フリーランス取引では、報酬未払い・支払遅延・報酬減額・買いたたき・無償修正・ハラスメント・突然の契約終了などがトラブルになりやすいものです。ただし、違反かどうかは契約内容・取引実態・当事者の属性・証拠関係によって変わります。まずは感情的に対立するのではなく、事実と資料を整理することが大切です。第14話では、フリーランス本人向けの相談・申出の流れと、発注企業向けの社内初動対応を、初心者向けに表で整理します。

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1. はじめに|第14話は「困ったときの動き方」

第13話では関連法令との違いを扱いました。第14話のテーマは、フリーランス法違反が疑われる場合の相談先・申出・社内対応です。フリーランス本人がどこに相談できるのか、行政への申出とは何か、発注企業はどう初動対応すべきかを整理します。

2. まず整理すべきこと:相談・申出・交渉・民事請求は違う

困ったときの対応方法には、いくつかの選択肢があり、それぞれ目的が異なります。相談は状況整理や対応方法の確認に、行政への申出は法違反と思われる行為を行政機関に伝えることに、民事上の請求は未払報酬・損害賠償など個別の権利実現に役立ちます。労働者性がある場合は、労働関係法令の相談窓口も関係し得ます。混同せず、目的に応じて使い分けましょう。

表1:相談・申出・交渉・民事請求の違い
対応方法目的主な相手先向いている場面注意点
相談状況整理・対応方法の確認相談窓口・弁護士・専門家何から始めるか迷うとき事実整理が前提
発注者との交渉当事者間での解決発注者関係を保ち解決したいとき記録を残す
行政への申出法違反と思われる行為を行政に伝える公取委・中小企業庁・厚労省是正を行政に促したいとき金銭回収の手続ではない
民事上の請求未払報酬・損害賠償等の権利実現裁判所・相手方(弁護士等を通じ)金銭の支払を求めたいとき専門家相談が有効
労働関係相談労働者性がある場合の保護労働基準監督署・労働局等実態が労働者に近いとき窓口が異なる

3. フリーランス法に基づく「申出」とは

フリーランス法に基づき、特定受託事業者は、発注事業者に法違反と思われる行為があった場合、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省(行政機関)に申出できます(法第6条・第17条)。行政機関は申出があったとき必要な調査を行い、事実と認めるときは法に基づく措置その他適当な措置をとるとされています。申出はオンライン受付フォーム等で行うことができます。重要なのは、申出は個別の報酬回収や損害賠償を直接実現する手続とは別だという点です。

押さえておきたいポイント 行政への申出は、「発注者の行為がフリーランス法違反ではないか」と行政機関に伝える手続です。未払報酬を直接回収する手続そのものではないため、金銭請求が必要な場合は、交渉・弁護士相談・民事手続も別途検討する必要があります。
申出の対象となる契約の時期 本法に基づく申出の対象は、原則として施行日である2024年11月1日以降に締結・更新等を行った業務委託契約に関するものです。それ以前の取引については、本法の申出の対象にならない場合があります。具体的な該当性は、契約の締結日・更新日や公式の申出窓口の案内で確認してください。

4. どの窓口を見ればよいか

フリーランス法の内容により、主に関係する行政機関が異なります。取引適正化に関する部分(取引条件の明示・報酬支払期日・禁止行為等)は公正取引委員会・中小企業庁就業環境整備に関する部分(募集情報・育児介護配慮・ハラスメント・中途解除等)は厚生労働省・都道府県労働局が中心です。両方の内容が含まれる場合はどちらに申出してもよく、オンラインでは共通の申出先が案内されています。労働者性がある可能性がある場合は、労働基準監督署・都道府県労働局等の労働相談窓口も関係し得ます。フリーランス・トラブル110番も相談先の一つです。

