新リース会計基準対応の契約台帳|追加すべき項目と証跡管理
経理部から質問が来ました。「この契約はなぜリース期間10年になっているのですか」。契約台帳を開くと、そこには「リース期間:10年」とだけ書かれています。誰が、いつ、何を根拠に10年と判断したのかが分かりません。
あるいは、こういう場面もあります。契約更新の際に台帳の期間欄と賃料欄を上書きした結果、当初契約の条件が分からなくなった。変更前後の差分を説明できない。
新リース会計基準の契約台帳を考えるうえで出発点になるのは、台帳が単なる一覧表ではなく「判断を後から再現できる管理基盤」だという視点です。第3話から第12話で扱ってきた論点——リースの識別、特定された資産、リース期間、料金の構造、リース部分と非リース部分、契約変更——はいずれも、一度調べて終わりではありません。契約期間中に生じる変更や見直しに対応できるよう、継続的に追跡できる状態にしておくことが実務上有用です。
この記事では、何を項目として持つか、なぜ1契約1行では足りないのか、契約上の事実と会計判断をどう分けるのか、そして契約書が変わらないイベントをどう拾うのかを整理します。
この記事の結論
- 新リース会計基準が特定の契約台帳の作成を直接求めているわけではありません。企業会計基準第34号も適用指針第33号も、台帳の様式・項目・主管部署を定めていません。
- ただし、リースの識別、期間、料金、契約変更、オプションを継続的に管理するうえで、情報を構造化して保持する仕組みは実務上有用です。
- 「契約名・相手方・締結日・終了日・自動更新」程度の従来型の台帳では、必要な情報が不足します。
- 「契約期間」と「借手のリース期間」は別項目にしてください。両者は一致するとは限りません(リース会計基準第31項)。
- 「契約上の事実」と「経理部による会計判断結果」も別項目にしてください。
- 結論だけでなく、判断日・判断根拠・証拠資料を残します。
- 1つの契約に複数の資産、複数の構成部分、複数の料金、複数の変更があり得ます。
- 本格的な運用では、1契約1行ですべてを管理しようとしないでください。
- 契約書が変更されないオプション行使や重要な事象も、管理の対象になり得ます(同第40項から第42項)。
- 法務部は契約・事実・変更履歴を管理し、会計判断は経理部が行います。
本記事は「新リース会計基準対応|法務部の契約調査・管理実務」全15話の第13話です。
このシリーズは、新リース会計基準への対応において法務部・契約管理部門が担うことになる契約調査と契約管理の実務を、順を追って解説することを目的としています。
無料・時短・仕組み化の3つから選ぶ
シリーズ全15話の構成
| 話数 | 記事タイトル | その記事で分かること |
|---|---|---|
| 第1話 | 新リース会計基準で法務部の仕事はどう変わる?|2027年適用に向けた契約対応の全体像 | シリーズ全体像と、法務部が担う役割の範囲 |
| 第2話 | 新リース会計基準はいつから?|対象企業と2026年後半からの準備スケジュール | 適用時期・対象企業・準備工程の考え方 |
| 第3話 | リース契約でなくても対象になる?|新リース会計基準の「リースの識別」 | 契約がリースを含むかを判断する枠組み |
| 第4話 | 埋込リースとは?|業務委託・物流・IT契約に潜むリースの見つけ方 | サービス型契約に含まれるリースの探し方 |
| 第5話 | 新リース会計基準で調査すべき契約書は?|法務部の契約棚卸しの進め方 | 契約母集団の設定と棚卸しの実務手順 |
| 第6話 | 「特定された資産」とは?|専用設備・車両・サーバーを判断する基準 | 特定された資産と、供給者側の代替権の見方 |
| 第7話 | 資産の使用を支配しているのは誰か|経済的利益と使用指図権の確認方法 | 使用の支配・経済的利益・使用指図権の確認 |
| 第8話 | リース期間は契約書に書かれた年数と同じではない|更新・解約オプションの読み方 | リース期間と、更新・解約条項の読み方 |
| 第9話 | 契約書からどの金額を拾う?|固定料金・変動料金・追加費用の整理 | 契約書から抽出すべき料金情報の範囲 |
| 第10話 | リース部分とサービス部分をどう分ける?|複合契約の法務チェック | リース部分と非リース部分の区分の論点 |
| 第11話 | オフィス・店舗・倉庫の賃貸借契約はどう扱う?|不動産契約の調査ポイント | 不動産賃貸借契約に固有の調査ポイント |
| 第12話 | 契約変更・更新時に再判定は必要?|リース条件変更の管理実務 | 契約変更・更新時の再判定と管理実務 |
| 第13話 | 新リース会計基準対応の契約台帳|追加すべき項目と証跡管理(現在の記事) | 契約台帳の追加項目と証跡の残し方 |
| 第14話 | 新規契約の審査をどう変える?|新リース会計基準対応の受付票・条項・確認事項 | 新規契約審査への確認項目の組み込み方 |
| 第15話 | 新リース会計基準対応チェックリスト|法務部が適用開始までにやること | 適用開始までの最終チェックリスト |
第1章 従来の契約台帳だけでは何が足りないのか
LegalGPTとしての推奨本記事で示す台帳の項目・構造は、ASBJが定めたものではありません。企業会計基準第34号および適用指針第33号は、契約台帳の様式・項目・主管部署について何も定めていません。以下は、新リース会計基準への対応を継続的に行うための実務上の整理としてお読みください。
多くの企業の契約台帳は、次のような項目で構成されています。契約名、相手方、締結日、開始日、終了日、自動更新の有無、担当部署、契約ファイルの保存先。契約管理としては十分に機能する構成です。
しかし、この台帳を開いても、次のことは分かりません。
図解1 従来の契約台帳と、新リース対応で必要になる情報
- 従来の台帳にあるもの
契約名/相手方/締結日/開始日/終了日/自動更新/担当部署/ファイル保存先 - 新リース対応で追加が必要になり得るもの
対象となる原資産/構成部分/リースの識別に関する事実と判断結果/解約不能期間/借手のリース期間/延長・解約オプション/料金の構造(固定・変動・一時金)/リース部分と非リース部分/契約変更の履歴/契約書を伴わないイベント/判断根拠と証拠資料/次回確認のトリガー
従来の台帳が悪いわけではありません。目的が違うのです。従来の台帳は「どの契約がどこにあるか」を管理するもので、新リース対応では「その契約について誰が何をどう判断したか」を追跡できる必要があります。
第2章 契約上の事実と会計判断を分けて持つ
台帳設計で最も重要な原則です。次の例を見てください。
契約書に書かれていること(=契約上の事実)
契約期間:2027年4月1日から2029年3月31日まで/6か月前の通知で解約可能/2年ごとの自動更新
会計上の判断結果
借手のリース期間:○年
この2つを同じ欄に書かないでください。契約上の事実は契約書を読めば誰でも確認できますが、借手のリース期間は「合理的に確実」の評価を含む会計上の判断です(リース会計基準第31項、リース適用指針第17項)。両者を混ぜると、後から「どこまでが契約に書いてあることで、どこからが判断なのか」が分からなくなります。
表1 契約上の事実と会計判断の切り分け
| 情報 | 契約上の事実/会計判断 | 主な情報源 | 主担当例 |
|---|---|---|---|
| 契約期間(始期・終期) | 契約上の事実 | 契約書の期間条項 | 法務・契約管理 |
| 中途解約の可否・解約権者 | 契約上の事実 | 中途解約条項 | 法務・契約管理 |
