2026年10月までにやることリスト|カスハラ義務化対応の工程表と総まとめ
2026年施行・カスハラ義務化対応シリーズ
第10話・最終話 / 全10話
2026年10月までにやることリスト|カスハラ義務化対応の工程表と総まとめ
この記事でわかること
施行日までにそろえる15点、法的区分A〜D、7段階の逆算工程表、プロジェクト体制・RACI、完成基準、研修体系、模擬訓練、未完了管理、30日・90日レビュー、内部監査、総合チェックリスト97項目、FAQ40問、コピー用ひな形20種
本記事は「2026年施行・カスハラ義務化対応シリーズ」の第10話(全10話・最終話)です。施行日(2026年10月1日)まで、基準日(2026年7月15日)から残り約2か月半。本記事は第1〜9話の要約ではなく、企業が施行日までに実施すべき対応を「いつまでに・誰が・何を・どの順序で・どの文書と証拠を残して・どの状態になれば完了か」という実行管理の形に落とし込む最終回です。法令上の義務・努力義務・望ましい取組・自社判断の追加対応を区別しながら、工程表・RACI・チェックリスト・完成基準・監査・経営報告までを扱います。
2026年10月1日は「カスハラだけ」の施行日ではありません。同じ改正法(令和7年法律第63号)により、カスハラ防止措置(労働施策総合推進法)と求職者等セクハラ防止措置(改正男女雇用機会均等法)が同時に義務化され、企業規模を問わず全事業主が対象です(中小企業を含み、経過措置・猶予はありません)。東京都等のカスハラ条例(国法とは別制度)も別途確認が必要です。そして、方針を1枚作れば終わりではありません。相談窓口・現場・採用・法務・経営まで連動して初めて「措置を講じた」状態になります。
本記事の法令・制度基準日:2026年7月15日/施行日:2026年10月1日
指針・通達・行政資料は今後変更され得ます。実際の対応にあたっては厚生労働省および都道府県労働局の最新情報をご確認ください。
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1.最終話の位置づけ:第1〜9話を「実行計画」に変える
第1話(全体像)から第9話(求職者等セクハラ・条例)まで、対応の中身は出そろいました。残る課題は、それらを期限と担当と完了証拠のある実行計画にすることです。措置義務への対応は「文書を作成した」だけでは足りず、承認・周知・研修・運用確認まで到達して初めて機能します。本記事では、各タスクに「完了条件」と「完了証拠」を付け、施行日に間に合わない項目には「暫定措置」を用意する管理方法まで含めて整理します。
2.結論:施行日までに最低限そろえる15点
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| # | そろえるもの | 法的区分 | 完了の目安(完了条件の要点) | 関連話 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 経営責任者と事務局(推進体制) | C | 任命書・キックオフ議事録がある | 第1話 |
| 2 | 自社影響・顧客接点・求職者等接点の洗い出し | C | 影響調査票・ギャップ分析が完成 | 第1・2話 |
| 3 | カスハラ対応基本方針(労働者を守る旨・カスハラを許容しない旨) | A | 経営承認+全労働者へ周知済み | 第4話 |
| 4 | 顧客等への対処内容・悪質行為者への対処方針 | A | 対処内容を定め労働者へ周知済み | 第3・8話 |
| 5 | 就業規則・社内規程の点検(必要な改定・周知) | A/C | 点検記録・改定版・周知記録がある | 第5話 |
| 6 | 相談窓口(担当者・受付方法・受付後フロー) | A | 完成基準19項目を満たす | 第6話 |
| 7 | 現場からの即時報告ルート(上司・本部・緊急連絡) | A/C | 連絡網テスト済み・現場が知っている | 第7話 |
| 8 | 現場対応マニュアル(初動・交代・記録・引継ぎ) | C | 完成基準23項目を満たす | 第7話 |
| 9 | 悪質事案への対処方針と実行体制(法務・警察・弁護士連携) | A | 方針文書・権限表・周知記録がある | 第8話 |
| 10 | 被害者保護の手順(担当交代・接触停止・産業保健・意向確認) | A | 手順書があり管理職が説明できる | 第3・7話 |
| 11 | 記録・証拠保全の様式と個人情報管理 | C/D | 受付票・記録票・保存ルールがある | 第7・8話 |
| 12 | 派遣労働者・1名店舗・外勤・夜間業務への対応 | A/C | 派遣元連絡済み・特殊拠点手順がある | 第7話 |
| 13 | 求職者等セクハラ対策(方針・面談ルール・社外から使える窓口・採否分離) | A | 求職者等へ窓口を案内できている | 第9話 |
| 14 | 研修・周知(管理職・現場・相談担当・採用担当・全労働者) | A/C | 受講記録・周知記録がある | 本話 |
| 15 | 施行後の点検計画(30日・90日レビュー・内部監査・経営報告) | C | レビュー日と責任者が決まっている | 本話 |
施行日(2026年10月1日)に最低限機能しているべき状態
細部の高度化が残っていても、施行日時点で少なくとも次が「動く状態」である必要があると整理してください。
- カスハラを許容しない方針と、行為者への厳正対処方針が明確になっている
- 方針が労働者へ周知されている(管理監督者を含む)
- 相談窓口が定められ、担当者が対応できる
- 相談後の事実確認・被害者保護・行為者対応のフローがある
- プライバシー保護と不利益取扱い禁止が定められ、周知されている
- 現場から管理職等へ即時に報告できる
- 顧客等への対処内容(担当交代・複数名対応・対応の終了等)が定められている
- 悪質事案への対処方針と実行体制がある
- 派遣労働者も必要な措置を利用できる
- 求職者等セクハラ防止方針・面談ルールがあり、求職者等が利用できる相談窓口が案内されている
- 採否判断と相談対応を分離できる
- 必要な担当者へ研修・周知が行われている
3.本記事の「法的区分」4分類(A〜D)
本記事のすべての表・チェックリストでは、各項目を次の4区分で表示します。AとB以下を混同しないことが、優先順位づけと社内説明の土台になります。
| 区分 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| A | 法律・指針上、講ずべき措置(措置義務の具体化) | 方針の明確化・周知、相談窓口、事実確認、被害者配慮、再発防止、プライバシー保護、不利益取扱い禁止、悪質事案への対処方針・体制、求職活動等ルール、求職者等が利用できる窓口 |
| B | 法律上の努力義務・指針上の望ましい取組(実施が望まれるがAと同じ義務と断定しない) | BtoBでの事実確認協力(法33条3項)、顧客等への方針の社外周知、役員・外部関係者による言動への対応、学校・教育機関との連携 |
| C | 義務履行を実効化するための推奨実務(方法まで法令で一律に定められてはいないが実務上有効) | 現場対応マニュアル、権限表、研修・模擬訓練、記録様式、進捗管理、内部監査、30日・90日レビュー、経営報告 |
| D | 業種・事業・リスクに応じた個別対応(契約・約款・業法・施設・条例等により判断) | 出入禁止・取引停止等の個別措置の設計、録音・防犯カメラ運用、業法(医療・宿泊・交通等)の確認、自治体条例への対応 |
4.法令上の義務・努力義務・推奨実務の一覧表
2つの義務を横断した対応項目の一覧です。「カスハラ」「求職者等セクハラ」欄の○は当該制度で必要となる対応、—は当該制度の直接の対象でないことを示します。
