フリーランス取引のトラブルは、契約後だけでなく募集の段階から始まることがあります。募集時の報酬・業務内容・勤務地・稼働条件と、実際の契約条件が違うと、応募者に誤解や不利益が生じます。第9話では、フリーランスを募集する広告・求人ページ・SNS投稿・クラウドソーシング掲載文などで避けるべき表現と、発注企業が整備すべきチェック体制を、初心者向けに表で整理します。

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1. はじめに|第9話は「募集段階」のルール

第8話まで(第4話〜第8話)は、主に発注後の取引条件・支払・禁止行為を扱いました。第9話のテーマは、その手前、つまりフリーランスを募集する段階で問題になる「募集情報の的確表示」です。ここからは、就業環境の整備に関するルール(主に厚生労働省が担当)に入ります。

2. 募集情報の的確表示義務とは

フリーランス法では、特定業務委託事業者が広告等によりフリーランスの募集情報を提供するとき、次の2つが求められます(法第12条)。

  • 虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならない(第12条1項)
  • 募集情報を正確かつ最新の内容に保たなければならない(第12条2項)

これは、フリーランスが誤った情報に基づいて応募・判断することを防ぐためのルールです。第4話の取引条件明示義務(発注後のルール)とは別に、募集段階で問題になるルールである点を押さえてください。

押さえておきたいポイント 募集情報の的確表示義務は、「応募を集めるために良く見せる」ことと、「実際と違う条件で誤解させない」ことの境界を整えるルールです。報酬、業務内容、場所、稼働条件、募集終了後の掲載管理まで含めて確認する必要があります。
担当官庁 募集情報の的確表示(第12条)は、就業環境の整備に関するルールの一つで、主に厚生労働省(都道府県労働局の雇用環境・均等部/室)が担当します。取引条件の明示・報酬支払・禁止行為(公正取引委員会・中小企業庁が担当)とは窓口が異なります。
募集情報チェックの基本フロー
募集文を作成する
業務委託か雇用かを確認する
報酬・業務内容・場所・期間・稼働条件を確認する
虚偽表示・誤解表示がないか確認する
掲載媒体と掲載日を記録する
条件変更時に更新する
募集終了後に削除・終了表示する/募集文・更新履歴を保存する

3. どのような募集方法が対象になり得るか

募集情報は、自社採用ページだけでなく、SNS、ブログ、求人媒体、クラウドソーシング、メール一斉送信などでも問題になり得ます。公的資料でも、新聞・雑誌の広告、文書の掲出・頒布、書面の交付、ファックス、電子メール・メッセージアプリ(メッセージ機能のあるSNSを含む)、放送・有線放送・ホームページ・クラウドソーシングのプラットフォーム等が「広告等」の方法として挙げられています。「求人広告」という名前でなくても、フリーランスの募集情報を提供していれば注意が必要です。

表1:募集情報の的確表示で注意したい媒体・方法
媒体・方法対象になり得る場面注意点管理方法の例
自社サイト業務委託スタッフ募集ページ古い条件を放置しない掲載日・更新日・終了日を管理する
求人媒体フリーランス向け案件掲載報酬例と確定報酬を区別する掲載前に法務・人事が確認する
クラウドソーシング案件募集ページ業務内容・納期・報酬を明確にする募集条件と契約条件を保存する
SNSX、Instagram、Facebook等で募集する短い投稿ほど誤解が生じやすい詳細ページへ誘導し、投稿も保存する
ブログ・note等記事内で募集する過去記事が残りやすい募集終了後に追記・削除する
メール一斉送信複数人に募集情報を送るbcc等でも募集情報になり得る送信文面と送信日を保存する
知人への個別依頼1対1の具体的依頼募集情報の的確表示義務とは整理が異なる場合があるただし取引条件明示は別途確認する

4. 虚偽表示とは

虚偽表示とは、実際の条件と異なる内容を表示することです。厚生労働省の説明でも、意図的に実際の報酬額より高い額を表示することなどが例として挙げられています。意図的かどうかにかかわらず、誤った情報を出さないための確認体制が必要です。募集情報作成時点では正しかったが、後に条件が変わった場合には更新が必要になります。

表2:虚偽表示になりやすい募集表現
表示例なぜ問題になりやすいか修正例確認すべき資料
月額50万円保証実際には上限例・変動報酬の場合、実際と異なる月額報酬目安:30万〜50万円。業務量により変動します報酬表、予算承認
完全リモート実際には月1回出社が必要な場合、条件が異なる原則リモート。ただし月1回程度の打合せ出社あり業務運用ルール
長期継続前提実際には単発案件の場合、誤解を招く初回は単発案件。継続可能性あり案件計画
未経験歓迎実際には高度な経験必須の場合、条件が異なる実務経験者歓迎。未経験の場合はポートフォリオ確認あり選考基準

