どこからがカスハラか|正当なクレームとの線引きを3要件で判断する
2026年施行・カスハラ義務化対応シリーズ
第2話 / 全10話
どこからがカスハラか|正当なクレームとの線引きを3要件で判断する
この記事でわかること
カスハラの定義、3要素、正当な申入れとの線引き、合理的配慮との関係、判断フロー、残すべき記録
顧客からの苦情のすべてがカスタマーハラスメント(カスハラ)ではありません。厚生労働省の指針も、客観的にみて社会通念上許容される範囲で行われた苦情は「いわば正当な申入れ」であり、カスハラには当たらないと明記しています。
企業にとって不都合な指摘だからカスハラ、口調が厳しかったからカスハラ——こうした処理を現場に許すと、商品やサービスの問題を発見する機会を自ら捨てることになります。障害のある方からの合理的配慮の申出を排除してしまえば、別の法令上の問題も生じます。
一方で、要求内容そのものは正当でも、それを実現する手段・態様が社会通念上許容される範囲を超えれば、カスハラとなり得ます。「言い分が正しいから何を言ってもよい」わけではありません。
判断には、指針が定める3つの要素すべての確認が必要です。本記事では、現場担当者と法務・人事が同じ土俵で事実を整理できるよう、判断手順を具体的に組み立てます。
本記事の法令・制度基準日:2026年7月14日/施行日:2026年10月1日
指針・通達・行政資料は今後変更され得ます。実際の対応にあたっては厚生労働省および都道府県労働局の最新情報をご確認ください。制度全体の概要は第1話で解説しています。
読んだだけで終わると、次の案件でまたゼロから考えることになります。
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最初に結論:カスハラ判断の7つの基本原則
- 3要素をすべて確認する/1つでも欠ければ、指針にいうカスハラには当たらない
- 要求内容と手段・態様を分けて評価する/どちらか一方だけが範囲を超える場合でも該当し得る
- 企業側のミスや説明不足も確認する/事業主・労働者側の不適切な対応が原因・背景になっている場合がある
- 主観だけで決めない/「平均的な労働者の感じ方」を基準に、客観的な就業環境への影響を確認する
- 属性ではなく具体的な言動を評価する/高齢者、外国人、障害のある方という属性は判断材料ではない
- 判断が難しい場合こそ、相談・記録・報告の対象にする/「該当するか微妙」は除外理由にならない
- 現場担当者に最終判断を背負わせない/該当性の評価は法務・人事が担う
前提として押さえるべき2点。①個々の言動がカスハラに該当するか否かを、都道府県労働局などの第三者が判定してくれるわけではありません。事実関係を確認し、該当性を含めて判断するのは事業主自身の役割です。②今回の改正法は、事業主に雇用管理上の措置を義務づけるものであり、事業主に新たな権利を与える制度ではありません。「カスハラと認定すれば直ちに出入禁止にできる」という仕組みではない点に注意してください(いずれも厚生労働省Q&A「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」に明示されています)。
カスハラの定義|厚労省指針が示す3要素
根拠となるのは、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号/2025年6月11日公布)による改正後の労働施策総合推進法です。以下「改正労働施策総合推進法」と表記します。同法第33条第4項に基づき、具体的な内容を定めているのが「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号/2026年2月26日告示。以下「カスハラ防止指針」または「指針」)です。いずれも2026年10月1日から施行・適用されます。
「法律の定義」ではなく「指針の整理」
細かいようですが、社内説明で誤解を招きやすい点なので先に整理します。
改正労働施策総合推進法第33条第1項は、事業主が防止すべき対象を「職場において行われる顧客等の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、当該労働者の就業環境が害されること」として規定しています。もっとも、同法に「カスタマーハラスメント」という語の定義規定が置かれているわけではありません。この内容を「職場におけるカスタマーハラスメント」と呼び、3つの要素に分解して示しているのが、カスハラ防止指針です。
本記事で「カスハラ」というときは、この指針上の概念を指します。「法律にカスハラの定義が書いてある」と説明すると、条文を確認した相手に不信感を与えます。根拠は「法第33条第1項+指針」と説明してください。
3要素の整理
指針は、職場におけるカスタマーハラスメントを、次の3つの要素をすべて満たすものと定義しています。
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| 要素 | 指針上の意味 | 現場で確認すること | 誤解しやすい点 |
|---|---|---|---|
| ①職場において行われる顧客等の言動であること | 顧客、取引の相手方、施設の利用者その他その事業主の事業に関係を有する者による言動であり、労働者が業務を遂行する場所で行われたもの | 行為者は誰か/どこで、どの業務との関係で起きたか/電話・メール・SNS上の言動も含む | 「顧客=商品を買った人」ではない。潜在的な顧客、取引先の担当者、施設の近隣住民も含まれ得る。社内の上司・同僚からの言動は、通常はパワハラ等の別の問題 |
| ②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして、社会通念上許容される範囲を超えたものであること | 言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、または手段や態様が相当でないもの | 要求内容の相当性/手段・態様の相当性/目的、経緯、業種・業態、頻度、継続性、行為者との関係性等を総合考慮 | 「内容」と「手段・態様」の一方のみが範囲を超える場合でも該当し得る。厳しい意見・返金要求というだけでは、この要素を満たさない |
| ③その言動により、労働者の就業環境が害されること | 身体的・精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、就業する上で看過できない程度の支障が生じること | 業務の継続に支障が生じているか/「平均的な労働者の感じ方」を基準に評価 | 本人が不快と感じたという主観だけでは足りない。逆に、本人が「大丈夫」と言えば要件を検討しなくてよい、という意味でもない |
(言動の内容/手段・態様のいずれか一方でも足り得る)
この図は、確認すべき順序を示すものであって、当てはめれば自動的に結論が出る算式ではありません。②の判断は、個別の事情を総合的に考慮して行う必要があります。
3要素を満たさないからといって「正当なクレーム」と決まるわけではない
ここを二分法で処理すると、実務は必ず失敗します。3要素を満たさない場合でも、企業が対応しなくてよいとは限りません。指針も、カスハラに該当するか否か微妙な場合や発生のおそれがある場合を含め、広く相談に対応するよう求めています。
- カスハラに発展するおそれがある(当初は正当な申入れだったが、対応する中で要求内容が増えている等)
- 安全確保が必要(物を投げる、退去しない等、該当性の評価を待たずに動くべき場面)