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| 対応項目 | カスハラ | 求職者等セクハラ | 法的区分 | 根拠 | 完了条件(要点) | 関連話 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 方針の明確化・労働者への周知啓発 | ○ | ○ | A | 労働施策総合推進法33条・指針(告示51号)/改正均等法13条・指針(告示52号) | 方針文書+経営承認+周知記録(メール・イントラ・研修) | 第3・4・9話 |
| 行為者(自社労働者)への厳正対処方針・対処内容の規定 | — | ○ | A | 指針(告示52号):就業規則等への規定 | 就業規則・服務規律・懲戒規定との整合確認済み | 第5・9話 |
| 相談窓口の設置と労働者への周知 | ○ | ○ | A | 各指針:窓口をあらかじめ定め周知 | 担当者任命+受付方法+周知記録+完成基準充足 | 第6・9話 |
| 事実確認(相談者・行為者双方、不一致時は第三者) | ○ | ○ | A | 各指針:事後の迅速かつ適切な対応 | 手順書・記録様式・担当者研修済み | 第3・7・9話 |
| 被害者への配慮の措置 | ○ | ○ | A | 各指針:被害者配慮(配置・メンタル・不利益防止等) | 手順書があり、管理職が実行できる | 第3・7話 |
| 行為者(自社労働者)への措置 | — | ○ | A | 指針(告示52号):就業規則等に基づく措置 | 暫定措置・正式措置の手順がある | 第9話 |
| 再発防止措置(事実確認が困難でも実施) | ○ | ○ | A | 各指針 | 再周知・研修・改善の記録がある | 第3・9話 |
| プライバシー保護の措置と周知 | ○ | ○ | A | 各指針:併せて講ずべき措置 | 取扱いルール+周知記録 | 第3・9話 |
| 相談等を理由とする不利益取扱いの禁止の周知 | ○ | ○ | A | 労働施策総合推進法33条2項等/改正均等法13条2項等 | 規定・周知記録(採用場面含む) | 第3・9話 |
| 顧客等への対処内容・方法(担当交代・複数名対応・対応の終了等)の整備 | ○ | — | A | 指針(告示51号):現場対応を含む体制整備 | 対処内容が文書化され現場へ周知済み | 第3・7話 |
| 悪質事案への対処方針・周知・実行体制 | ○ | — | A | 指針(告示51号)4(4) | 方針+権限表+弁護士・警察相談ルート | 第8話 |
| 求職活動等ルール(面談時間・場所・体制・SNS等)の明確化と周知 | — | ○ | A | 指針(告示52号)4⑴ | ルール文書+労働者・求職者等への周知 | 第9話 |
| 求職者等が利用できる相談窓口(社外アクセス可)の周知 | — | ○ | A | 指針(告示52号)4⑵ | 採用サイト・案内文への掲載確認 | 第9話 |
| 他の事業主からの事実確認等への協力(BtoB) | ○ | — | B | 労働施策総合推進法33条3項(努力義務)・指針 | 協力要請への対応手順・窓口がある | 第8話 |
| 顧客等への方針の周知・社外表明 | ○ | — | B | 指針:望ましい取組 | 店頭掲示・サイト掲載等(実施した場合は記録) | 第4話 |
| 自治体カスハラ条例への対応(東京都等) | ○ | — | D | 各自治体条例(東京都:令和6年条例140号ほか) | 所在地条例の確認票+必要対応の実施 | 第9話 |
5.プロジェクト体制(19の役割)
自社の規模に応じて兼務・簡素化して構いませんが、「誰が最終責任者か」「誰が事務局か」だけは必ず決めてください。
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| 役割 | 主な担当 | 決裁事項 | 提出物 | 連携先 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経営責任者 | 全体方針・予算・最終決裁 | 基本方針・規程改定・未完了項目の暫定措置 | 承認記録(議事録・決裁書) | PJ責任者・法務 | 方針承認と施行前報告の受領 |
| プロジェクト責任者 | 工程管理・部門間調整 | 工程変更・優先順位 | 工程表・進捗報告 | 全部門 | 施行前最終確認会議の実施 |
| 法務 | 規程・悪質事案・契約約款・条例 | 法的措置の起案確認 | 規程案・権限表・条例確認票 | 弁護士・経営 | 法的レビュー完了記録 |
| 人事・労務 | 方針・就業規則・窓口・研修・記録 | 窓口担当任命の起案 | 方針・研修資料・受講記録 | 労働者代表・産業保健 | 周知・研修・届出(必要な場合)完了 |
| カスタマーサービス | 電話・メール・SNS対応の運用 | — | CS向け手順・記録票運用 | 現場・情シス | CS研修と模擬訓練完了 |
| 現場部門(店舗・営業所) | 初動・報告・記録の実装 | — | 拠点別の掲示・連絡網 | 本部・警備 | 拠点研修・連絡網テスト完了 |
| 採用 | 面談ルール・求職者等窓口の運用 | — | 採用サイト掲載・案内文 | 人事・広報 | 求職者等への案内開始 |
| 総務 | 掲示・設備・警備連携 | — | 掲示物・緊急連絡網 | 警備・拠点 | 掲示・連絡網の整備完了 |
| コンプライアンス | 内部通報との整理・規程整合 | — | 窓口整理表 | 人事・法務 | 窓口間の役割分担確定 |
| 情報システム | 相談フォーム・記録システム・権限 | — | フォーム・アクセス権設定書 | 個人情報責任者 | システム設定とテスト完了 |
| 個人情報保護責任者 | 録音・録画・記録の取扱い | 保存期間・共有範囲 | 取扱いルール | 法務・情シス | 取扱いルールの承認・周知 |
| 広報 | 社外表明・SNS炎上対応 | — | 社外表明文・SNS対応フロー | 法務・経営 | 公表物の承認・掲載 |
| 産業保健 | 被害者ケアの受け皿 | — | 相談導線の案内 | 人事 | 導線が窓口手順に組み込み済み |
| 警備 | 緊急時の駆けつけ・退去対応 | — | 警備連携手順 | 拠点・総務 | 連携手順の共有・訓練参加 |
| 内部監査 | 施行後の適合性点検 | — | 監査計画・報告書 | 経営 | 監査計画の承認 |
| 顧問弁護士 | 規程・悪質事案・個別措置の確認 | — | 意見書・レビュー記録 | 法務 | 主要文書のレビュー完了 |
| 社会保険労務士 | 就業規則・届出・労務手続 | — | 手続支援記録 | 人事 | 必要な手続の完了確認 |
| 派遣元 | 派遣労働者への周知・苦情処理連携 | — | 連絡文書・苦情処理ルート | 人事・現場 | 派遣元への通知と合意 |
| 外部相談窓口 | 受託範囲の相談受付 | — | 委託契約・受付フロー | 人事 | 契約締結と接続テスト |
■ カスハラ・求職者等セクハラ義務化対応 プロジェクト計画書 1. プロジェクト名: 2. 目的:2026年10月1日施行の措置義務への対応(カスハラ/求職者等セクハラ) 3. 根拠法令:労働施策総合推進法(令和7年法律第63号による改正)/ 改正男女雇用機会均等法/告示第51号・第52号/施行通達/解釈Q&A 4. 施行日:2026年10月1日 5. 対象会社: 6. 対象事業所:(本社/店舗/コールセンター/…) 7. 対象業務:(顧客対応/採用・実習受入れ/…) 8. 経営責任者: 9. プロジェクト責任者: 10. 事務局: 11. 関係部署:(法務/人事/CS/現場/採用/総務/情シス/広報/…) 12. 対応範囲:(カスハラ/求職者等セクハラ/条例/職場セクハラ点検) 13. 主要成果物:(方針/規程/窓口/マニュアル/研修/記録様式/…) 14. マイルストーン:(第1〜5段階・施行日・施行後レビューの期日) 15. 予算:(外部窓口/研修/システム/専門家費用) 16. 外部専門家:(弁護士/社労士/外部窓口) 17. リスク:(遅延/人員不足/高リスク拠点/…) 18. 進捗報告日:(隔週◯曜 等) 19. 施行後レビュー日:(30日後:2026年10月末/90日後:2026年12月末) 作成日: 作成者: 承認者(経営責任者):