5. 誤解を生じさせる表示とは

誤解を生じさせる表示とは、文言自体が完全な虚偽でなくても、読み手が実際と違う印象を受ける表示です。厚生労働省の説明でも、報酬額の表示があくまで一例であるのに、その旨を記載せず確約されているかのように表示することが例として挙げられています。発注者側に悪意がなくても、読者がどう受け取るかを確認する必要があります。

表3:誤解を生じさせやすい募集表現
表現応募者が受け取りやすい印象実際に必要な補足安全な書き方の例
月収例50万円50万円が確約される印象報酬例か、上限か、平均かを明示月収例50万円は過去案件の一例であり、案件量により変動します
自由な時間に働けます完全に時間自由の印象定例会・納期・対応時間の有無作業時間は原則自由。ただし週1回の定例参加が必要です
簡単な記事作成誰でも短時間でできる印象専門知識・取材・校正の有無指定テーマに関する調査・構成作成を含む記事作成です
副業歓迎夜間・休日だけで対応できる印象平日日中の連絡対応の有無副業可。ただし平日日中に一部連絡対応が発生します

6. 正確かつ最新の内容に保つ義務

募集情報は、掲載時に正しいだけでなく、正確かつ最新の内容に保つ必要があります。厚生労働省の説明でも、既に募集を終了しているのに削除せず表示し続けることが問題例として挙げられています。また、最新の情報か判断できるよう、情報の時点(掲載日・更新日)を明らかにして表示することが望ましいとされています。自社サイトだけでなく、外部媒体やSNS投稿も管理対象にしましょう。

表4:古い募集情報を放置しないための管理ポイント
場面起きやすい問題予防策担当部門の例
募集終了後も掲載応募者がまだ募集中と誤解する終了日を設定し、終了後に削除・終了表示をする人事・広報
報酬条件変更古い報酬額のまま応募が来る条件変更時に全媒体を更新する現場・人事
SNS投稿が残る古い投稿が拡散・検索される募集終了の追記、固定投稿解除広報・現場
外部媒体の更新漏れ自社サイトと外部媒体で条件がズレる掲載媒体一覧を作る人事・購買
過去記事から応募募集終了済み記事から問い合わせが来る募集終了注記を入れる広報・Web担当

7. 募集情報に書くべき主な項目

募集情報では、応募者が誤解しないように整理したい項目があります。とくに注意したいのが、次の基本6項目です。

基本6項目を欠く募集は第12条違反とされています 厚生労働省は、いわゆる「闇バイト」対策の観点もふまえ、募集情報のうち(1)募集を行う者の氏名又は名称、(2)住所(所在地)、(3)連絡先、(4)業務の内容、(5)業務に従事する場所、(6)報酬を欠くものは「誤解を生じさせる表示」に該当し、第12条違反となるとしています。まずはこの6項目を確実に記載してください。なお、これら以外の細かな項目については、欠けているだけで直ちにすべて違反と単純化はできませんが、応募者が判断できるよう明確にしておくことが望ましいといえます。
表5:フリーランス募集情報で整理したい主な項目
項目書く目的記載例注意点
募集者の氏名/名称【基本6項目】誰が募集しているか示す株式会社○○欠くと第12条違反とされる
住所・所在地【基本6項目】所在を明らかにする東京都○○区…欠くと第12条違反とされる
連絡先【基本6項目】問い合わせ先を示すメール/電話/フォーム欠くと第12条違反とされる
業務内容【基本6項目】何をする業務か示す指定テーマの記事執筆抽象的すぎない記載に
業務に従事する場所【基本6項目】実施場所を示す原則リモート(一部出社あり)実態と一致させる
報酬【基本6項目】報酬の水準を示す1本○円(税込)/目安は明示確定か目安かを区別する
契約形態業務委託であることを示す業務委託(雇用ではありません)雇用と混同させない
契約期間・業務期間期間の見通しを示す初回は単発、継続は相談長期を過度に期待させない
稼働時間・対応時間拘束の有無を示す週1回定例あり常時拘束にしない
納品物・成果物成果の範囲を示すWord原稿、構成案範囲を明確にする
選考方法応募後の流れを示す書類・面談・テスト過度な無償課題に注意
必要スキル応募判断に役立てる○○の実務経験実態と乖離させない
費用負担負担関係を示す交通費の扱い等後出しにしない
秘密保持・権利関係の概要取扱いの目安を示す著作権の扱いの概要詳細は契約時に明示
募集期間いつまでの募集か示す○月○日まで終了後は更新する