- 顧客対応上の問題がある(企業側の説明不足、対応の遅れ、認識のずれ)
- 該当性の判断が難しい(事実が不足している、評価が分かれる)
- 別の法令上の問題がある(個人情報、名誉毀損、民事・刑事上の問題等)
- 商品・サービスの欠陥や説明不足への対応が必要(申入れの中身が正しい)
いずれも「カスハラではないから終わり」で処理してよい事案ではありません。
第1要素|「職場における顧客等の言動」とは
「顧客等」は一般的な語感よりずっと広い
指針が挙げる「顧客等」には、次の者が含まれます。商品を購入した一般消費者だけを指す概念ではありません。
- 事業主が販売する商品の購入やサービスの利用をする者
- 今後、商品の購入やサービスの利用等をする可能性がある潜在的な顧客
- 取引の相手方(今後取引する可能性のある者を含む)
- 取引先の担当者
- 企業間での契約締結に向けた交渉を行う際の担当者
- 施設・サービスの利用者及びその家族(訪問看護・訪問介護等の利用者とその家族を含む)
- 施設の近隣住民
- 事業主の行う事業に関する内容等に関し問い合わせをする者(広告内容への問い合わせ、報道を契機とした問い合わせ、嫌がらせを目的とした問い合わせを行う者を含む)
厚生労働省のQ&Aは、まだ商品を購入しておらず契約関係が発生していない者からの言動も、今後顧客になることが想定されない施設の近隣住民からの言動も、3要素を満たせばカスハラに該当するとしています。
BtoB取引も当然に含まれます。たとえば、発注元の担当者が、納期の遅れを理由に受注側の営業担当者に対して長時間にわたり人格を否定する発言を繰り返した場合、行為者は「取引の相手方」であり、第1要素を満たします。BtoB専業の企業が「うちは接客業ではないから関係ない」と考えるのは誤りです。
「職場」も、店舗や事務所に限られない
指針上の「職場」は、労働者が業務を遂行する場所を指します。通常就業している場所以外でも、業務を遂行する場所であれば含まれます。
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| 確認項目 | 確認する事実 | 具体例 | 判断上の注意 |
|---|---|---|---|
| 誰が(行為者) | 顧客等に当たるか/自社の労働者・役員か | 来店客、電話の相手、取引先担当者、施設利用者の家族、近隣住民 | 自社の上司・同僚からの言動は、通常パワハラの問題。取引先の社員から性的な言動を受けた場合はセクハラの問題にもなり得る |
| どこで(場所) | 労働者が業務を遂行する場所か | 店舗、事務所、工場、コールセンター、取引先の事務所、打合せに使う飲食店(接待の席を含む)、顧客の自宅、出張先、取材先、業務で使用する車中 | 通勤中や休憩時間中の勤務場所周辺、勤務時間外の懇親の場でも、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に含まれ得る |
| どの手段で(媒体) | 対面か、電話・メール・チャット・SNS・オンライン会議か | 入電、問合せメール、チャット、SNSへの投稿、口コミサイトへの投稿、Web会議での発言 | SNSは自社が運営するものに限らず、種類も問わない。SNS上の投稿や送付された文書を労働者が自宅等の職場外で確認した場合も、「職場」で生じた事象を契機とし、就業環境が害されると認められる場合には含まれ得る |
| どの業務との関係で | 業務を遂行する中で向けられた言動か | 接客対応中、契約交渉中、クレーム対応中、施設運営に関して | SNS上に不快な投稿があるというだけで当然にカスハラになるわけではない。業務との関係で労働者に向けられたものか、3要素を満たすかを検討する |
第2要素|社会通念上許容される範囲を超えた言動とは
ここが判断の中心です。指針は、この要素を「言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は手段や態様が相当でないもの」と定義しています。2つの軸に分けて評価するのが実務の基本です。
A.要求内容の相当性
指針が「言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの」として挙げる典型例は次のとおりです。
- そもそも要求に理由がない、または商品・サービス等と全く関係のない要求(性的な要求、労働者のプライバシーに関わる要求など)
- 契約等により想定しているサービスを著しく超える要求
- 対応が著しく困難な、または対応が不可能な要求(契約金額の著しい減額の要求など)
- 不当な損害賠償要求(商品・サービスの内容と無関係な賠償要求など)
このほか、担当者個人への私的な要求、直接関係のない人物への処分要求、謝罪方法として土下座等を求めることも、内容面で相当性を欠く方向に働きます。契約締結を前提としないサービスでも、要求に理由がない、想定するサービスを著しく超える、対応が著しく困難といった場合には該当し得ます。
B.要求を実現するための手段・態様の相当性
指針が「手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの」として挙げる典型例は次のとおりです。
- 身体的な攻撃(暴行、傷害等/物を投げつける、わざとぶつかる、つばを吐きかける)
- 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要等/店舗の物を壊すことやSNS等に悪評を投稿することをほのめかして労働者を脅す、SNS等へ労働者のプライバシーに係る情報を投稿する、人格を否定する言動、性的指向・ジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動、盗撮や無断での撮影、機微な個人情報の暴露の強要等)
- 威圧的な言動(大きな声をあげて威圧する、反社会的な言動)
- 継続的、執拗な言動(同様の質問を執拗に繰り返す、話のすり替え・揚げ足取り・執拗な責め立て、同様のメール等を執拗に送りつける)
- 拘束的な言動(不退去、居座り、監禁/長時間にわたる居座りや電話での拘束)
施行通達は、これらのほか、待ち伏せやつきまといも「精神的な攻撃」として考えられるとしています。
2軸を組み合わせた4パターン
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| パターン | 要求内容 | 手段・態様 | 評価の方向性 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 妥当 | 相当 | 第2要素を満たさない可能性が高い。正当な申入れとして通常の顧客対応で処理する | 商品の不具合を具体的に指摘し、交換を求める |
| 2 | 妥当 | 不相当 | 手段・態様の面で第2要素を満たし得る。要求内容が正しくても、手段の不相当性は打ち消されない | 納品ミスは事実だが、担当者に「無能」「辞めろ」と繰り返し、2時間以上拘束する |
| 3 | 不当 | 穏当 | 言動の内容の面で第2要素を満たし得る。穏やかな口調でも該当し得る点に注意 | 契約に根拠のない高額な金銭を、丁寧な口調で繰り返し要求する |
| 4 | 不当 | 不相当 | 第2要素を満たす可能性が高い | 根拠のない賠償を求め、大声で威圧し、退去を求めても居座る |
重要な注意が2つあります。第一に、この4パターンだけでカスハラ該当性が確定するわけではありません。第3要素(就業環境が害されるか)の確認が別に必要です。第二に、「要求内容が不当なら、どのような対応態様でもカスハラ」と断定してはいけません。要求内容が不当でも、直ちに就業環境侵害まで認められるとは限らないためです。
