法務・総務のための社内研修資料20選(第15回)/法令基準日:2026年6月18日

副業先が自社の競合だったら。発注先の候補に親族が経営する会社があったら。取引先の担当者と個人的に親しく、その人から個人的な投資話を持ちかけられたら——。利益相反は、不正をしようという気持ちがなくても、日常の判断のなかで自然に生まれます。この記事は、社員・管理職・役員が「これは申告したほうがよい場面かもしれない」と気づき、申告・承認・判断除外・記録・相談につなげられるようにするための社内研修資料一式(スライド・確認テスト・講師台本ほか計9点)を配布するものです。

研修スライド(PowerPoint)

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導入ケースから、利益相反の基本構造、副業・親族会社・取引先との関係、購買・採用・投資といった関与場面、会社情報・会社機会の私的利用、申告・承認・判断除外フロー、ケーススタディまでを1本にまとめています。そのまま投影でき、自社の規程名・相談窓口・事例に差し替えて使う前提の編集可能ファイルです。

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この資料の使い方 本資料は、利益相反に関する一般的な解説教材です。そのまま完成版として使うものではなく、自社の利益相反規程・副業規程・承認フロー・相談窓口を補ったうえで運用することを前提としています。最終的な該当性の判断・承認の要否は、自社の規程と所定の手続に従って行ってください。
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この研修で扱うこと・扱わないこと

利益相反は多くの法令・社内規程と接点があります。この回では「現場の社員が、利益相反になりやすい場面に気づき、申告・相談につなげる」ことに絞っています。関連する詳細テーマは、それぞれ別の回で扱います。

扱うこと(本回)詳しく扱う回
副業・兼業・顧問・個人事業と本業の利害本回
親族会社・知人会社・取引先との個人的関係本回
購買・調達・採用・評価・投資での関与と申告・除外本回
会社情報・会社資産・会社機会の私的利用本回
接待・贈答・贈収賄の金額基準・辞退・返却第14回
競合との情報交換・カルテル・入札談合第16回
発注の禁止行為・支払・買いたたき(取適法)第17回
契約締結権限・押印・電子契約第19回
未公表の重要事実とインサイダー取引第20回

利益相反とは何か

利益相反とは、会社のために判断すべき立場にある人が、その判断に影響しかねない個人的な利益や関係を同時に持っている状態を指します。「実際に会社へ損害が出たか」ではなく、まず「公正な判断をゆがめかねない関係があるかどうか」が出発点です。状態そのものが直ちに不正なのではなく、その関係を申告せず、判断や手続から外れないまま物事を進めてしまうことが問題になります。

よくある誤解
  • 「会社に損が出ていないから利益相反ではない」——損害の有無は別問題で、関係の申告は必要です。
  • 「自分は公正に判断するから問題ない」——公正かどうかを本人だけで判断すること自体が避けるべき構図です。
  • 「申告すれば必ず承認される/問題がなくなる」——申告は出発点で、承認の要否は会社が判断します。

悪意がなくても起こる

利益相反の多くは、「会社のためによかれと思って」「親しいから安心して」「少しだけだから」という善意や油断から生まれます。だからこそ、本人の良心に頼るのではなく、関係を早めに申告し、必要に応じて判断プロセスから外れ、記録に残すという仕組みで防ぎます。申告は本人を疑うための手続ではなく、本人と会社の双方を守るための行動です。研修でも、申告した人を責めない・疑わないという姿勢を前提にします。

利益相反になりやすい場面

スライドと教材では、次のような場面を具体的に扱います。ここでは概要だけを示します。

副業・兼業・顧問・個人事業

副業そのものは一律に禁止されるものではありませんが、競合関係・秘密保持・本業への支障・利益相反の観点から、申告と確認が必要になる場合があります。副業先が取引先や競合である、本業で得た情報・人脈を使う、といった点が論点です。

取引先・親族会社・知人会社との関係

発注先・選定先の候補に、親族や知人が関係する会社がある場合、価格や品質が妥当に見えても、まず関係を申告し、必要に応じて選定・評価から外れることが求められます。「安い・品質が良い・知人だから選んでよい」と本人が結論づけることは避けます。

購買・調達・採用・評価・投資

発注先の選定、採用候補者の評価、投資・M&Aの検討などで、自分や家族の個人的な利益・関係が関わる場合、関与の前に申告し、判断から外れる(判断除外)ことが基本です。

会社情報・会社資産・会社機会の私的利用

会社で知った未公表情報や、会社の設備・時間・取引関係を、個人的な利益のために使うことは利益相反になり得ます。「会社情報を使わなければよい」「勤務時間や会社端末を少しだけなら使ってよい」とは整理しません。会社が取り組むべき事業機会を個人で取り込む「会社機会の利用」も論点です。

