業務命令に従わない社員への対応|指導・業務命令・懲戒の境界
問題社員対応の実務
注意・指導から懲戒・退職・解雇まで、会社が整える実務
業務命令に従わない社員への対応
指導・業務命令・懲戒の境界
法令・情報基準日:2026年9月2日
「上司が何度言っても仕事をしません」
「本人が『その指示には従えません』と言っています」
「業務命令違反として懲戒できませんか」
「書面で命令した方がいいでしょうか」
法務がこうした相談を受けたとき、最初に確認すべきなのは「社員が従わなかった」という結論ではありません。確認するのは、会社の側が何をしたかです。
誰が、誰に、いつ、どの方法で、何を、いつまでに、どのような根拠で命じたのか。
そして、本人はなぜ従わなかったのか。
法務の結論
業務命令違反として懲戒を検討するには、まず、その命令が労働契約・就業規則等に基づく会社の業務命令権の範囲内にあり、法令に反せず、権利濫用にも当たらないことを確認する必要があります。 そのうえで、命令内容が社員に明確に伝えられていたか、社員がそれを理解したうえで履行しなかったのか、拒否に正当な理由がなかったかを確認します。業務上の必要性、内容の合理性、本人への負担といった要素は、その判断の重要な材料になります。
「従わなかった」という結果だけでは、懲戒の可否は判断できません。
会社の業務命令権は、労働契約に基づくものであり、無制限ではありません。命令が権利の濫用にあたる場合や、労働契約上の根拠を欠く場合には、そもそも従う義務が生じないこともあります。第5話では、この「命令の有効性の確認」を軸に、業務命令違反という類型への対応を整理します。
注意・指導の進め方一般は第2話、使用する文書は第3話を参照してください。
無料・時短・仕組み化の3つから選ぶ
「指示に従わない」と「業務命令違反」は同じではない
現場から上がってくる相談は、多くの場合「言うことを聞かない」という形で届きます。しかし、その中身を分解すると、性質の異なる行動が混ざっています。
図表1|反論・相談・拒否の違い
| 社員の行動 | 性質 | 会社の対応 |
|---|---|---|
| 指示の内容について質問した | 内容の確認。命令拒否ではない | 質問に答える。曖昧なら明確化する |
| 別のやり方を提案した | 業務上の意見。命令拒否ではない | 提案を検討し、採否とその理由を伝える |
| 期限の変更を相談した | 履行方法の相談 | 業務量・優先順位を確認し、期限を判断する |
| 異論を述べたが、その後着手した | 意見表明。履行はされている | 通常は問題としない |
| 安全性・法令適合性の懸念を示した | 会社が確認すべき指摘 | 内容を確認する。無視しない |
| 内容を理解したうえで明確に拒否した | 命令拒否として検討する余地 | 拒否理由を確認する |
| 理由を示さず着手しない | 同上 | 理由を確認し、明確に再指示する |
| 再三の指示にも従わない | 同上 | 命令の有効性を確認したうえで正式な命令へ |
| 命令に反する行動を意図的に行った | 同上 | 事実と影響を特定する |
← 表は横にスクロールできます
質問や異論を「反抗」として扱わないでください。 業務上の疑問を述べることは、労働契約上の義務違反ではありません。むしろ、指示内容が曖昧であることを示すサインであることも多く、その場合に必要なのは処分ではなく明確化です。
一方で、内容を理解したうえで正当な理由なく履行しない行動は、命令違反として検討する対象になります。分けて扱うことが出発点です。
業務指示と業務命令は何が違う?