既存マニュアルをお持ちの企業へ。厚生労働省が2022年に公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」は、要求内容の妥当性に照らして手段・態様が不相当であることを軸に整理していました。これに対し2026年の指針は、「言動の内容」「手段や態様」の一方のみが範囲を超える場合でも該当し得ると明記しています。旧マニュアルをそのまま社内基準にしている場合、上記パターン3のような事案を取りこぼすおそれがあります。施行日までに、指針の定義に合わせて見直してください。
企業側・労働者側の対応が原因になっていないか
指針とQ&Aは、社会通念上許容される範囲を超えるかどうかの判断にあたり、事業主または労働者の側の不適切な対応が、当該言動の原因や背景となっている場合もあることに留意するよう求めています。説明不足、対応の遅れ、案内ミスがきっかけになっていないかは、必ず確認項目に入れてください。
ただし、労働者に問題行動があった場合であっても、人格を否定するような言動など社会通念上許容される範囲を超えた言動がなされれば、当然カスハラに当たり得ます(施行通達)。「うちのミスが原因だから我慢させる」という運用は誤りです。
何を総合考慮して判断するか
カスハラ該当性は、単一の言葉や回数で決まりません。指針・施行通達・Q&Aが挙げる考慮要素を、記録・証拠と紐づけて整理します。
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| 判断要素 | 確認する内容 | 証拠・資料 | 実務上の注意 |
|---|---|---|---|
| 言動の目的 | 何を実現しようとしていたか | 録音、メール、チャット、対応記録 | 目的が正当でも手段が不相当なら別途評価 |
| 発生の経緯・状況 | 何がきっかけで、どう推移したか | 対応履歴、注文・契約情報 | 労働者の問題行動の有無・内容・程度も考慮要素に含まれる |
| 企業側の過失 | 説明不足、対応遅延、ミスがあったか | 社内記録、案内文、マニュアル | 原因・背景となっている場合に留意。ただし人格否定等を正当化する理由にはならない |
| 要求内容 | 契約・法令上の根拠があるか | 契約書、約款、規約 | 「契約内容からして相当性を欠くか」が軸 |
| 言動の態様 | 暴言、威圧、拘束、撮影等の有無 | 録音・録画、目撃者の証言 | 指針の類型は限定列挙ではない |
| 頻度・継続時間・繰り返し | 何回、何分、どの期間にわたったか | 通話ログ、来店記録、メール件数 | 考慮要素だが、固定の分数・回数が判断基準になるわけではない |
| 場所・時間帯 | 店頭か、閉店後か、他の顧客の面前か | 防犯カメラ、シフト記録 | 周囲への影響も評価に影響し得る |
| 周囲への影響 | 他の労働者・顧客への影響 | 目撃者からの聴取 | 見せしめとして行われたと客観的に認められる場合、周囲の労働者に対するカスハラとも評価できる場合がある |
| 業種・業態、業務の内容・性質 | その業務で通常想定される顧客対応の範囲か | 業務マニュアル、業界基準 | 業種・業態により相当性の幅は異なる |
| 顧客等との関係性 | 継続取引か、初回か、優越的地位があるか | 取引履歴 | BtoBでは取引上の力関係が背景になる場合がある |
| 労働者の属性・心身の状況 | 経験年数、年齢、外国人であること、疾患や障害の有無等 | 人事情報(取扱いに注意) | これは被害を受けた労働者側の事情。顧客の属性で判断する趣旨ではない |
| 一人で対応していたか | 複数名対応が可能だったか | シフト、体制表 | 単独対応の継続はリスクを高める |
| 企業が途中で講じた措置 | 担当者交代、上長の介入、警察通報等 | 対応記録 | 措置の有無は、事後の評価にも影響する |
| 労働者に生じた支障 | 業務継続への影響、心身の状態 | 本人からの聴取、勤怠記録 | 第3要素の判断材料 |
「30分を超えたらカスハラ」は判断基準ではない
「長時間」「繰り返し」「執拗」といった語に、固定の分数や回数が定められているわけではありません。事情に応じて評価されます。
ただし、これは社内で時間や回数の目安を持ってはいけない、という意味ではありません。指針自身、カスハラへの対処の内容の例として「労働者から十分な説明を行った上で、なお繰り返しの要求が続く場合には、一定の時間の経過をもって退店を求めたり、電話を切ったりすること」を挙げています。
つまり——社内のエスカレーション・対応打切りの運用基準として時間や回数を定めることと、指針にいうカスハラへの該当性の判断は別物です。前者は現場を守るために積極的に定めるべきものであり、後者は総合考慮によって判断されるものです。この2つを混同した社内基準は、現場を混乱させます。運用基準の設計は第7話で扱います。
第3要素|就業環境が害されるとは
指針は、「労働者の就業環境が害される」を、当該言動により労働者が身体的または精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、就業する上で看過できない程度の支障が生じることと定義しています。
基準は「平均的な労働者の感じ方」
判断基準は、同様の状況でその言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかです。
これは「個人差を無視してよい」という意味ではありません。企業が客観性を確保して判断できるようにするための物差しです。担当者の性格や耐性で結論が変わってしまえば、社内の判断は一貫しません。実際、第2要素の総合考慮では、労働者の経験年数、年齢、心身の状況、疾患や障害の有無といった事情も要素に含まれています。労働者側の事情がまったく無視されるわけではありません。
1回でも該当し得る/本人の申告だけに依存しない
言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い身体的または精神的苦痛を与える態様の言動の場合は、1回の言動でも就業環境を害する場合があり得ます。逆に、比較的軽微な言動でも、反復・継続することで該当し得ます。
また、被害者本人が不快に感じたという主観だけで、直ちに要件を満たすわけではありません。他方で、本人が「大丈夫です」と述べていても、企業が対応しなくてよいという意味でもありません。施行通達は、相談者が行為者に対して迎合的な言動を行っていたとしても、その事実が必ずしもカスハラを受けたことを単純に否定する理由にはならないと明示しています。被害者が萎縮して相談をためらう例もあります。本人の申告と客観的事情の両方を確認してください。
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| 影響の種類 | 確認事項 | 具体例 | 緊急対応の要否 |
|---|---|---|---|
| 身体への危険 | 暴行、物の投げつけ、接触があったか | 殴られた、物を投げつけられた、押された | 要(該当性の評価を待たず、安全確保・警察通報を検討) |
| 強い恐怖反応 | 恐怖、動悸、震え、涙、声が出ない等 | 対応後に震えが止まらない、その場から動けない | 要(対応を交代し、本人を現場から離す) |
| 業務の継続困難 | その場で業務を続けられたか | 接客を続けられず、途中で交代した | 要(管理監督者による代替対応) |
| 顧客対応への強い回避 | 電話に出られない、売場に立てない等 | 入電のたびに手が止まる | 状況に応じて(配置の調整を検討) |
