるか
規定の文言拡大解釈になっていないか
複数事由への該当該当し得る事由をすべて特定したか
包括条項の使用「その他これらに準ずる行為」等に頼っていないか
行為時点の規程行為当時、その規定が存在していたか
適用対象対象社員に適用される規則か

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包括条項に頼らない

「その他前各号に準ずる行為があったとき」といった包括条項は、多くの就業規則にあります。ただし、これに依拠して処分すると、どの行為がなぜ懲戒に値するのかの説明が弱くなります。 まず具体的な号への該当性を検討し、包括条項を使う場合は、列挙された事由とどの点で同等といえるのかを説明できるようにしてください。

後から作った規程で過去の行為を処分しない

行為の後に新設・改定された懲戒規定を、その行為に適用することは避けてください。 行為時点で存在しなかったルールに違反したという評価は成り立ちません。規程の改定履歴と施行日は、必ず確認してください。

STEP3|どの程度の懲戒が相当か

ここが第7話の中心です。労働契約法15条の「行為の性質及び態様その他の事情」を、会社実務の確認項目に落とし込みます。

図表6|処分相当性を判断する15項目

#考慮要素確認の視点
1行為の内容どの企業秩序・服務規律に、どう反したか
2故意・過失意図的か、不注意か、知らなかったのか
3動機・目的私的利益か、業務上の判断の誤りか、感情的なものか
4行為の態様単発か継続か。隠蔽・偽装があったか
5反復性同種行為の有無、時期、回数
6結果・実害損害の有無と金額。回復可能性
7会社・顧客・他の社員への影響信用毀損、業務停滞、他の社員の負担
8職位・職責管理職か。当該行為を防ぐ立場にあったか
9本人の認識ルールを知っていたか。会社が伝えていたか
10過去の指導・処分歴同種行為について注意・処分を受けていたか
11改善可能性是正の見込みがあるか
12事件後の対応報告したか、隠したか、調査に協力したか
13被害回復弁償、謝罪、原状回復の有無
14他の社員との均衡同種事案での過去の処分(後述)
15会社側の管理・教育上の事情ルールが不明確だった、長年黙認していた、教育を行っていなかった等

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15番を必ず入れてください。会社側の事情は、処分を軽くする方向に働き得る要素です。これを検討していない判断は、社内の説明としても外部への説明としても弱くなります。

「反省していない」を単純に重い方向の材料にしない

実務でよく見るのが、「反省の色がないので処分を重くする」という判断です。これは慎重に扱ってください。

  • 本人が事実を争っている場合、認めないことは反省の欠如とは限りません。争うこと自体は正当な行為です
  • 反省の有無は、内心の評価であり、客観的に確認しにくいものです
  • 事件後の対応(報告したか、隠蔽したか、調査に協力したか)や被害回復(12番・13番)といった行為として現れた事情で評価するほうが、説明が成り立ちます

時間の経過も相当性に影響する

裁判例

ネスレ日本(懲戒解雇)事件・最判平成18年10月6日

最高裁は、上司に対する暴行事件から7年以上が経過した後にされた懲戒解雇処分について、懲戒解雇事由に該当する事実が存在すると仮定しても、処分の時点において企業秩序を維持する観点からそのような重い懲戒処分を必要とする客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認することはできないとして、懲戒解雇を無効としています。この事案では、会社が刑事手続の結果を待って処分を検討していたという経緯がありましたが、それでも処分までの期間が問題とされています。

実務上の含意は明確です。調査に必要な時間はかけるべきですが、漫然と処分を保留しないこと。 保留する場合は、その理由と経過を記録してください。

懲戒処分の重さはどう決める?

絶対的な処分量定表を作ることは、おすすめしません。同じ「経費の不正精算」でも、金額、回数、隠蔽の有無、職位によって、相当な処分はまったく異なるからです。

代わりに、判断要素がどちらの方向に働くかで整理してください。

図表7|軽い方向/重い方向の判断要素

観点軽い方向に働く事情重い方向に働く事情
主観過失、誤解、知らなかった故意、私的利益の目的
回数初回、単発反復、常態化
態様隠さず報告した隠蔽・偽装・虚偽報告を伴う
結果実害なし、軽微重大な損害、顧客情報の漏えい、信用毀損
是正直ちに是正・弁償した是正せず、被害が拡大した
職位一般社員、経験が浅い管理職、当該分野の責任者
ルール会社側のルールが不明確だった規程が明確で、周知・教育もされていた
指導歴過去に同種の指導・処分がない過去に同種行為で指導・処分を受けている
調査調査に協力した調査を妨げた、証拠を隠した
期間行為から間もない行為から長期間が経過している(軽い方向に働き得る)