- 目的:対応全体を1つのプロジェクトとして定義し、責任・範囲・期日を確定する。
- 使用時期:着手期(2026年7月中)の最初に作成。
- 主な作成者:事務局(人事・法務)。承認者:経営責任者。
- 避けるべき運用:責任者・期日を空欄のまま走り出すこと。
- 法的注意点:対応範囲に求職者等セクハラと条例を必ず含める(カスハラのみにしない)。
- 完了証拠として残すもの:承認済み計画書・キックオフ議事録。
■ 任命書 20◯◯年◯月◯日 ◯◯部 ◯◯ 殿 株式会社◯◯ 代表取締役 ◯◯ カスタマーハラスメント対策および求職者等に対するセクシュアル ハラスメント対策(2026年10月1日施行)への対応につき、貴殿を 下記のとおり任命する。 1. 役割:対応プロジェクト責任者(/事務局) 2. 任務:工程管理、部門間調整、経営への進捗報告、 施行前最終確認会議の主宰、施行後レビューの実施 3. 権限:関係部署への資料提出・作業依頼、進捗報告の徴求 4. 任期:20◯◯年◯月◯日から施行後90日レビュー完了まで 5. 報告先:経営責任者(◯◯) 以上
- 目的:責任者・事務局の役割と権限を明文化し、推進力を担保する。
- 使用時期:着手期(計画書と同時)。承認者:代表者・経営責任者。
- 避けるべき運用:任命だけして権限(資料徴求等)を与えないこと。
- 完了証拠として残すもの:任命書の写し・本人の受領記録。
6.RACI表(主要12タスク)
R=実行、A=最終責任、C=相談、I=報告先。1タスクにつきAは1つに絞ります。
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| タスク | 経営 | PJ責任者 | 法務 | 人事 | 現場/CS | 採用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 基本方針の策定 | A | C | C | R | I | I |
| 就業規則・規程の点検改定 | A | I | C | R | I | I |
| 相談窓口の設計 | I | A | C | R | C | C |
| 現場対応マニュアル | I | A | C | C | R | I |
| 悪質事案への対処方針・体制 | A | C | R | C | C | I |
| 被害者保護手順 | I | C | C | A/R | C | I |
| 記録・個人情報管理 | I | C | A | R | C | C |
| 派遣・特殊拠点対応 | I | A | C | R | R | I |
| 求職者等セクハラ対策 | A | C | C | R | I | R |
| 研修・周知 | I | A | C | R | R | R |
| 条例対応 | I | C | A/R | C | I | I |
| 施行後レビュー・内部監査 | A | R | C | C | I | I |
7.施行日から逆算する工程表(7段階)
基準日(2026年7月15日)から施行日(10月1日)までの標準モデルです。期間は目安であり、拠点数・既存整備状況により前倒しが必要です。「この日程なら必ず間に合う」保証ではありません。遅れている企業は、法的区分Aを最優先し、Cは施行後の継続改善に回す判断も検討します。
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| 段階 | 時期の目安 | 主な作業 | 主担当 | 成果物 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1段階:着手・体制 | 7月中旬〜下旬 | プロジェクト計画・任命・影響調査の開始 | 経営・事務局 | 計画書・任命書・影響調査票 | 責任者と事務局が確定し調査に着手 |
| 第2段階:現状把握・ギャップ分析 | 7月下旬〜8月上旬 | 顧客接点・対象労働者・求職者等接点・既存規程の棚卸し | 事務局・各部門 | 影響調査票・ギャップ分析表 | 不足項目が一覧化された |
| 第3段階:方針・規程の整備 | 8月上旬〜中旬 | 基本方針・対処内容・悪質事案方針・規程点検・求職者等セクハラ方針 | 人事・法務 | 方針・規程案・面談ルール | 経営承認を得た |
| 第4段階:体制・文書の整備 | 8月中旬〜9月上旬 | 相談窓口・現場マニュアル・記録様式・権限表・採用窓口・条例確認 | 各部門 | 窓口・マニュアル・様式一式 | 完成基準を満たす |
| 第5段階:周知・研修 | 9月上旬〜中旬 | 全労働者周知・階層別研修・求職者等への案内開始 | 人事・現場・採用 | 研修資料・受講記録・周知記録 | 対象者へ届いた |
| 第6段階:模擬訓練・最終確認 | 9月中旬〜下旬 | 模擬訓練・連絡網テスト・最終確認会議・未完了項目の暫定措置決定 | 事務局・全部門 | 訓練記録・最終確認議事録 | 経営へ施行前報告済み |
| 第7段階:施行・施行後点検 | 10月1日〜 | 運用開始・30日/90日レビュー・内部監査 | 全社・内部監査 | 運用記録・レビュー報告・監査報告 | レビュー・監査を実施 |
■ 逆算工程表(施行日:2026年10月1日) 段階/完了目標日/担当/成果物/状態(未着手・進行中・完了・暫定)/備考 第1段階 体制 (〜 7/31)/事務局/計画書・任命書/ / 第2段階 現状把握 (〜 8/8 )/各部門/ギャップ分析/ / 第3段階 方針・規程 (〜 8/22)/人事法務/方針・規程/ / 第4段階 体制・文書 (〜 9/5 )/各部門/窓口・マニュアル/ / 第5段階 周知・研修 (〜 9/18)/人事現場採用/研修記録/ / 第6段階 訓練・確認 (〜 9/26)/事務局/訓練・最終確認/ / 第7段階 施行・点検 (10/1〜)/全社・監査/レビュー報告/ / ※遅延タスクは「暫定措置」欄に施行日時点の代替運用を記載。
- 目的:施行日から逆算した期日と状態を一元管理する。
- 使用時期:着手期に作成し、隔週で更新。
- 主な作成者:事務局。報告先:経営責任者。
- 避けるべき運用:期日だけ決めて「状態」「暫定措置」を空欄にすること。
- 法的注意点:遅延時は法的区分Aを優先。暫定措置でも施行日から義務は発生する。
- 完了証拠として残すもの:更新履歴付きの工程表。
8.自社影響調査(顧客接点・対象労働者・求職者等接点)
整備の前に、自社のどこに何のリスクがあるかを洗い出します。ここが曖昧なままだと、方針も窓口も現場に届きません。
■ 自社影響調査票 【1. 顧客等との接点(カスハラ)】 ・対面(店舗・受付・訪問):有/無 部署: ・電話・コールセンター:有/無 部署: ・メール・チャット・フォーム:有/無 部署: ・SNS・口コミ:有/無 運用部署: ・取引先(BtoB)との折衝:有/無 部署: ・施設利用者・近隣住民との接点:有/無 部署: 【2. 対象労働者】 ・正社員/パート・アルバイト/契約社員: ・派遣労働者:有/無 派遣元: ・1名店舗・少人数拠点:有/無 拠点: ・外勤・訪問・出張が多い職種:有/無: ・夜間・休日営業:有/無: 【3. 求職者等との接点(求職者等セクハラ)】 ・採用面接(対面/オンライン):有/無: ・説明会・インターン・実習受入れ:有/無: ・OB/OG訪問・リクルーター:有/無: ・SNS・個人連絡の利用:有/無: 【4. 過去のトラブル事案】件数・傾向・未解決: 【5. 所在自治体の条例】本社: 事業所: 条例名・施行日: 記入部署: 記入日: リスク高の接点:
