社内研修資料20選 第3回

公益通報者保護法・内部通報窓口研修資料|受付・調査・秘密保持の実務

通報を受けた瞬間から、窓口担当者は何を確認し、誰を関与させ、どこまで約束してよいのか。この記事では、内部通報窓口担当者・公益通報対応業務従事者向けの研修パッケージ(編集できるスライド・実務書式・確認テスト)を無料で配布します。

法令・制度基準日:2026年6月18日。 本資料は、この時点で施行されている公益通報者保護法・指針を前提にしています。改正法(令和7年法律第62号)と改正指針は2026年12月1日施行です。本文・資料では、現在施行中の内容と改正で変わる内容を区別しています。
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社内説明の文面も、確認メモも、AIへの指示文も、毎回イチから。用途別に実務ツールを確認できます。

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この研修資料でできること

第2話(全社員向け)が「どこに・どう声を上げるか」を扱うのに対し、本研修は、その通報を「受けてどう動くか」に焦点を当てた、窓口担当者・従事者向けの実務研修です。受付・初動、情報管理と従事者の指定、利益相反と独立性、調査、是正、通知、記録管理という一連の流れを、暗記ではなく運用に落とし込むことを目的としています。

資料は、そのまま投影できる研修スライド(全40枚)、受付から記録管理までを解説したハンドブック、実際に記入して使える実務書式の3パック、理解度を測る確認テストと解答・解説集、講師用の進行台本、企画運営ガイドで構成されています。会社名・窓口名・通知の目安期間などは、自社の内部通報規程に合わせて調整してください。

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実務で「記入して使う」3つの書式パック

受付から終了まで連動した書式群です。まずこの3点をご活用ください。

書式

受付/初動対応 書式パック

受付票・初動対応チェックリスト・利益相反確認票・従事者指定記録。通報を受けた直後に使う4書式。

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書式

調査実務 書式パック

調査要否判断票・調査計画書・証拠管理台帳・ヒアリング記録・事実認定整理表。調査段階の5書式。

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書式

通知・案件終了 書式パック

受領〜対応結果の通知テンプレート、案件終了記録、不利益取扱いフォローアップ記録。

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研修・テスト一式

スライド

研修スライド(全40枚)

そのまま投影・編集できる研修用スライド。受付から記録管理・改正の要点まで。

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解説

窓口担当者ハンドブック

受付から記録管理までの実務の手引き。研修後の参照用にも。

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テスト

確認テスト(全12問)

○×・四択・ケース判断の12問。氏名・得点欄付きで印刷できます。

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解答

解答・解説集

各問の正解・法的根拠・現行/改正の区別・対応スライド付き。講師・採点用。

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講師用

講師用 進行台本

スライド別台本・時間配分(60〜75分)・想定質問14問・90分への拡張。

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運営

企画・運営ガイド

目的・対象・事前準備・当日進行・資料構成・版管理。研修の企画担当向け。

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受付の入口で「切り捨てない」

窓口対応の出発点は、入口で「これは公益通報ではない」「証拠がないから受け付けない」と切り捨てないことです。まずは話を遮らずに聞き、感情と事実関係を分けて受け止めます。受付は真偽を判断する場ではありません。通報者が直接確認した事実・伝聞・推測を分けて記録し、重要な点は「いつ・どこで・誰が」という形で具体化します。

「相談だから対応不要」ではありません。まずは相談として記録し、必要に応じて公益通報として再整理します。また、上司や職場のレポートライン(上司等)に対して法令違反を伝える行為も、内部公益通報になり得ます。正式な窓口に来ていないから対象外、と即断しないでください。受付票(受付/初動対応 書式パック)は、こうした初回受付の記録を、特定につながる情報を最小限にとどめながら残せるように作っています。

「従事者」は全員ではない ― 実質で判断する

つまずきやすいのが、公益通報対応業務従事者の指定です。従事者として指定すべきなのは、①公益通報対応業務(受付・調査・是正に必要な措置)を行い、かつ②その業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者です。部署や役職で機械的に決めるのではなく、実質で判断します。単にヒアリングを受ける者、調査対象者、単純な再検査のみを行う者などは、当然には従事者に当たりません。

指定は、本人が「自分が従事者であること・法定守秘義務を負うこと・罰則の対象となり得ること」を認識できる方法で行います。ここで大切なのは、法定守秘義務(従事者)と社内の秘密保持義務は別物だということです。前者の違反には刑事罰(現在は30万円以下の罰金)が科され得ます。一方で、全ての管理職に法定守秘義務がある、と誤って説明してはいけません。従事者でなくても、範囲外共有(必要最小限を超えた情報共有)は許されません。

利益相反と、幹部が関係する案件の独立性

被通報者本人や、調査結果により実質的な不利益を受ける者などを、対応・調査に関与させないようにします。受付時に判明しなくても、判明した段階で関与から除外します。なお、顧問弁護士を窓口にする場合でも中立性に留意します(顧問だから常に利益相反がない、わけではありません)。

経営トップその他の幹部が関係する通報は、通常の経営ライン・窓口責任者だけで完結させません。監査役・社外取締役・独立した外部弁護士・親会社窓口など、独立したルートを検討します。会社形態により機関設計が異なるため、特定のルートを「全社共通の法定ルート」と断定せず、自社規程で事前に定めておくことが重要です。