| 勤怠への影響 | 欠勤、遅刻、早退、休職の有無 | 翌日以降の欠勤が続いている | 要(産業保健スタッフ等との連携) |
| 集中力・パフォーマンス低下 | ミスの増加、業務効率の低下 | 作業ミスが目立って増えた | 状況に応じて |
| 周囲・同僚への影響 | 他の労働者が萎縮していないか | 同じフロアの担当者が対応を避けるようになった | 状況に応じて(周囲の労働者からの相談にも応じる) |
医学的な診断は、企業の担当者が行うものではありません。体調への影響が疑われる場合は、産業医、保健師、事業場内産業保健スタッフ、医療機関等との連携を検討してください。指針も、被害者への配慮のための措置として、管理監督者または事業場内産業保健スタッフ等によるメンタルヘルス不調への相談対応を挙げています。
正当なクレームとカスハラの違い
指針は、顧客等からの苦情のすべてがカスハラではなく、客観的にみて社会通念上許容される範囲で行われたものは「いわば正当な申入れ」であり、カスハラには当たらないとしています。次のようなものは、それ自体で当然にカスハラとはいえません。
- 商品の不具合を具体的に指摘する
- 契約内容と異なるサービスの是正を求める
- 返金・交換を求める
- 担当者の説明ミスを指摘する
- 対応期限を確認する
- 責任者からの説明を求める
- 個人情報の取扱いについて説明を求める
- 障害者差別解消法上の合理的配慮を申し出る
- 安全上の不備を指摘する
- 法令違反の可能性を指摘する
ただし、要求内容が正当でも、その手段・態様が相当性を欠けばカスハラとなり得ます。この点は繰り返し現場に伝えてください。
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| 確認項目 | 正当な申入れとなりやすい例 | カスハラとなり得る例 | 判断上の注意 |
|---|---|---|---|
| 要求の根拠 | 契約・約款・法令に根拠がある | 根拠がない、または商品・サービスと無関係 | 根拠の有無は内容面の評価軸。手段の評価とは別 |
| 要求の範囲 | 契約内容の範囲内 | 契約を著しく超える、対応が不可能 | 「著しく」の評価は業種・業態にも左右される |
| 口調 | 強い口調だが、意見の表明にとどまる | 人格否定、侮辱、脅迫、威圧が伴う | 厳しい口調というだけでは足りない |
| 拘束時間 | 説明に必要な範囲 | 説明後もなお居座り・通話を続け、業務を停止させる | 固定の分数基準はない。業務への支障で評価 |
| 繰り返し | 理解のために確認を求める | 同じ質問を執拗に繰り返す、同様のメールを執拗に送りつける | 理解が難しい事情の有無を必ず確認する |
| 人格攻撃 | 対応内容への批判 | 担当者個人の人格・属性への攻撃 | 性的指向・ジェンダーアイデンティティ等への侮辱的言動を含む |
| 説明を聞く姿勢 | 説明を聞いたうえで意見を述べる | 説明を遮り、話をすり替え、揚げ足取りを続ける | 企業側の説明が十分だったかも併せて確認 |
| 第三者への拡散 | 事実に基づく感想をSNSに投稿する | 悪評の投稿をほのめかして労働者を脅す/労働者のプライバシーに係る情報を投稿する | 「投稿する」ことと「投稿をちらつかせて要求を通す」ことは区別する |
| 担当者個人への接触 | 担当者名を確認する | 私的な連絡先を求める、待ち伏せ、つきまとい | 私生活への接触は精神的攻撃として評価され得る |
| 謝罪要求 | 非のある事項について謝罪を求める | 土下座を強要する | 謝罪の要求と、謝罪方法の強要は別 |
| 金銭要求 | 契約・法令に基づく返金・賠償を求める | 根拠のない高額な賠償を要求する | 穏やかな口調でも、内容面で該当し得る |
「正当な申入れ」と「カスハラ」の二択ではない
実務で最も多いのは、中間領域です。施行通達は「発生のおそれがある場合」の例として、①当初は正当な申入れだったが、対応する中で要求内容が増えており、徐々に対応が著しく困難な要求に発展するおそれがある場合、②繰り返し来店するなかで、特段の事情もなく質問の回数が増加し、対応に要する時間が長くなる傾向にあり、徐々に継続的・執拗な言動に発展するおそれがある場合、を挙げています。
こうした事案は、現時点では必ずしもカスハラに該当すると判断できません。しかし、相談対応の対象であり、記録・報告の対象です。「まだカスハラではない」を「対応しない」と読み替えてはいけません。
よくある言動はカスハラか|場面別の考え方
以下はいずれも、それだけで直ちにカスハラと決まるものではありません。確認すべき事情を示します。
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| 場面 | 直ちにカスハラか | 確認すべき事情 | 対応の方向性 |
|---|---|---|---|
| 厳しい口調での苦情 | いいえ | 内容に根拠があるか/人格否定・侮辱を含むか/継続時間 | まず内容を正確に把握し、企業側のミスの有無を確認 |
| 大声を出す | いいえ(該当し得る) | 周囲や労働者を威圧する態様か/継続したか/他の顧客への影響 | 複数名対応に切り替え、記録を残す |
| 返金要求 | いいえ | 契約・法令上の根拠/要求額の相当性/手段・態様 | 根拠の確認を優先。要求手段が不相当なら別途評価 |
| 責任者を出せという要求 | いいえ | 説明が不十分だったか/要求の反復・執拗さ | 対応者の交代自体は有効な対処。エスカレーション基準を適用 |
| 謝罪要求 | いいえ | 非のある事項か/謝罪方法の強要があるか | 事実を限定して謝罪。方法の強要には応じない |
| 繰り返しの電話 | いいえ | 回数・期間・内容/理解が困難な事情の有無/執拗さ | 回数だけで判断しない。内容の推移を記録する |
| 長時間の電話 | いいえ | 説明に必要な時間か/説明後もなお拘束が続いたか | 十分な説明後もなお続く場合、通話終了の運用基準を適用 |
| 同じ説明を何度も求める | いいえ | 理解が困難な事情(障害特性、高齢、言語、認知機能)があるか/執拗な責め立てを伴うか | まず伝え方を変える。安易に「執拗」と評価しない |
| 録音すると告げる | いいえ | 告知の意図/脅迫的な文脈で用いられているか | 企業側も記録を残す。それ自体を問題視しない |
| SNSへ投稿すると告げる | いいえ(該当し得る) | 要求を通す手段として労働者を脅す文脈か/単なる意見表明か | 指針は「悪評の投稿をほのめかす発言によって労働者を脅すこと」を精神的攻撃の例とする。文脈を記録する |
| 実際にSNSへ投稿する | いいえ(該当し得る) | 投稿内容(労働者のプライバシーに係る情報か)/就業環境への影響 | 名誉毀損等、民事・刑事上の問題にもなり得る。法務へ引き継ぐ |
| 従業員名を確認する | いいえ | 確認の目的/その後の私的接触・投稿の有無 | 名札運用の見直しは企業判断。単独では評価しない |
| 従業員の処分を求める | いいえ(該当し得る) | 関係のない人物への処分要求か/要求の執拗さ | 人事処分は企業が判断する事項。要求に応じる義務はない |
| 土下座を求める | 該当する可能性が高い | 強要の有無/状況/就業環境への影響 | 指針は「土下座を強要すること」を精神的攻撃の典型例とする。ただし民事・刑事上の評価は個別具体的に判断される |