表2:フリーランス法違反が疑われる場合の主な相談先・申出先
困りごと関係しやすい窓口確認する資料関連する記事
取引条件が明示されない公取委・中小企業庁発注書、メール第4話
報酬が支払われない公取委・中小企業庁請求書、支払記録第5話
報酬を減額された公取委・中小企業庁合意、控除記録第6話
買いたたきが疑われる公取委・中小企業庁見積、相場資料第7話
無償修正・追加作業を求められた公取委・中小企業庁仕様、修正依頼第8話
募集情報と実際の条件が違う厚労省・労働局募集画面、契約条件第9話
ハラスメントを受けた厚労省・労働局やり取り、記録第10話
育児・介護等の申出後に不利益を受けた厚労省・労働局申出・対応記録第11話
突然契約を終了された厚労省・労働局(民事は別途)解除/不更新通知第12話
実態として社員のように働いている労基署・労働局等勤務実態、指示記録第13話

5. フリーランス・トラブル110番とは

フリーランス・トラブル110番は、フリーランスが発注事業者等から業務委託を受けた際に発生した契約上・仕事上のトラブルについて、弁護士にワンストップで相談できる窓口です(2020年11月から設置)。フリーランス法違反と考えられる場合に、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省へ申出をする際のアドバイスも受けられます。ただし、対象外の相談や、網羅的な契約書レビューができない場合があり、発注側としてのトラブル相談は対象外となる場合があります。詳細は公式サイトで確認してください。

表3:フリーランス・トラブル110番で相談しやすい内容
相談内容相談前に整理したいこと注意点
報酬未払い契約内容・支払期日・請求状況請求書・契約書を用意
支払期日のトラブル受領日・支払期日の設定受領日の記録を確認
発注者とのやり取り経緯・依頼内容時系列で整理
契約書の内容契約条項・気になる点網羅レビューは対象外の場合あり
ハラスメント日時・相手・内容安全を優先する
契約終了通知日・終了日・理由解除/不更新の区別
フリーランス法申出の相談違反と思われる行為申出先の確認

6. 申出前に整理しておきたい資料

申出や相談をする前に、事実関係を整理することが重要です。契約書・発注書・メール・チャット・請求書・支払記録・納品記録・検収記録・募集情報・相談記録・解除通知などを整理し、いつ・誰が・何を・どのように言った/したのかを時系列で整理します。証拠が散らばっている場合は、時系列表を作ると相談しやすくなります。これはフリーランス本人だけでなく、発注企業側の社内調査でも同じ資料が重要になります。

表4:相談・申出前に整理したい資料
資料何を確認するためか保存・整理のポイント
契約書契約条件・期間・解除条項版・締結日を確認
発注書個別案件の条件案件ごとに保存
見積書当初の前提条件提示日を記録
メール・チャットやり取りの経緯削除せず保存
募集画面募集条件と契約条件の相違スクリーンショット
納品記録納品の事実・日時送信記録を残す
検収記録受領・検査の状況合否・日付
請求書請求内容・金額発行日を記録
支払記録入金状況・遅延入出金明細
修正・追加作業依頼範囲外作業の有無依頼内容を保存
ハラスメント相談記録相談の事実・内容日時・相手
育児介護等の申出記録申出と対応の経緯申出日・回答
解除・不更新通知終了の通知内容通知日・理由
理由開示請求・回答理由のやり取り請求日・回答
時系列メモ全体の経緯事実と評価を分ける

7. 申出・相談の前に作る時系列表

時系列表は、いつ・誰が・何を・どの媒体で・どのように伝えたかを整理するものです。ポイントは、自分の評価や感情と、客観的な事実を分けて書くことです。資料番号を付けておくと、相談時に説明しやすくなります。

表5:時系列表の作り方
日付出来事関係者証拠資料メモ
2026年4月1日発注メールを受領発注企業担当者A資料1:発注メール報酬額・納期の記載あり
2026年4月15日納品自分・担当者A資料2:納品メールクラウドURL送付
2026年4月20日無償修正を依頼された担当者A資料3:チャット履歴当初範囲外か要確認