| 解約不能期間 | 契約条件に基づく整理(会計上の概念) | 契約書+経理部の確認 | 法務が事実を提供、経理が確定 |
| 延長オプションの内容 | 契約上の事実 | 更新・延長条項 | 法務・契約管理 |
| 借手のリース期間 | 会計判断 | 経理部の評価 | 経理部 |
| 契約上の月額賃料 | 契約上の事実 | 料金条項 | 法務・契約管理 |
| 借手のリース料に含める範囲 | 会計判断 | 経理部の評価 | 経理部 |
| 共益費の内訳・金額 | 契約上の事実 | 内訳明細、請求書 | 法務・総務 |
| リース部分・非リース部分の区分 | 会計判断 | 経理部の評価 | 経理部 |
| 供給者の代替権に関する条項 | 契約上の事実 | 代替・変更条項 | 法務・契約管理 |
| リースを含むか否かの判定結果 | 会計判断 | 経理部の評価 | 経理部 |
台帳の欄名にも注意してください。会計判断の結果を記録する欄を「法務判定」という名前にしないでください。「経理判定結果」「判定日」「判定担当部門」といった欄名にすることで、誰の判断であるかが記録に残ります。
第3章 まずExcelで始めるなら|最低限の一覧
いきなり完全な構造を作る必要はありません。棚卸しの初期段階では、まず全体を把握するための一覧から始めるのが現実的です。
表2 入口用の最低限一覧
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 契約ID | 社内で一意の識別番号 |
| 契約名/相手方 | 契約書の表題と当事者 |
| 自社の立場 | 借手/貸手の別 |
| 契約類型 | 賃貸借、業務委託、保守、利用契約など |
| 主管部署/利用部門 | 契約を管理する部署と実際に使う部門 |
| 対象資産の概要 | 物件名、設備名、台数など |
| 契約開始日/契約終了日 | 契約書上の期間 |
| 更新条項の有無 | 自動更新・合意更新・再契約の別 |
| 中途解約の可否 | 可否と解約権者 |
| 基本料金 | 契約上の月額・年額 |
| 関連文書の保存先 | 契約書・別紙・覚書のURLまたはパス |
| リース調査の状況 | 未調査/調査中/経理提出済など |
| 経理確認の状況 | 未確認/確認中/確認済 |
| 最終更新日/更新者 | いつ、誰が更新したか |
| 次回確認トリガー | 次に確認すべき時期または事象 |
この一覧は入口用です。ここから先の詳細管理まで1行で完結させようとすると、次章で見るとおり破綻します。既存の契約台帳の基本項目については契約台帳の作り方|最低限必要な項目一覧と実務で使える設計も参考にしてください。
第4章 なぜ「1契約1行」では足りないのか
具体例で考えます。1本のオフィス賃貸借契約に、次の要素が含まれているケースです。
- オフィス3フロア(5階・8階・12階)
- 駐車場5台分
- 共益費(清掃・警備・共用設備管理を含む)
- 保守サービス
- 5年の延長オプション
- 契約2年目に8階を返却
- 契約4年目に15階を追加
これを1行に押し込むとどうなるか。対象資産の欄には「オフィス3フロア他」と書くしかなく、8階を返却した時点で情報を上書きすれば、当初何を借りていたかが消えます。料金欄も1つでは、賃料と共益費と保守費を分けられません。
図解2 契約マスターを中心にした情報の構造
契約マスター(契約1件=1レコード)
ここから、次の情報を契約IDで紐付けます。
- (1) 原資産・構成部分:1契約に複数の資産・構成部分があり得る
- (2) リース識別の記録:構成部分ごとに判断が分かれ得る
- (3) 期間・オプション:契約期間とリース期間を分けて持つ
- (4) 料金:固定・変動・一時金を種類別に持つ
- (5) 変更・イベント:時系列で追加していく(上書きしない)
- (6) 証拠資料:どの判断にどの資料が紐づくか
- (7) 経理判断結果:判定内容・判定日・担当部門を分けて持つ
この構造はASBJが指定するものではなく、LegalGPTによる実務上の推奨です。Excelで運用する場合は、シートを分けて契約IDで参照する形が現実的です。
会計上も、契約1件が管理単位1件になるとは限りません。リースを含む契約は原則としてリースを構成する部分とリースを構成しない部分に分けて会計処理され(リース会計基準第28項)、複数の原資産が独立したリースを構成する部分に当たるかどうかも個別に判断されるためです(リース適用指針第16項)。
第5章 契約マスターに持たせる項目
表3 契約マスターの項目
| 項目 | 記録する内容 | 留意点 |
|---|---|---|
| 契約ID | 社内で一意の識別番号 | 他のシートから参照するキーになる |
| 契約名 | 契約書の表題 | 表題だけで内容を判断しない |
| 契約類型 | 賃貸借、業務委託、保守、利用契約など | 類型で会計上の扱いは決まらない |
| 自社の立場 | 借手/貸手 | 借手と貸手で取扱いが異なる論点がある |
| 相手方 | 正式名称 | 同一相手方の別契約と混同しない |
| 主管部署/利用部門/契約担当 | 管理部署、使用部門、担当者 | 照会先として機能させる |
| 契約締結日 | 署名・押印した日 | いずれも一致するとは限らない。すべて別項目として持つ |
| 契約上の開始日 | 契約上の効力発生日 | |
| 原資産が使用可能となった日 | 引渡日、利用可能日等。貸手が借手による原資産の使用を可能にした時点を確認するための事実情報 | |
| 実際の使用開始日 | 借手が実際に原資産の使用を開始した日 | |
| リース開始日(経理確認) | 企業会計基準第34号第18項に基づくリース開始日。経理部で確認した日付 | |
| 契約終了日 | 契約書上の終期 | 借手のリース期間の終了日とは別項目にする |
| 自動更新の有無 | 自動更新条項の有無と更新期間 | 更新拒絶権者もあわせて記録する |
| 原契約ID/関連契約ID | 親子関係、関連する別契約 | 基本契約と個別契約の関係を保持する |
| 変更契約の有無 | 変更覚書の件数と最新の変更ID | 変更履歴シートへの入口になる |
| 契約ステータス | 有効/変更中/終了など | 終了後も、保存方針に従い必要な期間は履歴を参照可能にする |
| 原契約の保存先URL | 契約書ファイルの所在 | 版が分かる形で保存する |
| 最終確認日/最終更新者 | いつ、誰が確認・更新したか | 記録の鮮度が分かるようにする |
契約締結日、契約上の開始日、原資産が使用可能となった日、実際に使用を開始した日は一致するとは限りません。さらに、会計基準上は「リース開始日」が貸手が、借手による原資産の使用を可能にする日と定義されています(リース会計基準第18項)。したがって、「実際に使い始めた日」だけを記録するのではなく、引渡日や利用可能日など、原資産が使用可能となった時点を確認できる情報も別に記録し、リース開始日は経理部で確認できる構造にしておくことが重要です。
たとえば、3月に契約を締結し、4月1日から契約期間が始まり、同日に引渡しを受けて使用可能な状態になったものの、社内の準備の都合で実際の利用開始が5月1日になる、というケースがあります。このとき「実際の使用開始日:5月1日」という情報だけを台帳に持っていると、リース開始日の検討に必要な事実が欠けることになります。
第6章 原資産・構成部分を管理する
1契約に複数の資産が含まれる場合、資産ごとに行を持ちます。契約IDで契約マスターと紐付けます。
表4 原資産・構成部分の項目