- 目的:カスハラ・求職者等セクハラ・条例の3面から自社のリスク所在を特定する。
- 使用時期:現状把握期(第2段階)。主な記入者:各部門長。
- 避けるべき運用:本社のみで記入し現場・拠点を飛ばすこと。
- 法的注意点:接点が「無」でも全労働者への方針周知義務は残る。
- 完了証拠として残すもの:全部門ぶんの調査票と集計。
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| 必要な措置(区分) | 現状(有無・水準) | 不足 | 対応 | 担当 | 期限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 基本方針(A) | 例:職場セクハラ方針のみ有 | カスハラ・求職者等セクハラ未整備 | 方針を新設・改定 | 人事 | 8/22 |
| 相談窓口(A) | 例:社内窓口あり/社外導線なし | 求職者等が使えない | 社外アクセス経路を追加 | 人事・採用 | 9/5 |
| 現場即時報告(A/C) | 例:口頭のみ | 連絡網・様式なし | 連絡網・報告様式を整備 | 現場・本部 | 9/5 |
| 悪質事案対処(A) | 例:方針なし | 権限・連携先未定 | 方針・権限表を作成 | 法務 | 8/22 |
| 条例対応(D) | 例:未確認 | 所在地条例が不明 | 確認票で確認 | 法務 | 8/8 |
- 目的:影響調査の結果を「不足→対応→担当→期限」に変換する。
- 使用時期:現状把握期の終盤。報告先:PJ責任者。
- 避けるべき運用:不足の洗い出しだけで担当・期限を決めないこと。
- 完了証拠として残すもの:工程表に反映済みのギャップ分析表。
9.部署別ToDo一覧
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| 部署 | 主なToDo | 連携先 | 完了条件 |
|---|---|---|---|
| 経営 | 方針・規程・予算の承認、施行前報告の受領、経営としての表明 | PJ責任者・法務 | 承認記録と施行前報告がある |
| 人事・労務 | 方針・就業規則点検・窓口・被害者保護・研修・記録・派遣元連携 | 法務・産業保健・派遣元 | 15点のうち人事所管が完了 |
| 法務 | 規程改定・悪質事案方針・権限表・契約約款・条例・弁護士連携 | 経営・弁護士 | 法的レビュー完了記録がある |
| カスタマーサービス | 電話・メール・SNSの対応手順、記録票運用、エスカレーション | 現場・情シス | CS手順の運用開始・研修完了 |
| 現場部門 | 初動・報告・記録の実装、掲示、連絡網テスト、拠点研修 | 本部・警備 | 拠点研修・連絡網テスト完了 |
| 採用 | 面談ルール・求職者等窓口の案内・採否分離・面接官研修 | 人事・広報 | 求職者等への案内開始 |
| 総務 | 掲示物・緊急連絡網・警備連携 | 警備・拠点 | 掲示・連絡網の整備完了 |
| 情報システム | 相談フォーム・記録システム・アクセス権限設定 | 個人情報責任者 | 設定とテスト完了 |
| 広報 | 社外表明(実施する場合)・SNS炎上対応フロー | 法務・経営 | 公表物承認・対応フロー整備 |
| 内部監査 | 施行後監査の計画・実施・報告 | 経営 | 監査計画の承認・実施 |
10.文書体系(19文書の役割分担)
1つの文書にすべてを詰め込まず、役割で分けます。中小企業は統合・簡素化して構いませんが、方針・対処内容・窓口・記録は必ず用意します。
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| 文書 | 区分 | 目的 | 主対象 | 所管 |
|---|---|---|---|---|
| カスハラ対応基本方針 | A | 会社の立場の表明 | 全労働者(+任意で社外) | 人事・経営 |
| トップメッセージ | C | 経営の本気度の伝達 | 全労働者 | 経営・広報 |
| 顧客等への対処内容 | A | 発生時の行動基準 | 現場・管理職 | 人事・現場 |
| 悪質事案への対処方針 | A | 組織的対応の基準 | 本部・法務 | 法務 |
| 相談窓口規程 | A | 窓口の設置・運用 | 全労働者・派遣 | 人事 |
| 相談窓口周知文 | A | 窓口の周知 | 全労働者・派遣 | 人事・総務 |
| 相談受付票 | C | 相談の記録 | 窓口担当 | 人事 |
| 事実確認記録票 | C | 事実確認の記録 | 調査担当 | 人事・法務 |
| 現場対応マニュアル | C | 初動・交代・記録・引継ぎ | 現場・CS | 現場・人事 |
| エスカレーション基準・権限表 | C | 誰が何を決めるか | 管理職・本部・法務 | 法務・人事 |
| 被害者対応手順書 | A | 被害者配慮の手順 | 管理職・産業保健 | 人事・産業保健 |
| プライバシー保護・記録管理ルール | A/D | 情報の取扱い | 取扱担当 | 個人情報責任者・法務 |
| 不利益取扱い禁止の規定・周知文 | A | 相談者等の保護 | 全労働者・派遣 | 人事 |
| 就業規則・服務規律の改定版 | A/C | 労働契約上のルール | 全労働者 | 人事・社労士 |
| 求職者等セクハラ防止方針 | A | 求職者等の保護 | 労働者・求職者等 | 人事・採用 |
| 採用・面談ルール | A | 求職活動等ルール | 面接官・採用 | 採用・人事 |
| 求職者等向け相談窓口案内 | A | 社外からの相談導線 | 求職者等 | 採用・広報 |
| 研修資料・受講記録 | A/C | 周知・理解の担保 | 対象者別 | 人事 |
| 自治体条例確認票 | D | 条例対応の記録 | 法務 | 法務 |
11.相談窓口の完成基準(19項目)
第6話の詳細を、施行前チェック用の完成基準に凝縮しました。すべて満たして「機能する窓口」です。
- 設置方法(担当者/制度/外部委託)を決めた(A)
- 担当者と代替担当者を定めた(A)
- 担当者が研修を受けた(3要素・正当な申入れとの区別・二次被害防止)(A/C)
- 受付方法(電話・メール・フォーム・対面)を定めた(A)
- 受付時間と時間外・緊急時の連絡先を明示した(C)
- 連絡先を全労働者へ周知した(A)
- 現場からの即時報告ルートを別途確保した(A/C)
- 上司を経由しない経路(本社・外部窓口)を用意した(C)
- 受付後のフロー(記録→事実確認→被害者保護)を定めた(A)
- 発生のおそれ・微妙な場合・周囲からの相談も受ける旨を明記した(A)
- 被害者に一律の報告義務を課していない(A)
- 相談者への初回説明(不利益禁止・情報共有範囲・緊急時例外)を用意した(A/C)
- プライバシー保護ルールがある(A)
- 不利益取扱いをしない旨を周知した(A)
- 派遣労働者も利用でき、周知した(A)
- 求職者等が社外から利用でき、案内している(A)
- 採否担当者と相談情報を分離できる(A)
- 記録の保存場所・閲覧権限・保存期間を定めた(D)
- 外部委託の場合、緊急通知・報告条件・秘密保持を定めた(C/D)
12.現場対応マニュアルの完成基準(23項目)