2026年12月1日施行: 改正により、独立性確保措置等の対象が、内部窓口経由以外の公益通報(報道機関等への通報を契機とする調査 等)にも拡大されます。

調査の要否と、通知での「言いすぎ」を避ける

受け付けた内部公益通報は、正当な理由がある場合を除いて、必要な調査を実施します。「解決済み」「同じ案件」「情報不足」を安易な不調査の理由にせず、調査しない場合は理由・判断者・検討資料・再検討条件を記録します。調査の結果、法令違反が明らかになれば速やかに是正し、是正後はそれが機能しているかを確認し、機能していなければ改めて是正します。是正は「決めて終わり」ではありません。

通知では、過大な約束をしないことが肝心です。無条件の秘密保証や、すべての情報の開示、希望どおりの結論を約束してはいけません。とりわけ、いわゆる「20日」を、全案件に共通する法定の調査開始・完了期限のように説明しないでください。これは主に外部(報道機関等)への通報の保護要件や、指針解説上の通知期間の例として問題になる期間です。通知テンプレート(通知・案件終了 書式パック)は、こうした「言いすぎ」を避けつつ、誠実に説明するための雛形です。

不利益取扱いの防止と、改正で強化される点

会社は、不利益取扱いを防ぐ措置をとり、通報者が不利益を受けていないかを把握し、把握した場合は救済し、不利益取扱いを行った者には懲戒その他の措置をとります。通報後しばらくは、評価・配置・処遇・職場での扱いをフォローします。フォローアップ記録(通知・案件終了 書式パック)は、こうした確認を継続的に残すための書式です。

2026年12月1日施行の改正では、通報者保護がさらに強化されます。主な要点は次のとおりです(施行日前は現行法を前提に運用します)。

区分改正の要点(2026年12月1日施行)
保護対象フリーランス(特定受託業務従事者)等を公益通報者に追加。業務委託の終了後1年以内も対象となり得る。
周知事業者による制度の周知を強化(周知すべき事項の明確化)。
通報妨害通報を妨害する行為を禁止。これに反する合意等は無効(私法上の規律)。
探索の禁止通報者を探索する行為を禁止。
不利益取扱い例示を明確化。さらに公益通報から1年以内の解雇・懲戒は、公益通報を理由とするものと推定(立証責任の転換)。
罰則公益通報を理由とする解雇・懲戒への直罰を新設。
監督従事者指定義務違反については、勧告に従わない場合の命令及び命令違反への刑事罰を新設。その他の体制整備義務違反についても、報告徴収、助言・指導、勧告及び公表による監督を強化。
独立性独立性確保措置等の対象を、内部窓口経由以外の公益通報にも拡大。

記録の作成・保管・アクセス制限

受付から終了までの各記録(受付・連絡・従事者指定・利益相反確認・調査要否判断・調査計画・証拠台帳・ヒアリング・事実認定・是正措置・通知・不利益取扱いフォロー・終了判断)を残します。これらは機微情報を含むため、アクセス権を制限し、人事異動時には権限を解除し、暗号化・持出し制限・廃棄方法を管理します。

なお、記録の保管期間は、法令上、全国一律の年数が定まっているわけではありません。評価・点検、時効、行政対応、訴訟リスク、自社の文書管理規程を踏まえて、各社が適切な期間を定めます。

ご利用にあたって: 本資料は研修・実務の参考です。研修を実施することや本資料を使うことで、体制整備義務がすべて果たされる・完全に対応できる、というものではありません。最終的な判断は、最新の一次資料(消費者庁の公益通報者保護制度のページ・改正指針・指針解説)と自社の内部通報規程によります。

通報対応の事実整理や社内説明を、ゼロから作らない

通報を受けたあとの「事実・推測・伝聞の整理」「論点の洗い出し」「社内向け説明文の下書き」は、毎回ゼロから書くと時間がかかります。法務AIプロンプト集100選には、こうした文章づくりの土台になるプロンプトを収録しています。

法務AIプロンプト集100選を見る

※ このプロンプト集は、通報の受付・調査・証拠保全を行うシステムではありません。AIが公益通報該当性・違法性・事実認定を最終的に判断するものでもありません。実際の通報内容・個人情報・通報者を特定させる情報を外部のAIにそのまま入力することは推奨しません。匿名加工や、自社が承認した環境での利用を前提としてください。なお、本プロンプト集は上記の研修パッケージに含まれる商品ではありません。

あわせて、法務の実務に使えるツールをまとめています ▶ 法務実務ツール一覧

社内研修資料20選 シリーズ一覧
  1. コンプライアンス基礎(全社員)
  2. 公益通報者保護法(全社員)
  3. 公益通報者保護法・内部通報窓口研修資料|受付・調査・秘密保持の実務(この記事)
  4. パワーハラスメント(管理職)
  5. セクシュアルハラスメント(全社員)
  6. 就活セクハラ対策
  7. カスタマーハラスメント対策
  8. 職場の人権(ビジネスと人権)
  9. 個人情報保護(全社員)
  10. 情報セキュリティ(全社員)
  11. 生成AIの業務利用
  12. SNS利用(従業員向け)
  13. 営業秘密・秘密情報管理
  14. 贈答・接待と贈賄防止
  15. 利益相反管理
  16. 独占禁止法(従業員向け)
  17. 取適法・調達担当者向け
  18. フリーランス法・発注者向け
  19. 契約締結権限
  20. インサイダー取引防止

前の記事:第2回 公益通報者保護法(全社員) / 次の記事:第4回 パワーハラスメント(管理職)

本記事および配布資料は、2026年6月18日時点の情報に基づく一般的な解説・参考様式です。個別の事案の判断にあたっては、最新の法令・指針および自社の内部通報規程を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。

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