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 資産ID/契約ID/構成部分ID | 識別番号と親契約への参照 |
| 資産名称/資産種類 | 物件名、設備名、種類(不動産・車両・機器等) |
| 数量/面積/容量 | 台数、㎡、容量など |
| 所在地/区画/設置場所 | 物件所在地、区画番号、設置フロア |
| 型式/製造番号/車両番号 | 個体を特定できる情報 |
| 契約上の特定方法 | 契約書に明記/別紙に記載/記載なし |
| 供給者の代替権に関する条項 | 入替え・変更条項の内容、承諾の要否 |
| 使用内容 | 何にどう使っているか |
| 関連する役務 | 保守、清掃、運転など併せて提供される内容 |
| リース部分の候補/非リース部分の候補 | 法務部としての整理(確定ではない) |
| 証拠資料URL | 仕様書、機器一覧、図面の保存先 |
| 記録日/記録者 | いつ、誰が記録したか |
「リース部分の候補」という欄名にしている理由があります。リースを構成する部分と構成しない部分の区分は会計上の判断であり、法務部が確定するものではないためです(リース部分とサービス部分をどう分ける?|複合契約の法務チェック参照)。欄名を「リース部分」とすると、法務部が確定したように読まれます。
第7章 リースの識別に関する記録
リースの識別は、契約の締結時に行われます(リース会計基準第25項)。そして契約期間中は、契約条件が変更されない限り、この判断を見直しません(同第27項)。だからこそ、初回の判断内容と根拠を残しておく意味があります。
表5 リース識別に関する記録項目
| 項目 | 記録する内容 | 主担当例 |
|---|---|---|
| 判定ID/契約ID/構成部分ID | 識別番号と参照先 | 事務局 |
| 判定日 | 経理部が判断した日 | 経理部 |
| 特定された資産に関する事実 | 契約上の記載、個体の特定状況 | 法務が提供 |
| 供給者の代替権に関する事実 | 条項の内容、入替えの実績、承諾の要否 | 法務・事業部が提供 |
| 経済的利益に関する事実 | 産出物の帰属、他顧客の利用状況 | 法務・事業部が提供 |
| 使用指図権に関する事実 | 使用方法の決定権、稼働の決定権、設計への関与 | 法務・事業部が提供 |
| 経理判定結果 | リースを含む/含まない/保留 | 経理部 |
| 判定担当部門・担当者 | 誰が判断したか | 経理部 |
| 判断根拠 | 判断に用いた事実の要点 | 経理部 |
| 証拠資料URL | 根拠となった資料の保存先 | 事務局 |
| 未確認事項 | 確認できていない事実と影響 | 法務が記録 |
| 次回確認トリガー | どの事象が起きたら再確認するか | 事務局 |
この表をYes/Noのチェックシートにしないでください。リースの識別は、特定された資産の有無と使用の支配の2段階で判断され、使用の支配は経済的利益と使用指図権の両面から評価されます(リース適用指針第5項から第8項)。「該当項目が何個あるから該当」という点数方式は、会計基準にも適用指針にも存在しません。この表は事実を集めるための枠であり、判定式ではありません。
第8章 リース期間とオプションを管理する
この領域で最も重要なのは、契約終了日と借手のリース期間の終了日を同じ欄で管理しないことです。両者は一致するとは限りません(リース会計基準第31項)。
表6 期間・オプションの記録項目
| 区分 | 項目 | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 契約上の事実 | 契約期間(始期・終期) | 契約書に定められた期間 |
| 契約上の事実 | 中途解約の可否・解約権者 | 借手のみ/貸手のみ/双方の別 |
| 契約上の事実 | 解約可能日・通知期限 | いつから、何か月前までに |
| 契約上の事実 | 解約違約金 | 算定方法、上限、減免条件 |
| 契約上の事実 | 延長オプションの内容・対象期間 | 条項の内容、権利者、行使条件 |
| 契約上の事実 | 更新料・更新後の料金条件 | 金額と算定方法 |
| 契約上の事実 | 過去の更新履歴 | 更新の回数・時期・背景事情 |
| 判断材料 | 大幅な賃借設備の改良に関する事実 | 投資額、移設の可否、除去費用 |
| 判断材料 | 解約に関連して生じ得るコスト | 原状回復、移転、撤去に関する情報 |
| 判断材料 | 原資産の事業上の重要性に関する事実 | 代替可能性、事業への影響 |
| 判断材料 | オプションの行使条件 | 行使に付された要件 |
| 会計判断 | 解約不能期間 | 経理部が整理した期間 |
| 会計判断 | 借手のリース期間 | 経理部が決定した期間 |
| 会計判断 | 判断日・担当部門・判断根拠 | いつ、誰が、何を根拠に |
| 管理 | 次回確認トリガー | 更新通知期限、オプション行使期限など |
「判断材料」の4項目を点数化しないでください。これらは適用指針第17項が挙げる経済的インセンティブを生じさせる要因の例示であり、該当数で判定する仕組みではありません。台帳では、各項目について「どのような事実があったか」を文章で記録し、評価は経理部に委ねます。詳細はリース期間は契約書に書かれた年数と同じではない|更新・解約オプションの読み方をご覧ください。
第9章 料金情報を種類別に持つ
台帳の料金欄が「月額賃料」1つしかないと、後から分解できません。借手のリース料は、固定リース料、指数またはレートに応じて決まる変動リース料、残価保証に係る支払見込額、行使が合理的に確実な購入オプションの行使価額、一定の場合の解約違約金という5つで構成されるためです(リース会計基準第35項)。
表7 料金情報の記録項目
| 区分 | 項目 | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 基本料金・支払頻度・支払日 | 金額、月額/年額の別、前払後払 |
| 基本料金 | 料金スケジュール | 段階賃料の各期間の金額 |
| 基本料金 | フリーレント・値引き | 無償期間、条件、返還義務の有無 |
| 変動料金 | 指数・レート連動の内容 | 指数名、基準値、基準日、算定式、上限下限 |
| 変動料金 | 市場賃料の協議見直し条項 | 条項の有無と内容 |
| 変動料金 | 売上歩合 | 売上の定義、料率、最低保証 |
| 変動料金 | 使用量連動 | 単位、単価、基準量、超過条件 |
| オプション等 | 残価保証 | 保証額、算定方法、査定条件 |
| オプション等 | 購入オプション | 行使価額、行使時期、行使条件 |
| オプション等 | 解約違約金 | 算定式、発生条件 |
| 役務対価 | 共益費・管理費・保守費・清掃費等 | 名称、金額、内訳、算定根拠 |
| 一時金 | 敷金 | 金額、返還条件、償却・敷引きの有無 |
| 一時金 | 保証金・建設協力金 | 金額、返済条件、利率、返済期日 |
| 一時金 | 礼金・権利金・更新料 | 金額、返還の有無、発生条件 |
| 資料 | 料金表・見積書のURL | 独立価格の根拠となり得る資料の所在 |
| 会計判断 | 借手のリース料に含める範囲 | 経理部の判定結果と判定日 |
敷金や共益費を賃料の欄に合算しないでください。敷金には適用指針に固有の定めがあり(第33項から第35項)、共益費はリース部分と非リース部分の区分の対象になり得ます。台帳の段階で合算すると、後から分解できません。料金の抽出については契約書からどの金額を拾う?|固定料金・変動料金・追加費用の整理で解説しています。