第7話の詳細を完成基準に凝縮。現場が「その場で何をするか」を判断できる状態が目標です。
- 緊急性の判断基準(安全確保・110番を待たせない)がある
- 危険時にその場を離れてよいと明記している
- 管理監督者への即時報告手順がある
- 担当者交代・複数名対応の基準がある
- 一人で対応させない運用がある
- 対応時間・方法を制限する目安がある
- 十分な説明後の対応終了(退店要請・通話終了)の基準がある
- 対応終了時の定型文がある(対面・電話・メール)
- 本部・法務・警察・弁護士へのエスカレーション基準がある
- 権限表(誰が何を決めるか)と連動している
- 録音・録画の運用ルール(個人情報保護)がある
- 証拠保全の手順がある
- 対応記録票の様式がある
- 記録は事実と評価を分けて書くルールがある
- 被害者保護(直後・短期・中長期)につなぐ手順がある
- 相談窓口への引継ぎ手順がある
- 1名店舗の手順(退店要請・通報・本部連絡)がある
- 外勤・訪問・出張時の手順がある
- 夜間・休日の連絡先がある
- 派遣労働者への適用と派遣元連携がある
- 正当な申入れとの区別が明記されている
- 合理的配慮への留意が明記されている
- 現場が携行できる要約カードがある
13.研修体系(対象者別)
周知は「配って終わり」ではなく、対象者ごとに内容を変えて理解を確認します。施行通達も、部門別・経験年数・顧客対応頻度に応じた工夫を効果的としています。
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| 対象 | 重点内容 | 時間の目安 | 完了確認 |
|---|---|---|---|
| 経営・役員 | 制度の全体像、経営責任、求職者等セクハラで役員自身が対象になり得ること | 短時間 | 受講記録 |
| 管理監督者 | 初動判断、担当交代、被害者配慮、判断を現場に負わせない、報告受領 | 中 | 受講記録・理解度確認 |
| 現場・CS | 3要素、正当な申入れとの区別、報告・記録、対応終了、合理的配慮 | 中 | 受講記録・模擬訓練 |
| 相談窓口担当 | 受付・傾聴、二次被害防止、事実確認、初回説明、プライバシー | 長 | 受講記録・ロールプレイ |
| 採用担当・面接官・リクルーター | 求職者等セクハラの禁止事項、面談ルール、採否分離、SNS連絡制限 | 中 | 受講記録・禁止事項の確認 |
| 実習指導者 | 実習特有のリスク(更衣・身体接触・評価)、学校連携 | 中 | 受講記録 |
| 全労働者(顧客対応なし部署含む) | 方針、相談先、不利益取扱いを受けないこと | 短時間 | 周知記録 |
| 派遣労働者 | 相談窓口の利用方法、不利益取扱いを受けないこと | 短時間 | 周知記録(派遣元連携) |
14.模擬訓練(5シナリオ)
文書がそろっても、動かなければ意味がありません。施行前に、次のような模擬訓練で「実際に動くか」を確認します。
- 店頭で長時間の暴言・居座り/初動→管理職交代→退店要請→記録→窓口引継ぎが動くか
- 電話での執拗な要求・恫喝/通話終了基準→本部連絡→記録が動くか
- SNSに従業員の実名・顔写真が投稿/証拠保全→広報・法務集約→警察/削除相談が動くか
- 取引先担当者からの人格否定(BtoB)/被害者保護→事実確認→相手方への協力要請が動くか
- 採用面接官による性的質問の相談/社外窓口受付→採否分離→面接官の一時除外→事実確認が動くか
15.施行直前の最終確認会議
施行の1〜2週間前に、事務局主宰で最終確認会議を開き、経営へ施行前報告を行います。
■ 施行前最終確認会議 日時: 主宰:事務局 出席:経営・各部門長・法務・人事 1. 15点の到達状況(法的区分Aから確認) 2. 相談窓口の完成基準(19項目)充足確認 3. 現場対応マニュアルの完成基準(23項目)充足確認 4. 求職者等セクハラ対策・採用窓口の稼働確認 5. 周知・研修の到達率 6. 模擬訓練・連絡網テストの結果と是正 7. 未完了項目と施行日時点の暫定措置 8. 条例対応の確認(所在自治体) 9. 施行後レビュー日・内部監査日の確定 10. 経営としての最終承認 決定事項/宿題/次回:
- 目的:施行日に「機能する状態」に達したかを経営が確認・承認する。
- 使用時期:施行1〜2週間前。主宰:事務局。
- 避けるべき運用:未完了項目を隠すこと(暫定措置を明示する)。
- 完了証拠として残すもの:議事録・経営承認記録。
16.未完了項目・暫定措置の管理
施行日までにすべてが理想水準に達しない場合でも、義務(A)は施行日から発生します。未完了項目は放置せず、施行日時点の暫定運用を決めて記録します。
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| 未完了になりがちな項目 | 区分 | 施行日時点の暫定措置の例 | 恒久対応の期限 |
|---|---|---|---|
| 現場対応マニュアルの詳細版 | C | 要約カード+即時報告ルートで運用開始 | 施行後30日 |
| 記録システムの本稼働 | C/D | 共通様式(紙・表計算)で記録 | 施行後30日 |
| 全拠点研修 | A/C | 方針・窓口・初動の要点だけ先行周知 | 施行後30日 |
| 外部相談窓口の契約 | C | 社内担当+代替経路で暫定運用 | 施行後30日 |
| 就業規則の届出 | A/C | 方針・不利益取扱い禁止を先行周知 | 速やかに(労使手続後) |
| 条例に基づく手引 | D | 国法対応を先行、条例確認を並行 | 施行後速やかに |
17.施行後30日・90日レビュー
施行は到達点ではなく起点です。運用が形骸化していないかを、早期に点検します。
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| 時期 | 主な確認 | 指標の例 | 是正 |
|---|---|---|---|
| 30日レビュー(〜10月末) | 窓口が実際に使われたか、連絡網は機能したか、未完了項目の暫定措置は動いたか | 相談件数、初動所要時間、未完了項目の消化率 | 詰まった箇所の手順修正・再周知 |
| 90日レビュー(〜12月末) | 事実確認・被害者保護・再発防止まで一連で回ったか、記録が残っているか | 対応完了件数、再発件数、研修受講率、休職・離職の状況 | マニュアル・研修・様式の改訂 |
18.内部監査(22項目)
施行後、文書の有無だけでなく「実際に運用され、記録が残っているか」を点検します。
- 基本方針が経営承認を経て周知されている
- 方針が管理監督者を含む全労働者へ届いている
- 顧客対応のない部署にも周知されている
- 顧客等への対処内容が現場で参照できる
- 悪質事案への対処方針と権限表がある
- 相談窓口の担当者・代替担当者が実在し対応できる
- 相談窓口が全労働者・派遣労働者へ周知されている
- 現場からの即時報告ルートが機能している
- 相談受付票・事実確認記録票が運用されている
- 事実と評価を分けた記録になっている
- 被害者保護が本人の意向確認・記録つきで行われている
- 不利益取扱い禁止が周知され、違反がない
- プライバシー保護・記録管理ルールが守られている
- 記録の保存期間・閲覧権限が守られている
- 求職者等セクハラ方針・面談ルールが運用されている
- 求職者等が使える相談窓口が案内されている
- 採否判断と相談対応が分離されている
- 研修・周知の記録が保存されている
- 派遣・1名店舗・外勤・夜間の手順が機能している
- 条例確認票があり必要な対応が行われている
- 30日・90日レビューが実施され記録がある
- 是正事項がフォローされている
19.経営報告