| 自宅や家族に言及する | 該当する可能性が高い | 威迫の文脈か/継続性/労働者の恐怖の程度 | 安全確保を優先し、警察相談を検討 |
| 外国語で強い口調になる | いいえ | 言語・文化的な表現の差か/内容として人格否定等があるか | 属性で判断しない。通訳・翻訳の活用を検討 |
| 障害特性により意思疎通に時間を要する | いいえ | 合理的配慮の申出ではないか/建設的対話が可能か | カスハラとしてではなく、合理的配慮の問題として対応する(後述) |
| 認知機能の低下が疑われる顧客が同じ連絡を繰り返す | いいえ | 本人の状況/家族・支援者との連絡の可否/業務への支障の程度 | 属性で断定しない。対応方法を組織的に決め、担当者を孤立させない |
他の法的問題との関係。一つの言動が、指針にいうカスハラに該当すると同時に、民事・刑事上の別の問題となる場合があります。暴行、傷害、脅迫、強要、威力業務妨害、不退去、名誉毀損、侮辱、ストーカー行為、個人情報の不正利用などが問題となり得ます。ただし、その成否は個別具体的な事情に基づいて判断されるものであり、一般論で断定することはできません。悪質事案への法的対応(警告文、出入禁止、仮処分、警察対応等)は第8話で扱います。
「無断での撮影」についての注意。厚生労働省のQ&Aは、指針が挙げる「無断での撮影」とは、たとえば労働者が撮影をやめるように言ったにもかかわらず撮影を続ける等の行為を意味するものであり、店舗や施設内での無断撮影のすべてが直ちにカスハラに該当するわけではないとしています。典型例に形式的に当てはめる運用は避けてください。
合理的配慮の申出をカスハラと誤認しない
障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律・平成25年法律第65号)第8条第1項は、事業者が障害を理由とする不当な差別的取扱いをすることを禁じています。同条第2項は、障害者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めています。
カスハラ防止指針も、不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨の意思を表明すること自体は、カスハラには当たらないと明記しています。カスハラ対策を口実に、正当な申出を排除してはなりません。
他方で、障害があることを理由に、暴力や脅迫等を無条件に受忍しなければならないわけでもありません。属性ではなく、具体的な言動と状況を評価してください。
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| 場面 | 合理的配慮として検討すべき事項 | カスハラ判断上の注意 | 企業の対応例 |
|---|---|---|---|
| 筆談を求める | 筆談ボード、タブレット、メモの用意 | 申出自体はカスハラではない | 店頭に筆談具を備え、対応手順を周知する |
| 静かな場所での説明を求める | 個室・カウンター奥等への案内 | 「特別扱いの要求」と評価しない | 案内可能な場所をあらかじめ決めておく |
| 付き添い者を介した説明を求める | 同席者との対話、本人意思の確認 | 本人以外との対話を一律に拒否しない | 同席時の本人確認・個人情報の取扱いを整理 |
| 説明を繰り返してほしいと求める | 平易な表現、図示、時間の確保 | 「執拗な繰り返し」と混同しない | 伝え方を変える。担当者を複数名にする |
| 通常と異なる方法での手続を求める | 代替手段の可否、業務への影響 | 過重な負担かどうかを個別に検討 | 建設的対話を行い、可能な代替案を提示 |
| 待ち時間への配慮を求める | 優先案内、着席場所の確保 | 他の顧客との公平性は考慮要素だが、拒絶の理由に直結しない | 運用ルールを事前に定めておく |
「要求をすべて受け入れなければ差別になる」わけではありません。合理的配慮の提供義務は、その実施に伴う負担が過重でないときに生じます。何が過重な負担かは個別に判断され、顧客等との建設的対話を重ねて調整することが求められます。指針も、障害者差別解消法に基づく基本方針に即して主務大臣が定める対応指針や、内閣府が公表する障害特性に応じた事例等を参考にするよう求めています。
厚生労働省は、事業主が労働者の顧客等への理解を深めるための資料として、消費者の心理や障害特性、認知症の症状に関する啓発資料を案内するリーフレットを公表しています。施行通達は、「消費者の心理や障害特性等」の「等」に認知症の症状も含まれることを明示しています。研修教材の選定時に活用してください。
架空事例で考える|4つのケース
以下はいずれも説明のために作成した架空の事例です。実在の事案・裁判例ではありません。
【架空事例1】商品の不具合について、返金と責任者からの説明を求めた
事実関係:購入した家電に明らかな初期不良があった。顧客は店頭で不具合を具体的に説明し、返金と、対応の経緯について責任者からの説明を求めた。声を荒らげることはなく、対応時間は約25分。
- 第1要素:顧客等の言動であり、店舗という職場での出来事。満たす。
- 第2要素:要求内容には契約・法令上の根拠がある。手段・態様も相当。満たさない。
- 第3要素:第2要素を満たさないため、検討の前提を欠く。
- 現時点での評価:正当な申入れ。カスハラには当たらない。
- 企業がとるべき対応:返金対応と責任者による説明を適切に行う。初期不良の原因を品質部門へ共有する。なお、この後に要求が拡大したり、手段が不相当な方向へ変化したりする可能性はあるため、対応記録は残しておく。
【架空事例2】要求に一定の根拠はあるが、長時間の暴言と人格否定を続けた
事実関係:納品物に自社側のミスがあった。取引先の担当者が、自社の営業担当者に対し、電話で約2時間にわたり「無能」「辞めろ」等の発言を繰り返し、説明を遮って大声を継続した。営業担当者はその後、当該取引先からの入電に強い不安を訴え、翌日から電話対応を避けている。
- 第1要素:行為者は「取引の相手方」「取引先の担当者」。電話対応も職場に含まれる。満たす。
- 第2要素:要求内容(ミスの是正)には根拠がある。しかし手段・態様の面で、人格否定、暴言、長時間の拘束が認められる。要求内容の正当性は、手段の不相当性を打ち消さない。満たす可能性が高い。
- 第3要素:電話対応を避けるに至っており、就業する上で看過できない程度の支障が生じていると評価できる可能性が高い。
- 不足している情報:発言の具体的内容と回数、通話の開始・終了時刻、自社のミスの内容と説明の経緯、他の担当者の同席の有無、本人の心身の状況。
- 現時点での評価:カスハラに該当する可能性が高い。ただし断定の前に、上記の事実確認を行う。
- 企業がとるべき対応:担当者の交代・複数名対応、本人への配慮措置(産業保健スタッフへの相談対応を含む)。自社のミスの是正は、カスハラ対応とは別に誠実に行う。行為者が他社の労働者であるため、必要に応じて相手方事業主に事実関係の確認への協力を求めることも検討する(相手方には、これに応じる努力義務がある)。
【架空事例3】契約上の根拠がない高額な金銭要求を、穏やかな口調で繰り返した
事実関係:サービス利用者が、契約や約款に根拠のない高額な金銭の支払を求めた。口調は終始丁寧で、大声や暴言はない。ただし、週に数回、数か月にわたって同趣旨の要求が続き、担当者は都度の説明対応に相当の時間を割いている。
- 第1要素:満たす。
- 第2要素:手段・態様が穏当でも、言動の内容の面で該当し得る。「対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求」「不当な損害賠償要求」に当たらないかを検討する。加えて、数か月にわたる反復は「継続的、執拗な言動」の観点からも評価対象になる。