第10章 リース部分・非リース部分に関する記録
構成部分ごとに、区分の検討に必要な情報を持ちます。
表8 リース部分・非リース部分に関する記録項目
| 項目 | 記録する内容 | 主担当例 |
|---|---|---|
| 構成部分ID/契約ID | 識別番号と参照先 | 事務局 |
| 提供内容 | 資産の使用か、役務の提供か、その内容 | 法務・事業部 |
| 契約上の料金 | その構成部分に対応する契約上の金額 | 法務 |
| 別建てか一括か | 契約上、金額が区分表示されているか | 法務 |
| 単体提供の可否 | その部分だけを単独で調達できるか | 購買・事業部 |
| 独立価格に関する資料 | 単体料金表、見積書、類似契約の価格 | 購買・法務 |
| 経理による区分結果 | リースを構成する部分/構成しない部分 | 経理部 |
| 分けずに処理する選択の適用 | 会計基準第29項の選択を適用するか、その単位 | 経理部 |
| 判断日・担当部門・根拠資料 | いつ、誰が、何を根拠に | 経理部 |
第11章 変更履歴は上書きしない
この章が、台帳運用における最大の分かれ目です。
変更契約が締結されたとき、原契約の期間・料金・資産の情報を上書きして消さないでください。上書きすると、変更前の条件が分からなくなり、「何がどう変わったのか」を説明できなくなります。変更は履歴として追加し、契約マスターには最新状態を示す欄を別に持つ設計が安全です。
変更履歴に持たせる項目は次のとおりです。
- 変更ID/契約ID/変更覚書のID
- 変更内容の要素(1通の覚書に複数の要素があり得るため、要素ごとに行を分ける)
- 対象となる原資産・構成部分
- 範囲の拡大/縮小/変化なしの別
- 期間の変更内容(変更前後の終期)
- 対価の変更内容(変更前後の金額)
- オプション行使によるものか、新たな合意によるものか
- 独立価格に関する資料の有無
- 変更前の条件/変更後の条件(両方を残す)
- 経理部への提出日、経理確認日、経理判断結果
- 証拠資料のURL
日付の持ち方に注意する
適用指針上の用語適用指針は「リースの契約条件の変更の発効日」を、契約の両方の当事者がリースの契約条件の変更に合意した日と定義しています(リース適用指針第4項(10))。
したがって、ASBJ用語の「発効日」と「合意日」は別の日ではありません。台帳で「合意日」と「発効日」を別欄にして異なる日付を入れると、用語の混乱を招きます。
実務上、別項目として持つべきなのは次の日付です。
- 変更合意日(=ASBJ上の「リースの契約条件の変更の発効日」)
- 新条件の契約上の適用開始日(例:改定後の賃料が適用される日)
- 追加された原資産の実際の使用開始日
- 返却した原資産の返却日
3月1日に覚書へ署名し、4月1日から新賃料が適用され、6月1日に追加スペースの使用を開始する——こうしたケースでは、3つとも異なる日付になります。契約変更の考え方は契約変更・更新時に再判定は必要?|リース条件変更の管理実務で扱っています。
第12章 原契約の契約条件を変更しなくても記録が必要な場合
ここが第13話の核心です。変更契約の履歴だけを持つ台帳では足りません。
会計基準上の取扱い会計基準は、リースの契約条件の変更が生じていない場合であっても、借手のリース期間に変更がある場合や、リース期間に変更がなく借手のリース料に変更がある場合には、リース負債の計上額の見直しを行うとしています(リース会計基準第40項から第42項)。
図解3 原契約の契約条件変更を伴うもの/伴わないもの
- 原契約の契約条件変更を伴うもの
変更覚書の締結/期間の新たな延長・短縮の合意/原資産の追加・返却の合意/当初条件になかった対価の変更
→ 第39項の「リースの契約条件の変更」の検討へ - 原契約の契約条件変更を伴わないもの
延長オプションの行使等による解約不能期間の変更/購入オプションの行使についての判定の変更/残価保証に基づく支払見込額の変動/指数・レートに応じて決まる借手の変動リース料の変動/第41項の要件を満たす重要な事象・状況(ASBJが例示するものとして、リース開始日に予想されていなかった大幅な賃借設備の改良、原資産の大幅な改変、過去に決定した借手のリース期間終了後の期間に係るサブリースの契約締結、延長オプションを行使することまたは解約オプションを行使しないことに直接的に関連する借手の事業上の決定)
→ 第40項から第42項、適用指針第46項から第49項の検討へ
どちらも、経理部への確認トリガーになり得ます。
右側でも、通知書、稟議書、サブリース契約等の文書が作成される場合があります。ここでの区別は「文書が作成されるか」ではなく、「原契約の契約条件の変更に当たるか」です。なお、購入オプションの行使についての判定の変更、残価保証に基づく支払見込額の変動、指数またはレートに応じて決まる借手の変動リース料の変動は、リース期間に変更がなく借手のリース料に変更がある状況として適用指針第47項が挙げているものです。
また、これらの事象が生じれば自動的に会計上の再判定や再測定が必要になる、という意味ではありません。該当するかどうかは、契約条件と事実に基づく会計上の判断です。台帳の役割は、判断材料となる事象を漏らさず記録することにあります。
注意|事象が生じたことだけでは見直しの要件を満たしません
大規模改装、原資産の改変、拠点統廃合等が生じたという事実だけで、直ちに借手のリース期間の見直しが必要になるわけではありません。会計基準第41項による見直しは、その事象・状況が借手の統制下にあり、かつ、延長オプションを行使することまたは解約オプションを行使しないことが合理的に確実かどうかの借手の決定に影響を与える場合に行われます。この2つはいずれも満たす必要があります。
ASBJは、借手の統制下にあるという要件を設けた理由について、借手が市場動向による事象または状況の変化に対応して見直すことを要しないようにするためであると説明しています(リース会計基準BC51項)。
本記事のイベント一覧は、経理部へ確認するためのアラート候補として整理したものであり、該当すれば見直しが必要になる判定基準ではありません。
右側の事象は、法務部だけでは把握できません。施設管理部門の工事決裁、経営企画の統廃合決定、経理部が受け取る改定通知——それぞれ別の場所で発生します。原契約の変更契約だけを監視する運用では拾えない可能性があるため、これらが台帳へ届く経路を設計しておくことが実務上の要点です。
第13章 証拠資料をどう紐付けるか
判断結果だけを残しても、根拠となった資料がどこにあるか分からなければ、後から検証できません。資料は契約IDと判断IDの両方に紐付けて管理します。
資料管理表に持たせる項目は、資料ID、契約ID、関連する判断ID、資料種別、ファイル名、保存場所、URL、作成日、取得日、対象期間、バージョン、備考です。
実際に紐付ける資料の例を挙げます。
- 契約関係:原契約、個別契約、覚書、別紙、更新契約
- 料金関係:料金表、見積書、請求書、発注書、賃料改定の通知・合意書
- 資産関係:資産一覧、機器一覧、図面、区画図、システム構成図
- 役務関係:SLA、管理仕様書、保守仕様書
- 通知関係:更新通知、解約通知、オプション行使通知
- 社内資料:工事請負契約、設備投資の稟議、移転の稟議、事業上の決定に関する決裁
- 照会記録:サプライヤーへの照会と回答、事業部へのヒアリング記録
- 判断記録:経理部の判定記録、監査法人等との協議記録