■ カスハラ・求職者等セクハラ対応 経営報告書 報告日: 報告者: 対象期間: 1. 到達状況(15点/法的区分Aの充足): % 2. 未完了項目と暫定措置: 3. 相談・対応の実績(件数・傾向・所要時間): 4. 研修・周知の到達率: 5. 模擬訓練・連絡網テストの結果: 6. 条例対応の状況: 7. 主なリスク(高リスク拠点・人員・遅延): 8. 是正計画(担当・期限): 9. 次回レビュー日: 10. 経営への依頼事項(予算・人員・決裁):
- 目的:施行前後の状況を経営が把握し、リソース判断を行えるようにする。
- 使用時期:施行前報告・30日・90日レビュー時。
- 避けるべき運用:未完了・リスクを省いて「完了」とだけ報告すること。
- 完了証拠として残すもの:報告書と経営の受領・指示記録。
20.架空事例で学ぶ(すべて説明のための架空事例です)
事例1:方針は作ったが現場に届かず、施行後に相談ゼロ
事実関係(架空):基本方針をイントラに掲載したが、店舗スタッフは存在を知らず、施行後1か月の相談はゼロだった。
- 問題点:周知が「掲載」で止まり、現場へ届いていない(法的区分Aの周知が未達)。
- 30日レビューでの気づき:相談ゼロを「問題なし」と誤認しかけた。無作為ヒアリングで認知不足が判明。
- 是正:朝礼・携行カード・拠点研修で再周知、窓口連絡先を掲示。
- 教訓:周知は「届いた証拠」まで。相談ゼロは周知不足のサインでもある。
事例2:カスハラだけ対応し、求職者等セクハラと条例を失念
事実関係(架空):カスハラ規程は整えたが、求職者等セクハラ対策と所在地の条例確認を失念し、採用サイトに相談窓口の案内がなかった。
- 問題点:同時施行のもう一つの義務(求職者等セクハラ)と条例(D)の抜け。
- 是正:求職者等セクハラ方針・面談ルール・社外窓口案内を追加、条例確認票で所在地条例を確認。
- 教訓:2026年10月は「2つの義務+条例」。対応範囲をカスハラだけにしない。
事例3:文書は完璧だが訓練せず、緊急時に連絡網が動かなかった
事実関係(架空):マニュアルは詳細に整備したが模擬訓練を省略。実際の暴言事案で、担当者が誰に報告するか分からず対応が遅れた。
- 問題点:文書の完成と運用の実効性は別。連絡網テスト・訓練が未実施。
- 是正:5シナリオの模擬訓練と連絡網テストを実施、詰まった経路を修正。
- 教訓:施行前に必ず「動くか」を試す。訓練で詰まる箇所は本番でも詰まる。
21.総合チェックリスト(97項目)
シリーズ全体を統合した施行前・施行後の総合チェックリストです。区分列=法的区分(A〜D)。状態欄は「未対応/対応中/完了/対象外」で管理してください。まず区分Aを完了させるのが優先です。
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| # | 分類 | 項目 | 区分 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 体制・計画 | プロジェクト計画書を作成し経営承認を得た | C | |
| 2 | 対応責任者・事務局を任命した | C | ||
| 3 | 関係部署の役割を割り当てた | C | ||
| 4 | RACIで各タスクの最終責任者を1人に定めた | C | ||
| 5 | 逆算工程表を作成し隔週で更新している | C | ||
| 6 | 予算・外部専門家(弁護士・社労士・外部窓口)を確保した | C | ||
| 7 | 対応範囲にカスハラ・求職者等セクハラ・条例を含めた | A/D | ||
| 8 | 現状把握 | 顧客等との接点を洗い出した | C | |
| 9 | 対象労働者(派遣・1名店舗・外勤・夜間含む)を把握した | C | ||
| 10 | 求職者等との接点(面接・実習・OB訪問・SNS)を把握した | C | ||
| 11 | 過去のトラブル事案を収集した | C | ||
| 12 | 既存規程(就業規則・セクハラ規定等)を棚卸しした | C | ||
| 13 | ギャップ分析で不足・担当・期限を確定した | C | ||
| 14 | 所在自治体の条例を確認した | D | ||
| 15 | 基本方針(カスハラ) | カスハラを許容しない旨を明記した | A | |
| 16 | 労働者を保護する旨を明記した | A | ||
| 17 | 正当な申入れとの区別を明記した | A | ||
| 18 | 一人で抱え込ませない旨を明記した | A | ||
| 19 | 相談・報告を推奨する旨を明記した | A | ||
| 20 | 不利益取扱いをしない旨を明記した | A | ||
| 21 | 悪質事案に組織対応する旨を明記した | A | ||
| 22 | 企業側の問題は別途是正する旨を明記した | C | ||
| 23 | 経営承認を得た | A | ||
| 24 | 全労働者(管理監督者含む)へ周知した | A | ||
| 25 | トップメッセージを発信した | C | ||
| 26 | 対処内容・悪質事案 | 顧客等への対処内容(交代・複数名・終了等)を定めた | A | |
| 27 | 現場へ対処内容を周知した | A | ||
| 28 | 悪質事案への対処方針を定めた | A | ||
| 29 | 関係部門の連携体制・権限表を整えた | A | ||
| 30 | 弁護士・警察相談ルートを定めた | A | ||
| 31 | 出入禁止・取引停止等は法的根拠に基づき判断する整理をした | D | ||
| 32 | 就業規則・規程 | 就業規則・服務規律を点検した | A/C | |
| 33 | 不利益取扱い禁止を定め周知した | A | ||
| 34 | 懲戒規定との整合を確認した | C | ||
| 35 | 必要な改定を行い労使手続・届出を検討した | A/C | ||
| 36 | 改定版を周知した | A | ||
| 37 | 相談窓口 | 設置方法を決めた | A | |
| 38 | 担当者・代替担当者を定めた | A | ||
| 39 | 担当者が研修を受けた | A/C | ||
| 40 | 受付方法・受付時間・緊急連絡先を定めた | A/C | ||
| 41 | 全労働者・派遣労働者へ周知した | A | ||
| 42 | 受付後フロー(記録→事実確認→保護)を定めた | A | ||
| 43 | 広く相談を受ける旨を明記した | A | ||
| 44 | 初回説明文を用意した | A/C | ||
| 45 | 完成基準19項目を満たした | A | ||
| 46 | 現場・即時報告 | 現場からの即時報告ルートを確保した | A/C | |
| 47 | 連絡網テストを実施した | C | ||
| 48 | 現場対応マニュアルの完成基準23項目を満たした | C | ||
| 49 | 携行カードを配布した | C | ||
| 50 | 1名店舗・外勤・夜間の手順を定めた | A/C | ||
| 51 | 派遣元と連携した | A/C | ||
| 52 | 被害者保護・記録 | 被害者対応手順(直後・短期・中長期)を定めた | A | |
| 53 | 本人の意向確認・記録の手順を定めた | A | ||
| 54 | 産業保健への導線を用意した | C | ||
| 55 | 相談受付票・事実確認記録票を用意した | C | ||
| 56 | 事実と評価を分ける記録ルールを定めた | C | ||
| 57 | プライバシー保護・記録管理ルールを定めた | A/D | ||
| 58 | 保存期間・閲覧権限・廃棄を定めた | D | ||
| 59 | 求職者等セクハラ | 求職者等セクハラ防止方針を定めた | A | |
