INTRODUCTION
契約書レビューや社内手続では、確認項目の抜け漏れが起きやすいものです。頭の中だけで確認していると、担当者によって品質がばらつきます。
チェックリストにすると、確認項目・判断基準・対応方針をそろえやすくなります。チェックリストは単なる項目一覧ではなく、抜け漏れを防ぐための実務ツールです。
ChatGPTを使うと、業務内容に応じたチェックリストを作りやすくなります。この記事では、契約書・社内手続・法務確認を表にする具体的なプロンプトを紹介します。
この記事を実務で使う
読んだだけで終わると、次の案件でまたゼロから考えることになります。
社内説明の文面も、確認メモも、AIへの指示文も、毎回イチから。用途別に実務ツールを確認できます。
用途別に実務ツールを確認する→
迷ったら、用途を選ぶだけの 1分診断 →
この記事でわかること
POINT
実務で使えるチェックリストに必要な項目
ChatGPTでチェックリストを作るプロンプトの書き方
契約書レビュー・社内手続・法務確認で使える完成プロンプト
確認項目・リスク・対応方針を表で整理する方法
AIが作ったチェックリストを確認するときの注意点
業務標準化にチェックリストを使う考え方
使えるチェックリストと使えないチェックリスト
項目を並べただけのチェックリストは、現場で使われません。「何を見て、どう判断し、問題があればどうするか」までそろって、はじめて実務で機能します。
項目を並べただけ
抽象的判断基準なし
現場で使われない
→
実務ツール
確認項目判断基準対応方針
抜け漏れを防ぐ
表1:使いにくいチェックリストと使いやすいチェックリストの違い
| 観点 | 使いにくいチェックリスト | 使いやすいチェックリスト |
| 確認項目 | 抽象的・粒度バラバラ | 具体的で粒度がそろう |
| 判断基準 | OK/NGが曖昧 | 何を見ればよいか明確 |
| 対応方針 | 確認だけで終わる | リスク時の対応がある |
| 担当者 | 不明 | 誰が確認するか明確 |
| 証跡 | 残し方が不明 | 何を残すか決まっている |
| 更新頻度 | 作りっぱなし | 定期的に見直す |
| 例外対応 | 想定なし | 例外時の扱いがある |
チェックリストに入れるべき基本項目
次の項目を指定すると、確認するだけで終わらない、動けるチェックリストになります。
表2:チェックリストに入れるべき基本項目
| 項目 | 内容 | AIへの指示例 |
| 確認項目 | 何を確認するか | 「確認項目を具体的に」 |
| 確認目的 | なぜ確認するか | 「各項目の目的を添えて」 |
| 判断基準 | どう判断するか | 「OK/NGの基準を入れて」 |
| リスク | 見落とすと何が起きるか | 「想定リスクを挙げて」 |
| 対応方針 | 問題時にどうするか | 「対応方針を添えて」 |
| 担当部門 | 誰が確認するか | 「担当部門を入れて」 |
| 必要資料 | 何を見るか | 「必要資料を挙げて」 |
| 証跡 | 何を残すか | 「証跡として残すものを」 |
| 期限 | いつまでに | 「期限の目安を入れて」 |
| 備考 | 補足・要確認 | 「要確認事項を備考に」 |
表3:業務別に作れるチェックリスト
| 業務 | チェックリストの目的 | 入れるべき観点 |
| 契約書レビュー | 抜け漏れ防止 | 条項・リスク・修正方針 |
| NDA確認 | 秘密情報の保護 | 定義・開示範囲・期間 |
| 社内手続確認 | 手続の標準化 | 承認・資料・証跡 |
| 法改正対応 | 対応漏れ防止 | 影響・対応・期限 |
| 個人情報確認 | 適正な取扱い | 取得・利用・委託 |
| 外部委託管理 | 委託先リスク管理 | 契約・再委託・情報管理 |
| 広告表示確認 | 表示リスク防止 | 根拠・誇張・打消し表示 |
| 稟議前確認 | 決裁の通りやすさ | 必要性・費用・リスク |
表4:AIが作ったチェックリストを確認するときのポイント
| チェック項目 | 注意点 | 人間が確認すべきこと |
| 自社ルールとの整合性 | 一般論と自社ルールは違う | 規程・承認フロー |
| 法令の正確性 | 誤った条文・制度がありうる | 一次情報で確認 |
| 業務実態との整合性 | 現場で回るか | 実際の運用 |
| 抜け漏れ | 重要項目が抜けることがある | 自社で必須の項目 |
| 過剰な項目 | 多すぎると使われない | 現場で運用可能な量 |
| 更新の必要性 | 古くなる | 定期的な見直し |