先に注意点を述べます。「業務指示」と「業務命令」に、法律上の明確な二分類があるわけではありません。 実務上の呼び分けであり、名称によって法的効力が決まるものではありません。
図表2|業務指示と業務命令の整理(実務上の使い分け)
| 観点 | 業務指示 | 業務命令 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 日常的な業務上の依頼・指示 | 会社として履行を求めることをより明確にした指示 |
| 伝達方法 | 口頭、チャット、メール等 | 口頭でも成立し得るが、重要性が高い場合や内容が争われている場合等は書面化を検討 |
| 内容の特定 | 状況に応じて柔軟 | 対象・期限・成果物・目的を明示 |
| 発出者 | 直属上司等 | 権限を確認したうえで発出 |
| 想定場面 | 通常の業務運営 | 履行されない、内容が争われている、重要性が高い |
| 記録 | 業務記録の範囲 | 発出・伝達・回答を記録する |
← 表は横にスクロールできます
重要なのは次の点です。
- 「これは業務命令です」と言えば有効になるわけではありません。 有効性は、労働契約・就業規則上の根拠、業務上の必要性、内容の合理性、発出者の権限などから判断されます
- 逆に、「業務命令」と呼んでいなくても、有効な指示であることはあります。 日常の口頭指示に従わないことが問題にならない、という意味ではありません
つまり、呼び方は運用上の整理であって、法的評価の入口ではありません。
業務命令違反を判断する前に「命令」を特定する
法務が最初に行うのは、この特定作業です。「何度も指示した」という説明では、何一つ確認できません。
何度も指示したのに、やりません。
2026年9月1日10時の部門定例会において、営業部長Aが社員Bに対し、顧客C向け契約書の修正版を9月2日17時までに共有フォルダ内の指定フォルダへ保存するよう口頭で指示した。同日11時、Aは同内容をメールでBへ送付した。9月2日17時時点で、当該フォルダにファイルは保存されていない。
後者であれば、事実として確認・反証が可能です。次のシートを社内様式にしてください。
図表3|業務命令特定シート
| 項目 | 記載内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 誰が | 命令者の氏名・役職 | 営業部長A |
| 指揮命令関係 | 組織上・職務上、その社員に当該業務を指示できる立場か(必要に応じ規程等で確認) | 営業部長として同部所属のBの業務を指揮する立場 |
| 誰に | 対象社員 | 営業部 社員B |
| いつ | 日時 | 2026年9月1日10時 |
| どの方法で | 伝達方法 | 部門定例会での口頭指示+同日11時のメール |
| 何を | 命令の内容 | 顧客C向け契約書の修正版の作成と保存 |
| いつまでに | 期限 | 2026年9月2日17時 |
| どの水準で | 成果物・完成度 | 別紙コメントを反映した修正版(Word形式) |
| どこへ | 提出先 | 共有フォルダ◯◯ |
| 何のために | 業務上の目的 | 9月3日の顧客Cとの交渉に使用するため |
| 根拠 | 労働契約・就業規則上の位置づけ | 職務内容(契約書作成補助)の範囲内 |
| 本人の反応 | 受領時の応答 | 「期限は厳しい」と述べたが、拒否の意思表示はなし |
| 履行状況 | 期限時点の状況 | 未保存。代替の提出もなし |
← 表は横にスクロールできます
注意
このシートが埋まらない項目があれば、そこが会社側の弱点です。埋まらないまま懲戒の検討に進まないでください。
命令した者が、その業務を指示できる立場にあったか確認する
見落とされやすい確認事項です。ここで確認するのは、組織上・職務上、その社員に当該業務を指示できる立場にあったかであって、契約や支出の決裁権限とは別の問題です。課長に1,000万円の契約を締結する決裁権限がなくても、部下に契約書案の作成を指示する業務上の権限は通常あり得ます。
| 確認事項 | 確認する資料 |
|---|---|
| 命令者が対象社員の業務を指揮する立場にあるか | 組織規程、職制、職務分掌 |
| 命令内容が、その立場で指示し得る業務の範囲内か | 職制、業務分掌、業務の実態 |
| 人事上の措置(配転・出向等)を伴う場合、その権限があるか | 人事権限規程、決裁規程・職務権限表 |
| 代理・代行で発出された場合、その根拠があるか | 代決・専決の定め |
| プロジェクト組織の場合、指揮命令系統が明確か | プロジェクト設置文書 |
| 出向者・派遣労働者の場合、指揮命令の主体が誰か | 出向契約、労働者派遣契約 |
← 表は横にスクロールできます
たとえば、他部署の管理職が、正式な権限なく別部署の社員に直接作業を命じているケースがあります。この場合、履行されなかったことを直ちに命令違反として扱うのは無理があります。
実務上の対応はシンプルです。指揮命令関係が不明確なまま出された指示は、その社員を指揮する立場にある者から改めて発出し直す。過去の経緯を争うより、そのほうが早く、確実です。
業務上の必要性・合理性を確認する
ここが法務の中心的な仕事です。会社の業務命令権は労働契約に基づくものであり、労働契約法3条5項も、労働者及び使用者は労働契約に基づく権利の行使にあたってそれを濫用することがあってはならないと定めています。
