「情報セキュリティは情報システム部門の仕事」——そう考えていると、会社は守れません。標的型メール、フィッシング、ビジネスメール詐欺、端末の紛失、ランサムウェア。これらの多くは、特別なハッカーではなく、私たち一人ひとりの日常のメール操作・クリック・持ち歩きから始まります。本記事では、全社員向けの情報セキュリティ研修に使える資料一式(スライド・ハンドブック・確認テスト・解答・講師台本ほか全9点)を無料で配布します。自社の報告先・情報システム部門の指示・各種利用ルールを補充して、社内研修に使える形でまとめました。研修の核は2つだけ。「開く前に止まる」「隠さず・消さず・すぐ報告する」です。

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研修スライド(PowerPoint・全36枚)
導入ケースから標的型メールの見分け方、パスワード・MFA、端末紛失、ランサムの初動、5つのケーススタディ、行動原則・報告先まで。自社の報告先・ルールを補充すれば、研修本体として使えます。話者ノート付き。
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読んだだけで終わると、次の案件でまたゼロから考えることになります。

社内説明の文面も、確認メモも、AIへの指示文も、毎回イチから。用途別に実務ツールを確認できます。

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この研修で扱うこと・扱わないこと

本研修は、メール・スマートフォン・PC・クラウドを使うすべての従業員を対象にした「日常のセキュリティ行動」の研修です。難しい技術設定の暗記ではなく、迷ったときに「開かない・入力しない・承認しない・すぐ報告する」を選べるようになることを目指します。一方で、次の論点はシリーズの他の回が主担当です。重複を避け、本記事では深入りしません。

個人情報そのものの取扱い・漏えい時の通知:第9回(個人情報保護研修)が主担当です。
生成AIの利用ルール・著作権・誤情報:第11回(生成AI利用研修)で扱います。
SNSの私的利用・職場撮影・炎上:第12回(SNS利用研修)で扱います。
営業秘密の3要件・退職時の持出し:第13回(営業秘密・機密情報管理研修)で扱います。

標的型メール・フィッシング・ビジネスメール詐欺

メールは最も身近な攻撃の入口です。標的型メールは業務に紛れた件名で添付やリンクを開かせ、フィッシングは本物そっくりのログイン画面でID・パスワードを盗み、ビジネスメール詐欺(BEC)はなりすましで送金や振込先変更をさせます。共通点は「急がせる・不安にさせる・正規に見せかける」こと。冷静に立ち止まれば、多くは防げます。

不審メールを見分ける6つのポイント

見るところ確認すること
① 差出人アドレス表示名ではなく実際のアドレス・ドメインを見る(1文字違いに注意)
② リンク先URLクリック前にカーソルを当て、表示先ドメインが正規か確認
③ 急かす表現「本日中」「至急」など、焦らせる文面ほど慎重に
④ 添付ファイル心当たりのないZIP・文書・実行ファイルは開かない
⑤ QRコードメール内のQRも安易に読み取らない
⑥ 依頼の内容送金・振込先変更・認証情報の要求は要警戒
見た目だけで判断しない

「不審メールは見た目で必ず見分けられる」「差出人名が取引先なら安全」は誤りです。差出人名は簡単に偽装でき、巧妙なものは見抜けないこともあります。一つでも違和感があれば、メールで返信せず、既知の電話番号など別経路で確認してください。

開く前・入力前・送金前の行動

やってはいけない
メール内リンクをすぐクリックする
ZIP・文書をそのまま開く
「コンテンツの有効化(マクロ)」を押す
メールだけで送金・振込先変更を処理する
こうする
URL・ドメインを目視で確認する
心当たりのない添付は開かない
ログイン画面はURLが正規か確認する
別経路で確認し、社内承認ルートを通す

万一、添付を開いた・パスワードを入力した・承認してしまった場合も、「閉じたから」「すぐ変えたから」と自己判断で報告を省かないでください。状況を控えて、すぐ報告することがいちばんの被害最小化です。

パスワードとMFA(多要素認証)

同じパスワードの使い回しは、1か所漏れると同じパスワードの他サービスまで一気に破られます(パスワードリスト攻撃)。サービスごとに違うパスワードにし、文字数・更新頻度・管理ツールなどの具体は自社ルールに従ってください。

MFAの承認は「相手にドアを開ける行為」

MFAは乗っ取りを大きく防ぎますが、万能ではありません。攻撃者が深夜に承認通知を何度も送りつけ、うんざりさせて承認させる「MFA疲労攻撃」があります。身に覚えのない承認通知は「拒否」が原則。拒否したうえで報告し、もし押してしまったら、すぐ報告してパスワード変更・ログ確認を依頼してください。

端末・スマホの紛失とランサムウェアの初動

紛失は「探すより先に報告」

PC・スマホ・USBの紛失で最もやりがちな失敗は、「翌朝まで自分で探してから報告」「ロックしているから大丈夫と放置」「私物だから黙っておく」です。画面ロックは突破までの時間稼ぎにすぎず、クラウドにログインしたままなら被害はさらに大きくなり得ます。気づいた時点で即報告し、リモートロック・ワイプ・停止を依頼し、個人情報・機密が含まれるかも申告してください。