チェックリスト作成の基本の型
まずは次の型を使ってください。空欄を埋めるだけで、実務で使える形に整理されます。
実務メモ|基本の型
あなたは、企業法務・管理部門の業務チェックリストを設計する担当者です。
以下の業務について、実務で使えるチェックリストを作成してください。
チェックリストの対象業務:
チェックリストを作る目的:
想定利用者:
利用場面:
確認したい範囲:
関連する社内ルール:
関連する法令・契約類型:
重視するリスク:
出力形式:
注意点:
以下の項目を含む表で整理してください。
1. 確認項目
2. 確認目的
3. 判断基準
4. 想定リスク
5. 必要な対応
6. 担当部門・担当者
7. 確認資料
8. 証跡として残すもの
9. 優先度
10. 備考
不明な点は断定せず、「確認が必要な事項」として整理してください。
AIのチェックリスト案は最終版ではなく、自社ルール・法令・業務実態に合わせて人間が確認する前提で作成してください。
各項目の意味
対象業務/目的:何のためのチェックリストかで、必要な項目が変わります。
想定利用者/利用場面:新任者向けか熟練者向けかで、詳しさが変わります。
確認したい範囲:広げすぎず、使う場面に絞ります。
関連する社内ルール/法令・契約類型:自社の前提を伝えると精度が上がります。
重視するリスク:何を防ぎたいかで、優先順位が決まります。
注意点:創作しない・断定しない・要確認に分けるなどの方針を伝えます。
そのまま使える完成プロンプト集
ここからは、コピーしてすぐ使える完成プロンプトを7つ紹介します。【 】の部分を自分の状況に書き換えて使ってください。いずれも法令・社内ルールを創作させず、項目を増やしすぎない指示を入れています。
1プロンプト1|業務チェックリストを作る標準プロンプト
あなたは、企業法務・管理部門の業務チェックリストを設計する担当者です。以下の業務について、実務で使えるチェックリストを作成してください。
チェックリストの対象業務:【記入】
チェックリストを作る目的:【抜け漏れ防止/標準化 など】
想定利用者:【新任担当者/全社員 など】
利用場面:【記入】
確認したい範囲:【記入】
関連する社内ルール:【あれば記入】
関連する法令・契約類型:【あれば記入】
重視するリスク:【記入】
以下の項目を含む表で整理してください。
確認項目/確認目的/判断基準/想定リスク/必要な対応/担当部門・担当者/確認資料/証跡として残すもの/優先度/備考
注意点:
・法令・社内ルールが関係する点は、私が一次情報・自社規程で確認する前提とし、創作しないでください。不確かな点は備考に「要確認」と明記してください。
・項目を増やしすぎず、現場で運用できる量にしてください。
・不明な点は断定せず「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。自社ルール・法令・業務実態に合わせて人間が確認する前提です。
2プロンプト2|契約書レビュー用チェックリストを作る
あなたは、契約書レビュー用のチェックリストを設計する企業法務の担当者です。以下の契約について、レビューの抜け漏れを防ぐチェックリストを作成してください。
契約類型:【業務委託契約 など】
当社の立場:【委託者/受託者 など】
取引の概要:【記入】
特に重視するリスク:【記入】
確認したい観点(必要に応じて調整):
・当事者・契約期間
・業務範囲・成果物
・検収
・支払条件
・損害賠償
・解除
・秘密保持
・個人情報
・知的財産権
・再委託
・反社会的勢力の排除
・準拠法・管轄
出力形式:表形式で、次の列を出してください。
確認項目/見るべき条項/想定リスク/修正方針/社内で確認すべき事項/重要度
注意点:
・契約類型や当社の立場で確認項目は変わります。一般的な観点として整理し、断定しないでください。
・修正方針は方向性であり、最終的な判断は担当者・弁護士が行う前提です。
・不明な点は「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。最終確認は人間が行う前提です。
3プロンプト3|NDA確認チェックリストを作る
あなたは、秘密保持契約(NDA)のレビュー用チェックリストを設計する企業法務の担当者です。以下のNDAを確認するためのチェックリストを作成してください。
当社の立場:【開示者/受領者/相互 など】
取引・検討の概要:【記入】
確認したい観点:
・秘密情報の定義
・利用目的
・第三者への開示制限
・役職員・委託先への開示
・返還・廃棄
・存続期間