図表4|業務命令の有効性を確認する表
| # | 確認項目 | 確認の視点 |
|---|---|---|
| 1 | 労働契約上の根拠 | 労働契約書・労働条件通知書・就業規則上、その業務を命じ得るか |
| 2 | 職務内容・勤務地の限定 | 職種限定・勤務地限定の合意がないか |
| 3 | 業務上の必要性 | 業務目的との関連。人員配置、業務効率、育成等の合理的な理由があるか |
| 4 | 手段の相当性 | 目的に対して、命令の内容・態様が過大でないか |
| 5 | 代替手段 | 他の方法で目的を達成できないか |
| 6 | 本人への負担 | 労働時間、身体的負担、生活への影響 |
| 7 | 安全性 | 労働災害の危険がないか |
| 8 | 法令適合性 | 命令の履行が法令違反とならないか |
| 9 | 動機・目的 | 嫌がらせ、報復、退職に追い込む目的が混入していないか |
| 10 | 個別事情 | 育児・介護・健康状態等、配慮すべき事情の有無 |
← 表は横にスクロールできます
裁判例
東亜ペイント事件・最判昭和61年7月14日
3・9・6の3点は、配転命令に関する最高裁の判断枠組みでも中核となっている要素です。最高裁は転勤命令について、使用者の転勤命令権は無制約に行使できるものではなく、当該転勤命令につき業務上の必要性が存しない場合、または業務上の必要性が存する場合であっても、他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき、もしくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、特段の事情が存する場合でない限り、権利の濫用にはならないと判示しています。
ただし、この枠組みは転勤(配転)命令についてのものであり、あらゆる業務命令にそのまま当てはまる一般的基準ではありません。 日常の業務指示にこの3要件を機械的に当てはめる必要はありません。ここでは「業務上の必要性・動機目的・本人の不利益という3つの軸で検討する」という思考の型として参照してください。
なお、労働契約締結時等の労働条件明示については、2024年4月1日から、雇入れ直後の就業場所・業務に加えて、それらの「変更の範囲」の明示が必要となっています(労働基準法施行規則5条の改正)。この記載は、会社が将来どの範囲の変更を予定していたかを確認するうえで重要な資料になります。
ただし、労働条件通知書に記載された「変更の範囲」だけで、職種・勤務地限定合意の有無や業務命令権の法的範囲が当然に決まるわけではありません。 労働契約書、採用時の説明、就業規則、採用の経緯、実際に従事してきた職務の内容なども含めて確認してください。
社員が業務命令を拒否できる場合はある?
検索でもよく問われる論点です。結論は、何でも拒否できるわけでも、何でも従わなければならないわけでもない、です。
従う義務が生じない、または慎重な検討を要する場面として、次のようなものが考えられます。
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| 違法行為を命じられた | 法令違反行為の実行を命じる業務命令に、労働者が従う義務を負うとは考えにくい |
| 安全上の重大な危険がある | 労働安全衛生法25条は、労働災害発生の急迫した危険があるときは、事業者は直ちに作業を中止し労働者を退避させる等の措置を講じなければならないとしている。そのような場面で作業継続を命じること自体が問題となる。もっとも、同条は事業者の措置義務を定めたものであり、あらゆる安全上の懸念について労働者に一般的な業務命令拒否権を与える規定ではない |
| 労働契約上の範囲を明らかに逸脱 | 職種限定・勤務地限定の合意がある場合など。後述 |
| ハラスメント目的の命令 | 業務上の必要性を欠き、嫌がらせ目的でされた命令 |
| 健康状態との関係で重大な問題がある | 就業上の措置が必要な状態か、産業保健職の意見を踏まえて判断する |
| 法令上保護された権利行使との衝突 | 年次有給休暇の取得、育児・介護の制度利用、労働組合活動等 |
| 公益通報をやめるよう命じる | 公益通報者保護法の趣旨に反する |
← 表は横にスクロールできます
裁判例
社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会事件・最判令和6年4月26日
職種限定については、最高裁が近年、明確な判断を示しています。労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しないとして、原審の判断を破棄し差し戻しています。職種限定合意がある場合、そもそも命令権がないという整理です。
他方で、「納得できない」「やりたくない」というだけでは、拒否の正当な理由にはなりません。 業務命令の当否について意見を述べることと、履行を拒むことは別です。
拒否理由を本人に確認する
会社が次にすべきことは、処分の検討ではなく、理由の確認です。聞き方は開かれた形にしてください。
「この指示について、どの点が実施できないと考えていますか」
「なぜ従わないのか」と問い詰める形にすると、理由ではなく態度についてのやりとりになります。目的は理由の特定です。
図表5|拒否理由別の会社対応
| 拒否理由 | 会社の対応 | 主担当 |
|---|---|---|