ランサムウェアの疑い ── 独断で操作しない

現場の判断でしてはいけないこと

慌てて再起動・電源の入れ直しをする/端末を初期化する/暗号化ファイルや不審なファイルを削除する/現場判断で身代金を支払う。これらは復旧や原因究明を妨げ、証拠を消すおそれがあります。画面をそのまま保全し、電源・ネットワーク操作は自社ルール・情報システムの指示に従い、セキュリティ担当へ即時報告してください。

事故が起きたときの初動フロー

全体を貫く原則は「隠さず・消さず・すぐ報告」。報告して怒られることはありません。隠して発見が遅れることが、最も会社に損害を与えます。

① 気づく:不審・異常・紛失・誤操作に気づく。
② 止める:開かない・押さない・消さない。
③ 保全する:画面・メール・状況を写真やスクリーンショットで残す。
④ 報告する:上長・情報システム・セキュリティ担当へ伝える。
⑤ 正直に伝える:既に開いた・入力した・承認した事実も隠さない。
⑥ 指示に従う:隔離・変更・確認を所定の手順で行う。

研修資料をダウンロード(全9点・無料)

スライドに加えて、配布・演習・確認・運営に使える資料を用意しました。自社の報告先や運用ルールに合わせて、配布前に該当箇所をご記入ください(資料には実在の連絡先は記載していません)。

初動対応ツールキット(Word)
不審メール・端末紛失・ランサム疑いの初動フロー、インシデント報告・初動記録シート、再発防止・是正シートをまとめた実務キット。報告書式の記入演習にも使えます。
ツールキットをダウンロード
日常行動チェックリスト(Word)
メール・リンク・添付/パスワード・MFA/端末・USB・スマホ/クラウド・リモート/送金・振込先変更の5領域。印刷して手元に置き、毎日の確認に。
チェックリストをダウンロード
ケースワークブック(Word)
標的型メール、フィッシング、MFA疲労攻撃、振込先変更、端末紛失、ランサム疑い、シャドーIT、リモート漏えいの8ケース。各ケース9つの論点でグループ演習ができます。
ワークブックをダウンロード
資料形式ダウンロード
研修スライド(全36枚・話者ノート付き)PPTXダウンロード
情報セキュリティ ハンドブック(全社員携帯版)Wordダウンロード
確認テスト(全12問・解答なし)Wordダウンロード
確認テスト 解答と解説(対応スライド番号付き)Wordダウンロード
講師台本(スライド進行+想定Q&A+拡張演習)Wordダウンロード
研修運営ガイド(企画・準備・運営・フォロー)Wordダウンロード
社外送信・クラウド共有・添付ファイルの事故を、送る前に止める

誤送信や共有設定ミスは、「送る前・共有する前」のひと呼吸で多くが防げます。送信前・共有前の確認を習慣づけるための無料チェックシートをご用意しています。なお、このシートだけで事故が完全に防げるわけではありません。自社ルールや情報システム・法務の確認と併せてご利用ください。

社外共有前チェックシートを見る

あわせて使える法務・情報管理ツール

LegalOS マスキングツール

共有・提出前に、文書内の個人情報・機密箇所をマスキングする作業を支援します。

詳しく見る
情報管理 × AI法務ハブ

情報管理とAI活用に関する法務向けプロンプト・ツールをまとめたハブページです。

ハブを見る
法務実務ツール一覧

契約・審査・押印・コンプライアンスなど、実務で使えるツールの一覧です。

一覧を見る

参考資料(公的機関)

シリーズ「法務・総務のための社内研修資料20選」一覧
第10回・本記事情報セキュリティ研修資料|標的型メール・パスワード・端末紛失

本記事および各資料は、一般的な情報提供を目的としたもので、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載は法令・制度基準日(2026年6月18日)時点の情報に基づきます。実際の運用にあたっては、自社ルール・情報システム部門の指示に従い、必要に応じて専門家にご確認ください。本研修だけでセキュリティ体制が完成するわけではなく、日々の行動と継続的な訓練と合わせてご活用ください。

業務委託のご相談

社内研修資料作成のご相談について

Legal GPTでは、企業法務・コンプライアンス分野の社内研修資料や確認テスト、講師用台本、チェックリスト等の作成に関するご相談を承っています。法務・総務・人事・コンプライアンスのご担当者が、社内でそのまま展開しやすい資料一式の制作を支援します。

作成をご相談いただける成果物
  • 研修用スライド
  • 講師用台本
  • 受講者向けハンドブック
  • 確認テスト
  • 解答・解説
  • ケーススタディ
  • 社内向けチェックリスト
  • FAQ
対応テーマの例
  • コンプライアンス研修
  • 個人情報保護研修
  • 情報セキュリティ研修
  • ハラスメント研修
  • 下請法・フリーランス法研修
  • 内部通報研修
  • インサイダー取引防止研修
  • 契約締結権限・稟議フロー研修
  • 景品表示法・広告表示研修

本サービスは、社内研修・社内説明用資料の作成および情報の一次整理を行うものであり、弁護士業務、法律相談、紛争対応、交渉代理、個別案件に関する法的意見の提供、契約書レビュー代行を目的とするものではありません。個別の法的判断が必要な場合は、弁護士その他の専門家にご相談ください。

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