申告・判断除外・記録の基本

いつ申告するか

「迷ったら、関与する前に」が基本です。発注先を選ぶ前、採用・評価に関わる前、投資を検討する前、副業を始める前など、判断や手続に入る前の段階で申告します。状況が変わったとき(取引先に親族が入社した等)も申告のタイミングです。

判断プロセスから外れる

利益相反がある場合、その案件の選定・評価・承認・交渉から本人が外れることがあります。誰が・いつ・どのプロセスから外れるかは、自社の規程と承認フローに従います。

記録に残す

申告した内容、承認の判断、判断除外の事実は、稟議・議事録・申告書などに残します。記録は、後から「公正な手続を踏んだ」ことを社内外に説明するための土台になります。

配布する申告・記録様式 利益相反申告シート、判断除外・代替担当者の記録、初動記録、再発防止メモを、記入欄付きのWordでまとめて配布します。自社の様式がある場合はそちらを優先し、ない部分の補助として使ってください。

問題に気づいたときの初動

利益相反のおそれに気づいたら、その場で「問題ない」と自己判断して進めないこと、関係や事実を隠さないことが出発点です。黙って進める、記録を残さない、関係者だけで処理する、といった初動は避けます。事実関係を簡潔に控え、上長・法務・コンプライアンス窓口など所定の相談先につなぎます。

やってはいけない初動
  • 「黙っていればよい」と考えて申告しない
  • 関係を隠したまま選定・承認・交渉を進める
  • 個人的な紹介料・リベートを「会社のため」と受け取る
  • 役員が関与する取引を現場だけで承認してしまう

役員・取締役が関わる場合(会社法)

取締役が、自分や第三者のために会社と取引する場合(競業取引・利益相反取引)には、会社法上、重要な事実を開示して承認を受けるなどの手続が定められています。取締役会設置会社では取締役会の承認が必要になるなど、現場の判断だけで完結できる話ではありません。役員・取締役が関わる取引は、必ず法務・取締役会の手続につないでください。詳細な条文は、スライドと講師台本で扱います。

根拠を確認したいとき 会社法上の競業・利益相反取引の規定は、e-Gov法令検索の会社法で確認できます。実際の判断は、自社の取締役会規程・職務権限規程とあわせて行ってください。

ケーススタディの概要

ワークブックには、討議用のケースを8つ収録しています。いずれも「申告すべきか」「誰が判断から外れるか」「どこに相談するか」を考えるための題材です。詳しい解説は講師台本にあります。

CASE 1

親族会社への発注

発注先の候補に、親族が経営する会社が含まれていた。価格は他社と同等。どう申告し、選定から外れるべきか。

CASE 2

副業先へ自社の顧客を紹介

個人で始めた副業先に、本業で知り合った顧客を紹介してよいか。会社情報・人脈の私的利用の観点で考える。

CASE 3

採用候補者が友人だった

選考に関わる候補者が個人的な友人だと分かった。評価に関与してよいか、どう申告するか。

CASE 4

投資先とのM&A検討

自分が個人的に投資している会社が、会社のM&A検討先になった。検討にどう関わるべきか。

CASE 5

取引先からの紹介料

取引先から、個人的な紹介料の話を持ちかけられた。受け取ってよいか、どこにつなぐか。

CASE 6

未公表情報を使った投資

職務上知った未公表情報をもとに投資を考えてしまった。利益相反とインサイダーの両面で考える。

CASE 7

会社の設備と時間を使った副業

会社PC・会社メール・会社のデータベース・勤務時間を副業の資料作成や顧客対応に使っている。本業に支障がなければよいか。

CASE 8

取締役が関与する会社との取引

取締役が実質的に支配する別会社と、自社が重要な業務委託契約を結ぼうとしている。通常取引として進めてよいか。

確認テストの使い方

確認テスト(全12問・○×/四肢択一/ケース判断)と、解答・解説を別ファイルで配布します。解説には、各設問のねらい・関連リスク・現場で取るべき対応・対応するスライド番号・自社規程で確認すべき点を載せています。採点は各1点・計12点を目安にし、実施・採点・保管の方法は自社で決めてください。テストは知識の確認が目的で、申告すべき内容そのものをこの場で詳述させるものではありません。

ダウンロード教材一覧(計9点)

研修一式(スライド・冊子・テスト・台本・運営ガイド)をまとめてダウンロードできます。いずれも自社の規程・窓口・事例を補って使う前提の編集可能ファイルです。

PPTX研修スライド(全35枚) 投影用の本体。導入ケースからケーススタディまでを収録。
ダウンロード
DOCX受講者用ハンドブック 利益相反の基本・申告・除外・記録を1冊で読める配布資料。
ダウンロード
DOCX自己点検チェックリスト 副業・関係・購買・会社情報など、申告要否を自分で点検。
ダウンロード
DOCX申告・記録様式集 申告シート・判断除外記録・初動記録・再発防止メモの様式。
ダウンロード
DOCXケース演習ワークブック 討議用ケースと記入欄付きの検討シート(全8ケース)。
ダウンロード
DOCX確認テスト(問題) 全12問。○×・四肢択一・ケース判断。解答は別ファイル。
ダウンロード
DOCX確認テスト 解答・解説 正解とねらい・対応スライド・自社規程で確認すべき点。
ダウンロード
DOCX講師用台本 スライドごとの進行・トーク例・想定問答・時間配分。
ダウンロード
DOCX実施ガイド(企画・運営者向け) 準備・自社規程との整合・相談基準・カスタマイズ手順。
ダウンロード