| 内容を理解していない | 指示内容を具体化して再説明する。処分の検討に進まない | 現場上司 |
| 期限が物理的に不可能 | 業務量・優先順位を確認し、期限または範囲を調整する | 現場上司・人事 |
| 他の指示・命令と矛盾している | 優先順位を会社として決定し、明示する | 現場上司 |
| 職務範囲外だと考えている | 労働契約・就業規則上の根拠を確認し、説明する。限定合意があれば命令内容を再検討 | 法務 |
| 安全面の懸念がある | 具体的にどのような危険を指摘しているかを確認する。労働災害発生の急迫した危険がある、またはその可能性が具体的に疑われる場合は、安全確認を優先し、必要に応じ作業中止・退避等の措置を講じる | 現場・安全衛生担当 |
| 法令違反になると考えている | 法務が内容を検証する。検証結果を本人にも説明する | 法務 |
| 健康上困難である | 産業保健職へ連携。就業上の措置の要否を検討 | 人事・産業保健職 |
| ハラスメントだと考えている | 通常の指導ラインから切り離し、相談窓口で受ける | 相談窓口・人事 |
| 公益通報・内部通報と関係している | 通報対応ルートで切り分ける | コンプライアンス・法務 |
| 単にやりたくない | 業務命令の内容と根拠を説明し、明確に再指示する | 現場上司・人事 |
← 表は横にスクロールできます
本人の説明は、結論の当否を判断する前に、そのまま記録してください。会社にとって不利な内容(指示が曖昧だった、他の社員は免除されている、上司の言動に問題があった等)も省略しないでください。省略した記録は、後で会社の主張全体の信用性を損ないます。
命令内容が曖昧だった場合は、まず明確にする
「従わない」以前に、何を求められているのか分からない、という状態は珍しくありません。
| NG(曖昧な指示) | OK(明確な指示) |
|---|---|
| 早くやって | 9月2日17時までに、修正版を共有フォルダ◯◯へ保存してください |
| ちゃんと対応して | 顧客Cからの問い合わせに、本日中にメールで一次回答してください |
| この案件を何とかして | 案件Dについて、9月5日までに現状と対応案をまとめ、部内会議で報告してください |
| 適当に振り分けておいて | 未処理の◯件を、担当者EとFに分担し、その結果を9月3日までに私へ報告してください |
| 品質を上げて | 提出前に◯◯チェックリストの全項目を確認し、確認済みの記録を添付してください |
| 手が空いたら手伝って | 案件Gを最優先とし、それが完了した後に案件Hを担当してください |
← 表は横にスクロールできます
明確化すべき要素は、作業内容・期限・成果物・提出先・優先順位・必要な承認の6点です。特に「優先順位」は落ちやすい項目です。複数の業務を抱えている社員に新しい指示を出す場合、既存業務との優先順位を示していなければ、履行されなくても本人だけの問題とはいえません。
曖昧なまま「従わなかった」と評価しないでください。明確化して再指示する工程を挟むことは、会社にとっても有利に働きます。
口頭指示から正式な業務命令へ切り替えるタイミング
「2回目なら書面」のような固定回数のルールは作らないでください。書面化を検討する場面は次のとおりです。
- 本人が指示の内容や有無を争っている
- 同種の拒否が反復している
- 命令内容の重要性が高い(顧客対応、法令対応、安全に関わる等)
- 期限・成果物を明確にする必要がある
- 複数部署が関与し、口頭では内容が共有されない
- 将来の判断(配置変更、処分の検討等)につながり得る
- 本人から書面での指示を求められた
ここで強調したいのは、書面化は懲戒の準備ではないということです。目的は命令内容を明確にすることであり、結果として本人が履行しやすくなる効果もあります。書面を「処分のための証拠づくり」と位置づけると、文面が威圧的になり、かえって紛争を招きます。
文書の種類の選び方は第3話、記録の残し方は第2話を参照してください。
業務命令書には何を書く?
図表6|業務命令書の項目例
| # | 項目 | 記載上の注意 |
|---|---|---|
| 1 | 宛先 | 所属・氏名 |
| 2 | 発行部署・権限者 | 職務権限上の根拠を持つ者 |
| 3 | 発行日 | 交付日と一致させる |
| 4 | 命令事項 | 作業内容を具体的に。第三者が読んで実施内容が分かる水準 |
| 5 | 業務上の目的 | なぜ必要なのかを1〜2文で |
| 6 | 実施期限 | 年月日・時刻 |
| 7 | 実施方法 | 手順、使用するシステム、必要な承認 |
| 8 | 成果物・報告方法 | 何を、どこへ、どの形式で |
| 9 | 優先順位 | 既存業務との関係 |
| 10 | 問い合わせ先 | 不明点があった場合の連絡先 |
| 11 | 過去の指示経緯 | 必要に応じて、いつ何を指示したかを事実として記載 |
← 表は横にスクロールできます
注意|書いてはいけないもの
- 人格評価(「やる気がない」「協調性に欠ける」等)
- 将来の処分の断定(「従わなければ懲戒解雇とする」等)
- 必要以上に威圧的な表現
- 未確認の事実(調査中の事項を確定事実として書く)
将来の処分を書き込むと、その後の懲戒手続が結論ありきで進められたという主張を招きます。会社が伝えるべきは、何をいつまでにしてほしいかであって、従わなかった場合の帰結ではありません。
正式な命令にも従わない場合、会社はどうする?