・例外情報(公知情報など)
・既存情報の取扱い
・口頭開示情報の扱い
・損害賠償
・差止め
出力形式:表形式で、次の列を出してください。
確認項目/開示者側の注意点/受領者側の注意点/修正候補/確認事項
注意点:
・立場(開示者/受領者)で注意点は変わります。両面を整理し、断定しないでください。
・修正候補は方向性であり、最終判断は人間が行う前提です。
・不明な点は「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。最終確認は人間が行う前提です。
4プロンプト4|社内手続確認チェックリストを作る
あなたは、社内手続のチェックリストを設計する管理部門の担当者です。以下の社内手続について、抜け漏れを防ぐチェックリストを作成してください。
対象の手続:【稟議/押印/契約締結/取引先登録/支払申請 など】
利用場面:【記入】
関連する社内ルール(分かる範囲):【記入】
確認したい観点:
・必要な承認・承認者
・添付資料
・期限
・関係部門
・押印・電子契約の要否
・契約書原本の保管
・支払条件
・取引先審査
・反社チェック
・証跡管理
・例外処理
出力形式:表形式で、次の列を出してください。
手続項目/確認内容/担当部門/必要資料/証跡/期限/未対応時のリスク
注意点:
・社内ルールは会社ごとに異なります。私が自社規程で確認する前提とし、規程内容を創作しないでください。不確かな点は「要確認」としてください。
・項目を増やしすぎず、現場で運用できる量にしてください。
・不明な点は「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。最終確認は人間が行う前提です。
5プロンプト5|法改正対応チェックリストを作る
あなたは、法改正対応のチェックリストを設計する企業法務の担当者です。以下の法改正(または新制度対応)について、自社の対応事項を整理したチェックリストを作成してください。
改正・制度の概要(私が把握している範囲):【記入】
当社の事業・業務:【記入】
確認したい観点:
・改正内容(私が示した範囲で)
・施行日・適用開始時期(断定せず要確認として)
・対象業務
・影響を受ける部門
・契約書の修正要否
・規程の改定要否
・マニュアルの更新要否
・社内周知
・研修
・システム対応
・取引先対応
・対応期限
出力形式:表形式で、次の列を出してください。
確認項目/対象部門/必要な対応/確認資料/対応期限/優先度/未対応時のリスク(要確認事項を含む)
注意点:
・施行日・改正内容・条文番号を創作しないでください。私が示した範囲で扱い、不確かな点は「所管省庁・e-Gov法令検索で要確認」と明記してください。
・自社への該当は、業務内容により変わります。断定しないでください。
・不明な点は「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。最終確認は人間が行う前提です。
6プロンプト6|外部委託・業務委託先管理チェックリストを作る
あなたは、外部委託先・業務委託先の管理チェックリストを設計する企業法務・管理部門の担当者です。以下の委託について、選定・契約・管理を確認するチェックリストを作成してください。
委託業務の内容:【記入】
当社の立場:委託元
委託先の概要(分かる範囲):【記入】
重視するリスク:【情報管理/品質 など】
確認したい観点:
・委託業務の内容・範囲
・委託先の選定理由
・契約書の有無
・再委託の可否・条件
・秘密保持
・個人情報の取扱い
・セキュリティ
・成果物・検収
・支払条件
・報告義務
・契約終了時の処理
・監査・確認権限
出力形式:表形式で、次の列を出してください。
確認項目/想定リスク/必要資料/契約上の確認事項/運用上の確認事項/担当部門
注意点:
・委託内容や情報の種類で確認項目は変わります。一般的な観点として整理し、断定しないでください。
・個人情報・セキュリティは、社内ルール・専門部門の確認が前提です。
・不明な点は「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。最終確認は人間が行う前提です。
7プロンプト7|広告・表示チェックリストを作る
あなたは、広告・表示の確認チェックリストを設計する担当者です。以下の表示物(LP・商品説明・広告文・キャンペーン表示など)を確認するチェックリストを作成してください。
表示物の種類:【記入】
商品・サービス:【記入】
想定読者:【消費者/事業者 など】
確認したい観点:
・表示内容と根拠資料