8. 業務委託募集と雇用求人を混同しない

業務委託のフリーランス募集と、労働者の求人募集は異なります。業務委託なのに「勤務時間」「給与」「雇用」「出勤」「上司の指示」など、雇用を想起させる表現を不用意に使うと誤解を招きやすくなります。ただし、単語だけで機械的に判断するのではなく、実態として雇用に近い働き方を求めていないかを確認することが大切です。実態が労働者に近い場合は、フリーランス法だけでなく労働法上の問題も生じ得ます(詳細は第13話)。

表6:業務委託募集と雇用求人を混同しやすい表現
表現雇用求人に見えやすい理由業務委託募集での見直し例注意点
給与雇用関係の賃金を想起させる報酬、業務委託料実態が雇用なら労働法確認
勤務時間労働時間管理を想起させる対応可能時間、打合せ時間、納期常時拘束にならないか確認
出勤会社への出勤義務を想起させる業務実施場所、打合せ参加場所指定の理由を確認
上司の指示指揮命令関係を想起させる担当者との連絡・成果物確認日々の指揮命令が強い場合は注意
採用雇用採用の印象がある業務委託先の募集、パートナー募集媒体文脈に応じて表現を調整

9. 募集情報と契約条件が変わる場合

募集情報と最終的な契約条件が変わること自体が、常に違反になるわけではありません。しかし、応募者に誤解を与える表示や、応募後に大幅に不利な条件へ変更する運用はトラブルになりやすいものです。条件が変わる場合は、変更理由・変更内容・変更後条件を説明し、合意を得ましょう。募集時点で「目安」「応相談」「案件により変動」とする場合は、何が変動するのかを明確にします。最終的な発注時には、第4話の取引条件明示義務に従い条件を明示します。

表7:募集情報と契約条件が変わる場合の注意点
変更内容問題になりやすい例望ましい対応関連する記事
報酬額の変更掲載額より大幅に低い金額を提示する変更理由と業務範囲を説明し、合意を得る第4話第7話
業務内容の変更簡単作業と表示し、高度作業を求める変更後の業務内容を明示する第4話第8話
場所の変更リモート可から出社必須に変更する理由・頻度・交通費を説明する第13話
期間の変更長期前提から短期・単発に変更する期間と更新可能性を明示する第12話
契約形態の変更業務委託募集から雇用に近い条件にする契約形態と実態を確認する第13話

10. フリーランス募集文のNG例・改善例

実務イメージが湧くよう、NG例と改善例を整理します。一つの表現だけで直ちに違法と断定されるわけではありませんが、誤解を招きやすい表現は避けるのが安全です。

表8:フリーランス募集文のNG例・改善例
NGになりやすい表現問題点改善例
月50万円以上確実に稼げます報酬が確約されるように見える月額報酬の目安は30万〜50万円です。案件量・稼働条件により変動します
完全在宅・自由稼働実際に定例会や日中対応がある場合、誤解を招く原則在宅。週1回オンライン定例、平日日中に一部連絡対応があります
誰でもできる簡単作業専門性や作業量がある場合、実態とズレる指定テーマの調査・資料作成を含む業務です
長期継続あり単発案件なのに長期を期待させる初回は単発案件です。継続は成果・案件状況により相談します
急募中募集終了後も残ると古い情報になる募集期間:○月○日まで。終了後は掲載を更新します
業務委託社員募集雇用求人と誤解されやすい業務委託パートナー募集(雇用ではありません)

11. 発注企業が整備すべき募集情報チェックフロー

募集情報の的確表示は、現場担当者だけの注意では不十分です。募集文の作成・確認・掲載・条件変更・募集終了・削除更新・保存までのフローを整え、掲載先一覧(自社サイト、SNS、外部媒体、クラウドソーシング等)を管理しましょう。募集情報と契約条件の差分確認も重要です。

表9:発注企業が整備したい募集情報チェックフロー
No.実施内容担当部門の例残すべき資料
1募集目的を整理する各事業部・人事募集計画
2業務委託か雇用かを確認する法務・人事契約形態の確認記録
3業務内容・報酬・場所・期間を整理する各事業部募集条件メモ
4募集文を作成する(基本6項目を含む)広報・人事募集文ドラフト
5法務・人事・広報が確認する法務・人事・広報チェック記録
6掲載媒体を記録する広報・Web担当掲載媒体一覧
7条件変更時に全媒体を更新する各事業部・広報更新履歴
8募集終了後に削除・終了表示をする広報・Web担当終了記録
9応募時条件と契約条件の差分を確認する各事業部・法務差分確認記録
10募集文・掲載画面・更新履歴を保存する各事業部・法務保存データ