| 60 | 行為者への対処内容を就業規則等に規定した | A | ||
| 61 | 採用・面談ルール(時間・場所・体制・SNS)を定めた | A | ||
| 62 | 面接官・リクルーターへ禁止事項を周知した | A/C | ||
| 63 | OB/OG訪問・インターン・実習のルールを定めた | A/C | ||
| 64 | 求職者等が社外から使える相談窓口を用意した | A | ||
| 65 | 採用サイト・案内文へ窓口を掲載した | A | ||
| 66 | 採否判断と相談対応を分離した | A | ||
| 67 | 役員・外部関係者による言動への対応を整理した | B | ||
| 68 | 実習生を相談窓口の対象に含めた | A | ||
| 69 | 研修・周知 | 経営・役員へ研修した | A/C | |
| 70 | 管理監督者へ研修した | A/C | ||
| 71 | 現場・CSへ研修した | A/C | ||
| 72 | 相談窓口担当へ研修した | A/C | ||
| 73 | 採用担当・面接官へ研修した | A/C | ||
| 74 | 実習指導者へ研修した | C | ||
| 75 | 全労働者へ周知した | A | ||
| 76 | 派遣労働者へ周知した | A | ||
| 77 | 受講記録・周知記録を保存した | C | ||
| 78 | 訓練・最終確認 | 5シナリオの模擬訓練を実施した | C | |
| 79 | 連絡網テストを実施した | C | ||
| 80 | 詰まった箇所を是正した | C | ||
| 81 | 施行前最終確認会議を実施した | C | ||
| 82 | 未完了項目の暫定措置を決めた | C | ||
| 83 | 経営へ施行前報告を行った | C | ||
| 84 | 条例・社外 | 本社所在地の条例を確認した | D | |
| 85 | 事業所所在地の条例を確認した | D | ||
| 86 | 条例と国法の違いを整理した | D | ||
| 87 | 必要な手引等を作成した(該当時) | D | ||
| 88 | 顧客等への社外表明を検討・実施した | B | ||
| 89 | SNS炎上対応フローを用意した | C/D | ||
| 90 | 施行後 | 30日レビューの日と責任者を決めた | C | |
| 91 | 90日レビューの日と責任者を決めた | C | ||
| 92 | 内部監査計画を承認した | C | ||
| 93 | 内部監査22項目を実施する体制がある | C | ||
| 94 | 相談ゼロを周知不足の観点でも検証する | C | ||
| 95 | 是正事項をフォローする仕組みがある | C | ||
| 96 | 経営報告の様式・頻度を決めた | C | ||
| 97 | 指針・通達・条例の改定を継続的に確認する | C/D |
- 目的:シリーズ全体の対応を1枚で管理し、抜けを防ぐ。
- 使用時期:着手期から施行後まで継続。
- 優先順位:区分A→B/C→Dの順。ただしDの条例確認は早期に。
- 避けるべき運用:形式的なチェックで終えること。完了証拠を伴わせる。
- 専門家確認を推奨する場面:就業規則改定・悪質事案・条例・個別措置。
22.よくある質問(FAQ)
Q1.カスハラ対策と求職者等セクハラ対策はいつから義務ですか?
どちらも2026年10月1日からです。企業規模を問わず全事業主が対象で、中小企業への経過措置・猶予はありません。
Q2.中小企業も対象ですか?
対象です。就業規則の作成義務(常時10人以上)の有無とは関係なく、措置義務は企業規模を問わず適用されます。
Q3.方針を1枚作れば義務は果たせますか?
果たせません。方針の明確化・周知、相談窓口、事実確認、被害者配慮、再発防止、プライバシー保護、不利益取扱い禁止等が連動して初めて「措置を講じた」状態になります。
Q4.何から着手すべきですか?
推進体制(責任者・事務局)の確定と自社影響調査です。ここが決まらないと後工程が動きません。
Q5.施行日に間に合わない場合どうしますか?
法的区分A(義務の中核)を最優先で機能させ、方法・高度化(C/D)は暫定措置+施行後の恒久対応に回します。未完了項目は暫定運用を決めて記録します。
Q6.法的区分A・B・C・Dの違いは?
Aは法律・指針上の措置義務、Bは努力義務・望ましい取組、Cは義務を実効化する推奨実務、Dは業種・契約・条例に応じた個別対応です。
Q7.就業規則は必ず改定が必要ですか?
一律ではありません。既存の懲戒規定等で対応可能な場合もあります。ただし不利益取扱いをしない旨の定めと周知は必要です。まず点検し、必要に応じて改定します。
Q8.就業規則は施行前に届け出る必要がありますか?
届出・受理は民事上の効力発生要件ではありません。施行前届出は望ましいものの、一律の法的効力要件ではありません。周知(労基法106条)と合理性が重要です。
Q9.常時10人未満でも対応が必要ですか?
必要です。就業規則の作成義務はなくても、カスハラ・求職者等セクハラの措置義務は適用されます。社内通知等で定めて周知します。
Q10.相談窓口は既存のハラスメント窓口と統合できますか?
統合できますが、カスハラの即時報告ルートの確保と、求職者等が社外から使える導線の確保が要件です。
Q11.相談窓口を外部委託すれば足りますか?
足りません。事実確認・被害者保護・再発防止を実行する責任は事業主に残ります。緊急時の即時報告ルートも別途必要です。
Q12.現場対応マニュアルは法的義務ですか?
マニュアルという形式自体が一律の義務ではありません(区分C)。ただし顧客等への対処内容を定め現場が動ける状態にすることは義務の一部です。
Q13.派遣労働者への対応は派遣元任せでよいですか?
いけません。派遣先も労働者派遣法により措置義務の対象となり、就業場所での安全確保・事実確認・配慮を担います。相談を理由とする受入拒否も禁止です。
Q14.1名店舗はどう対応しますか?
退店要請・通話終了・警察通報・本部連絡を定め、事実確認できた場合は担当変更・産業保健等の配慮を行います。「一人だから対応できない」は理由になりません。
Q15.求職者等セクハラの相談窓口も必要ですか?
必要です。求職者等はまだ社内にいないため、社外からアクセスでき採否担当者と情報を遮断できる窓口を用意し、採用サイト等で案内します。
Q16.採用面接で相談されたら不採用にできませんか?
相談を理由とする不利益取扱いは禁止です。相談と採否を分離し、採否は客観的な選考基準で判断・記録します。
Q17.役員が行為者の場合はどうしますか?
代表者以外の相談経路(監査役・社外取締役・外部窓口等)をあらかじめ用意します。証拠保全と採用判断の再検証、ガバナンス対応を行います。
Q18.顧客への社外表明は義務ですか?
義務ではなく望ましい取組(区分B)です。顧客接点の多い業種では実施が推奨されますが、高圧的表現は避けます。
Q19.東京都の条例に対応すれば国法対応も完了しますか?
完了しません。条例と国法は別制度です。両方の確認・対応が必要です。
Q20.自治体条例はどう確認しますか?
本社・事業所所在地の自治体公式ページで、施行済みか・罰則の有無・事業者の義務/努力義務を確認します。条例案を施行済みと扱わないでください。
Q21.出入禁止や取引停止は改正法でできるようになったのですか?
いいえ。改正法は新たな権利を創設していません。個別措置は契約・約款・施設管理・業法等に基づき判断します。義務は悪質事案への対処方針・体制の整備です。
Q22.録音・録画は必須ですか?
必須ではありません(対処の例の一つ)。行う場合は個人情報保護法を遵守し、利用目的の特定・通知/公表等を整えます。
Q23.研修は必須ですか?