次の順序で進めます。
- 命令の内容と業務上の必要性を、本人に説明する
- 本人が何を求められていると理解しているかを確認する
- 拒否理由を確認する(図表5で分類する)
- 理由に応じて、命令内容の修正・補足を検討する
- 修正の必要がなければ、再度明確に命令する
- なお履行されない場合、事実・理由・業務への影響を記録する
- 懲戒の検討へ進むかどうかを判断する
ただし、常に複数回命令しなければならないわけではありません。 安全に関わる命令、法令対応に関わる命令、顧客対応上ただちに履行が必要な命令など、重大性・緊急性が高い事案では、反復を待たずに次の段階へ進むべき場合があります。回数は要素の一つにすぎません。
図表7|業務命令記録表(項目例)
「何度言っても聞かない」ではなく、時系列で記録します。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 命令日時 | 年月日・時刻 |
| 命令者・権限 | 氏名・役職・権限の根拠 |
| 対象社員 | 所属・氏名 |
| 命令内容 | 作業内容・成果物 |
| 期限 | 年月日・時刻 |
| 伝達方法 | 口頭/メール/書面。同席者 |
| 業務上の目的 | なぜ必要か |
| 本人の回答 | その場での応答(趣旨を変えず正確に) |
| 拒否理由 | 本人が述べた理由 |
| 会社の再説明 | 何をどう説明したか |
| 命令内容の修正 | 修正した場合はその内容と理由 |
| 再命令 | 日時・方法・内容 |
| 履行状況 | 期限時点の状況、確認資料 |
| 業務への影響 | 顧客対応の遅延、他の社員の負担等 |
| 会社対応 | 口頭注意/書面指導/エスカレーション |
← 表は横にスクロールできます
業務命令違反として懲戒を検討する前のチェックポイント
「業務命令違反」というラベルを貼る前に、次の14項目を確認してください。
図表8|懲戒を検討する前の14項目
| # | 確認事項 | 確認できていないと |
|---|---|---|
| 1 | 命令内容が特定されている | 何に違反したのかを説明できない |
| 2 | 命令者が、その社員に当該業務を指示できる立場にある | 命令自体の効力が争われる |
| 3 | 業務上の必要性がある | 権利濫用との指摘を受ける |
| 4 | 命令内容が合理的である | 同上 |
| 5 | 法令に反しない | 命令自体が違法となる |
| 6 | 本人に伝達されている | 「聞いていない」で崩れる |
| 7 | 本人が内容を理解している | 曖昧な指示だった可能性が残る |
| 8 | 本人が拒否した事実がある | 単なる遅延・失念と区別できない |
| 9 | 拒否理由を確認した | 正当な理由の有無を判断できない |
| 10 | 正当な拒否理由がないといえる | 会社側の判断根拠を示せない |
| 11 | 過去の指導・命令履歴を確認した | 初回か反復かを区別できない |
| 12 | 業務への影響を確認した | 実害を説明できない |
| 13 | 他の社員との取扱いの均衡を確認した | 特定社員のみ厳しいと評価される |
| 14 | 就業規則上の懲戒事由に該当する | 根拠規定を示せない |
← 表は横にスクロールできます
法的根拠
懲戒処分は、労働契約法15条により、懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には、権利濫用として無効とされます。「一度拒否したから解雇」といった判断はできません。
どの懲戒事由に該当し、どの処分が相当かの検討手順は第7話、手続の整備は第8話で扱います。
図表9|業務命令対応フロー
まず理由を確認する
- 上司が業務指示 → 社員が従わない
- 処分の検討ではなく、理由の特定から入る
命令内容は明確か?
- NO → 内容を明確化して再指示(作業・期限・成果物・提出先・優先順位・承認)
- YES → STEP 3へ
指揮命令関係・業務上の必要性・合理性・適法性に問題はないか?
- 問題あり → 命令内容を再検討/指示できる立場の者から発出し直す
- 問題なし → STEP 4へ
本人に正当な拒否理由があるか?
- ある → 別ルートへ(安全衛生/産業保健/相談窓口/通報対応/契約範囲の再検討)
- ない → STEP 5へ
必要に応じて正式な業務命令(書面)
- 命令内容を明確にすることが目的。処分の準備ではない
なお履行されない場合
- 事実・拒否理由・業務への影響・過去の履歴を整理・記録
- 懲戒検討へエスカレーション(図表8の14項目を確認)
配転・残業・出張などの命令は同じように考えてよい?