12. フリーランス本人が応募前後に確認したいこと

フリーランス本人も、募集情報を見たときに確認すべきポイントがあります。報酬額が確定なのか目安なのか、業務範囲、場所、納期、対応時間、契約期間、追加作業、権利関係を確認しましょう。応募時の募集画面、やり取り、最終契約条件を保存しておくと安心です。条件が変わった場合は、変更理由と変更後条件をメール等で確認しましょう。

表10:フリーランス本人が募集情報で確認したい項目
確認項目見るポイント保存しておきたい資料
報酬額確定か目安か、変動条件があるか募集画面、提示メール
業務内容作業範囲・成果物が明確か募集文、仕様の説明
契約形態業務委託か、雇用に近くないか募集文、契約書
契約期間単発か継続か、更新可能性募集文、やり取り
作業場所リモート可否、出社頻度募集画面、メール
稼働時間・対応時間定例・連絡対応の有無募集文、説明
納期スケジュールが現実的か依頼内容
修正回数・追加作業無償範囲が明確か条件メール
費用負担・権利関係負担・著作権の扱い募集文、契約書
連絡先・募集終了日問い合わせ先、募集期間募集画面のスクリーンショット

13. 募集条件を確認する文面例(フリーランス向け)

フリーランス本人が、応募前後に条件を確認するための文面例です。対立的にならず、業務確認として自然に尋ねる内容にしています。

件名:募集内容についての確認(○○の件)

○○様

はじめまして。募集を拝見し、応募を検討しております。いくつか確認させてください。

・報酬について、掲載の金額は確定額でしょうか、それとも案件により変動する目安でしょうか。

・作業場所は原則リモートと理解していますが、打合せのための出社や定例の頻度はございますか。

・今回の業務範囲(成果物・納品形式)と、修正回数・追加作業の扱いを教えていただけますか。

・契約期間は単発/継続のいずれを想定されていますか。

お手数ですが、ご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

14. 発注担当者向けの安全な募集文テンプレート

誤解を招きにくいフリーランス募集文のテンプレート例です。あくまでサンプルであり、案件に応じて調整してください。基本6項目を含め、契約形態・期間・稼働条件・募集期間・更新日を明記しています。

【業務委託パートナー募集】○○の制作(雇用ではありません)

募集者名株式会社○○

所在地東京都○○区○○ ○-○-○

連絡先メール:recruit@example.com(担当:○○)

業務内容指定テーマに関する記事の調査・構成・執筆(1本2,000字程度)

契約形態業務委託(雇用契約ではありません)

報酬1本○円(税込)。目安であり、分量・難易度により相談のうえ決定します

業務期間初回は単発。継続は成果・案件状況により相談します

実施場所原則リモート(必要に応じオンライン打合せあり)

連絡方法メール・チャット。週1回程度のオンライン定例あり

納品物Word形式の原稿(構成案を含む)

修正・追加当初仕様の範囲で2回まで。範囲外は別途相談

応募条件○○分野の執筆経験(ポートフォリオをご提示ください)

募集期間○月○日まで(終了後は掲載を更新します)

更新日2025年○月○日時点

注意書き本募集は業務委託であり、雇用関係を生じるものではありません。条件は案件により相談のうえ決定します。

テンプレート利用上の注意 このテンプレートはたたき台です。これを使えば的確表示義務を必ず満たすことを保証するものではありません。掲載後も、条件変更時の更新と募集終了後の管理を忘れないようにしてください。

15. よくある誤解

表11:募集情報の的確表示についてよくある誤解
誤解実際の考え方実務上の注意点
募集は求人広告ではないので自由に書いてよいフリーランス募集にも的確表示義務がかかる虚偽・誤解表示を避ける
報酬例ならどれだけ高く見せても問題ない確約と誤認させる報酬例は誤解表示になり得る目安・上限・平均を明示
募集時と契約時の条件が違っても契約書を作れば問題ない募集段階の表示自体が規律される変更理由・合意過程を残す
SNS投稿は正式な募集情報ではないSNSでの募集も対象になり得る投稿も管理・保存する
募集終了後の古い投稿は放置してよい古い情報の放置は問題になり得る終了表示・削除・更新する
業務委託でも「給与」「勤務時間」と書いて問題ない雇用と誤解させる表現は避けるべき報酬・対応時間に言い換える
外部媒体に任せていれば発注者は確認不要発注者側も掲載内容を確認すべき掲載媒体一覧で管理
フリーランスが応募したなら募集情報のズレは問題にならない応募の有無にかかわらず表示は規律される募集と契約の差分を確認
「応相談」と書けば何を書いてもよい何が変動するか不明確だと誤解を招く変動要素を具体的に示す
小規模案件なら募集情報の表示は気にしなくてよい規模の大小だけで判断されるわけではない小規模でも基本6項目を記載