保存期間について。本記事では具体的な保存年数を示しません。会計基準・適用指針は資料の保存期間を定めておらず、必要な期間は法令上の要請、自社の文書管理規程、監査対応の方針によって異なるためです。「これらをすべて○年間保存しなければならない」といった基準を、根拠なく社内で設定しないでください。保存方針は、経理部および文書管理の主管部署と決めてください。
第14章 「結論だけ」を残すと数年後に困る
冒頭の場面に戻ります。台帳に「借手のリース期間:10年」とだけ記録されていた場合、数年後に次のことが分かりません。
- なぜ10年としたのか(延長オプションを含めたのか、当初から10年契約だったのか)
- 内装投資を判断材料として考慮したのか
- 過去の更新実績をどう評価したのか
- どの版の契約書を見て判断したのか
- 誰がいつ判断したのか
- その後、条件が変更されていないか
図解4 結論だけの記録と、判断を再現できる記録
- 再現できない記録
「借手のリース期間:10年」
——結論のみ。誰が、いつ、何を根拠にしたかが残っていない。 - 再現できる記録
結論(借手のリース期間:10年)
+ 判断日(2027年5月20日)
+ 判断した部門・担当者(経理部)
+ 判断に用いた事実(契約期間5年+5年の延長オプション、内装投資額、代替物件に関する情報など)
+ 証拠資料(契約書v2、工事請負契約、事業部ヒアリング記録のURL)
+ 次回確認トリガー(延長オプションの行使期限、大規模改装の決定)
ここで言う「再現できる」とは、後から第三者が同じ資料を見て、判断の道筋をたどれる状態を指します。監査上必ずこの形式が求められるという意味ではありません。自社の必要に応じて設計してください。
第15章 「次回確認日」だけでは足りない
LegalGPTとしての推奨台帳に「次回確認日:2028年3月末」とだけ書いてあると、年度途中に生じた契約変更やオプション行使を見落とす可能性があります。一方、イベントの発生だけに頼ると、誰も気づかないまま経過する変更が残ります。
そこで、イベントトリガーと定期レビューを併用する考え方をおすすめします。
- イベントトリガー:契約変更の締結、更新通知期限の到来、延長・解約オプションの行使、解約通知、料金改定、資産の追加・返却、大規模改装の決裁、拠点移転・統廃合の決定、サブリースの締結
※このうち大規模改装の決裁や拠点移転・統廃合の決定は、LegalGPTによる実務上の検知例です。これらを台帳のアラートとして持つ意義は、延長・解約オプションに関する判断に直接影響する場合に経理部へ確認できるようにする点にあります。事象の発生自体が見直しの要件を満たすものではありません。 - 定期レビュー:決算期に合わせた棚卸し、契約期限の一覧チェック、未確認事項の残件確認
図解5 契約のライフサイクルと台帳の更新
このライフサイクルはASBJが定めたものではなく、本シリーズが想定する実務上の流れです。STEP 9で履歴をアーカイブするのは、過去の判断経緯を必要な期間、後から確認できるようにするためです。本記事が提案しているのは、現在値への上書きによって履歴が消えることを避けるという運用であり、無期限の保存義務を示すものではありません。保存期間は自社の文書管理規程と経理部の方針に従ってください。
第16章 誰がどの情報を更新するか
自社の体制に応じて検討すべき事項以下は、ASBJが部署別に定めたものではなく、本シリーズが想定する標準的な社内実務です。実際の分担は自社の社内分掌に従ってください。
表9 情報の主担当と更新タイミング
| 情報 | 主担当例 | 情報提供部門 | 経理確認 | 更新タイミング |
|---|---|---|---|---|
| 契約マスター(当事者・期間・条項) | 法務・契約管理 | 事業部 | — | 締結時、変更時 |
| 更新・解約・オプション条項 | 法務・契約管理 | 総務 | — | 締結時、変更時 |
| 変更覚書・更新契約の履歴 | 法務・契約管理 | 事業部 | 要 | 締結の都度 |
| 不動産の面積・区画・内装 | 総務・施設管理 | 事業部 | 要 | 契約時、工事時 |
| 原状回復・移転に関する情報 | 総務・施設管理 | — | 要 | 契約時、退去検討時 |
| 見積書・単体価格・料金資料 | 購買 | 法務 | 要 | 調達時、改定時 |
| 発注・数量の増減 | 購買 | 事業部 | 要 | 発注の都度 |
| 資産の使用実態 | 事業部 | IT・施設管理 | 要 | 調査時、運用変更時 |
| 事業上の決定(統廃合・撤退等) | 経営企画・事業部 | — | 要 | 決定の都度 |
| リース識別の判定結果 | 経理部 | 法務・事業部 | — | 判定時、再確認時 |
| 借手のリース期間・リース料 | 経理部 | 法務・総務 | — | 判定時、見直し時 |
| リース/非リース部分の区分 | 経理部 | 法務・購買 | — | 判定時、変更時 |
| 証拠資料の保存・紐付け | 事務局(法務等) | 各部門 | — | 資料入手の都度 |
| ステータス・次回確認トリガー | 事務局(法務等) | — | — | 状況変化の都度 |
第17章 ステータスで進捗と結論を分けて持つ
調査の進捗と会計上の結論は、別の情報です。同じ欄で管理すると、「調査中」と「リースに該当しない」の区別がつかなくなります。
ステータスの例を挙げます。
- 調査の進捗:未調査/一次調査中/追加資料待ち/事業部照会中/経理確認待ち/判断保留/変更確認中/再確認要
- 経理判定結果:リースを含む/リースを含まない/保留
- 契約の状態:有効/変更中/終了
「リース該当/非該当」は経理判定結果として管理してください。これを法務部のステータスとして持つと、法務部が判定したように読まれます。欄名は「経理判定結果」とし、判定日と判定担当部門をセットで記録します。
また、「リースを含まない」と判定された契約についても、判定結果・判定日・判断根拠を残してください。なぜ含まないと判断したのかを後から説明できる必要があるためです。自社の文書保存方針や会計上必要な管理期間等に従い、必要な期間は履歴を保持し、運用中の一覧から外す場合もアーカイブ等で参照できる状態にしておくことをおすすめします。
第18章 Excelで始めるか、システム化するか
結論から言えば、初期段階はExcelで始めて問題ありません。重要なのはツールではなく、情報を構造化して持つという設計です。
Excelで十分に機能する場面としては、契約件数が限られている、管理担当者が少数、変更の頻度が低い、初回の棚卸し段階である、といったケースが挙げられます。
一方、件数が増えると次の点が難しくなります。1つの契約に複数の資産、複数の構成部分、複数の料金、複数の変更、複数の資料が紐付くため、シート間の参照が複雑になります。誰がいつ更新したかの履歴も、Excelでは追いにくくなります。同時編集による上書きのリスクもあります。
将来的には、契約管理システム、共有データベース、ワークフロー、経理システムとの連携を検討することになります。ただし、どのツールを使うにせよ、第4章で見た情報構造が先です。構造が決まっていないままシステムを導入しても、結局1契約1行の台帳が電子化されるだけになります。表計算ソフトでの管理の限界については契約管理とは何か|なぜExcel管理では限界なのかを実務視点で解説もご参照ください。
第19章 台帳運用で起こりやすい失敗
表10 よくある失敗と対応
| よくある失敗 | なぜ問題か | 対応 |
|---|---|---|
| 契約終了日を借手のリース期間として保存する | 両者は一致するとは限らない | 別項目として持つ |