同じではありません。命令の類型ごとに、別途の法令上・契約上の要件があります。「業務命令」という一語でまとめて処理しないでください。
| 命令の類型 | 別途確認すべきこと |
|---|---|
| 時間外労働・休日労働 | 36協定の締結・届出、就業規則上の根拠、上限規制。最高裁は、36協定を締結・届出し、就業規則にその範囲内で労働時間を延長できる旨を定めているとき、その規定の内容が合理的である限り労働者は時間外労働の義務を負うとしている(日立製作所武蔵工場事件・最判平成3年11月28日) |
| 配置転換 | 労働契約上の勤務地・職種の限定の有無、業務上の必要性、不当な動機・目的の有無、本人の不利益の程度(東亜ペイント事件)。職種限定合意がある場合は個別的同意が必要(滋賀県社会福祉協議会事件) |
| 出向 | 労働契約法14条は、出向命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして権利を濫用したと認められる場合は無効とすると定めている |
| 出張 | 就業規則・旅費規程上の根拠、業務上の必要性、期間・頻度、本人の事情 |
| 業務内容の変更 | 労働条件明示の「変更の範囲」との関係、職務内容の限定の有無 |
| 転籍 | 労働契約の相手方が変わるため、原則として本人の同意が必要 |
← 表は横にスクロールできます
各制度の詳細は本記事の範囲を超えます。押さえていただきたいのは、「業務命令に従わない」という相談を受けたら、まずどの類型の命令かを特定するという点です。日常の作業指示と、転居を伴う配転命令とでは、確認すべき事項がまったく異なります。
ハラスメント・公益通報が絡む場合は別ルートで確認する
形式上は業務命令であっても、その実質が嫌がらせや報復である場合、別の法的問題が生じます。次のような場面では、通常の指導ラインから切り離してください。
- ハラスメントの申告後、申告者だけが不利益な業務を割り当てられている
- 内部通報の後に配置転換が行われた
- 相談をした社員に、突然過大な業務が集中している
- 特定の社員だけに、業務上の必要性が説明できない出張が命じられている
- 管理職に、誰でもできる単純作業のみを継続的に行わせている
厚生労働省のパワーハラスメント指針(令和2年厚生労働省告示第5号)は、「過大な要求」の該当例として、業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制を挙げ、新卒採用者に必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課して達成できなかったことを厳しく叱責することなどを示しています。他方、労働者を育成するために現状より少し高いレベルの業務を任せることや、繁忙期に業務上の必要性から通常時より一定程度多い業務を任せることは、該当しないと考えられる例として挙げられています。
また「過小な要求」の該当例としては、管理職である労働者を退職させるため誰でも遂行可能な業務を行わせることや、気に入らない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないことが挙げられています。他方、労働者の能力に応じて一定程度業務内容や業務量を軽減することは、該当しないと考えられる例とされています。
注意
「業務上の必要性を説明できるか」は重要な確認事項ですが、それだけでパワーハラスメント該当性が決まるわけではありません。
指針上、職場におけるパワーハラスメントに該当するには、①優越的な関係を背景とした言動であること、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること、③労働者の就業環境が害されるものであること、という3つの要素をすべて満たす必要があり、判断にあたっては、言動の目的、経緯や状況、業務の内容・性質、態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況等も総合的に考慮するものとされています。
したがって、業務上の必要性がある命令であっても、その方法や本人への負担が相当性を欠けば問題となり得ます。逆に、本人にとって負担のある命令であっても、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示であれば、パワーハラスメントには該当しません。
なお、パワーハラスメント措置義務の根拠条文は、2026年10月1日施行の改正労働施策総合推進法により、30条の2から31条へ移ります。
公益通報が絡む場合
公益通報者保護法は、公益通報をしたことを理由とする解雇を無効とし、その他の不利益な取扱いを禁止しています。通報後の配置転換や業務内容の変更が、通報を理由とするものと評価されれば、業務命令としての外形があっても許されません。
重大リスク
さらに、2026年12月1日施行の改正公益通報者保護法により、公益通報を理由とする解雇・懲戒に刑事罰が新設され、原則として公益通報をした日から1年以内にされた解雇・懲戒は、公益通報を理由としてされたものと推定する規定が導入されます。行政機関等や外部への公益通報について、事業者が当該通報を知った後に解雇・懲戒した場合には、事業者が通報を知った日から1年以内が推定期間となります。
本記事の基準日である2026年9月2日時点では施行前ですが、施行後は、推定が及ぶ期間内の処分について、会社側が公益通報以外の理由によるものであることを説明する負担が実質的に重くなります。通報が絡む案件では、通報対応ルートと人事措置のルートを分離し、判断の経緯を記録しておいてください。
会社として業務命令ルールをどう整備する?