16. このシリーズで次に読むべき記事

就業環境の整備に関するテーマは続きます。次の第10話はハラスメント対策、第11話は育児・介護との両立配慮、第12話は中途解除の事前予告・理由開示です。募集後の取引条件は第4話、労働法等との関係は第13話へ。

  1. 第1話:フリーランス法とは?初心者向けに目的・対象・基本ルールをわかりやすく解説
  2. 第2話:フリーランス法の対象者とは?「フリーランス」と「発注事業者」の考え方
  3. 第3話:業務委託なら全部対象?フリーランス法が適用される取引・されない取引
  4. 第4話:取引条件の明示義務とは?発注時に書くべき項目をわかりやすく解説
  5. 第5話:フリーランスへの報酬支払ルール|支払期日・遅延・未払いの注意点
  6. 第6話:フリーランス法の禁止行為7つ|受領拒否・報酬減額・買いたたきとは
  7. 第7話:「買いたたき」とは何か?フリーランス法で問題になる報酬交渉の境界線
  8. 第8話:やり直し・追加作業はどこまで頼める?フリーランス法と仕様変更の注意点
  9. 第9話:募集情報の的確表示とは?フリーランス募集でNGになりやすい表現(この記事)
  10. 第10話:フリーランスへのハラスメント対策|発注企業が整備すべき相談体制
  11. 第11話:育児・介護との両立配慮とは?フリーランス法で発注者に求められる対応
  12. 第12話:契約解除・中途解約の注意点|フリーランス法の事前予告と理由開示
  13. 第13話:下請法・独占禁止法・労働法との違い|フリーランス法だけ見ればよいのか
  14. 第14話:フリーランス法違反が疑われたら?相談先・申出・社内対応の流れ
  15. 第15話:フリーランス法対応チェックリスト|発注前・発注時・終了時に確認すべきこと

17. まとめ

  • 募集情報の的確表示義務は、フリーランス募集の段階で虚偽表示・誤解表示を避け、正確かつ最新の内容に保つためのルールです(法第12条)。
  • とくに、募集を行う者の氏名/名称・住所・連絡先・業務内容・業務に従事する場所・報酬の基本6項目を欠く募集は、第12条違反とされています。
  • 報酬額・業務内容・場所・期間・稼働条件・契約形態は誤解を招きやすいので、確定か目安かなどを明確にします。
  • 募集情報と契約条件が変わる場合は、変更理由・変更内容・合意過程を明確にします。
  • 発注企業は、募集文の作成・掲載・更新・終了・保存のフローを整え、フリーランス本人は募集画面・応募時の条件・メッセージ・契約条件を保存しておきましょう。
  • 個別の事案では、媒体・表示内容・契約条件・当事者の属性により判断が変わります。重要な募集では専門家への相談もご検討ください。

次回は、就業環境の整備のうち第10話:フリーランスへのハラスメント対策を解説します。

フリーランス募集文を、出す前に一度チェックする

フリーランス法対応では、契約書や発注書だけでなく、募集情報の表示、SNS投稿、求人媒体の掲載文も確認が必要になります。募集時の条件と契約時の条件がずれると、取引条件明示・報酬・中途解除のトラブルにもつながります。Legal GPTでは、企業法務・契約実務に役立つ記事や実務ツールを提供しています。

参考情報

本記事は、以下の公的資料に基づいて制度の全体像を整理しています(いずれも公開情報。最新の内容や詳細は各官庁の公式サイトをご確認ください)。

厚生労働省|フリーランスとして業務を行う方・業務委託を行う事業者の方等へ(就業環境整備・第12条等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html
公正取引委員会|フリーランス法特設サイト・取組
https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited.html / https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2025/
中小企業庁|特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/law_freelance.html
政府広報オンライン|フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律
https://www.gov-online.go.jp/article/202408/entry-6301.html
公正取引委員会・厚生労働省|特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方(解釈ガイドライン)・第12条に関する通達・リーフレット
各官庁サイトに掲載

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律相談ではありません。掲載しているテンプレート・文面例はたたき台であり、的確表示義務を完全に満たすことを保証するものではありません。具体的な募集・契約への対応は、媒体・表示内容・契約条件に応じて、必要に応じて専門家にご相談ください。

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