| 1契約1行にすべてを押し込む | 複数資産・複数変更を管理できない | 契約IDで紐付ける構造にする |
| 判定結果だけを残す | 数年後に判断の経緯が分からなくなる | 判断日・担当・根拠・資料をセットで残す |
| 判断根拠を記録しない | 同上 | 判断に用いた事実を文章で残す |
| 変更時に元データを上書きする | 変更前の条件が失われる | 履歴として追加する |
| 変更前の条件を削除する | 差分を説明できなくなる | 変更前後の両方を保持する |
| 覚書1通を変更1件として記録する | 1つの変更に複数の要素があり得る | 要素ごとに行を分ける |
| 原契約の変更契約だけを監視する | オプション行使、指数改定、社内決定を拾えない可能性がある | 契約条件の変更を伴わない事象のイベント履歴を別に持つ |
| オプション行使を記録しない | 解約不能期間の変更につながり得る | 行使日と根拠条項を記録する |
| 指数による料金改定を記録しない | リース料の見直しにつながり得る | 改定の内容と時期を記録する |
| 共益費を賃料に合算する | 区分の検討ができなくなる | 名称ごとに分けて記録する |
| 敷金を賃料に合算する | 敷金には固有の会計上の定めがある | 別項目として記録する |
| 未確認事項を空欄のままにする | 調査済みなのか未確認なのか区別できない | 「未確認」と明示的に記録する |
| 法務部が経理判定結果を書き換える | 誰の判断か分からなくなる | 判定欄の更新権限を分ける |
| 資料の保存先を記録しない | 後から根拠資料を探せない | URLまたはパスを記録する |
| 最終更新日・更新者が分からない | 情報の鮮度と責任が不明になる | 更新のたびに記録する |
| 原契約と覚書の関係が分からない | どの契約の変更か追えなくなる | 原契約IDで関連づける |
| 終了した契約について、必要な履歴まで消去する | 過去の判断経緯が確認できなくなる | 自社の保存方針に従い、必要な期間は履歴をアーカイブして参照可能にする |
第20章 新リース対応の契約台帳|項目一覧
LegalGPTとしての推奨これまでの内容を1つの表にまとめます。ASBJが定めた様式ではなく、本シリーズが提案する実務上のたたき台です。自社の契約件数、体制、システム構成に合わせて取捨選択してください。
表11 新リース会計基準対応の契約台帳項目一覧
| 分類 | 項目名 | 何を記録するか | 主な情報源 | 主担当例 | 更新トリガー |
|---|---|---|---|---|---|
| A 基本 | 契約ID | 一意の識別番号 | 社内採番 | 事務局 | 登録時 |
| A 基本 | 契約名/契約類型/相手方 | 表題、類型、当事者 | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| A 基本 | 自社の立場(借手/貸手) | いずれに該当するか | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| A 基本 | 主管部署/利用部門/担当者 | 管理・使用・照会先 | 社内情報 | 法務 | 異動時 |
| A 基本 | 契約締結日 | 署名・押印した日 | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| A 基本 | 契約上の開始日 | 契約上の効力発生日 | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| A 基本 | 原資産が使用可能となった日 | 引渡日、利用可能日等 | 引渡確認書、現場確認 | 法務・事業部・総務 | 引渡時 |
| A 基本 | 実際の使用開始日 | 実際に使用を開始した日 | 現場確認、事業部 | 事業部 | 使用開始時 |
| A 基本 | リース開始日(経理確認) | 会計基準第18項に基づく日付 | 経理部の確認 | 経理部 | 判定時 |
| A 基本 | 契約終了日 | 契約書上の終期 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| A 基本 | 原契約ID/関連契約ID | 親子関係、関連契約 | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| A 基本 | 契約ステータス | 有効/変更中/終了 | 社内管理 | 事務局 | 状態変化時 |
| B 資産 | 資産ID/構成部分ID | 識別番号 | 社内採番 | 事務局 | 登録時 |
| B 資産 | 資産名称/種類/数量/面積 | 対象資産の概要 | 契約書、別紙 | 法務・総務 | 締結時、増減時 |
| B 資産 | 所在地/区画/設置場所 | 物理的な所在 | 契約書、図面 | 総務・IT | 締結時、移設時 |
| B 資産 | 型式/製造番号/車両番号 | 個体の特定情報 | 仕様書、機器一覧 | 事業部・IT | 締結時、入替時 |
| B 資産 | 契約上の特定方法 | 明記/別紙/記載なし | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| B 資産 | 供給者の代替権に関する条項 | 入替え条件、承諾の要否 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| B 資産 | 関連する役務の内容 | 保守・清掃・運転等 | 仕様書、SLA | 法務・事業部 | 締結時、変更時 |
| C 識別 | 判定ID/判定日 | 識別番号と判定日 | 経理部の記録 | 経理部 | 判定時 |
| C 識別 | 特定された資産に関する事実 | 契約記載と実態 | 契約書、現場確認 | 法務が提供 | 調査時 |
| C 識別 | 経済的利益・使用指図権に関する事実 | 産出物の帰属、決定権 | 契約書、ヒアリング | 法務・事業部が提供 | 調査時 |
| C 識別 | 経理判定結果/判定担当部門 | リースを含む/含まない/保留 | 経理部の判断 | 経理部 | 判定時、再確認時 |
| C 識別 | 判断根拠/証拠資料URL | 根拠の要点と資料の所在 | 経理部、事務局 | 経理部・事務局 | 判定時 |
| D 期間 | 契約期間(始期・終期) | 契約上の期間 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| D 期間 | 中途解約の可否/解約権者 | 借手のみ/貸手のみ/双方 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| D 期間 | 解約可能日/通知期限/違約金 | 解約の条件 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| D 期間 | 延長オプション/対象期間/行使条件 | 条項の内容 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| D 期間 | 更新料/更新後の料金条件 | 更新時の負担 | 契約書 | 法務 | 締結時、更新時 |
| D 期間 | 過去の更新履歴と背景 | 回数、時期、経緯 | 更新契約、稟議 | 法務・総務 | 更新の都度 |