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1つの項目だけで決めないでください。 たとえば「管理職である」ことは重い方向に働きますが、それだけで懲戒解雇が正当化されるわけではありません。総合判断です。

過去の類似事案との均衡を確認する

同じ会社の中で、同種の行為に対して処分の重さが大きく異なると、その説明を求められます。

図表8|過去事例との比較表

案件ごとに、この形式で過去事案を並べてください。

比較項目過去事案A過去事案B今回の事案
発生時期
行為の内容
故意・過失
反復性
実害の程度
本人の職位
過去の指導・処分歴
事件後の対応
当時の就業規則
会社側の事情
処分内容

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ここで重要な点を2つ。

(1)「同じ行為なら必ず同じ処分」という意味ではありません。

故意か過失か、実害の程度、職位、過去の指導歴が違えば、処分が異なることには理由があります。違う処分にする場合は、その違いを説明できるようにし、判断の理由を記録してください。 記録がなければ、後から「なぜこの人だけ重いのか」に答えられません。

(2)「前例が軽かったから今回も軽く」と機械的に決めないでください。

過去事案と今回の事案について、故意・過失、実害、職位、反復性等に違いがあれば、異なる処分を選択することはあり得ます。その場合は、なぜ過去事案と結論を異ならせたのかを記録してください。過去の処分がたまたま軽かったというだけで、今回もそれに合わせなければならない、という関係にはありません。

前例がない場合は懲戒できない?

前例がないというだけで、懲戒ができないわけではありません。 必要なのは、就業規則上の根拠、認定できる事実、そして処分の相当性です。前例は相当性を判断する材料の一つにすぎません。

ただし、次の場合には注意が必要です。

注意

会社がこれまで同種の行為を黙認してきた場合

長年にわたり運用上の違反が放置され、注意も是正指導もされていなかったところ、ある社員についてだけ突然重い処分をする——という進め方は、処分の相当性に影響し得ます(図表6の15番)。

長期間にわたり会社が軽微なルール違反を黙認し、実質的にその運用が定着していた場合に、突然重い懲戒処分を行うと、相当性が問題となり得ます。このようなケースでは、次の対応を検討してください。

  1. 従来の運用を改める旨を、全社員に周知する
  2. ルールと是正の方法・期限を明確にする
  3. その後の違反を評価する

もっとも、これは長年黙認されてきた軽微な運用違反等についての考え方です。横領、情報の持出し、暴力行為のように、それ自体が明らかに許容されない行為について、「厳格に運用する旨を周知していなかったから軽い処分にとどめなければならない」という関係にはありません。黙認の有無は、相当性を判断する事情の一つとして、行為の性質に応じて評価してください。

一度処分した行為を、もう一度処分してよい?

いわゆる二重処分の問題です。

一般に、同一の非違行為について重ねて懲戒処分を行うことは、懲戒権の濫用として問題となり得ます。刑事手続における一事不再理の原則がそのまま労働法に適用されるわけではありませんが、実務上は「同一事由への重複懲戒」として、相当性を欠く方向に働く事情として扱われます。

通常の業務上の注意・指導にとどまるのであれば、直ちに二重懲戒の問題にはなりません。ただし、名称ではなく、就業規則上の位置づけ、決裁、通知内容、本人に課された不利益等から、その措置が実質的に懲戒処分だったかを確認してください。

判断の前に、次を区別してください。

図表9|二重処分の確認

#確認事項確認の視点
1最初の措置は懲戒処分だったか就業規則上の懲戒として行われたか。決裁・通知の記録があるか
2単なる注意・指導だったか就業規則上の懲戒として行われたものではないか、その実質を確認する
3「始末書の提出」はどう位置づけられていたかけん責等の懲戒の内容として提出させたのか、指導の一環か(第3話
4対象行為は同一か日時・内容が異なる別個の行為か
5新たな違反が発生していないか処分後に生じた行為であれば、別個に検討できる
6過去の処分歴を「考慮要素」として使っているか独立した懲戒事由として再度処分していないか(後述)

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3番が実務上の落とし穴です。 現場が「指導のつもり」で始末書を提出させたが、就業規則上はけん責に当たると整理されている——という食い違いがあると、その後の懲戒が重複と評価されるおそれがあります。会社として、始末書の提出が懲戒に当たるのか否かを統一しておいてください。

処分後に別の事実が判明したらどうする?