・誇張表現
・断定表現
・比較表示
・No.1表示
・価格表示
・キャンペーン条件
・注意書き
・景品・特典
・期限表示
・打消し表示
出力形式:表形式で、次の列を出してください。
確認項目/想定リスク/確認すべき資料/修正方針/担当部門/備考
注意点:
・景品表示法など、関係しうる法令・規制の該当有無は、最終的に法務担当・専門家の確認が必要です。条文や要件を断定しないでください。
・根拠資料の有無は表示の前提です。根拠が不明な表示は「要確認」としてください。
・不明な点は「確認が必要な事項」として整理してください。
・AIのチェックリスト案は最終版ではありません。最終確認は人間が行う前提です。
悪い例・少し良い例・実務で使う例
同じ業務でも、どこまで指定するかでチェックリストの質が変わります。3つの場面で見比べてみましょう。
場面1:契約書レビュー用チェックリスト
少し良い例業務委託契約書のチェックリストを作ってください。
実務で使うならあなたは企業法務担当者として、業務委託契約書レビュー用のチェックリストを設計する担当者です。委託者側の立場で、業務範囲、成果物、検収、支払条件、損害賠償、解除、再委託、秘密保持、個人情報、知的財産権を中心に、確認項目、確認目的、想定リスク、修正方針、社内確認事項、重要度を表で整理してください。不明点は確認事項として扱ってください。
場面2:社内手続確認チェックリスト
少し良い例契約締結の社内手続チェックリストを作ってください。
実務で使うなら契約締結の社内手続について、必要な承認・承認者、添付資料、押印/電子契約の要否、原本保管、取引先審査、反社チェック、証跡管理を中心に、手続項目・確認内容・担当部門・必要資料・証跡・期限・未対応時のリスクを表で整理してください。社内ルールは自社規程で確認する前提とし、規程内容は創作せず、不確かな点は要確認としてください。
場面3:法改正対応チェックリスト
少し良い例この法改正の対応チェックリストを作ってください。
実務で使うなら当社は〇〇業です。以下の法改正情報(私が把握した範囲)について、対象業務・影響部門・契約書修正・規程改定・社内周知・研修・対応期限を中心に、確認項目・対象部門・必要な対応・確認資料・対応期限・優先度・未対応リスクを表で整理してください。施行日や改正内容は創作せず、所管省庁・e-Gov法令検索で要確認と明記してください。
チェックリスト作成でAIを使うときの注意点
注意
AIが作ったチェックリストを、そのまま正式運用しない。
自社の規程・承認フロー・業務実態に合わせて修正する。
法令・制度・ガイドラインが関係する場合は、一次情報を確認する。
契約類型や自社の立場によって、確認項目は変わる。
項目を増やしすぎると、現場で使われないチェックリストになる。
確認項目だけでなく、判断基準や対応方針も入れる。
証跡として何を残すかを決める。
定期的に見直す。
機密情報・個人情報・契約情報をAIへ入力する場合は、社内ルールに従う。
AIはチェックリスト作成の補助には役立つが、最終的な正確性と運用可否は人間が確認する。
まとめ
チェックリストは、抜け漏れを減らし、業務品質をそろえるために有効です。担当者によるばらつきを抑える効果もあります。
ChatGPTを使うと、契約書レビュー・社内手続・法務確認などの確認項目を、表に整理しやすくなります。プロンプトでは、対象業務・利用者・確認範囲・重視するリスク・出力形式を指定することが重要です。実務で使うには、確認項目だけでなく、判断基準・対応方針・担当部門・証跡まで入れる必要があります。
ただし、AIのチェックリスト案はあくまで補助です。最終的には、自社ルールや業務実態に合わせて人間が修正してください。
次回は最終回。ChatGPTの回答をそのまま使える形にするために、表・メール・社内メモ形式で出力させるプロンプトを扱います。
「プロンプトの力」シリーズ一覧
第14話チェックリストを作りたいときのプロンプト|契約書・社内手続・法務確認を表にする方法
契約書レビュー・社内手続・法務確認などで使えるプロンプトを持っておきたい方へ
チェックリストは、契約書レビューや社内手続の抜け漏れを減らすために有効です。Legal GPTでは、契約レビュー、稟議、法改正対応、社内説明、チェックリスト作成など、法務・管理部門の実務で使いやすいプロンプト集を用意しています。毎回ゼロから確認項目を考えるのが大変な方は、自分の業務に近いプロンプトから試してみてください。
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