- 第3要素:ここが要注意。口調が穏やかであるため、担当者が「困っているが我慢できる」と申告する場合がある。通常業務への支障の程度、担当者の心身の状況を、客観的な事実(対応に要した時間、他業務の遅延、本人の様子の変化)で確認する必要がある。
- 不足している情報:要求の回数・期間・1回あたりの所要時間、要求額、企業側の説明内容と回数、担当者の業務への影響、他の担当者の関与。
- 現時点での評価:現時点では断定できない。追加確認が必要。第2要素を満たす可能性はあるが、第3要素の充足は事実の裏づけを要する。
- 企業がとるべき対応:対応記録を時系列で整備し、法務・人事へ引き継ぐ。担当者を単独で対応させない体制へ切り替える。要求に根拠がないことを、組織として一貫した内容で回答する。
【架空事例4】障害特性により説明の繰り返しが必要だったが、現場が「しつこい顧客」と評価した
事実関係:顧客が、手続の説明について複数回にわたり同じ内容の確認を求めた。理解に時間を要する障害特性があり、本人から「ゆっくり、繰り返し説明してほしい」という趣旨の申出があった。現場担当者は「同じ話を何度もされて業務が止まる」として、カスハラとして報告した。
- 第1要素:顧客等の言動であり、満たす。
- 第2要素:満たさない可能性が高い。社会的障壁の除去を必要としている旨の意思を表明すること自体はカスハラに当たらないと指針が明記している。理解のために説明を求める行為は、社会通念上許容される範囲を超えたものとは評価しにくい。
- 第3要素:第2要素を満たさない場合、検討の前提を欠く。
- 不足している情報:申出の具体的内容、担当者が行った説明の方法(平易な表現・図示・時間確保の有無)、暴言・威圧等の他の言動の有無。
- 現時点での評価:カスハラの問題ではなく、合理的配慮の提供の問題として整理すべき事案。
- 企業がとるべき対応:説明方法の見直し(筆談、平易な表現、資料の交付、時間の確保)、担当者を複数名にする、時間に余裕のある時間帯への案内。現場が「しつこい」と評価してしまった事実自体が、障害特性等についての理解を深める研修の必要性を示している。この報告を提出した担当者を責めないことも重要です。判断が難しい事案を報告できる文化を壊さないためです。なお、仮に別途、暴力や脅迫といった言動があった場合には、それは属性とは無関係に、その言動として評価します。
現場で使えるカスハラ判断フロー
暴力、脅迫、物の破壊、退去拒否、身体への接触など
→ ある場合:カスハラ該当性の判断を待たず、安全確保・複数名対応・警察への通報等を検討する
行為者が顧客等か/業務を遂行する場所(電話・SNS上を含む)での出来事か
説明不足・対応遅延はなかったか/要求に契約・法令上の根拠はあるか
一方のみが範囲を超える場合でも該当し得る
固定の分数・回数を判断基準としない
「平均的な労働者の感じ方」を基準に/本人の申告と客観的事情の両方を確認
通常の顧客対応/被害者保護/対応の終了/警告/法的対応 等
2点、強調します。①安全上の緊急対応は、カスハラ該当性の判断を待つ必要がありません。暴行や脅迫が現に行われている場面で「これは3要素を満たすか」を検討している場合ではありません。②STEP 7で「No」となったものを、すべて「通常対応」に流してはいけません。上の分岐が示すとおり、該当性が不明な事案、発展のおそれがある事案、安全上の問題が残る事案は、別のルートで扱います。
現場と法務・人事の判断分担
厚生労働省のQ&Aは、個々の顧客等の言動がカスハラに該当するか否かを都道府県労働局が判断することはなく、事実関係を確認し、該当性を含めて判断するのは事業主であるとしています。つまり、判断の責任は企業にあります。ただし、その責任を現場担当者個人に負わせてはいけません。
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| 役割 | 担うこと | 担わなくてよいこと |
|---|---|---|
| 現場担当者 | 事実の記録/安全確保/初動対応/上長への報告/証拠(録音・メール等)の保存/単独対応を続けない | 指針上の該当性の最終判断/出入禁止等の可否判断/顧客への法的通告 |
| 管理職・管理監督者 | 担当者の交代/対応の継続・終了の判断/被害者への配慮/本社・本部への報告/重大性の一次判断/その場での事実確認 | 民事・刑事上の評価/取引停止の最終決定 |
| 法務・人事・コンプライアンス | 3要素の評価/規程・マニュアルとの整合確認/行為者への警告文の検討/取引停止・出入禁止等の法的検討/警察・弁護士への相談/再発防止/全社的な傾向分析 | 現場の初動そのもの(ただし基準は提供する) |
現場担当者に求められるのは、「カスハラかどうかを決めること」ではなく、「判断できる材料を残すこと」です。ここを取り違えると、現場は「カスハラだと断定できないから報告しない」という方向に動きます。それが最も危険な状態です。
判断時に残すべき記録
3要素の評価は、事実の積み重ねでしか行えません。次の項目を、記録様式に落とし込んでください。
- 日時(開始・終了時刻)
- 場所(店舗名、電話、メール、SNS等の媒体)
- 対応方法(対面、電話、書面、オンライン)
- 顧客等の氏名・属性(把握できる範囲で。個人情報の取扱いに留意)
- 商品・サービス・契約との関係
- 顧客等の要求内容
- 具体的な発言(できる限り原文どおり)
- 言動の態様(大声、威圧、拘束、撮影等)
- 継続時間
- 回数・頻度
- 同席者・目撃者
- 企業側の説明内容
- 企業側のミス・説明不足の有無
- 証拠(録音、録画、メール、チャット、SNS投稿の保存)
- 労働者への影響(業務継続の可否、心身の状況)
- 管理職へ報告した時刻
- 途中で講じた措置(担当者交代、複数名対応、通報等)
- 対応終了の経緯
- 今後の対応方針
記録は「感想」ではなく「事実」で残す
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| 区分 | 記録例(いずれも架空の記載例) | なぜそうなるか |
|---|---|---|
| 不適切な記録 | 「面倒な客だった」 「態度が悪かった」 「かなり長い時間しつこかった」 |
主観的評価のみで、3要素の当てはめができない。第三者が検証できず、後日の説明にも耐えない |
| 適切な記録 | 「15時10分から15時42分まで、担当者Aに対して『無能』『辞めろ』と合計5回発言。担当者の説明を遮り、他の顧客に聞こえる音量で発言を継続。15時30分に店長Bが同席。15時42分に退店を求め、応じて退店」 | 時刻、発言内容、回数、態様、周囲への影響、企業が講じた措置がすべて特定でき、3要素の評価が可能になる |
録音・録画について。指針は、カスハラへの対処の内容の例として、顧客等とのやり取りを録音・録画することを挙げています。その際は個人情報保護法等の遵守が前提です。厚生労働省のQ&Aは、録音・録画で取得した個人情報を事実関係の確認に用いる場合、その利用目的をできる限り特定し、通知または公表する義務があること(プライバシーポリシー等への記載が方法の一例として挙げられています)、また、利用目的の通知・公表義務は必ずしもその場で録音・録画している旨を伝える義務まで含むものではないものの、カメラの設置状況等から本人が容易に認識できない場合には、認識可能とするための措置が必要であることを示しています。自社の運用設計は第7話を参照してください。