これは正確に理解しておく必要がある論点です。

裁判例

山口観光事件・最判平成8年9月26日

最高裁は、使用者が労働者に対して懲戒処分をした当時に使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、当該懲戒の理由とされたものでないことが明らかであるから、その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠づけることはできないとしています。

図表10|山口観光事件の整理

場面結論
処分時に認識していなかった別の非違行為を、既に行った処分の有効性を根拠づけるために後から持ち出す特段の事情がない限りできない
後から判明した別個の行為について、新たに懲戒を検討する別問題。可否は個別に検討する(二重処分に当たらないか、事実認定・該当性・相当性を改めて確認)
処分前に調査を尽くし、依拠する非違行為を特定したうえで、事実認定・決裁・通知・記録を整合させるこれが本来あるべき進め方

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よくある誤解は、「後から判明した事実は一切使えない」というものです。そうではありません。 判例が制約しているのは、既にした処分を後から正当化することです。後から判明した別個の非違行為について、改めて事実認定・該当性・相当性を検討し、新たな懲戒を検討すること自体が否定されるわけではありません。

実務上の含意は次のとおりです。

処分を決定する時点で、会社が懲戒処分の根拠として依拠する非違行為を具体的に特定し、事実認定、決裁、処分通知、社内記録の内容を整合させてください。 処分後に別の事実が判明しても、それを既にした処分の正当化に安易に追加することはできません。新たに判明した別個の非違行為については、改めて事実認定・懲戒事由該当性・相当性を検討します。

過去の非違行為・処分歴はどこまで考慮できる?

ここも混同されやすい論点です。次の2つを区別してください。

区別可否
過去に処分済みの行為を、今回の独立した懲戒事由として再度処分するできない(二重処分の問題)
過去の処分歴・指導歴を、今回の処分相当性を判断する事情として考慮する考慮し得る(反復性、改善状況の評価として)

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たとえば、過去に同種行為で戒告を受けた社員が、再び同種の違反をした場合、その事実は「同種行為が反復されている」「指導後も改善していない」という評価につながり得ます。これは、過去の行為を再処分しているのではなく、今回の行為の評価において考慮しているにすぎません。

ただし、次の場合には慎重になってください。

  • 古すぎる事案:何年も前の、既に是正された事案を持ち出す
  • 全く別種の行為:無関係な類型の過去処分を、今回の行為の評価に使う
  • 十分に是正された事案:その後長期間、同種の問題が起きていない

これらを機械的に重い方向の材料とすることは、相当性の説明を弱めます。

能力不足を懲戒処分にしてよい?

出発点として、能力不足・勤務成績不良それ自体は、通常、懲戒の対象となる非違行為とは異なります。 成果が期待水準に達しないというだけで、当然に懲戒処分へ進むものではありません。

もっとも、能力不足と評価されている事象の中に、次のような別個の行為が含まれている場合には、その行為を切り分けて懲戒の可否を検討します。

  • 明確に定められた手順への違反
  • 重大な過失
  • 実績や進捗についての虚偽の報告
  • 正当な業務命令への不服従(第5話

この場合も、懲戒の対象は「能力不足」ではなく、特定された当該行為です。能力不足への対応は、原則として指導・支援・配置という枠組みで検討します(第6話)。

懲戒処分と普通解雇は何が違う?