特定形式の研修が一律義務ではありませんが、方針・対処内容の周知は義務です。研修は最も実効的な周知手段で、対象者別・記録つきが望まれます。
Q24.顧客対応のない部署も周知が必要ですか?
必要です。方針・対処内容は社外接点の有無を問わず全労働者へ周知します。
Q25.相談件数がゼロなら問題なしと考えてよいですか?
即断は禁物です。周知不足や心理的障壁で相談が届いていない可能性を30日・90日レビューで検証します。
Q26.模擬訓練は必要ですか?
強く推奨します(区分C)。文書が整っても動かなければ意味がありません。連絡網テストで代替経路も確認します。
Q27.施行前に最終確認会議は必要ですか?
推奨します。15点の到達・完成基準の充足・未完了項目の暫定措置を確認し、経営承認を得ます。
Q28.施行後は何をすべきですか?
30日・90日レビューと内部監査を実施し、詰まった箇所を是正します。指針・通達・条例の改定も継続確認します。
Q29.内部監査では何を見ますか?
文書の有無だけでなく、実際に運用され記録が残っているか(周知・相談・事実確認・被害者保護・分離・研修等)を点検します。
Q30.経営はどこまで関与すべきですか?
方針・規程・予算・未完了項目の暫定措置を承認し、施行前報告と施行後レビュー報告を受けます。経営の関与記録を残します。
Q31.プライバシー保護は誰の情報が対象ですか?
相談者・行為者・関係者の情報が対象で、性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微情報を含みます。取扱いルールを定め周知します。
Q32.不利益取扱い禁止の対象行為は?
相談したこと、事実確認への協力、労働局への相談・調停申請、調停出頭です。これらを理由とする解雇その他の不利益取扱いが禁止されます。
Q33.被害者を一律に顧客対応から外してよいですか?
本人の意向・必要性・期間・待遇・復帰方法を確認・記録せずに一律に外すと、不利益取扱いと受け取られ得ます。協議と記録が必要です。
Q34.職場セクハラ(従来)の点検も必要ですか?
この機会に点検が望まれます。求職者等セクハラと職場セクハラは根拠条文が異なるため、既存のセクハラ規定が求職者等までカバーしているか確認します。
Q35.取引先社員からのカスハラはどう扱いますか?
カスハラの「顧客等」に取引先担当者も含まれ得ます。被害者保護を先行し、相手方事業主へ事実確認等の協力を求めます(相手方には努力義務)。
Q36.費用や人員が足りない場合は?
法的区分Aを優先し、外部窓口・業界団体ひな形・社労士等を活用します。優先順位と暫定措置を経営へ報告し、リソースを判断してもらいます。
Q37.業界団体のマニュアルをそのまま使えますか?
そのままでは不十分です。自社の実情に合わせて調整し、方針の明確化と対処内容の策定・周知を行って初めて措置を講じたことになります。
Q38.どの文書を最優先で作るべきですか?
基本方針・顧客等への対処内容・相談窓口・不利益取扱い禁止・被害者保護(いずれも区分A)です。これらを施行日に動く状態にします。
Q39.このチェックリストをすべて満たさないと違法ですか?
違います。区分Cの推奨実務や高度化を全部満たさなくても直ちに違法ではありません。ただし区分A(義務)は施行日から必要です。
Q40.最新情報はどこで確認しますか?
厚生労働省の改正法特設ページ・指針・施行通達・解釈Q&A、e-Gov法令検索、所在自治体の公式ページで確認します。本記事の基準日は2026年7月15日です。
23.シリーズ全10話の統合
本シリーズは、制度理解(第1・2話)→措置の設計(第3〜6話)→現場と法的対応(第7・8話)→関連規制(第9話)→実行管理(本話)という流れで構成しています。各話を、担当部署の実務に落とし込んでご活用ください。
| 話数 | タイトル |
|---|---|
| 第1話 | カスハラ対策が全企業の義務に|2026年10月施行の改正法でやるべきこと全体像 |
| 第2話 | どこからがカスハラか|正当なクレームとの線引きを3要件で判断する |
| 第3話 | 指針が求める措置の中身|方針明確化・相談体制・事後対応をどう整えるか |
| 第4話 | カスハラ対応基本方針の作り方|社内外への表明文をひな形付きで解説 |
| 第5話 | 就業規則・社内規程はどこを直すか|カスハラ義務化対応の改定ポイント |
| 第6話 | カスハラ相談窓口をどう作るか|既存のハラスメント窓口と一本化する方法 |
| 第7話 | 現場が迷わないカスハラ対応マニュアルの作り方|初動・エスカレーション・記録 |
| 第8話 | それでも止まらない相手への法的対応|取引拒絶・出入禁止・警察対応の実務 |
| 第9話 | 同時施行の求職者等セクハラ対策も忘れずに|関連する法改正・条例への対応 |
| 第10話 | 2026年10月までにやることリスト|カスハラ義務化対応の工程表と総まとめ(本記事・最終話) |
24.自社影響調査から経営報告までを効率化する
プロジェクト計画・影響調査票・ギャップ分析・工程表・方針・規程・窓口案内・研修資料・チェックリスト・経営報告——施行日までに用意する文書は多岐にわたります。これらの下ごしらえに、実務テンプレートを活用できます。
法改正対応セット|自社影響確認・社内周知・規程改定・対応ToDo整理の実務プロンプト集
法改正への自社影響確認から、社内周知・規程改定・ToDo整理までを支援するプロンプト集です。工程管理・チェックリスト運用と相性がよい構成です。
カスハラ対応プロンプト集
対応記録・事案整理・エスカレーション・被害者保護の下書きを素早く整えるためのプロンプト集です。
ハラスメント商品ハブ
カスハラ・求職者等セクハラを含むハラスメント対策の実務ツール・プロンプトをまとめています。
ご利用にあたっての注意/これらのツールは対応の下ごしらえを補助するものであり、これだけで措置義務の履行が完了するものでも、専門家への相談に代わるものでもありません。作成した文書は、必ず自社の実態と最新の法令・指針・条例に照らして確認し、就業規則改定・悪質事案・個別措置・条例対応は弁護士・社会保険労務士・都道府県労働局等にご相談ください。
25.参考資料
公式URLは執筆時点(2026年7月15日)で確認しています。最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。
- 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」(改正法特設ページ。指針・省令・施行通達・リーフレットを掲載)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html - 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf - 厚生労働省「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第52号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662589.pdf - 厚生労働省「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第10章の規定等の運用について」(施行通達/令和8年4月24日付 雇均発0424第2号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695607.pdf - 厚生労働省「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」(令和8年4月24日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf - 厚生労働省 リーフレット「2026年(令和8年)10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」(改正法特設ページに掲載)
- 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html - あかるい職場応援団(厚生労働省)
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/ - 個人情報保護委員会「個人情報保護法についてのガイドライン/Q&A」
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/ - 東京都「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(令和6年東京都条例第140号)本文
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00005328.html - e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」
https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132 - e-Gov法令検索「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113 - e-Gov法令検索「労働基準法」(就業規則・周知)
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - e-Gov法令検索「労働契約法」(就業規則の効力)
https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。就業規則の改定・悪質事案への対処・個別措置(出入禁止・取引停止等)・条例対応・個人情報の取扱いは、自社の実態・契約・約款・業法・所在自治体の条例を踏まえた個別判断であり、必要に応じて弁護士・社会保険労務士・都道府県労働局等にご相談ください。法令・制度基準日:2026年7月15日/施行日:2026年10月1日。本シリーズはこれで完結です。
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