「上司によって命令の出し方が違う」状態をなくすことが目的です。
図表10|会社として整備する業務命令ルール
| # | 決めること | 具体的内容 | 主管 |
|---|---|---|---|
| 1 | 指揮命令系統 | 誰が誰に指示できるか。兼務・プロジェクトの場合の扱い | 人事 |
| 2 | 業務命令を出せる者 | 組織規程・職制・職務分掌との対応(人事上の措置は決裁規程も) | 人事・法務 |
| 3 | 日常指示と正式命令の使い分け | 判断要素。回数基準は設けない | 法務・人事 |
| 4 | 書面化する基準 | 重要性・争いの有無・反復性等 | 法務 |
| 5 | 業務命令書の様式 | 図表6の項目を反映した統一様式 | 法務・人事 |
| 6 | 本人から異議が出た場合の窓口 | 誰が受け、誰が判断するか | 人事 |
| 7 | 法務へ相談する基準 | 適法性に疑義、契約範囲の問題、処分検討時 | 法務 |
| 8 | 安全・健康問題のエスカレーション | 安全衛生担当・産業保健職への連携 | 安全衛生・人事 |
| 9 | ハラスメント・公益通報案件の切り分け | 通常の指導ラインから分離する手順 | コンプライアンス |
| 10 | 記録の保存 | 保存場所・保存年限・アクセス権限 | 人事 |
| 11 | 懲戒検討へのエスカレーション | 起案者・決裁者・確認事項(図表8) | 法務 |
| 12 | 過去事例の管理 | 同種事案での対応の一覧 | 人事 |
← 表は横にスクロールできます
会社として整備する
3番と6番が抜けている会社が多い印象です。特に6番は重要で、本人の異議を受け止める窓口が現場上司しかないと、異議そのものが「反抗」として扱われてしまいます。
よくあるNG対応
図表11|業務命令対応のNG例と改善
| NG対応 | なぜ問題か | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 上司が「言うことを聞かない」と法務へ持ち込む | 事実が特定されておらず、検討が始められない | 命令内容・伝達・拒否の事実に分解する(図表3) |
| 命令内容が曖昧なまま懲戒を検討する | 何に違反したのかを説明できない | 明確化して再指示する工程を挟む |
| 本人の質問を「反抗」として扱う | 質問は命令拒否ではない。異議申出の機会を封じる | 質問に答え、曖昧なら明確化する |
| その社員を指揮する立場にない者が出した指示の不履行を問題にする | 命令自体の効力が争われる | 指示できる立場の者から発出し直す |
| 違法性・安全性の指摘を無視する | 指摘が正しければ、会社側が責任を問われる | 履行を強いる前に内容を検証する |
| ハラスメント申告後の拒否を機械的に処分する | 報復的な取扱いと評価され得る | 通常の指導ラインから切り離して確認する |
| 「これは業務命令だ」と言えば有効になると考える | 名称では効力は決まらない | 根拠・権限・必要性・合理性を確認する |
| 一度の拒否で解雇を検討する | 総合判断を欠いた処分になる | 図表8の14項目を確認する |
| 書面に「従わなければ解雇」と書く | 結論ありきで進めたという主張を招く | 何をいつまでにしてほしいかを書く |
| 本人の拒否理由を記録しない | 正当な理由の有無を検討した形跡が残らない | 会社に不利な内容も含めて記録する |
| 命令の目的を伝えない | 本人が納得も判断もできない | 業務上の目的を1〜2文で示す |
← 表は横にスクロールできます
業務命令違反対応チェックリスト
図表12|業務命令違反対応チェックリスト
| No | チェック項目 | 確認内容 | 担当 | 残す記録 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | □ 命令内容を具体的に特定した | 誰が・誰に・いつ・何を・いつまでに | 現場上司 | 業務命令特定シート |
| 2 | □ 命令者の指揮命令関係を確認した | 組織上・職務上、その業務を指示できる立場か | 法務 | 権限確認メモ |
| 3 | □ 命令の類型を確認した | 日常指示/配転/時間外/出向等 | 法務 | 類型判定メモ |
| 4 | □ 労働契約・就業規則を確認した | 職種・勤務地の限定の有無、服務規律 | 法務 | 規程照合メモ |
| 5 | □ 業務上の必要性を確認した | 目的との関連、必要性の説明 | 現場・法務 | 検討メモ |
| 6 | □ 命令内容の合理性を確認した | 手段の相当性、本人の負担、代替手段 | 法務 | 検討メモ |
| 7 | □ 法令違反がないか確認した | 履行が法令違反とならないか | 法務 | 検討メモ |
| 8 | □ 動機・目的に問題がないか確認した | 報復・嫌がらせの要素がないか | 法務・人事 | 検討メモ |
| 9 | □ 本人に命令が明確に伝わっている | 伝達方法・日時・記録の有無 | 現場上司 | 伝達記録 |
| 10 | □ 本人の理解を確認した | 何を求められていると理解しているか | 現場上司 | 面談記録 |
| 11 | □ 拒否理由を確認した | 図表5のどの類型か | 現場・人事 | 面談記録 |
| 12 | □ 健康・安全上の問題を確認した | 産業保健職・安全衛生担当への連携要否 | 人事 | 連携記録 |
| 13 | □ ハラスメント・公益通報との関係を確認した | 別ルートでの取扱いが必要か | コンプライアンス | 切り分け記録 |