図表11|懲戒処分と普通解雇の違い

観点懲戒処分普通解雇
性質企業秩序違反等に対する制裁労働契約を将来に向かって終了させる人事上の措置
主な根拠条文労働契約法15条労働契約法16条
就業規則上の根拠懲戒の種類・事由の定めが必要解雇事由の定め(労基法89条3号)
典型的な理由非違行為能力不足、傷病、適格性欠如、事業上の事情等
判断の軸事実認定→懲戒事由該当→処分相当性客観的合理性・社会通念上の相当性
退職金規程により不支給・減額の定めがある場合がある通常は規程どおり支給
懲戒解雇の場合懲戒として労働契約法15条の枠組みで検討したうえで、労働契約を終了させる解雇でもあることから、解雇法理との関係も確認する

← 表は横にスクロールできます

労働契約法15条は懲戒について、16条は「解雇」について権利濫用法理を定めています。懲戒解雇は「15条だけを見ればよい」という関係ではありません。 また、傷病を理由とする解雇については、労働基準法19条(業務上の負傷・疾病による療養期間中等の解雇制限)など、別途確認すべき論点があります。

「懲戒できないなら普通解雇にすればよい」と自動的に切り替えないでください。 根拠も要件も別です。懲戒の相当性が認められない事案が、普通解雇なら認められるという関係にはありません。それぞれ独立して検討します。

懲戒解雇は特に慎重に判断する

懲戒解雇は、会社が行う懲戒処分の中で最も重い類型です。労働契約を終了させるうえに、退職金の不支給・減額を伴うことも多く、本人が受ける不利益は極めて大きくなります。

確認すべきは、これまで述べてきた項目そのものです。就業規則上の懲戒解雇事由への該当性、行為の重大性、処分相当性、過去事例との均衡、証拠、本人の説明、そして手続。

重大リスク

確認事項に弱い点がある場合は、その弱点が事実認定・懲戒事由該当性・処分相当性のいずれに影響するのかを確認し、必要に応じて追加調査、より軽い処分、または懲戒を行わない対応まで含めて再検討してください。

解雇予告除外認定と、懲戒解雇の有効性を混同しない

ここは明確に区別してください。

解雇予告除外認定懲戒解雇の民事上の有効性
根拠労働基準法20条1項但書・3項労働契約法15条
判断主体労働基準監督署長最終的には裁判所
意味解雇予告・予告手当を要しないという行政上の認定解雇そのものが有効か無効か

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除外認定を受けたからといって、懲戒解雇が有効であることが保証されるわけではありません。 逆に、除外認定を受けていないことが、懲戒解雇を無効にするわけでもありません。別の問題です。解雇を検討する場合の最終確認事項は第10話で扱います。

懲戒判断フロー

図表12|懲戒判断フロー

STEP 1

事実を固める

  • 問題行動の発生・申告を受け、事実を5W1Hで特定する(図表4)
  • 証拠を確保し、信用性を確認する(図表5)
  • 本人の説明を確認する
  • 事実を認定できない → 懲戒を前提に進めない。追加調査、または懲戒以外の対応へ
STEP 2

懲戒事由該当性を確認する

  • 就業規則の懲戒事由に該当するか(行為時点の規程・周知を確認)
  • 該当しない → 注意・指導、人事上の措置等を検討(第2話・第6話)
STEP 3

相当性と均衡を検討する

  • 処分相当性を検討する(図表6の15項目)
  • 過去の類似事案との均衡を確認する(図表8)
  • 同一行為を既に処分していないか(図表9)。処分済みなら原則として重ねて処分しない
  • 今回の処分理由として依拠する非違行為を具体的に特定できているか(図表10)
STEP 4

処分を決定し、手続へ

  • どの処分が相当かを決定する
  • 懲戒手続へ(弁明・決裁・通知・記録) → 第8話

会社として懲戒判断ルールをどう整備する?

案件ごとに担当者の裁量で進めると、判断のばらつきがそのまま「取扱いの不均衡」になります。

図表13|会社として整備する懲戒判断ルール

#決めること具体的内容主管
1相談受付ルート現場・人事からの申出先と申出様式人事
2初動調査の担当誰が調査し、誰が指揮するか。利益相反の遮断法務・人事
3証拠保存ルールログ保持、カメラ、端末。保全依頼の手順情報システム・法務
4事実認定シート図表4の様式を社内版に法務
5懲戒規定との照合方法条項の特定手順。包括条項の使用基準法務
6処分相当性の考慮要素図表6を社内版に。絶対的な量定表は作らない法務
7過去事案の検索方法事案データベースの管理と検索の手順人事・法務
8二重処分チェック過去の措置が懲戒だったか否かの確認手順人事・法務
9法務確認の基準どの段階で法務が関与するか法務
10決裁ルート処分の種類ごとの決裁者人事
11懲戒委員会等へ進む基準どの処分から委員会にかけるか(運営は第8話人事・法務
12記録の保存保存場所・保存年限・アクセス権限人事
13処分後のレビュー判断の妥当性、規程の見直し、再発防止法務・人事