研修の進め方(運営者向け)

標準は約45〜55分。ケース討議や申告書の記入演習を加えると70〜80分になります。実施前に、自社の利益相反規程・副業規程・承認フロー・相談窓口を確認し、スライドと様式の該当箇所を自社の内容に差し替えてください。役員・購買・採用・投資など関与度の高い部門には、必要に応じて追加のケース討議を行うと効果的です。詳しい準備手順は実施ガイドにまとめています。

参考(公式情報)

※リンク先の内容は改正される場合があります。実際の判断にあたっては最新の条文・公式情報と、自社の規程をご確認ください。

あわせて使えるツール

利益相反の相談内容を、社内説明できる形で整理する

申告すべきか迷う状況や、相談・稟議の文面づくりを後押しする実務プロンプト集です。契約レビュー・稟議・法改正対応など、法務まわりの「書いて説明する」場面で使えます。なお、該当性や承認の要否を最終的に判断するのはプロンプトではなく、自社の規程と人による確認です。個人名・取引先名・未公表情報などは、匿名化や自社の承認済み環境の利用など、自社ルールに従って扱ってください。

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シリーズ「法務・総務のための社内研修資料20選」一覧
  1. コンプライアンス基礎研修資料|違反・事故・不正を見つけたときの初動対応
  2. 内部通報制度研修資料|全社員が知るべき通報方法と通報者保護
  3. 公益通報者保護法・内部通報窓口研修資料|受付・調査・秘密保持の実務
  4. パワハラ研修資料|業務指導との違いをケースで学ぶ
  5. セクハラ研修資料|職場・飲み会・SNSの境界事例
  6. 求職者等セクハラ研修資料|採用・インターン・OB・OG訪問の注意点
  7. カスタマーハラスメント研修資料|正当な苦情との違いと対応手順
  8. 人権研修資料|職場の差別・偏見・不適切発言をケースで学ぶ
  9. 個人情報保護研修資料|メール誤送信・持出し・漏えい時の初動
  10. 情報セキュリティ研修資料|標的型メール・パスワード・端末紛失
  11. 生成AI利用研修資料|機密情報・個人情報・著作権・誤情報のリスク
  12. SNS利用研修資料|私的投稿・職場撮影・炎上・情報漏えい
  13. 営業秘密・機密情報管理研修資料|持出し・転職・クラウド利用
  14. 接待・贈答・贈収賄防止研修資料|受けてよいもの・断るべきもの
  15. 利益相反研修資料|副業・親族会社・取引先との関係を判断する
  16. 独占禁止法研修資料|競合他社との情報交換・カルテル・入札談合
  17. 取適法研修資料|旧下請法との違いと発注担当者の禁止行為
  18. フリーランス法研修資料|取引条件・支払・就業環境整備の実務
  19. 契約書研修資料|締結権限・押印・電子契約で失敗しないための基礎
  20. インサイダー取引防止研修資料|重要事実・情報伝達・家族名義の取引

本資料は、利益相反に関する一般的な解説・研修用教材であり、特定の事案に対する法的助言ではありません。利益相反の該当性、承認の要否、副業の可否、役員の取引の取扱いなどの最終的な判断は、自社の利益相反規程・副業規程・各種規程・承認フローおよび所定の手続に従い、必要に応じて社内の法務・コンプライアンス部門や専門家にご確認ください。本資料はそのまま完成版として使うものではなく、自社の規程・窓口・事例を補って運用することを前提としています。法令・ガイドラインは改正される場合があるため、利用前に最新の条文・公式資料をご確認ください。法令基準日:2026年6月18日。

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Legal GPTでは、企業法務・コンプライアンス分野の社内研修資料や確認テスト、講師用台本、チェックリスト等の作成に関するご相談を承っています。法務・総務・人事・コンプライアンスのご担当者が、社内でそのまま展開しやすい資料一式の制作を支援します。

作成をご相談いただける成果物
  • 研修用スライド
  • 講師用台本
  • 受講者向けハンドブック
  • 確認テスト
  • 解答・解説
  • ケーススタディ
  • 社内向けチェックリスト
  • FAQ
対応テーマの例
  • コンプライアンス研修
  • 個人情報保護研修
  • 情報セキュリティ研修
  • ハラスメント研修
  • 下請法・フリーランス法研修
  • 内部通報研修
  • インサイダー取引防止研修
  • 契約締結権限・稟議フロー研修
  • 景品表示法・広告表示研修

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