判断を誤った場合のリスク
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| 観点 | カスハラを過小評価した場合 | カスハラを過大評価した場合 |
|---|---|---|
| 労働者への影響 | 心身への負荷が蓄積し、休職・離職に至る。被害が拡大する | 「会社が守ってくれる」と見えても、実際には現場の判断が硬直し、対応力が落ちる |
| 法的リスク | 安全配慮義務(労働契約法第5条)上の問題が生じ得る。措置義務違反として行政指導・勧告の対象にもなり得る | 障害者差別解消法上の問題(不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供)が生じ得る |
| 顧客対応 | 正当な申入れの中に含まれる重要な指摘まで、対応が遅れる | 正当な苦情を排除し、顧客との紛争が拡大する |
| 品質・サービス | — | 自社のミスや品質問題が見逃され、根本原因が残る |
| 組織運営 | 対応が属人化し、ベテラン任せ・店長任せになる | 「カスハラ認定」が現場の逃げ道になり、対応力の向上が止まる |
| レピュテーション | 「従業員を守らない会社」という評価 | 「客の話を聞かない会社」という評価 |
目指すべきは、従業員保護と正当な顧客対応の両立です。カスハラ対策は、顧客を敵視する仕組みではありません。正当な申入れには誠実に応え、社会通念上許容される範囲を超えた言動からは労働者を確実に守る——その両方を、同じ基準で運用できる状態にすることが目的です。
カスハラの定義・判断基準に関するFAQ
Q1.顧客が怒鳴ったら、1回でもカスハラですか
1回の言動でも該当し得ますが、「怒鳴った」という事実だけでは決まりません。強い身体的・精神的苦痛を与える態様であれば、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。発言内容(人格否定・脅迫を含むか)、音量と継続時間、周囲への影響、その後の労働者の状態を確認してください。
Q2.返金要求はカスハラですか
それ自体ではカスハラではありません。契約・約款・法令上の根拠があるかを確認し、根拠のない高額な要求であれば内容面で該当し得ます。加えて、要求を通すための手段・態様(威圧、拘束、人格否定等)を別途評価してください。
Q3.責任者を出せという要求はカスハラですか
それ自体ではカスハラではありません。むしろ、担当者を交代させることは指針も挙げる有効な対処です。問題になるのは、説明後もなお執拗に反復される場合や、責任者に対して人格否定・威圧が続く場合です。社内のエスカレーション基準を適用してください。
Q4.何分以上対応したら長時間のカスハラになりますか
法令・指針に、固定の分数基準はありません。継続時間は考慮要素の一つにすぎず、業種、業務内容、説明に必要な時間、業務への支障の程度と併せて評価されます。ただし、社内の対応打切り・エスカレーションの運用基準として時間の目安を定めることは有効であり、指針も、十分な説明後もなお要求が続く場合に一定の時間の経過をもって退店を求めたり電話を切ったりすることを対処の例として挙げています。社内の運用基準と、指針にいうカスハラへの該当性の判断は別物、と整理してください。
Q5.同じ顧客から何回電話が来たらカスハラですか
回数の基準はありません。確認すべきは、要求内容が変化・拡大していないか、説明後も同じ質問が執拗に繰り返されているか、理解が困難な事情がないか、担当者の業務にどの程度の支障が生じているかです。施行通達は、来店・質問の回数が増え、対応時間が長くなる傾向にある段階を「発生のおそれがある場合」として、相談対応の対象に含めるよう求めています。回数を数えるより、推移を記録することが重要です。
Q6.SNSに投稿すると言われたらカスハラですか
それだけでは決まりません。指針が精神的攻撃の例として挙げているのは、「SNS等に悪評を投稿することをほのめかす発言によって労働者を脅すこと」です。率直な感想を投稿する意思を伝えることと、要求を通す手段として投稿をちらつかせることは区別されます。発言の文脈、要求内容との結びつき、労働者の受けた影響を記録してください。
Q7.実名をSNSに書かれた場合はカスハラですか
指針は「SNS等のインターネット上へ労働者のプライバシーに係る情報の投稿等をすること」を精神的攻撃の例として挙げています(紙媒体での流布も含まれます)。3要素、特に就業環境への影響を確認したうえで判断します。同時に、名誉毀損・侮辱等、民事・刑事上の問題になる場合もあります。その成否は個別具体的な事情に基づいて判断されるため、現場で断定せず、法務へ引き継いでください(対応は第8話)。
Q8.従業員本人が平気だと言えば対応しなくてよいですか
いいえ。本人の申告は重要な材料ですが、それだけに依存してはいけません。被害者が萎縮して相談をためらう例があり、施行通達も、行為者に迎合的な言動をしていた事実が、必ずしもカスハラを受けたことを単純に否定する理由にはならないとしています。本人の申告と、勤怠・業務への影響・周囲の観察といった客観的事情の両方を確認してください。
Q9.障害者から繰り返し説明を求められた場合はカスハラですか
社会的障壁の除去を必要としている旨の意思を表明すること自体は、カスハラには当たりません(指針が明記)。これは合理的配慮の提供の問題として扱うべき場面です。説明方法(筆談、平易な表現、時間の確保、複数名対応)を見直してください。ただし、障害があることを理由に暴力や脅迫を受忍しなければならないわけではありません。属性ではなく、具体的な言動を評価してください。
Q10.企業側にもミスがあった場合はカスハラになりませんか
企業側の不適切な対応が原因・背景となっている場合があることには留意が必要ですが、それだけで直ちにカスハラ該当性が否定されるわけではありません。施行通達は、労働者に問題行動があった場合であっても、人格を否定するような言動など社会通念上許容される範囲を超えた言動がなされれば、当然カスハラに当たり得るとしています。自社のミスの是正と、労働者の保護は、別々に実行してください。
Q11.BtoBの取引先担当者からの暴言もカスハラですか
該当し得ます。指針上の「顧客等」には、取引の相手方、取引先の担当者、契約締結に向けた交渉担当者が明示的に含まれています。3要素を満たせばカスハラです。行為者が他社の労働者・役員である場合、必要に応じて相手方事業主に事実関係の確認への協力を求めることができ、相手方にはこれに応じる努力義務があります(改正労働施策総合推進法第33条第3項)。相手方が協力に応じない場合、都道府県労働局に相談することも可能です。
Q12.判断が難しい場合、現場ではどう処理すればよいですか
「判断が難しい」は、報告しない理由になりません。指針は、カスハラに該当するか否か微妙な場合や、発生のおそれがある場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うよう求めています。現場が行うべきは、①安全確保、②事実の記録、③上長への報告、④単独対応をやめること。該当性の評価は法務・人事が担います。この分担を、方針とマニュアルに明記してください。
シリーズ全10話の案内
| 話数 | タイトル | この記事で分かること |
|---|---|---|
| 第1話 | カスハラ対策が全企業の義務に|2026年10月施行の改正法でやるべきこと全体像 | 制度の全体像、対象事業主、10項目の措置、リスク、準備工程表 |