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7番が整っていない会社が多い印象です。過去事案が検索できなければ、均衡の確認そのものができません。 個人が特定されない形で、行為類型・処分内容・判断理由を蓄積する仕組みを検討してください。

よくあるNG判断

図表14|懲戒判断のNG例と改善

NG判断なぜ問題か代わりにすること
「本人も認めているから懲戒」自認は事実認定の一材料。該当性と相当性は別に必要3段階すべてを確認する
「就業規則に書いてあるから懲戒」STEP2で止まっている処分相当性を独立して検討する
「前例では出勤停止だったから今回も出勤停止」事案の差異を検討していない図表8で比較し、違いがあれば理由を記録する
「上司が怒っているので重くする」考慮要素ではない行為の性質・態様・結果で判断する
「反省していないので2段階重くする」内心の評価。事実を争っている場合もある事件後の対応・被害回復など行為で評価する
「処分後に別の違反が見つかったので、前の処分の理由に追加」既にした処分の正当化には使えない処分前に調査を尽くす。別個の行為は改めて検討する
「前回注意書を出したから、今回は必ず懲戒」段階を機械的に上げる運用今回の行為について3段階で判断する
「懲戒解雇なら解雇予告手当はいらない」除外認定と有効性を混同している労基署長の認定の要否と、解雇の有効性を分けて検討する
「能力不足だから懲戒」能力不足は通常、非違行為とは異なる別個の非違行為の有無を切り分ける
「懲戒が難しいから普通解雇に切り替える」根拠も要件も別それぞれ独立して検討する(第10話
長年黙認してきた違反を、周知なしに突然重く処分する会社側の管理事情が相当性に影響する運用を改める旨を周知してから対応する
事案を長期間放置した後に重い処分をする時間の経過が相当性に影響する調査に必要な期間と理由を記録する

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懲戒処分判断チェックリスト

図表15|懲戒処分判断チェックリスト

Noチェック項目確認内容担当残す記録
1□ 処分対象となる行為を具体的に特定した5W1H、結果、経緯法務・人事事実認定シート
2□ 発生日を確認した行為の日付を特定したか人事事実認定シート
3□ 適用される就業規則を確認した対象社員に適用される規則か法務規程照合メモ
4□ 行為時点の規程を確認した改定履歴と施行日法務規程改定履歴
5□ 懲戒の種類・事由を確認した該当し得る条項を特定したか法務規程照合メモ
6□ 就業規則の周知を確認した知り得る状態にあったことを立証できるか法務・人事周知記録
7□ 客観的証拠を確認した何が、どの事実を裏づけるか法務証拠一覧
8□ 証拠の取得方法を確認した社内規程上の根拠、適法性法務適法性検討メモ
9□ 供述の信用性を確認した利害関係、目撃範囲、整合性、変遷法務聴取記録
10□ 本人の説明を確認した認めた部分と争う部分を切り分けたか人事聴取記録
11□ 反対証拠を検討した本人が示した資料を検討したか法務検討メモ
12□ 事実認定と評価を分けた認定に評価語が混入していないか法務事実認定シート
13□ 争いのある事実を明示した争点を特定したか法務事実認定シート
14□ 懲戒事由該当性を確認した具体的な号への該当を検討したか法務規程照合メモ
15□ 包括条項に依拠していないか確認した具体的事由での説明が可能か法務検討メモ
16□ 行為の性質・態様を確認した隠蔽・偽装の有無を含む法務相当性検討メモ
17□ 故意・過失を確認した意図的か、不注意か法務相当性検討メモ
18□ 動機・目的を確認した私的利益の有無法務相当性検討メモ
19□ 実害・影響を確認した損害額、業務・顧客への影響現場・人事影響メモ
20□ 反復性を確認した同種行為の時期と回数人事履歴一覧
21□ 本人の職位・職責を確認した管理職か、防止する立場か人事相当性検討メモ
22□ 事件後の対応・被害回復を確認した報告、協力、弁償の有無人事経過記録
23□ 過去の指導・処分歴を確認した独立した懲戒事由として使っていないか人事・法務履歴一覧
24□ 会社側の管理・教育上の事情を確認したルールの明確性、黙認の有無、教育の実施法務・人事相当性検討メモ
25□ 過去の類似事案との均衡を確認した図表8で比較したか人事・法務過去事例比較表
26□ 異なる処分とする理由を説明できる差異の根拠を記録したか法務判断理由メモ
27□ 同一行為への処分済みの有無を確認した過去の措置が懲戒だったか人事・法務二重処分チェック
28□ 時間の経過を確認した行為から処分までの期間と、その理由法務経過記録
29□ 処分理由として依拠する非違行為を特定した事実認定・決裁・通知・記録の内容が整合しているか法務処分理由の整理
30□ 処分が重すぎないか確認したより軽い処分で足りないか検討したか法務相当性検討メモ
31□ 懲戒と普通解雇を混同していない根拠と要件を分けて検討したか法務検討メモ
32□ 決裁ルートを確認した誰が決裁するか人事決裁ルート
33□ 懲戒手続へ進める状態か確認した第8話の手続に必要な材料が揃っているか法務案件記録一式