8. フリーランス本人の初動対応

違反が疑われる場合、いきなり強い言葉で抗議するのではなく、まず契約条件・発注内容・支払期日・変更経緯を確認しましょう。発注者へ確認する場合は、事実確認として丁寧に聞くのがおすすめです。相談先に相談する前に、資料と時系列を整えておくとスムーズです。ただし、ハラスメントや安全に関わる場合は、無理に相手と直接交渉せず、相談窓口や専門家に相談してください。

表6:フリーランス本人の初動対応チェックリスト
No.実施内容注意点
1契約書・発注書を確認する条件・期間を把握
2問題になっている行為を整理する事実と評価を分ける
3関係資料を保存する削除・改変しない
4時系列表を作る資料番号を付ける
5発注者へ事実確認するか検討する丁寧な確認から
6相談窓口に相談する110番・専門家等
7行政への申出を検討する申出先を確認
8必要に応じて弁護士等に相談する金銭請求は民事で
フリーランス本人側の相談・申出フロー
困っている内容を整理する
契約書・発注書・メール・請求書等を保存する
時系列表を作る
発注者へ事実確認するか検討する
相談窓口に相談する
必要に応じて行政への申出を検討する
金銭請求等が必要な場合は民事上の対応も検討する

9. 発注者へ確認する文面例(フリーランス向け)

フリーランス本人が、発注者へ事実確認をする文面例です。対立的になりすぎず、事実確認として自然に聞く形にしています。後から証拠として残るよう、契約条件・支払期日・依頼内容・回答期限を明確にしています。

件名:○○業務に関するご確認

【パターン1:報酬未払いの確認】

お世話になっております。○月○日に納品した○○業務について、契約上の支払期日(○月○日)を確認させてください。現時点で入金の確認ができておりません。お手数ですが、支払予定日をご教示いただけますでしょうか。

【パターン2:追加作業・無償修正の確認】

ご依頼の修正につきまして、当初の発注内容(資料○)に含まれる範囲か、追加作業に当たるかを確認させてください。追加の場合は、費用・納期についてご相談できればと思います。

【パターン3:中途解除・不更新理由の確認】

契約終了のご連絡を拝受しました。中途解除・不更新のいずれか、終了日、ならびに差し支えなければ理由をご教示いただけますでしょうか。未納品分・未払報酬の取扱いもあわせて確認させてください。

【パターン4:募集条件と契約条件の相違確認】

募集時に拝見した条件(資料○)と、ご提示の契約条件に相違があるように思われます。報酬・業務内容・稼働条件について、変更点と理由をご教示いただけますでしょうか。○月○日までにご回答いただけますと幸いです。

10. 申出を理由とする不利益取扱いに注意

フリーランス法では、申出をしたことを理由に、発注者が不利益な取扱いをしてはならないとされています(法第6条3項・第17条3項)。不利益取扱いの例として、契約解除・発注停止・報酬減額・更新拒絶・嫌がらせ・今後の取引拒否などが考えられます。発注企業側は、フリーランスからの指摘・相談・申出があった後の契約終了や発注停止について、理由・経緯を慎重に記録しましょう。フリーランス本人は、申出前後の発注者の対応を記録しておくと安心です。

表7:申出を理由とする不利益取扱いとして問題になりやすい例
対応なぜ問題になりやすいか発注企業側の注意点フリーランス側の記録ポイント
契約解除申出への報復と見られ得る業務上の理由と申出の関係を確認解除日・理由を記録
発注停止排除と見られ得る発注方針の合理性を整理発注量の推移
報酬減額報復的減額と見られ得る業務範囲変更は協議減額の経緯
更新拒絶申出を理由とした拒絶に見える不更新理由を記録不更新通知
連絡遮断事実上の取引排除に見える連絡経路を維持連絡履歴
担当者からの嫌がらせ二次被害につながる関係者へ周知・管理言動の記録
取引先への悪評流布信用毀損のおそれ事実に基づく対応に限定流布の証拠
今後の案件紹介停止排除と見られ得る合理的理由を整理紹介状況の変化