| 14 | □ 必要に応じて命令内容を明確化した | 作業・期限・成果物・提出先・優先順位・承認 | 現場上司 | 再指示記録 |
| 15 | □ 書面化の必要性を判断した | 重要性・争いの有無・反復性 | 法務・人事 | 判断メモ |
| 16 | □ 再指示・再命令の経緯を記録した | 時系列で整理したか | 人事 | 業務命令記録表 |
| 17 | □ 業務への影響を確認した | 顧客対応、他の社員の負担 | 現場上司 | 影響メモ |
| 18 | □ 過去の指導・命令履歴を確認した | 同種事案の反復性 | 人事 | 指導履歴一覧 |
| 19 | □ 他の社員との取扱いを確認した | 同種事案での過去の対応 | 人事 | 前例メモ |
| 20 | □ 就業規則上の懲戒事由を確認した | 該当し得る規定と文言 | 法務 | 規程照合メモ |
| 21 | □ 懲戒検討へのエスカレーションを判断した | 起案者・決裁者を確認したか | 法務 | 決裁ルート |
← 表は横にスクロールできます
業務命令違反は「従わなかった」という結果だけで判断しない
業務命令に従わない社員への対応で、会社が押さえるべき点をまとめます。
- 指示への異論・質問と、命令拒否は違う。質問を反抗として扱わない
- 何を命じたのかを特定する。「何度も指示した」では検討が始まらない
- 命令した者が、その業務を指示できる立場にあったかを確認する。決裁権限とは別の問題
- 業務上の必要性・合理性を確認する。会社の業務命令権は無制限ではない
- 違法・不合理な命令まで当然に従わせることはできない。安全・法令の指摘は無視しない
- 本人の拒否理由を確認し、記録する。会社に不利な内容も省略しない
- 曖昧な命令は、まず明確にする。明確化して再指示する工程が会社を守る
- 重要案件では書面化する。ただし書面化は処分の準備ではない
- 正式な命令に従わない場合でも、直ちに懲戒とは限らない。14項目を確認する
- 命令の類型を区別する。配転・時間外・出向にはそれぞれ別の要件がある
- ハラスメント・公益通報が絡む場合は、別ルートで確認する
- 会社として指揮命令系統と記録の仕組みを整える
業務命令違反の案件で会社が問われるのは、社員の態度ではなく、会社の命令が業務上の必要性のあるものとして説明できたか、そしてその説明を記録として残しているかです。
次回は、業務命令には従うものの、求める水準の成果が出ないという類型を扱います。能力不足・勤務成績不良への改善指導と記録の実務です。
次に読む 第6話 能力不足・勤務成績不良の社員に会社はどう対応する?改善指導と記録の実務 詳しく見るシリーズ:問題社員対応の実務|注意・指導から懲戒・退職・解雇まで会社が整えること(全10話)
問題社員対応の実務(全10話)
注意・指導から懲戒・退職・解雇まで、会社が整える実務
類型別の対応
参考資料・一次資料
法令(e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/ )
- 労働契約法(平成19年法律第128号)3条5項(権利濫用の禁止)、7条、14条(出向)、15条、16条
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)15条(労働条件の明示)、32条、36条(時間外及び休日の労働)、89条
- 労働基準法施行規則5条(労働条件明示事項。就業場所・業務の「変更の範囲」)
- 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)25条(退避)
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)30条の2
- 公益通報者保護法(平成16年法律第122号)5条/公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和7年法律第62号、2026年12月1日施行。改正後3条3項の推定規定を含む)
行政資料
- 厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001595731.pdf - 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」(就業場所・業務の変更の範囲の明示)
https://muki.mhlw.go.jp/rule.html
裁判例(裁判所ウェブサイト「裁判例検索」 https://www.courts.go.jp/ )
- 東亜ペイント事件・最判昭和61年7月14日(転勤命令権の濫用の判断枠組み)
- 日立製作所武蔵工場事件・最判平成3年11月28日(36協定と就業規則に基づく時間外労働義務)
- 社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会事件・最判令和6年4月26日(職種限定合意と配置転換命令権)
注記
本記事は2026年9月2日時点の法令・公表資料に基づいています。業務命令の有効性は、労働契約の内容、就業規則の定め、命令の類型、個別事情によって判断が異なります。本記事で紹介した裁判例は、それぞれ配転命令・時間外労働命令・職種限定合意という個別の類型に関するものであり、あらゆる業務命令に共通する一般的基準を示したものではありません。個別の事案については、自社の就業規則・規程、事実関係および最新の法令を確認のうえ、必要に応じて弁護士等の助言を得てください。
🔍 関連ガイドへ進む
この記事と関連度の高い実務ガイドをまとめています。次に読むならこちら。
この記事の確認観点を、実務の型に変える。
読んだ内容を、確認メモ・文例・AI指示文に落とせます。