| D 期間 | 賃借設備の改良に関する事実 | 投資額、移設可否、除去費用 | 工事契約、固定資産台帳 | 総務・経理 | 工事時 |
| D 期間 | 解約関連コスト/原資産の重要性に関する事実 | 原状回復、代替可能性等 | 契約書、社内資料 | 総務・事業部 | 調査時、変化時 |
| D 期間 | 解約不能期間/借手のリース期間 | 経理部が整理・決定した期間 | 経理部の判断 | 経理部 | 判定時、見直し時 |
| D 期間 | 期間の判断日/根拠/担当部門 | いつ、何を根拠に、誰が | 経理部の記録 | 経理部 | 判定時 |
| E 料金 | 基本料金/支払頻度/支払日 | 契約上の金額と条件 | 契約書 | 法務 | 締結時、改定時 |
| E 料金 | 料金スケジュール/フリーレント | 期間ごとの金額、無償期間 | 契約書、賃料表 | 法務 | 締結時、変更時 |
| E 料金 | 指数・レート連動/改定基準日/算定式 | 連動条項の内容 | 契約書 | 法務 | 締結時、改定時 |
| E 料金 | 市場賃料の協議見直し条項 | 条項の有無と内容 | 契約書 | 法務 | 締結時 |
| E 料金 | 売上歩合/使用量連動/最低保証 | 算定式と条件 | 契約書、料金表 | 法務・事業部 | 締結時、変更時 |
| E 料金 | 残価保証/購入オプション/解約違約金 | 金額と条件 | 契約書 | 法務 | 締結時、変更時 |
| E 料金 | 共益費/管理費/保守費等 | 名称、金額、内訳 | 契約書、内訳明細 | 法務・総務 | 締結時、改定時 |
| E 料金 | 敷金/保証金/建設協力金/礼金等 | 金額と返還条件 | 契約書、精算書 | 法務・経理 | 締結時、精算時 |
| F 区分 | 単体提供の可否/独立価格に関する資料 | 価格根拠の有無 | 料金表、見積書 | 購買・法務 | 調査時、改定時 |
| F 区分 | 経理による区分結果/第29項の選択 | リース部分・非リース部分、選択の適用 | 経理部の判断 | 経理部 | 判定時、変更時 |
| G 変更 | 変更ID/変更覚書ID | 識別番号 | 社内採番 | 事務局 | 変更時 |
| G 変更 | 変更内容(要素ごと) | 範囲拡大/縮小/期間/対価 | 変更覚書 | 法務 | 変更時 |
| G 変更 | 変更合意日(ASBJ上の変更発効日) | 両当事者が合意した日 | 変更覚書 | 法務 | 変更時 |
| G 変更 | 新条件の適用開始日/資産の使用開始日・返却日 | 実務上の日付 | 変更覚書、現場確認 | 法務・事業部 | 変更時 |
| G 変更 | 変更前の条件/変更後の条件 | 両方を保持 | 原契約、変更覚書 | 法務 | 変更時 |
| G 変更 | イベント履歴(契約書を伴わない事象) | オプション行使、社内決定、指数改定 | 通知書、稟議、決裁 | 法務・各部門 | 発生の都度 |
| H 判断 | 経理への提出日/経理確認日 | 連携の記録 | 社内記録 | 事務局 | 提出・確認時 |
| H 判断 | 経理判断結果/判断日/担当部門 | 会計上の結論と経緯 | 経理部の記録 | 経理部 | 判定時 |
| I 資料 | 資料ID/種別/保存場所URL/バージョン | 資料の所在と版 | 社内保存 | 事務局 | 入手の都度 |
| I 資料 | 関連する判断ID | どの判断の根拠か | 社内記録 | 事務局 | 紐付け時 |
| J 管理 | 調査ステータス/未確認事項 | 進捗と残件 | 社内管理 | 事務局 | 状況変化時 |
| J 管理 | 次回確認トリガー/定期レビュー日 | 再確認の契機 | 社内管理 | 事務局 | 設定・変更時 |
| J 管理 | 最終更新日/最終更新者 | 情報の鮮度と責任 | 社内管理 | 各更新者 | 更新の都度 |
この一覧に含めていない項目があります。割引率、現在価値、使用権資産の残高、リース負債の残高、減価償却費、仕訳といった測定・計上に関する情報です。これらは経理システム等で管理されることが一般的であり、法務部が管理する契約台帳の必須項目とは位置づけていません。自社のシステム構成に応じて、どこで管理し、どう連携するかを経理部と決めてください。
第21章 法務部向けチェックリスト
まとめ
新リース会計基準が特定の契約台帳の作成を求めているわけではありません。それでも情報を構造化して持つ意味があるのは、リースの識別、リース期間、リース料、契約変更といった論点について、契約期間中に生じる見直しへ対応できる状態にしておく必要があるからです。
設計の要点は3つです。第一に、契約上の事実と会計判断結果を分けて持つこと。契約期間と借手のリース期間は別項目にします。第二に、1契約1行で完結させないこと。1つの契約に複数の資産、構成部分、料金、変更が紐付きます。第三に、結論だけでなく判断日・根拠・証拠資料を残すこと。数年後に「なぜこの結論なのか」を説明できる状態にしておきます。
そして見落とされやすいのが、原契約の契約条件の変更を伴わない事象です。オプションの行使、購入オプションの判定変更、残価保証の支払見込額の変動、指数による料金改定、そして第41項の要件を満たす重要な事象・状況——これらは原契約の変更契約だけを監視する運用では拾えない可能性があります。別経路で台帳へ届く仕組みが必要です。
法務部が担うのは契約・事実・変更履歴の管理であり、会計判断は経理部が行います。この線引きを台帳の欄名の段階で明確にしておくと、運用が安定します。次は、こうした情報を新規契約の締結時点でどう取得するかという段階に進みます。
よくある質問(FAQ)
新リース会計基準では契約台帳の作成が義務ですか
企業会計基準第34号および企業会計基準適用指針第33号は、契約台帳の作成を直接求めておらず、その様式・項目・主管部署についても定めていません。したがって「台帳を作らなければ会計基準に反する」という関係にはありません。ただし、リースの識別、借手のリース期間、借手のリース料について、契約変更やオプション行使等に応じた見直しへ対応できるよう、関連情報を継続的に確認できる状態にしておくことが実務上有用であるため、情報を構造化して保持する仕組みが役立ちます。本記事で示す項目は、そのための実務上の提案です。
今使っている契約台帳に何を追加すればよいですか
従来型の台帳が「契約名・相手方・締結日・終了日・自動更新」程度である場合、まず追加を検討したいのは、対象となる原資産の情報、解約不能期間と借手のリース期間を分けて持つ欄、延長・解約オプションの内容、料金を種類別に分けた欄、契約変更の履歴、契約書を伴わないイベントの履歴、判断日と判断根拠、証拠資料の保存先です。すべてを一度に整えるのではなく、まず入口用の一覧から始めて段階的に拡張する進め方が現実的です。
契約期間と借手のリース期間は同じ欄でよいですか
別の欄にしてください。契約書に定められた契約期間と、会計上の借手のリース期間は一致するとは限らないためです。借手のリース期間は、解約不能期間に、行使することが合理的に確実である延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である解約オプションの対象期間を加えて決定されます。前者は契約書を読めば確認できる事実であるのに対し、後者は評価を含む会計上の判断です。同じ欄に入れると、どちらの情報なのかが後から区別できなくなります。
1契約1行のExcelではだめですか