11. 発注企業側の初動対応

発注企業が、フリーランスから違反指摘・相談・申出予告を受けた場合は、現場担当者だけで抱え込まないことが大切です。まず事実確認と証拠保全を行い、関係部署に共有しますが、共有範囲は必要最小限にします。感情的な反論、不利益取扱い、証拠削除、口裏合わせは絶対に避けてください。必要に応じて、法務・コンプライアンス・外部弁護士に相談しましょう。

表8:発注企業側の初動対応フロー
No.対応内容担当部門の例注意点
1指摘・相談を受け付ける現場・窓口軽視・握りつぶししない
2現場で即断しない現場その場で結論を出さない
3関係資料を保全する現場・法務削除・改変は厳禁
4事実関係を整理する法務・現場時系列で客観的に
5関係部署に共有する法務・管理部門共有範囲は最小限
6法令・契約上の論点を確認する法務各法を横断確認
7必要な是正措置を検討する法務・各部門事実に基づき判断
8フリーランスへ回答する窓口・法務誠実・冷静に
9再発防止策を検討する各部門横展開を確認
10記録を保存する法務対応履歴を残す
発注企業側の初動対応フロー
フリーランスから指摘・相談を受ける
現場で即断しない
関係資料を保全する
法務・コンプライアンスへ共有する
事実関係と適用法令を確認する
是正措置・再発防止策を検討する
フリーランスへ適切に回答する
記録を保存する

12. 社内調査で確認すべき項目

発注企業側の社内調査では、論点別に確認します。調査は中立的・客観的に行い、関係者のプライバシーにも配慮します。行政対応の可能性がある場合は、後から説明できる記録を残しましょう。

表9:社内調査で確認すべき論点
論点確認する資料確認するポイント関連する記事
対象者該当性契約書・登記特定受託事業者か第2話
対象取引該当性発注内容業務委託に当たるか第3話
取引条件の明示発注書・明示書面明示の有無・項目第4話
報酬支払期日請求書・支払記録60日以内か第5話
禁止行為やり取り・控除記録減額・返品等の有無第6話
買いたたき見積・協議記録協議の有無・対価第7話
やり直し・追加作業仕様・修正依頼範囲外・費用負担第8話
募集情報の表示募集画面虚偽・誤解の有無第9話
ハラスメント相談相談記録体制・対応の有無第10話
育児介護等の配慮申出・対応記録検討・回答の有無第11話
中途解除・不更新通知・契約30日前予告・理由開示第12話
労働者性勤務実態・指示記録実態が労働者でないか第13話

13. 違反疑いがある場合の是正・再発防止

発注企業側で違反疑いがある場合は、放置せず是正措置を検討します。未払報酬の支払い、支払期日の見直し、発注書・契約書の修正、発注フローの整備、相談窓口の周知、関係者教育などが考えられます。個別対応だけでなく、同種案件への横展開確認が重要です。自主的な是正や自発的な申出が関係する場合もあるため、公式情報や専門家の確認を行い、行政対応を見据えて対応履歴を残しましょう。

表10:違反疑いがある場合の是正・再発防止策
問題類型是正措置の例再発防止策の例担当部門の例
取引条件明示漏れ明示書面を交付し直す発注書テンプレート整備法務・購買
支払遅延速やかに支払う支払フロー・期日管理経理
報酬減額減額分を是正する減額禁止の周知法務・現場
買いたたき協議し対価を見直す価格決定プロセス整備購買・現場
無償やり直し費用を負担する変更管理ルール整備現場・法務
募集情報の誤表示表示を修正・更新掲載前チェック人事・広報
ハラスメント相談体制不備窓口を整備・周知研修・規程整備人事・法務
育児介護等の配慮不足申出を再検討・対応申出対応フロー整備人事・現場
中途解除予告漏れ対応を是正・説明解除フロー整備法務・現場
労働者性リスク働き方・契約を見直す運用実態の点検人事・法務

14. 行政から照会・調査があった場合

行政機関から照会・調査があった場合は、担当窓口を一本化し、事実関係・契約書・発注書・支払記録・メール等を整理します。不正確な回答や場当たり的な説明は避け、社内の関係者に証拠保存を指示します。必要に応じて外部弁護士に相談しましょう。行政対応の詳細は個別事案により異なるため、ここでは一般的な初動にとどめます。