| 第2話 | どこからがカスハラか|正当なクレームとの線引きを3要件で判断する(本記事) | カスハラの定義、3要素、正当な申入れとの線引き、合理的配慮、判断フロー、記録 |
| 第3話 | 指針が求める措置の中身|方針明確化・相談体制・事後対応をどう整えるか | 指針が定める10項目の措置の具体的な作り込み方、認められる例 |
| 第4話 | カスハラ対応基本方針の作り方|社内外への表明文をひな形付きで解説 | 基本方針の記載事項、社内周知文、Webサイト掲載文のひな形 |
| 第5話 | 就業規則・社内規程はどこを直すか|カスハラ義務化対応の改定ポイント | 既存規程の点検方法、改定要否の判断、労使手続と届出 |
| 第6話 | カスハラ相談窓口をどう作るか|既存のハラスメント窓口と一本化する方法 | 窓口の設計、担当者の指名と研修、二次被害の防止、記録様式 |
| 第7話 | 現場が迷わないカスハラ対応マニュアルの作り方|初動・エスカレーション・記録 | 初動対応、エスカレーション基準、録音・証拠保存、対応記録の実務 |
| 第8話 | それでも止まらない相手への法的対応|取引拒絶・出入禁止・警察対応の実務 | 警告文、販売・サービス提供の停止、出入禁止、仮処分、警察通報の判断基準 |
| 第9話 | 同時施行の求職者等セクハラ対策も忘れずに|関連する法改正・条例への対応 | 改正男女雇用機会均等法による求職者等セクハラ対策、自治体のカスハラ防止条例 |
| 第10話 | 2026年10月までにやることリスト|カスハラ義務化対応の工程表と総まとめ | チェックリスト形式の総まとめ、成果物一覧、施行後の点検方法 |
まとめ
- 指針にいうカスハラは、①職場における顧客等の言動、②社会通念上許容される範囲を超えていること、③労働者の就業環境が害されること——3要素すべてを満たすものをいいます。
- 要求内容と手段・態様は分けて評価します。一方のみが範囲を超える場合でも該当し得ます。
- 正当な苦情や、障害者からの合理的配慮の申出を排除してはなりません。カスハラ対策は、顧客を敵視する仕組みではありません。
- 就業環境への影響は、本人の主観だけでなく、「平均的な労働者の感じ方」を基準に、客観的事情も併せて確認します。
- 単一の言葉、時間、回数だけで結論を出さないでください。社内の運用基準と、指針に基づく該当性の判断は別物です。
- 判断が難しい事案こそ、相談・記録・報告の対象です。「微妙だから報告しない」が最も危険です。
- 該当性の評価は事業主の責任ですが、現場担当者一人に最終判断を背負わせない体制が必要です。
カスハラの判断基準を整理した後は、第3話「指針が求める措置の中身|方針明確化・相談体制・事後対応をどう整えるか」で、事業主が実際に整備すべき体制を確認してください。
本記事は2026年7月14日時点の法令・指針・通達・Q&A等に基づいています。今後変更され得ますので、実際の対応にあたっては厚生労働省および都道府県労働局の最新情報をご確認ください。個別の事案については、弁護士、社会保険労務士、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)等への相談もご検討ください。
カスハラ判断のための事実整理を、標準化する
「カスハラかどうかを判断する前に、そもそも事実が整理されていない」——現場の記録が「面倒な客だった」で止まっていると、3要素の評価はできません。要求内容と手段・態様を分けて記録し、就業環境への影響を書き出し、現場から上長・法務へ引き継げる形にする。この一連の作業を、担当者ごとの力量に任せないための道具が必要です。
カスハラ対応プロンプト集|顧客対応記録・従業員保護・上長報告・エスカレーションの実務テンプレート
顧客対応記録、従業員保護、上長報告、エスカレーション判断といった実務場面ごとに、たたき台を作成するためのプロンプトをまとめた実務ツールです。感情的な記述ではなく、日時・発言内容・態様・継続時間・企業側の対応といった事実を漏れなく書き出す構成になっており、法務・人事への引継ぎ資料としてそのまま使える形に整えられます。
本ツールは、事実整理・記録・社内報告を補助するためのものです。AIがカスハラ該当性を判定するものではなく、法的判断を代替するものでもありません。最終的な該当性の評価は、指針・通達を踏まえて事業主が行う必要があり、個別事案については専門家への相談をご検討ください。
パワハラ・セクハラを含むハラスメント対応の実務ツールをまとめてご覧になりたい方は、ハラスメント商品ハブもあわせてご確認ください。
参考資料
- 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
https://www.mhlw.go.jp/content/001662625.pdf - 厚生労働省「カスハラ防止指針の関連資料」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf - 厚生労働省「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第10章の規定等の運用について」(令和8年4月24日付け雇均発0424第2号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695607.pdf - 厚生労働省「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」(令和8年4月24日公表/カスタマーハラスメント関係は令和8年10月1日適用)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf - 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html - 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html - 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(2022年2月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf - 厚生労働省リーフレット「(カスタマーハラスメント対策関係)消費者の心理や障害特性、認知症の症状に係る啓発資料のご案内」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695646.pdf - 厚生労働省「あかるい職場応援団」カスタマーハラスメントとは
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/harassment_list/customer-hara/ - e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(昭和41年法律第132号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132 - e-Gov法令検索「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(平成25年法律第65号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000065
このほか、労働契約法第5条、個人情報保護法、労働者派遣法第47条の4の各規定を参照しています。
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