初回の棚卸し段階や契約件数が少ない場合には、1行の一覧から始めても構いません。ただし本格的な運用では限界があります。1つの契約に複数の資産、複数の構成部分、複数の料金項目、複数の変更履歴、複数の証拠資料が紐付くためです。たとえば3フロアを借りていて途中で1フロアを返却し、後に別のフロアを追加した場合、1行では当初の状態も変更の経緯も残せません。契約IDを軸に、資産・期間・料金・変更・資料を別の表として持つ構造をおすすめします。
リースを含まないと判断された契約も記録しますか
記録しておくことをおすすめします。なぜリースを含まないと判断したのか、その根拠と判断日を後から説明できる必要があるためです。また、契約条件が変更された場合には、リースを含むか否かの判断を見直すことがあり得ます。判定結果が「リースを含まない」であっても、判定日・判定担当部門・判断根拠・証拠資料をセットで記録し、少なくとも自社の保存方針上必要な期間、これらを参照できる状態にしておくことは実務上有用です。なお、会計基準・適用指針は資料の保存期間を定めていないため、具体的な期間は自社の文書管理規程と経理部の方針に従ってください。
変更契約では原契約の内容を上書きしてよいですか
上書きしないでください。原契約の期間・料金・資産の情報を書き換えると、変更前の条件が失われ、何がどう変わったのかを説明できなくなります。変更は履歴として追加し、変更前の条件と変更後の条件を両方保持してください。また、1通の変更覚書に複数の変更要素が含まれることがあるため、覚書1通を1行として記録するのではなく、要素ごとに分けて記録することをおすすめします。
契約書が変更されていない場合も台帳を更新しますか
更新が必要になる場合があります。会計基準は、リースの契約条件の変更が生じていない場合であっても、借手のリース期間に変更がある場合や、リース期間に変更がなく借手のリース料に変更がある場合には、リース負債の計上額の見直しを行うとしているためです。具体的には、延長オプションの行使等による解約不能期間の変更、購入オプションの行使についての判定の変更、残価保証に基づく支払見込額の変動、指数またはレートに応じて決まる借手の変動リース料の変動(後の3つは適用指針第47項が挙げる状況です)、および第41項の要件を満たす重要な事象・状況が挙げられます。ただし、大規模改装や拠点統廃合といった事象が生じたことだけで直ちに見直しが必要になるわけではありません。第41項による見直しは、その事象・状況が借手の統制下にあり、かつ延長オプションを行使することまたは解約オプションを行使しないことが合理的に確実かどうかの借手の決定に影響を与える場合に行われるためです。なお、これらの場面でも通知書や稟議書、サブリース契約などの文書が作成されることはありますが、区別の軸は文書の有無ではなく、原契約の契約条件の変更に当たるかどうかです。原契約の変更契約だけを監視する運用では拾えない可能性があるため、経理部へ確認するためのアラートとしてイベント履歴を持つことをおすすめします。
判断根拠としてどのような資料を残しますか
判断の内容によって異なりますが、契約書・別紙・覚書といった契約関係の資料、料金表・見積書・請求書といった金額に関する資料、資産一覧・図面・仕様書といった対象資産に関する資料、更新通知やオプション行使通知、工事請負契約や設備投資の稟議といった社内資料、事業部へのヒアリング記録などが考えられます。重要なのは、資料を契約IDと判断IDの両方に紐付け、保存場所とバージョンが分かる状態にしておくことです。なお、保存期間については会計基準に定めがないため、自社の文書管理規程と経理部の方針に従ってください。
法務部がリース該当・非該当を決めますか
本シリーズでは、リースを含むか否かの判定、借手のリース期間の決定、借手のリース料に含める範囲、リース部分と非リース部分の区分は経理部が担うものと位置づけています。法務部が担うのは、契約上の権利義務と事実を整理して提供することです。台帳の欄名も、会計判断の結果を記録する欄は「経理判定結果」とし、判定日と判定担当部門をセットで記録することをおすすめします。「法務判定」という欄名にすると、誰の判断であるかが記録上あいまいになります。
Excelと契約管理システムのどちらがよいですか
初期段階はExcelで始めても問題ありません。重要なのはツールの種類ではなく、情報を構造化して持つという設計です。ただし、契約件数が増えると、1つの契約に複数の資産・構成部分・料金・変更・資料が紐付く構造をExcelで維持するのは難しくなります。更新履歴の追跡や同時編集の管理も課題になります。将来的にシステム化を検討する場合でも、先に情報構造を決めておかないと、1契約1行の台帳が電子化されるだけになりかねません。
主な参照資料
-
企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」
公表主体:企業会計基準委員会(ASBJ)/公表日:2024年9月13日(2025年4月23日修正)
公式ページ:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」全文(ASBJ 会計基準検索システム)
本文で参照した主な項番号:第18項、第25項、第26項、第27項、第28項、第29項、第31項、第35項、第39項、第40項、第41項、第42項 -
企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」
公表主体:企業会計基準委員会(ASBJ)/公表日:2024年9月13日(2025年4月23日・2025年10月16日修正)
公式ページ:企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」全文(ASBJ 会計基準検索システム)
本文で参照した主な項番号:第4項(10)、第5項から第8項、第16項、第17項、第33項から第35項、第44項から第49項 -
企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表
公表主体:企業会計基準委員会(ASBJ)/公表日:2024年9月13日
公式ページ:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表(ASBJ 公式サイト) -
企業会計基準適用指針 一覧(公表日・修正日の確認用)
公表主体:企業会計基準委員会(ASBJ)/最終確認日:2026年8月13日
公式ページ:企業会計基準適用指針 一覧(ASBJ 公式サイト)
本記事は2026年8月13日時点で公表されている資料に基づいています。本記事で示した契約台帳の項目・構造・運用方法は、企業会計基準委員会が定めたものではなく、新リース会計基準への対応を継続的に行うための実務上の提案です。会計基準上の判断および必要な記録の範囲については、経理部門および監査法人・公認会計士にご確認ください。
シリーズナビゲーション
- 前の記事:契約変更・更新時に再判定は必要?|リース条件変更の管理実務
- 次の記事:新規契約の審査をどう変える?|新リース会計基準対応の受付票・条項・確認事項
- シリーズ一覧:全15話を見る
次回予告
第13話では、集めた情報をどう保存し追跡するかを扱いました。第14話では、その手前——新規契約の審査時点で必要な情報をどう取得するかを扱います。契約審査の受付票に何を追加するか、契約条項をどう確認するか、そして事後の調査ではなく締結時に情報が揃う仕組みをどう作るかを整理します。
🔍 関連ガイドへ進む
この記事と関連度の高い実務ガイドをまとめています。次に読むならこちら。
この記事の確認観点を、実務の型に変える。
読んだ内容を、確認メモ・文例・AI指示文に落とせます。