表11:行政から照会・調査があった場合の初動対応
No.対応内容注意点
1通知・照会内容を確認する期限・求められた事項を把握
2社内担当窓口を決める窓口を一本化する
3関係資料を保全する削除・改変は厳禁
4事実経過を整理する時系列で客観的に
5関係部署から情報を集める範囲を限定して
6回答方針を検討する正確性を最優先
7必要に応じて専門家に相談する外部弁護士等
8回答内容を記録する対応履歴を残す
9是正・再発防止策を検討する横展開も確認
行政の対応の流れ(概要) 申出や調査の結果、違反が認められる場合、行政機関は内容に応じて指導・助言、報告徴収・立入検査、勧告、命令・公表などを行うとされています。命令に違反した場合等には罰則(50万円以下の罰金)が定められています。具体的な手続や判断は個別事案により異なり、本記事で勝敗や処分内容を断定するものではありません。

15. 発注企業が整備すべき社内ルール

違反疑いが起きてから対応するだけでなく、普段から相談・申出・社内調査のフローを整備しておくことが重要です。現場担当者がフリーランスからの指摘を握りつぶさないよう、相談窓口・記録保存・エスカレーション・是正措置・再発防止・教育を整え、不利益取扱い禁止を社内周知しましょう。

表12:発注企業が整備したい違反疑い対応ルール
整備項目内容担当部門の例使用する資料・ツール
相談受付ルール指摘・相談の受付方法窓口・法務受付フォーム
エスカレーションルール現場から法務への共有基準現場・法務エスカレーション基準
証拠保全ルール資料の保全・削除禁止法務・情シス保全手順
社内調査手順中立的な調査の進め方法務・人事調査マニュアル
不利益取扱い防止申出を理由とする不利益の禁止法務・人事社内規程
行政対応窓口照会・調査の一本化法務対応フロー
是正措置判断是正の要否・方法の判断法務・管理部門判断基準
再発防止策横展開・運用見直し各部門改善計画
関係者教育研修・周知人事・法務研修資料
記録保存期間記録の保存ルール法務保存規程

16. よくある誤解

表13:フリーランス法違反対応についてよくある誤解
誤解実際の考え方実務上の注意点
違反かどうか分からなければ何もしなくてよいまず事実・資料を整理することが第一歩時系列で記録する
相談と行政への申出は同じ相談と申出は目的・手続が異なる使い分ける
申出をすれば未払報酬が必ず回収できる申出は金銭回収を直接実現する手続ではない民事手続も検討
申出されたらそのフリーランスとの取引を止めればよい申出を理由とする不利益取扱いは禁止理由・経緯を記録
現場担当者の判断で返信すれば十分法務・コンプライアンスへの共有が必要握りつぶさない
証拠になりそうなチャットを削除すればよい証拠の削除・改変は重大な問題になり得る必ず保全する
口頭で謝れば記録は不要対応経緯は記録すべき書面・メールで残す
労働者性がありそうでもフリーランス法の窓口だけ見ればよい労働関係の相談窓口も確認が必要実態で判断
小規模な発注なら行政対応は関係ない規模だけで対象外になるわけではない取引内容で確認
違反が見つかっても個別案件だけ直せば十分同種案件への横展開確認が重要再発防止を行う

17. このシリーズで次に読むべき記事

いよいよ次が最終回です。第15話では、シリーズ全体を踏まえた発注前・発注時・業務中・終了時のチェックリストを扱います。各論点の振り返りは第4話第12話、関連法令は第13話へ。