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懲戒処分は「違反があったか」だけでは決めない

懲戒処分の判断基準について、会社が押さえるべき点をまとめます。

  • 判断は3段階。事実認定 → 懲戒事由該当性 → 処分相当性
  • 就業規則上の根拠を確認する。行為時点の規程と、その周知状況まで
  • 事実と評価を分ける。認定の段階で悪質性を語らない
  • 本人が否認しても、事実を認定できる場合はある。否認を理由なく排斥もしない
  • 本人が認めても、それだけで懲戒できるわけではない。該当性と相当性は別
  • 懲戒事由に該当することは、好きな処分を選べることを意味しない
  • 労働契約法15条の相当性を独立して検討する。会社側の管理事情も要素に入れる
  • 「反省していない」を単純に重い方向の材料にしない
  • 時間の経過も相当性に影響する。漫然と保留しない
  • 過去事例との均衡を確認する。違う処分にするなら理由を記録する
  • 前例がなくても処分できないわけではない。ただし黙認してきた運用は先に周知して改める
  • 同一行為への二重処分を避ける。過去の措置が懲戒だったかを確認する
  • 後から判明した事実で、既にした処分を補強しない。別個の行為は改めて検討する
  • 能力不足と懲戒を混同しない。普通解雇とも根拠を分ける
  • 会社として判断プロセスを標準化する

懲戒処分は、会社が社員に対して行う措置の中でも、最も慎重な検討を要するものです。「違反があったか」で止まらず、「その処分が相当か」まで、独立して検討してください。

「何を、どの程度の処分にするか」が決まったら、次に問題になるのは、会社としてどの手続でそれを実施するかです。弁明の機会、決裁、通知、記録、そして公表の可否まで、次回で整理します。

次に読む 第8話 懲戒処分の手続を会社でどう整える?弁明・決裁・通知・記録の実務 詳しく見る

シリーズ:問題社員対応の実務|注意・指導から懲戒・退職・解雇まで会社が整えること(全10話)

参考資料・一次資料

法令(e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/

  • 労働契約法(平成19年法律第128号)7条、15条、16条
  • 労働基準法(昭和22年法律第49号)19条(解雇制限)、20条(解雇の予告)、89条3号・9号(就業規則の記載事項)、91条(制裁規定の制限)、106条1項(法令等の周知義務)、109条
  • 労働基準法施行規則52条の2(周知の方法)

行政資料

裁判例(裁判所ウェブサイト「裁判例検索」 https://www.courts.go.jp/

  • フジ興産事件・最判平成15年10月10日(就業規則の周知と拘束力)
  • 山口観光事件・最判平成8年9月26日(懲戒処分当時に認識していなかった非違行為の扱い)
  • ネスレ日本(懲戒解雇)事件・最判平成18年10月6日(行為から長期間経過後の懲戒処分の相当性)

注記

本記事は2026年9月3日時点の法令・公表資料に基づいています。懲戒の種類・事由・程度は各社の就業規則により異なり、本記事に掲げた懲戒処分の種類は一般的な例です。また、処分相当性は個別事案の総合判断であり、本記事の考慮要素はすべての事案で必ず検討すべき法定要件を列挙したものではありません。個別の事案については、自社の就業規則・規程、事実関係および最新の法令を確認のうえ、必要に応じて弁護士等の助言を得てください。

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