  1. 第1話:フリーランス法とは?初心者向けに目的・対象・基本ルールをわかりやすく解説
  2. 第2話:フリーランス法の対象者とは?「フリーランス」と「発注事業者」の考え方
  3. 第3話:業務委託なら全部対象?フリーランス法が適用される取引・されない取引
  4. 第4話:取引条件の明示義務とは?発注時に書くべき項目をわかりやすく解説
  5. 第5話:フリーランスへの報酬支払ルール|支払期日・遅延・未払いの注意点
  6. 第6話:フリーランス法の禁止行為7つ|受領拒否・報酬減額・買いたたきとは
  7. 第7話:「買いたたき」とは何か?フリーランス法で問題になる報酬交渉の境界線
  8. 第8話:やり直し・追加作業はどこまで頼める?フリーランス法と仕様変更の注意点
  9. 第9話:募集情報の的確表示とは?フリーランス募集でNGになりやすい表現
  10. 第10話:フリーランスへのハラスメント対策|発注企業が整備すべき相談体制
  11. 第11話:育児・介護との両立配慮とは?フリーランス法で発注者に求められる対応
  12. 第12話:契約解除・中途解約の注意点|フリーランス法の事前予告と理由開示
  13. 第13話:下請法・独占禁止法・労働法との違い|フリーランス法だけ見ればよいのか
  14. 第14話:フリーランス法違反が疑われたら?相談先・申出・社内対応の流れ(この記事)
  15. 第15話:フリーランス法対応チェックリスト|発注前・発注時・終了時に確認すべきこと

18. まとめ

  • フリーランス法違反が疑われる場合、まず事実関係と資料を整理しましょう。
  • 相談・行政への申出・民事上の請求・労働相談は、それぞれ目的が異なります
  • 特定受託事業者は、発注事業者にフリーランス法違反と思われる行為があった場合、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省に申出できます(法第6条・第17条)。
  • 申出の対象は、原則として2024年11月1日以降に締結・更新等を行った業務委託契約です。
  • フリーランス・トラブル110番などの相談先も活用できます。労働者性がある可能性がある場合は、労働関係法令の相談窓口も確認しましょう。
  • 発注企業は、フリーランスからの指摘を現場で抱え込まず、事実確認・証拠保全・是正措置・再発防止を進めましょう。
  • 申出・相談を理由とする不利益取扱いは禁止されています。
  • 個別の事案では、契約内容・取引実態・証拠・相談内容・当事者の属性などにより判断が変わります。金銭請求や法的評価は、必要に応じて弁護士等の専門家にご相談ください。

次回はシリーズ最終回、第15話:フリーランス法対応チェックリストを解説します。

フリーランスからの指摘を、現場だけで抱え込まないために

フリーランス法違反が疑われる場合、契約書・発注書・メール・請求書・支払記録・相談記録を整理し、社内で事実確認と是正対応を進める必要があります。相談や申出への対応を誤ると、不利益取扱い・二次トラブル・行政対応リスクにつながります。Legal GPTでは、企業法務・契約実務・コンプライアンス対応に役立つ記事や実務ツールを提供しています。

参考情報

本記事は、以下の公的資料に基づいて制度の全体像を整理しています(いずれも公開情報。最新の内容や詳細は各官庁・窓口の公式サイトをご確認ください)。

公正取引委員会|フリーランス・事業者間取引適正化等法の違反被疑事実についての申出窓口/フリーランス法特設サイト
https://www.jftc.go.jp/soudan/shinkoku/freelance.html / https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited.html
厚生労働省|違反被疑事実についての申出窓口/フリーランスとして業務を行う方等へ/労働者性に疑義がある方の相談窓口
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/freelance_moushide.html / https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html
中小企業庁|特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律/申出窓口
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/law_freelance.html
フリーランス・トラブル110番
https://freelance110.mhlw.go.jp/
政府広報オンライン|フリーランスが安心して働ける環境づくりのための法律
https://www.gov-online.go.jp/article/202408/entry-6301.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律相談ではありません。違反該当性、行政の判断、民事上の請求の成否は、契約内容・取引実態・証拠・相談内容・当事者の属性などにより変わります。金銭請求や個別事件の法的評価については、必要に応じて弁護士等の専門家にご相談ください。各窓口の受付範囲・方法は変更されることがあるため、最新の公式案内をご確認ください。

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